予習シリーズ4年生算数 上巻第1回のかけ算とわり算について

中学受験を目指すご家庭にとって、4年生の学習は基礎固めの重要な時期です。

特に「予習シリーズ4年生(上巻)」の第1回では、算数の基本である「かけ算とわり算」をしっかりと学ぶことになります。

この単元は今後の学習の土台となるため、確実に理解し、スムーズに演習問題が解けるようになることが大切です。

本記事では、第1回の内容について詳しく解説し、効果的な学習法やつまずきやすいポイント、理解を深めるコツをご紹介します。

また、類題とその解答も用意しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

予習シリーズ4年生(上巻)第1回で学ぶこと

「予習シリーズ4年生(上巻)」の第1回では、「かけ算とわり算」の基礎をしっかり学びます。

すでに3年生までに習った基本的な計算方法を復習しつつ、より大きな数の計算や、効率的に計算する工夫も学んでいきます。

特に、文章問題では「かけ算・わり算の意味」を正しく理解し、問題の条件から式を立てる力をつけることが求められます。

この単元をしっかりとマスターすることで、今後の分数・小数の計算や割合の学習にもスムーズに進むことができます。

ここでは、「かけ算の基本と計算の工夫」「わり算の基本と商の求め方」、「計算力を高める練習方法」の3つの視点から、第1回の学習ポイントを詳しく見ていきましょう。

かけ算の基本と計算の工夫

かけ算は「同じ数の繰り返し」を表す計算です。

4年生では、一桁×二桁のかけ算だけでなく、二桁×二桁や三桁×三桁の計算も扱うようになります。

たとえば「56× 24」 のような計算問題は「ひっ算で書かれていなくてもひっ算する習慣」を身につけましょう。

小4の時点で暗算はおすすめできません。

計算の工夫
たとえば、大きな数のかけ算では「ゼロを後でつける」方法も有効です。

例:「9500 × 280」

  1. まず、95 × 28 を計算する
  2. 計算結果に「0」を3つ加える

このような工夫を身につけると、計算スピードが向上し、筆算のミスも減らせるようになります。

わり算の基本と商の求め方

わり算は「等しく分ける」「何倍かを求める」計算です。

小学校4年生では、3年生で学んだ「一桁で割る」わり算から、「二桁・三桁で割る」わり算に進んでいきます。

たとえば、「306 ÷ 9」 のような問題では、商と余りを正しく求めることが大切です。

基本の筆算手順は次のとおりです。

  1. 左の位から順に見て、割られる数が割る数以上になっているか確認する
  2. 1桁目または2桁目に分けて考え、商を立てる
  3. 引き算をして余りがあるか確認する

商の求め方と工夫
大きな数を割る場合、次のような工夫をすると計算しやすくなります。

例:「29300 ÷ 520」
このような大きな数の割り算では、まず 割る数を近い簡単な数に変換して考える 方法があります。

  1. 520 を「500」に近い数と考えて試しに計算する
  2. だいたいの商を見つけたら、誤差を調整する

このように、わり算では「おおよその見当をつける」ことが重要です。

これを繰り返すことで、計算の精度が上がります。

計算力を高める練習方法

1. 毎日短時間で計算練習をする
計算力をつけるには、短時間でも毎日継続することが大切です。

1日10分でもよいので、かけ算やわり算の筆算問題を解く習慣をつけましょう。

2. 計算の工夫を意識する
単に筆算を繰り返すだけではなく、「どうすれば速く正確に解けるか?」を考えることが大事です。

分配法則やゼロを後でつける方法など、効率的な計算方法を意識して解くことで、正確性が向上します。

3. 計算ミスの原因を分析する
「計算ミスを減らすにはどうすればよいか?」を考えることも大切です。

例えば、次のような点を意識するとミスを防ぐことができます。

  • 位をそろえて書く
  • 筆算で繰り上がり・繰り下がりに注意する
  • 計算後に逆算して答えをチェックする

これらの練習を続けることで、「計算力」だけでなく、「計算の正確性」や「問題を解くスピード」も向上していきます。

学ぶ際の注意点とつまずきやすいポイント

「予習シリーズ4年生(上巻)」第1回の「かけ算とわり算」は、計算の基本をしっかり身につけるための重要な単元です。

しかし、この単元でつまずくお子さんも多く、特に「大きな数の計算」「わり算のあまりの扱い」「文章問題の解釈」で間違いやすいポイントがあります。

ここでは、計算ミスを防ぐ方法わり算のあまりの考え方文章問題を解くコツについて解説し、スムーズに学習を進めるためのポイントを紹介します。

大きな数の計算ミスを防ぐ方法

1. 位取りを正しく意識する
大きな数のかけ算やわり算では、「桁の位置を間違える」ミスがよく起こります。

特に、筆算で繰り上がりや繰り下がりがある場合、一の位・十の位・百の位がズレてしまうことがあります。

ミスを防ぐポイント

  • 1桁ずつしっかりと確認しながら書く
  • 途中の計算結果をノートに丁寧に書き出す
  • 計算後に「見直し」を習慣化する

対策

  • かける数が2桁以上のとき、筆算の「ずらし」に注意する
  • 「部分積」を書くときに指で一つ下の桁を確認する

2. 途中の計算を分解する
大きな数のかけ算では、一気に筆算を解こうとするとミスが増えます。

分解して考えると、より正確に解けます。

例:「2300 × 280」

  1. 「45 × 28」を計算(ゼロを省く)
  2. 計算結果に「ゼロを後で追加する」

こうすると、桁ズレのミスを防ぎやすくなります。

わり算のあまりの考え方

1. あまりの意味を理解する
わり算の答えには、「割り切れる場合」と「余りが出る場合」があります。

余りがあるとき、「その余りをどのように扱うか」が重要なポイントになります。

余りを活用する問題の例
問題:「150人の生徒を1台32人乗りのバスに乗せると、バスは最低何台必要か?」

誤った答え:「150 ÷ 32 = 4 あまり 22 だから、4台」
正しい答え:「22人あまるので、4台では足りず、もう1台必要なので、5台

このように、余りを無視すると誤答につながります。

「余りがある場合の処理」をしっかり考えることが大切です。

余りの処理のパターン

  1. 切り捨てる場合(例:何回できるか?)
  2. 繰り上げる場合(例:必要なバスの台数)
  3. そのまま使う場合(例:何本余るか?)

2. わり算の途中式を大切にする
わり算で桁の大きい数を扱う場合、途中の計算ミスを防ぐために「何回割れるか?」を正確に見極めることが大事です。

ミスを防ぐポイント

  • まず「見当をつける」計算をする
  • 商を立てるときに、実際に掛け算して確認する
  • あまりが出る場合、問題の条件に沿って処理を決める

文章問題で計算式を立てるコツ

1. 問題文の中の「式に置き換えられる言葉」に注目する

文章問題が苦手な子の多くは、「計算式をどう作ればいいのか」が分かりにくいことが原因です。

そのため、問題文を日本語の部分と数値の部分に分けると理解しやすくなります。

例題:「84本のリボンを7人で同じ本数ずつ分けました。1人がもらうリボンは何本ですか?」
👉 「~ずつ分ける」 = わり算を使う
👉 式:84 ÷ 7 = □

このように、「問題のキーワード」 から計算方法を判断できるようにしましょう。

2. 問題の場面をイメージする
文章問題では、「数の関係を頭の中でイメージすること」が重要です。

特に、かけ算とわり算の違い をしっかりと理解することが大切です。

かけ算の例:「1人285円の参加費を31人分集めました。合計何円ですか?」
👉 1人分 × 人数 = 合計(かけ算)
👉 285 × 31 = □

わり算の例:「275本のえんぴつを1人13本ずつ配ったら15本余りました。何人に配りましたか。」
👉 1人あたりの本数 × 人数 + 余り = 合計
👉 13 × □ + 15 = 275

このように、文章問題では「式を作る練習」を積み重ねることが大切です。

3. 実際に絵や図を書いて考える
「計算式が分からない!」という場合は、紙に簡単な図や表を書いてみると、数の関係が整理しやすくなります。

まとめ
日本語のキーワードから計算式を考える
場面をイメージしながら式を作る
難しいときは絵や図を使う

理解を深めるコツとポイント

「かけ算とわり算」をしっかり理解するためには、ただ解くだけではなく、「計算の習慣化」や「問題をイメージする力」を身につけることが重要です。

また、スピードと正確性を向上させることも、中学受験を考えるうえで大切なポイントになります。

ここでは、「計算練習の習慣化と工夫」「文章問題をイメージでとらえる方法」「問題を解くスピードと正確性を向上させるには」の3つの視点から、理解を深めるためのコツをご紹介します。

計算練習の習慣化と工夫

1. 毎日の計算練習を習慣にする
計算力は「日々の積み重ね」で向上します。

特にかけ算とわり算は、多くの単元の基礎になるため、毎日少しずつでも計算練習をすることが重要です。

効果的な計算練習のルール

  • 1日10分でもOK!短時間でも継続する
  • 毎回5〜10問程度、集中して解く
  • 間違えた問題は、もう一度解き直す

2. 計算の工夫を活用する
かけ算やわり算では、筆算だけでなく「暗算の工夫」も大切です。

工夫の例

  • かけ算の分配法則を活用する
    例:「37 × 3」 → 「(30 × 3) + (7 × 3)」に分けて計算
  • 大きな数のわり算で、ゼロを外して考える
    例:「4500 ÷ 50」 → 「450 ÷ 5」に変換

このように、計算を工夫することで、スムーズに解けるようになります。

文章問題をイメージでとらえる方法

1. 「場面」を頭の中で思い描く
文章問題が苦手な場合、数字だけを追うのではなく、「どんな場面なのか?」を考えることが大切です。

👉 ポイント

  • 「1人あたり〇〇」「××人では~」のような文章はかけ算
  • 「~ずつ分ける」などはわり算
  • 単位を意識するとミスが減る

2. 図や表を活用する
問題文だけでは理解しにくい場合、図や表を書くと整理しやすくなります。

👉 ポイント

  • 実際に人やものを描く
  • 常に「何個」「何人」などと数える
  • 図に数値を入れる

このように、数の関係を整理することで、問題を正しく理解できるようになります。

問題を解くスピードと正確性を向上させるには

1. スピードを上げるための工夫
中学受験では、制限時間の中で正確に問題を解くことが求められます。

スピードを上げるために、次の方法を試してみましょう。

時間を意識した計算練習

  • 10問の計算問題を「3分以内」に解く
  • 制限時間を設けて、時間内に終わらせる練習をする

暗算力を鍛える

  • かけ算やわり算を筆算ではなく「暗算」で解く練習をする
  • 例えば、「12 × 25」を「300」と瞬時に計算する練習をする

2. 正確性を高めるための工夫
スピードを意識するとミスが増えることがあります。

そこで、正確性を保つために、次のポイントを実践しましょう。

見直しの習慣をつける

  • 筆算の桁ずれがないかチェックする
  • わり算の商を掛け算で検算する
  • 文章問題は「単位」をつけて考える

問題を解いた後、答えを逆算して確かめる
例えば、「126 ÷ 9 = 14 あまり 0」と答えた場合、
👉 「9 × 14 = 126」になるかを確認する

このように、逆算することで計算ミスを防ぐことができます。

予習シリーズ第1回の類題

ここでは、「かけ算の計算問題」「わり算の計算問題」「文章問題」の3つの分野について、数値を変更した類題を作成しました。

これらの問題を解くことで、第1回の内容をより深く理解し、計算力を高めることができます。

1. かけ算の計算問題(類題)

  1. 45 × 4
  2. 612 × 18
  3. 3,800 × 250
  4. 129 × 32
  5. 725 × 46

2. わり算の計算問題(類題)

  1. 144 ÷ 8
  2. 378 ÷ 27
  3. 31,500 ÷ 450
  4. 216 ÷ 12
  5. 18,200 ÷ 650

3. 文章問題(類題)

1. お金を集める問題
子ども会の参加費として、1人275円ずつ40人から集めました。集まったお金は全部で何円ですか。

2. ものを分ける問題
105本の鉛筆を7人で同じ本数ずつ分けました。1人がもらう鉛筆は何本ですか。

3. バスの台数を求める問題
5年生168人がバスに乗って遠足に行きます。1台のバスには36人まで乗ることができます。バスは少なくとも何台必要ですか。

4. 買い物とおつりの計算
たけし君は2,000円を持って買い物に行き、1個75円のミカンを18個買いました。ミカンの代金は何円ですか。また、残ったお金はいくらですか。

5. 色えんぴつを配る問題
クラスで320本の色えんぴつを用意しました。クラスの生徒に1人に15本ずつ配ったところ、20本あまりました。生徒は何人いますか。

6. 宿題の問題
けんた君は、宿題を毎日21題ずつ解いたところ、ちょうど4週間で解き終わりました。宿題は何題ありましたか。また、宿題をちょうど3週間で解き終わるためには、毎日何題ずつ解けばよいですか。

まとめ

かけ算とわり算は、今後の算数の学習においてとても重要な単元です。

ここで学ぶ計算の基本や、文章問題の考え方は、5年生・6年生の応用問題へとつながっていきます。

今回の記事では、「学ぶべき内容」「注意点」「理解を深めるコツ」「類題とその解答」について詳しく解説しました。

最後に、学習のポイントをもう一度おさらいしましょう。

計算の基本をしっかり固める
かけ算では計算の工夫(分配法則・桁の処理)を意識し、わり算では商とあまりの考え方を理解することが大切です。大きな数の計算では、筆算の位取りに注意してミスを防ぎましょう。

文章問題は「イメージ化」して考える
文章問題では、日本語のキーワードをヒントに計算式を立てることが重要です。分かりにくい場合は、図や表を活用して整理すると、スムーズに解けるようになります。

計算練習を習慣化し、スピードと正確性を向上させる
中学受験では、速く正確に解く力が求められます。毎日短時間でも計算練習を続けることで、スピードと正確性を向上させましょう。計算ミスを防ぐために、答えを逆算して確認する習慣をつけることも大切です。

類題に挑戦し、応用力を身につける
記事内で紹介した類題に取り組むことで、問題のパターンをつかみ、柔軟に対応する力を養うことができます。特に、文章問題はさまざまな条件で練習することで、解く力が身につきます。

ご家庭での学習の際に、今回の記事が少しでもお役に立てば幸いです。

今後も、予習シリーズの解説記事をお届けしますので、ぜひチェックしてみてください!

算数が苦手、数学が苦手という方に向けて、随時無料相談を行っております。

算数・数学の個別指導歴15年のプロ家庭教師の鈴木が、お子様の算数の学習に関するお悩みを解決すべく、随時無料の相談を行っております。

「成績を上げたいけれどうまくいかない」「家庭教師指導をお願いしたい」などのご相談事がありましたら、以下のフォームよりお問合わせ下さいませ。



      

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です