こんにちは。世田谷区のプロ家庭教師、算数・数学専門の鈴木です。
今回は都立の自校作成の問題についてです。
自校作成問題とは、都立の高校で独自に作られた入試問題のことです。
・自校作成の問題は難しくて、対策がしにくい
・どんな勉強法で勉強すれば点数が上がるのか分からない
・とにかく過去問を解いているが、もう一度解いてみても、できない問題がある
などなど、自校作成の問題は、受験生を苦しめるものであることは、間違いないです。
これから全4回に渡って、平成29年度の新宿高校の問題を紹介し、この考え方があれば、他の高校入試のどんな問題でも解けるというポイントについて、書いていきたいと思います。
難関の高校を目指す受験生など、お役に立てればと思います。
計算の小問がこちらです。
順を追って、見ていきますね。
計算の優先順位を決める
問い1を見ると、カッコの中には根号があります。
こういう場合は、どうやって計算すれば、煩雑さを感じずに済むのか。
最初に有理化する
根号がある計算は、初めに有理化してしまいましょう。
この式の場合、√2分の・・・、というのは計算しずらいので、2分の・・・、という式に直してみましょう。
あとは加減乗除のルールに従って、計算していきましょう。
二次方程式は(=?)の形に直す
問い2は二次方程式なのですが、この式からだと、果たして二次方程式なのかどうか、分かりずらいですね。
二次方程式を解く場合は、どんな形に直せば良いか、分かりますか?
この場合はもう、(二次式)=0の形に直しましょう。
因数分解か?解の公式か?
(二次式)=0の形に直したら、式を見て、どうやって二次方程式を解くのでしょうか。
因数分解できそうですか?
それとも、解の公式でないと、解けないですか?
方程式を解くにあたり、どう解くのかの判断を、自分の中で決めておいて下さいね。
計算が先か?展開が先か?
問い3の計算問題ですが、高校に入ると、こんな式をよく見かけます。
どんなに計算力のある子でも、こういった問題を初めにノーヒントで解かせてみると、意外なことに、苦戦することがあります。
むしろ、それまで計算力に自信があった子であればあるほど、こういった問題はマトモに取り組んでしまうのです。
先にカッコの式を展開する!
マトモに取り組んでしまう子は、先にxやyに値を代入してしまうことがあります。
そうではなくて、こういった問題の場合は、先にカッコの式を計算してから、その後に値を代入すると良いことがあります。
やってみて下さいね。
確率は先に○○を求めるべし!
問い4は確率ですが、「大小1つずつのさいころ」とありますが、これを見たら、すぐに全部で出方は何通りあるのかを、先に出しておきましょう。
もう、分かりますね。
「少なくとも一方」には要注意!
数学では頻繁に出てくる表現です。
「少なくとも一方・・・」
「~かつ・・・」
この問題の場合、例えばa-2b+5=0を考えてみましょう。
大きいさいころの目が、1だったとしましょう。
つまり、a=1のときです。
このときは、b=3であれば良いのですが、この、a=1、b=3というのは。もう一方を成立させるでしょうか?
これらの値では、a+b-7=0は、成立しませんね。
ところが、問題にある、「少なくとも一方が成り立つ」という題意は、満たしているのです。
あとは、a=2、a=3・・・といった具合に、どちらかの文字に入る値を固定しながら、もう一方の文字に入る値を変えていくという、場合分けの基本に沿って、答を出しましょう。
資料の整理は算数でok!
問い5は資料の整理ですが、何やら難しそうに感じる生徒がいるのも事実です。
ところが、この資料の整理や標本調査の問題は、今のところ、基本的な計算問題しか出ません。
この問題も、度数分布表が与えられて、平均値まで与えられているわけですが、ここで気を付けなければいけないのは、公式や定義された式を、正確に覚えられているかどうかといういことだけです。
平均の定義に従って式を作ろう!
平均の求め方は、小学校のときに、すでにやっているかと思います。
この問題の場合だと、どういった式を考えれば良いか、分かりますか?
(靴のサイズの合計)÷(全体の人数)=靴のサイズの平均
ということになりますが、うまいことx、yを使って、どうやって答を出すのでしょうか?
ヒントは、連立方程式です。
作図は○○二等分線をマスターすべし!
最後は作図の問題です。
作図の単元は不思議なもので、一般的な数学は苦手意識は持っているのに、作図だけは面白いから好き!という生徒さんもいるくらいです。
問題を見ると、要するに3点を通る円を作図しなさい、とのことですが、この場合は、少しずるいですが、先に円を描いてみると、やるべきことが見えてくるものです。
円の中心は、それぞれの辺の・・・
点Pにおいて、円は辺BCと接するとあるのですが、そもそも円がある直線lと接するとき、直線lと円の半径との間には、どんな関係があったでしょうか。
それは、直線lと半径は直交するということなのですが、このことを分かっていれば、以下の方法に気付くのは、早いかと思います。
①まずは、点Pを通る、辺ADの垂直二等分線を描く
②三角形APDを作る
③辺APの垂直二等分線を描く
実は、ここでできた二つの垂直二等分線の交点が、求める円の中心になります。
三角形の外心の知識があれば、難しくはない問題です。
この記事のまとめ
ということで、答はこちらです。
・計算問題の中に根号があるときは、まずは有理化を先にする
・二次方程式は、(=0)の形に直す
・確率の計算では、初めに全部で何通りあるのかを計算する
・場合の数においては、一方を固定し、他方の数を変化させる
・資料の整理においては、基本公式を覚えて、正確に当てはめる
・作図では、垂直二等分線や、角の二等分線の描き方をマスターする
計算の小問集は、絶対に落としたくはないところです。
試験前、もう一度細かく自分でチェックをして、残りの期間、過去問に全力を注ぎましょう!
他にも、都立国立高校の過去問記事も書いておりますので、気になる方は、こちらもお読み下さい。
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