こんにちは。世田谷区のプロ家庭教師、数学専門の鈴木です。
学年が切り替わる時期には、前の学年で習った単元の復習や、これから習う単元の予習をしたいと考えているご家庭も多いのではないでしょうか。
特に、中学2年から中学3年になる生徒さんの場合、公立中学に通う生徒さんであれば、高校受験を念頭に置いた勉強に、そろそろシフトしていかなければいけませんし、私立の中高一貫校の生徒さんであれば、この時期はもう既に、中学で習うことが、一通り終わりかけていることもあります。
そこで今回は、中学2年から中学3年へと移行する段階において、数学に苦手意識を持っている生徒さんが、ぜひとももう一度勉強しておいた方が良い単元の一つである文字式について書いていきます。
文字式の計算
中学3年で一番初めに習うことは、式の展開や因数分解です。
この単元を理解するには、中学2年で習った式の計算の中でも、分配法則に関することが理解できている必要があります。
カッコの前のマイナスに注意する
生徒さんのミスを見ていて多いのが、カッコが付いた計算式の前にマイナスの符号があるときに、マイナスの符号がどこにつくのかが分からないままになっているということです。
こんなミスをしているのです。
(a+b)-(2a-3b)=a+b-2a-3b
この計算式はどこがまずいのかを、お話しますね。
マイナスは全てにかかる
上の式を見てみると、カッコをはずしたときに、第2項目の式の中にある「2a」の前にマイナスがあるのは良いのですが、3aの前の符号はマイナスになったままですね。
文字式の計算ミスをする生徒さんは、数字や文字の前にあるマイナスの符号を無視したまま計算していることがよくあります。
途中式は最初は丁寧すぎるくらい書く
文字式において計算ミスを防ぐためには、やはり途中式を丁寧に書くことが大事です。
上の例で言えば
(a+b)-(2a-3b)=(a+b)+(-1)×{2a+(-3b)}
=(a+b)+(-2a+3b)
={a+(-2a)}+(b+3b)
=-a+4b
という具合に書いていくのが良いでしょう。
上に書いた途中式の中には、数学の計算を行っていく上で大事なことがいくつか隠れているので、説明していきますね。
引き算は足し算に直す
正負の数の加法、減法では、減法は加法に直して計算するのが分かり易かったのではないでしょうか。
例えば7-9という式があったら、この式は
7+(-9)
という形に直すことができるわけです。
文字式でもそれは同じで、上の例で言うと
2a-3b=2a+(-3b)
としている部分のことです。
カッコの前のマイナスは「(-1)×」を意味する
上の式においては-(2a-3b)という項が出てくるのですが、結論から言うと、これは
(-1)×(2a-3b)
のことです。
つまり、この式に限らずどの式についても言えることは
カッコの前にマイナスがあったら、それは後に続くカッコ全体に、マイナス1をかけること
なのです。
この記事のまとめ
いかがでしたか?
普段お子さんが使っているノートや、返ってきたテストなどを見てみて
つまんない計算ミスをしている
ここに書いてあることと、全く同じミスをしている
途中式の書き方はほとんど意識したことがない
と思った方は、この記事もご参考に
子どもは計算の途中で、どんなことが原因で計算ミスをしているのか
に着目して、この記事中にも書いた
マイナスの符号が意味すること
カッコが付いた計算式の考え方
加法(足し算)と減法(引き算)の関係
など、本来数学を学んでいく上で、多くの生徒さんが気にしないけれども、実は非常に大切な部分が抜けていないかを意識しながら、次の学習につなげていただければと思います。