こんにちは。数学専門の鈴木です。
そろそろ中間試験前の学校もあり、生徒さんからはいろんな質問が飛び込んできます。
今日は、少し変わった問題の考え方について、お話しますね。
平行四辺形になる? ならない?
まずは問題がこちらです。
四角形ABCDにおいて、「AB=DC、ADとBCが平行」という関係があるとき、この四角形は、必ず平行四辺形になるか?
こういった問題は、こんなところが難しいですよね。
何をすれば良いのか分からない
~を求めなさい、だとか、~を示しなさい、といった問われ方をされていないわけです。
問題に対する考え方があって、それの通りに解いていけば答が出たり、計算していけば答が出るタイプの問題ではないのです。
平行四辺形になるにしろ、ならないにしろ、どちらも理由をつけて答えられない限り、何を考えれば答えが出たことになるのか、分からないままで済ませてしまうことがあるかもしれません。
平行四辺形になる場合の解答
さて、もしも平行四辺形になるのであれば、どんなことが言えなければならないのでしょうか。
平行四辺形が関係する問題は、必ずやってほしいことがあります。
それは、図を描くことです。
この問題の場合、どんな図を描いたとしても、平行四辺形にならざるを得ないといったことが分かれば、平行四辺形であると言えます。
ここでは、平行四辺形になるための条件を覚えていないといけないのですが、いかがでしょうか。
条件を、以下に書いておきますね。
1. 2組の向かいあう辺が、それぞれ平行である
2. 2組の向かいあう辺が、それぞれ等しい
3. 2組の向かいあう角が、それぞれ等しい
4. 対角線が、それぞれの中点で交わる
5. 1組の向かいあう辺が、等しくて平行である
これらのうち、どれか一つにでもあてはまれば、平行四辺形だと言えます。
平行四辺形にならない場合の解答
もし、平行四辺形にならないのであれば、どんなことが言えると良いのでしょうか。
それは、平行四辺形になる場合においては、どんな図を描いても平行四辺形になることを示せば良かったのに対して
平行四辺形にならない場合の図があること
を言えば良いわけです。
少し数学的な言い方についてつけ足すと
全て平行四辺形になる
ということを否定するには
平行四辺形にならないものが存在する
ことを、言えれば良いのです。
反例を考える
数学、特に論理的な部分を重視する場面においては
~が正しくない
ということを示すときに、正しくない例を考えることが、有効な場合が多くあります。
ここで考えた問題をもう一度振り返っておきましょう。
四角形ABCDにおいて、「AB=DC、ADとBCが平行」という関係があるとき、この四角形は、必ず平行四辺形になるか?
こちらの問題、答は、必ずしも平行四辺形にはならないのですが、それを示す例、つまり、反例は何か、分かりますか?
答は台形です。
反例を考えられるためには
この、平行四辺形の問題に限らず、反例というものを思いつくためにはどうすれば良いか、考えていますね。
まずは、全てを疑う
問題文を読んで、正しいか正しくないか、理由をつけて答えなさいという問われ方をしてくる問題が、かなり昔からあります。
そんなとき、どう考えれば良いかというと、まずは正しくないことだと思って、考えていくことが大切です。
極端な図を描いてみるだとか、実際に値を入れてみたりすることで、計算が合わない場合を見つけることが手段の一つです。
問題の設定は変えてはいけない
反例を探すときに、どうしても問題文に書いてあることを見逃してしまいがちなときもあります。
あくまでも
問題を考えていく上で、設定は全て合っているけれども、求めているものとは違いが出てきてしまうもの
を探していくことを、忘れてはいけません。
この記事のまとめ
平行四辺形や三角形といった題材は、形を分類するという考え方を学ぶことが目的です。
平行四辺形にもいろいろあり、長方形や正方形、ひし形などもそうですよね。
三角形についても同じで、二等辺三角形や直角三角形の違いを調べることも、学ぶわけです。
違いを調べること、またはその手法を学ぶときには、どうしても自分で反例などを思いつくことが必要になってきます。
難しいこともありますが、一つ一つ納得していくことが大事です。
定期試験の結果が返ってきている時期です。
テストの点数を見て
今まで点数が取れていたのに、取れなくなってきた
と感じ始めたら、そのときが、勉強法を改めるときです。
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