中学受験本番まで、残りわずか3か月。
この時期は「まだできていない」「間に合うのか」と不安が増しやすく、親も子も心が揺れがちです。
ですが、最後の3か月でやってはいけないのは、次の3つです。
- できないことばかり目について焦ること
- 難しいことばかり教わって問題演習ができないこと
- 親子・家族の関係がギクシャクしてしまうこと
この記事では、塾に通うご家庭・家庭学習中心のご家庭どちらにも役立つ、「心を整えながら成績を伸ばす」3か月間の過ごし方と具体策を紹介します。
「できないこと」ばかり見て焦らない
焦りが「理解」を止める
この時期、模試や過去問でのミスに敏感になりがちです。
しかし焦りは「思考の質」を下げ、できる問題まで間違える原因になります。
焦りを感じたら「何ができていないか」よりも、「何をやればできるようになるか」に意識を切り替えることが大切です。
【共通対策】“できた”を見える化するノート術
焦りを抑えるには、「できたこと」を積み上げていくのが効果的です。
- 間違いノートに「克服済」スタンプを押す
- 「できた単元リスト」を壁に貼る
- 模試後に「前回よりできた単元」をチェック
このように「見える化」することで、子ども自身が「成長している自分」に気づけます。
「難しいことばかり教わる」状態から抜け出す
塾併用型の場合
塾の授業が高度化する時期ですが、理解があいまいな単元を残したまま進むと“穴”が広がります。
おすすめの流れ
- 授業後すぐに「今日の復習」だけを短時間で確認(15分)
- 間違いの原因をメモする
- 週末にその単元を再演習
塾任せにせず、“授業内容を自分の言葉で説明できるか”を確認するのが鍵です。
家庭学習中心型の場合
新しい問題集に手を出すより、今まで使ってきた教材を100%にすることが大切。
- 例題・類題・節末問題を繰り返す
- 過去問は「志望校の傾向分析」として使う
- わからない問題は「図・式・言葉」で整理してから解説を見る
“新しいこと”より“できるようになったこと”を増やしましょう。
【チェックリスト】
☑ 習った内容を自分の言葉で説明できる
☑ 同じ問題を3回解いて3回正解できる
☑ ノートが整理されている
☑ 「なぜそうなるか」を言語化できる
すべてYESになれば、本番で力を発揮できる準備は万全です。
「親子関係・家庭の雰囲気」を壊さない
親の焦りは子どもに伝染する
親が焦るほど、子どもは安心感を失います。
この時期ほど、親が“落ち着いた空気”をつくることが合格の近道です。
【親向け】サポートチェックリスト
チェック項目 | 内容 |
---|---|
□ 勉強を“見守る時間”を持てている | 教えすぎず、自立を促す |
□ 叱るより“承認の言葉”が多い | 小さな努力も認める |
□ 家族全体で受験を支えている | 「合格はみんなの目標」と伝える |
□ 食事・睡眠・笑顔を大切にしている | 生活リズムが安定している |
親子それぞれの3か月スケジュールテンプレート
〈子ども向け〉3か月スケジュール
時期 | やるべきこと | 学習のポイント |
---|---|---|
10月中旬〜11月 | 苦手単元の総復習 | 「理解できた」より「解ける」に変える |
11月〜12月初旬 | 志望校別過去問の1周目 | 出題傾向をつかむ・ミスを分析 |
12月〜1月 | 弱点補強+過去問の2周目 | 得点を安定させるトレーニング |
毎週末には“振り返りノート”を作り、
・できた単元
・要復習単元
・来週の目標
を簡単に整理すると、3か月後の成長が明確に見えます。
〈保護者向け〉3か月サポート計画
時期 | 意識すること | 声かけ・行動例 |
---|---|---|
10月 | 子どもの学習ペースを把握 | 「この単元、前よりスムーズになったね」 |
11月 | 模試・過去問のフォロー | 「点より“伸びた部分”を一緒に見よう」 |
12月〜1月 | 生活リズム・メンタル維持 | 「体調第一、今日は早めに寝よう」 |
この3か月で最も大事なのは、「親が子の味方であり続けること」です。
焦らず、“一緒に乗り越える”姿勢を見せましょう。
親の声かけフレーズ集
① 承認の言葉(努力を認める)
- 「ここまで続けてるの、ほんとにすごいよ」
- 「疲れても投げ出さないのが立派だね」
- 「昨日よりも解くスピードが上がったね」
✅ ポイント:結果ではなく「過程」を褒めることが、やる気を持続させる。
② 励ましの言葉(気持ちを支える)
- 「大丈夫、今までの努力は必ず力になってるよ」
- 「この問題、前より手が動いてるね」
- 「わからない時こそ、考える力が育ってるよ」
✅ ポイント:「頑張れ」ではなく、「信じてる」「見てるよ」と伝える。
③ 安心の言葉(家庭の安全基地に)
- 「どんな結果でもあなたのことが大切だよ」
- 「受験はゴールじゃなくてスタートだね」
- 「今日もよく頑張ったね。ごはんにしよう!」
✅ ポイント:一番の安心は「無条件の受け入れ」。
合格よりも、子どもの自己肯定感を守ることを意識しましょう。
直前期を乗り切る理想スケジュール
時間帯 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
朝(6:30〜7:30) | 計算・漢字など軽いウォームアップ | 成功体験で一日を始める |
午前(9:00〜12:00) | 苦手単元の演習 | 集中力が高い時間に克服 |
午後(13:30〜17:00) | 過去問・応用演習 | 実戦感覚を身につける |
夜(19:00〜21:00) | 復習と振り返り | 「できたこと」で一日を締めくくる |
よくある質問
Q1:この時期に新しい教材を買うのはNGですか?
A:基本的には避けましょう。使い慣れた教材を完璧にする方が効果的です。
Q2:親がつい口出ししてしまいます。
A:「解かせる→説明させる→聞く」姿勢を意識しましょう。教えるより“聴く”が成績を伸ばします。
Q3:模試の結果が下がって子どもが落ち込んでいます。
A:結果よりも「前回より何ができたか」に注目を。
「ここは前より正確だったね」と具体的に褒めると、子どもは立ち直れます。
まとめ:残り3か月は「心」と「基礎」を整える時間
焦らず、詰め込みすぎず、親子で安心して過ごせる環境を整えましょう。
“焦る3か月”ではなく、“積み重ねの3か月”にできれば、子どもは本番で確実に実力を発揮します。