数学の定期テストは、受けた直後がもっとも「伸びしろ」が大きいタイミングです。
しかし多くの中学生は、
- 点数だけしか見ない
- 間違えた問題をやり直して終わり
- そもそもテストを振り返らない
という状態になっています。
成績が上がる子は、テスト後の“分析”と“改善策づくり”が圧倒的に丁寧です。
この記事では、数学の定期テスト後に必ずやるべき振り返り方を、具体的な手順・例・チェックリスト付きで解説します。
親御さんがサポートしやすい方法も紹介するので、ぜひ家庭学習の習慣として取り入れてください。
数学のテスト後に振り返りをするべき理由
理由①「どこが分からないか」を最速で発見できるから
テストは、子どもの理解度を最も正確に映す“鏡”です。
授業や普段の宿題では見えにくい弱点が、テストでははっきりと現れます。
理由②「できる問題」と「できない問題」の線引きができ、勉強効率が上がる
復習すべき範囲が明確になるため、ムダな勉強が減り、短時間で成果を出しやすくなります。
理由③ 成績が安定する
「丁寧な振り返り → 似た問題で失点しない → 点数が安定 → 内申も上がる」という良い循環が生まれます。
定期テスト後の正しい振り返り手順(完全版)
① 全体の構造を分析する(配点・失点箇所・問題の種類)
まずは細かい問題を見る前に、テスト全体を眺めます。
チェックポイント
- 計算:何点落とした?
- 小問集合:正答率はどう?
- 空間図形・関数・方程式などの大問:どこで落とした?
- 配点の重い問題はどこ?
ポイント:
“感覚”ではなく“数字”で把握すると改善策が立てやすい。
② 間違えた原因を分類する(絶対に逃げない部分)
成績が伸びない子は「間違い=知識不足」と決めつけがち。
でも、間違いには「タイプ」があります。
原因分類リスト
- 計算ミス(ケアレスミス)
- 用語・公式を忘れていた
- 問題文を読み間違えた
- 解き方は合っていたが、途中計算で崩れた
- そもそも解法がわからなかった
- 見直し不足
原因が分かれば、対策はほぼ決まります。
③ 間違いノートを作る(最重要ステップ)
“1冊のノートに間違いをまとめるだけで偏差値は上がります。”
書き方テンプレ
- どの問題で間違えたか(テスト番号+問題番号)
- 原因(上の分類のどれか)
- 正しい解き方
- その問題の「ポイント」ひと言
例:
【大問3(3)】
原因:途中式の符号ミス
正答のポイント:分配法則の前に必ず符号チェック
POINT
同じミスはほぼ“パターン”です。
気づけば、次のテストでは簡単に点が増えます。
④ 「同じ単元の類題」を3〜5問だけ追加で解く
間違えた問題だけでは定着しません。
類題演習を少量でいいので必ず行いましょう。
おすすめ量:
✕ 20問以上 → 続かない
〇 3〜5問 → コスパ最高
⑤ 次回へ向けて「テスト対策の改善点」を決める
振り返りのゴールは「次回の点数を上げること」。
改善チェック例
- ワークの解き直しをテスト1週間前に終わらせる
- 見直しの優先順位を決める(計算 → 図形 → 高配点)
- 計算ミス対策として“式の確認ルール”を導入
- わからない問題を当日中に質問する
“次回の行動”が決まると、振り返りが成果につながります。
親ができるサポート(勉強を教える必要はありません)
①「点数より中身」の話をする
点数だけを評価すると、子どもは分析を嫌がります。
「どこができて、どこが伸びそうか」を一緒に見てあげるだけでOK。
② 間違いノートのチェック
内容に口を出す必要はなく、「書けているかどうか」だけ見れば十分です。
③ 目標を“次回改善点1つだけ”に絞る
次回テストでの改善項目を1つ決めてあげると、子どもが迷わず動けます。
テスト振り返りチェックリスト(コピーして使える)
- □ テスト全体をざっくり分析した
- □ 間違いの原因を分類できた
- □ 間違いノートにまとめた
- □ 類題を3〜5問だけ解いた
- □ 次回の改善点を1つ決めた
- □ 親子で「点数より中身」を共有した
よくある質問
Q1:間違いノートは毎回作るべき?
→ はい。 テスト後に作ることで「同じミスの再発」を強力に防げます。
Q2:ケアレスミスが多いときの対策は?
- 式の途中で必ず符号チェック
- 計算の最後に「見直し専用の5秒」をつくる
などルール化が最も効果的です。
Q3:テストが返ってきた日に振り返った方が良い?
→ その日のうちがベスト。理解が新しいうちに原因がつかめます。
まとめ:数学の成績は“テスト後の行動”で決まる
数学の定期テスト後に大切なのは、点数ではなく、分析 → 改善 → 習慣化 のサイクルです。
■今日からできること
- テストを構造で分析
- 間違い原因を分類
- 間違いノート作成
- 類題を3〜5問
- 次回改善点を1つ決める
この振り返りを“毎テストごとに必ずやる子”は、確実に数学の点数が安定し、高校入試にも強くなります。
