【中学受験算数】典型的な比の文章問題について簡単に解説

中学受験の算数では、「比」を使った文章題が頻出です。

特に「お金のやり取り」や「人数の変化」など、ある変化によって比が変わるタイプの問題は、出題されやすく、かつ解法に慣れていないと戸惑ってしまいがちです。

今回はその中でも定番の、「お金の比が変化する」問題を例に取り上げ、考え方のポイントと解き方の手順をわかりやすく解説します。

所持金の比が変化する問題をどう読み解くか?

「比が変わっても合計は変わらない」に注目するのがカギ!

このタイプの問題で最も重要なポイントは、比が変化しても「合計金額」は変わらないという点です。

たとえば、以下のような問題を考えてみましょう。

問題
はじめ兄と弟の金額の比は3:1でしたが、兄が弟に1100円を渡したので、所持金の合計は4:5になりました。はじめ兄はいくら持っていましたか?

この問題は、以下のステップで解くことができます。

ステップ①:合計金額に注目する

お金のやりとりがあっても、「兄弟の合計金額」は変化しません。

つまり、「お金を渡す前」でも「お金を渡した後」でも、兄弟の合計金額は同じということになります。

ステップ②:比の合計をそろえる

最初の兄弟の所持金を「合計した金額」を比として表すと3+1=4、渡した後の「合計した金額」を比として表すと4+5=9となります。

この2つの比の数字が指す金額は同じなので、4と9の最小公倍数である36に比をそろえます。

すると

  • はじめの兄の金額:36のうちの4分の3 → 27
  • お金を渡したあとの兄の金額:36のうちの9分の4 → 16

つまり、渡した金額にあたる「比の差」=27−16=11
この11が実際の金額で1100円に対応するため、1あたりは100円となります。
よって、はじめの兄の金額は100円×27=2700円となります。

まとめ

このように、比の変化に注目して「合計をそろえる」ことが、比の文章題を攻略するコツです。

問題の構造をしっかり読み解いて、落ち着いて比を操作できるようになりましょう。

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