「算数が壊滅的です」「テストでも点数がとれません」――
中学受験を目指す家庭では、こうした声をよく聞きます。
算数は、理解が積み重なる科目です。
小4・小5の基礎が崩れていると、小6でどんなに頑張っても点数が伸びにくいのが現実です。
しかし、「壊滅的」と感じている段階でも、正しい手順で立て直せば必ず取り戻せます。
この記事では、算数が苦手で受験を諦めかけているご家庭向けに、「なぜ壊滅的になるのか」「どこから再スタートすべきか」「逆転合格につなげる具体的な勉強法」までを解説します。
なぜ「算数が壊滅的」になるのか
理解の“穴”が放置されている
算数が壊滅的になる子の多くは、「分数」「割合」「速さ」などの基礎単元の理解があいまいなまま進んでいます。
塾では新しい単元がどんどん進むため、「前の単元を復習する時間がない」状態が続き、結果として積み上げの土台が崩壊します。
塾の宿題を“こなすだけ”になっている
「とりあえず全部解いた」「丸つけした」で終わる子も多く、“理解”より“作業”になっているケースが目立ちます。
特に、間違えた問題を放置すると「わからない分野が増え続ける」→「自信を失う」→「算数嫌い」へと悪循環に陥ります。
保護者が「どこから手をつければいいか」分からない
親が算数を見てあげようと思っても、「どこまで戻るべき?」「何をやらせればいいの?」がわからず、対症療法的な勉強になりがちです。
算数が壊滅的な子が“今すぐ”やるべき3ステップ
できる単元を“特定”する(診断テスト・弱点リスト化)
まずは「壊滅的」と言っても、得意・不得意を分けることから始めましょう。
塾や市販教材の「単元別チェックテスト」を使い、
✔ 計算系(小数・分数)
✔ 図形系(角度・面積・体積)
✔ 文章題系(速さ・割合・比)
の3ジャンルに分けて「できる・できない」を仕分けます。
この“見える化”が、立て直しの出発点です。
「できない単元」を“3年分戻る”覚悟でやり直す
「壊滅的」な場合、学年をさかのぼって復習する勇気が必要です。
たとえば小6の夏に苦しんでいる子なら、小4や小5の予習シリーズや市販問題集に戻りましょう。
おすすめ教材:
- 『予習シリーズ4年下・5年上』の例題・基本問題
- 『基礎力トレーニング』(サピックス)で計算の筋トレ
- 『自由自在 算数 基礎編』で概念理解の穴埋め
「理解」→「説明」→「再演習」で定着させる
理解しただけで終わらず、「自分で説明できるか」をチェックします。
家庭では「どうしてそうなるの?」「この図は何を表しているの?」と親が質問役になるのが効果的です。
また、間違えた問題をコピーして「間違いノート」にまとめ、翌週に再チャレンジ(再演習)することで、記憶が長期化します。
算数を立て直すときの「家庭の役割」
親は“コーチ役”、教える人ではない
親がやるべきは「教えること」ではなく、「学び方を管理すること」です。
「間違いノートは更新している?」「今日はどの単元を復習した?」と声をかけ、“勉強の流れ”を回すサポートをしてあげましょう。
完璧を求めず、1日15分の小さな成功を積む
壊滅的な状態から一気に全単元をやり直すのは現実的ではありません。
まずは「昨日できなかった問題が今日はできた」――そんな小さな成功体験を重ねることが、再起の鍵です。
よくある質問
Q1. 塾をやめた方がいいですか?
A. すぐにやめる必要はありませんが、「復習の時間が取れない」場合は一時的に宿題を減らすなど、塾に相談しましょう。
一度立て直してから再合流するのが理想です。
Q2. 家庭教師や個別指導は必要ですか?
A. 苦手単元の“解き直し”に付き合ってくれる先生がいると効果的です。
特に算数は「なぜそうなるか」を言語化してくれる指導が有効です。
Q3. どのくらいで立て直せますか?
A. 週3日の復習ペースなら、3か月で基礎単元の再構築が可能です。
ただし、定着のためには半年〜1年の継続を見込みましょう。
まとめ
算数が壊滅的に感じても、それは「理解の順番」と「復習の手順」が崩れているだけ。
正しく積み上げ直せば、必ず立て直せます。
- まずは「弱点の見える化」
- 次に「学年をさかのぼって基礎固め」
- そして「説明・再演習で定着」
焦らず、毎日15分の“理解の積み重ね”を継続すれば、必ず光が見えてきます。
