「定価の2割引きはいくら?」
この質問に、式は書けるのに意味は分かっていない子はとても多いです。
- 0.8を掛ける理由が説明できない
- 2割引きと8割がごちゃごちゃになる
- 割引額と支払額を取り違える
こうしたつまずきは、センスや計算力の問題ではありません。
原因はただ一つ、割引を“割合の公式”として教えすぎていることです。
この記事では、割引の問題を理解できない子に対して「%を使わずに教える方法」を中心に、家庭でもできる指導法を解説します。
割引きの問題が苦手になる本当の理由
① 「割引=公式暗記」になっている
多くの子は、次のように覚えています。
定価 ×(1 − 割引率)
しかし
- なぜ引くのか
- なぜ0.8になるのか
これをイメージできていないため、少し聞き方が変わると解けなくなります。
② 「減った分」と「残った分」が区別できていない
割引には必ず 2つの量 が登場します。
- 割引された分(値引き額)
- 実際に払う金額
ここを混同すると「2割引き=2割払う」と勘違いする原因になります。
【最重要】割引きは「残り」を考える問題
割引が理解できない子には、まずこう言ってください。
割引きってね、「安くなった」じゃなくて「いくら残ったか」を考える問題なんだよ
具体例(%は使いません)
定価が1000円、2割引き
- 10個のうち
- 2個分が引かれる
- 残りは8個分
つまり「8こ分払う」
ここで初めて「8割」「0.8」が意味を持ちます。
図が描けない子への教え方(超重要)
割引が苦手な子ほど、図を描きません。
そこでおすすめなのが 「□図」 です。
ステップ1:定価を1つの箱で表す
[ 定価 ]
ステップ2:引かれる部分を色分けする
[■■|■■|■■|■■|■■|■■|■■|□□]
- □=払う部分
- ■=引かれる部分
2割引き → 10個中2個が■
割引きの問題:理解させる指導ステップ
ステップ① 数字を一切使わずに話す
まずは式を書かせないこと。
- 「全部はいくつ分?」
- 「そのうち、いくつ分が引かれる?」
- 「残りはいくつ分?」
これだけでOKです。
ステップ② 「割合」ではなく「個数」で考えさせる
例:
- 定価=10こ
- 割引=2こ
- 支払い=8こ
割合は後から勝手についてくる
ステップ③ 最後に式へ変換する
ここで初めて
1000 × 0.8
を使います。
重要なのは式はゴールであって、スタートではないということです。
よくあるNG指導例
❌「2割引きだから0.8を掛けよう」
→ 理由が分からないまま作業になる
❌「これは慣れだよ」
→ 分からないまま量産演習になり、嫌いになる
家庭でできる割引き理解チェックリスト
☑ 割引後の「残り」を言葉で説明できる
☑ 割引額と支払額を区別できる
☑ 図や箱を使って説明できる
☑ %を使わなくても説明できる
1つでも×があれば、まだ公式練習は早いです。
よくある質問集(保護者向け)
Q1. 公式を覚えさせた方が早くないですか?
A. 一時的には早いですが、入試レベルでは必ず破綻します。文章が少し変わるだけで解けなくなるからです。
Q2. 図を描こうとしません。どうすれば?
A. 無理に「図を描こう」と言わず、箱・10こ・丸など、超簡単な形でOKです。描けないのではなく、描き方を知らないだけです。
Q3. 割引額と売価をよく間違えます
A. 問題文の数字をすぐ使わせないでください。まず「これは引かれた話?残った話?」と言葉で分類する癖をつけましょう。
まとめ
割引の問題が苦手な子は、
- 理解力が低い
- 算数に向いていない
のではありません。
「教える順番」が間違っていただけです。
✔ 割引は「残り」を考える
✔ 10こ思考で整理する
✔ 式は最後
✔ 親は「説明」を引き出す役
この4点を守れば、割引は得点源に変わる単元になります。
