こんにちは。世田谷区の数学学習コンサルタント鈴木です。
本日は確率について、考えていきたいと思います。
難関都立を受ける場合、確率の問題が大問として出題されることはないのですが、小問として出題されます。
小問ではあるものの、問題文を読むと、少し難しい印象があります。
が、あることをすると、割と簡単に解ける問題が多くあることに気づきます。
一つ一つ見ていきますね。
平成30年度日比谷高校の過去問から
問題がこちらです。
1 から 6 までの目が出る大小 1 つずつのさいころを同時に 1 回投げる。 大きいさいころの出た目の数を x,小さいさいころの出た目の数を y とするとき, x ≧ 2y または y ≧ 3x の少なくとも一方が成り立つ確率を求めよ。 ただし,大小 2 つのさいころはともに,1 から 6 までのどの目が出ることも同様に 確からしいものとする。
毎度おなじみ、大小のサイコロが出てくる問題です。
しかも、同時に投げるとありますね。
このときはもう、最初にこれを求めましょう。
全部で何通りあるのか?
大きい方が1の目が出て、小さい方が3の目が出て・・・
という考え方から、数の組み合わせとして、36通りの出方があります。
ですので、まずは確率の分母が36であることは確かです。
ここから、 x ≧ 2y または y ≧ 3x になるのはどんな場合なのかを考えていくのですが、私も最初は、一つ一つ数を当てはめて・・・
とやっていくのかな?
と思ったのですが、3回ほどこの操作をやってみて、気づきました。
表を書いたら早く、しかも分かり易い!
手書きの表ですいません。
大小のサイコロの関係がすぐに分かり、大きい方と小さい方の目が、それぞれいくつのときに、問題文に書かれていることと一致するのかが、一目で分かります。
あとは、問題文の言いまわしに注意して下さい。
「~または・・・の少なくとも一方」とは??
x ≧ 2y または y ≧ 3xとありますが、これは極めて数学的な表現ですね。
もう少し具体的に言うと
x ≧ 2y のときでも良いし、 y ≧ 3xのときでも良い
ということなのです。
上の表で、〇がついているところを、素直に数え上げれば良いわけです。
左右の表を見比べてみて、少し細かいですが、注意するポイントがあります。
〇がかぶっているところはないか?
x ≧ 2y を満たすのは9通り、 y ≧ 3xを満たすのは5通りあるのですが、どちらも満たしているものがあるとすれば(つまり、〇がかぶっているところがあれば)、単に14通りというわけには、いかないですね。
この問題の場合は、かぶっている〇がないので、9+5で14通りと答えて構いません。
ということで、求める確率は14/36=7/18、ですね。
まとめ
このほか、都立青山高校、国立高校などの問題で、表を書いたら分かり易く解ける問題が、いくつか見られました。
青山高校の問題はこちらから
国立高校の問題はこちらから
青山高校の入試問題を解くときに考えた表がこちらです。
青山高校の問題は、1次関数のグラフが交わるとき、交わらないときとは、具体的にどんなときなのかを考える必要があるのです。
国立高校の問題を解くときに考えた表も、載せておきます。
国立高校の問題は、なかなか面白くて、袋の中に1から8までの数字が書かれたカードがあって、その中から1枚取り出し、もう一度そのカードを戻し、さらにもう一度袋の中から取り出すという問題でした。
1回目に出た数をm、2回目に出た数をnとするとき、900/√mnが整数になる確率を求めるわけですが、そもそも、√そのものが整数にならなければいけないわけです。
mnが何かの2乗になりさえすれば良く・・・。
そうすると、表の中に、〇と✖がどんどん入っていく・・・。
しかし、最後に気をつけることが一つあって、900を割るときに、整数にならないとダメなのです。
上の表にある2重マルは、√そのものが整数になり、かつ900を割ったときにも整数になる場合を示しています。
確率は、場合の数の問題として、どうやったら分かり易く、知りたい場合のことを知ることができるのかを、考えていくことが大事です。
その典型的な考え方として、表を書くという技があります。
2つのサイコロ、2つの整数、と問題文にあったら、表を書いてみることをお勧めします。