「中学受験の算数…正直、自分が分からない」「子どもに質問されても説明できない」
そんな不安を抱えて検索する親御さんはとても多いです。
実は “親が算数を教えられるかどうか”は合否にほぼ関係ありません。
重要なのは “親が勉強を管理できる環境をつくれるか” です。
この記事では、算数が苦手な親御さんでも、確実にお子さんの成績を上げられる“家庭のサポート法”を、算数のプロ家庭教師目線で分かりやすく解説します。
なぜ親は「中学受験の算数が分からない」と感じるのか
学校算数と受験算数はまったく別物だから
中学受験の算数は、学校の学習内容より 2〜3年進んだレベル が出題されます。
図形・速さ・割合・規則性など、学校では触れない問題も多数。
そのため 大人が解けなくて当然 です。
昔と今で出題の傾向がまるで違う
現在の受験では
- 思考力
- 図形配置
- 場合の数
- 条件整理
など「考え方」を問う問題が増加しています。
親が学校で習った計算中心の算数とは別の科目です。
算数が分からない親でも子どもを伸ばせる“正しいサポート”とは?
① 親は「教える役」ではなく「環境を整える役」に徹する
中学受験で親がやるべきことの9割はこれです。
- 勉強時間の確保
- 学習計画の見える化
- 宿題のチェック(丸つけのみ)
- やる気・メンタルのサポート
親が先生になる必要はありません。
② 丸つけは“丁寧に”するだけで成績が上がる
算数の丸つけで意識すべきは次の3点。
- 解き方を教えない
- 合っている問題も雑に丸をつけない
- 間違えた問題に★印をつけて後で必ず再演習
丸つけを極めるだけで、偏差値が5〜10上がる子は多いです。
③ 分からない問題は「塾に任せる」方が効率的
解説を読んでも分からない――それは普通です。
親が無理して教えると
- 解法を誤って教えてしまう
- 子どもが混乱する
- バトルになる
- 勉強が嫌いになる
というデメリットが大きすぎます。
分からない問題は必ず塾へ持って行かせる習慣をつけましょう。
④ できるサポートに集中する
親が本当に効果を出せるのは次の4点だけです。
- 時間管理(何時から何をやるか)
- 宿題管理(やる量・順番のコントロール)
- 見直しの習慣化
- メンタルケア・声かけ
これだけで十分に子どもは伸びます。
具体的にどうすればいい?算数が苦手な親の“家庭学習サポート術12選”
① 「今日やることリスト」を親が作る
子どもは“やる順番”を決めるのが苦手。
親がやることリストを作るだけで勉強効率が跳ね上がります。
② 問題は“全部”やらせない
塾の宿題は量が多いです。
親が減らしてあげるのは立派なサポート。
例)
- 例題 … 必ずやる
- 類題 … A・Bだけ
- 練習問題 … 奇数番号のみ
- 発展問題 … 余力があれば
③ 図形だけは親が一緒に「図を描く練習」をする
教えるのではなく、“描くサポート”なら親でもできます。
- 問題文の数値を図に移す
- 長さを書き込む
- 面積や角度の情報を色分け
図形は意外とここだけで伸びます。
④ 間違い直し専用ノートを作る
「間違えた問題」を貼るだけでOK。
子どもは“再演習すると伸びる”ことを体感できます。
⑤ 解説を読むより“解説を持って行く習慣”を作る
「分からなかったら先生に聞こうね」でOK。
親が教える必要はありません。
⑥ 勉強の場所を固定する
リビング学習、机、図書館など子どもが集中できる場所を一つ固定。
⑦ ストップウォッチを使う
“時間を区切る”だけで算数は驚くほど進みます。
⑧ 毎週「復習日」を必ずつくる
日曜は授業の復習日と決める→定着が爆増します。
⑨ 家庭での優先順位は「計算・基礎問題」
難問は塾に任せてOK。
家庭では 基本と計算だけ徹底 が最も効果的。
⑩ 苦手単元のリスト化
親でもできる最高のサポートです。
毎週、子どもと一緒に“苦手単元一覧”をアップデート。
⑪ 模試の復習だけは親がスケジュール管理
中学受験で最も伸びる時間が“模試の復習”。
優先順位だけ親がコントロールしましょう。
⑫ 親は「伴走者」であれば十分
横で見守り、励まし、環境を整える――
これこそが受験成功の9割です。
親が算数を教えなくていい理由まとめ
- 算数の専門家は“塾の先生”
- 親は“管理とメンタルの専門家”
- 教えない方が家庭が荒れない
- 教えない方が子どもが伸びる
- 成績は“勉強サイクル”で決まる
むしろ 親が算数を教えない方が、家庭学習が安定するケースがほとんどです。
算数が苦手な親でも明日からできる“声かけ例”
- 「分からない問題は塾で聞こうね」
- 「今日のやることリストを一緒に作ろう」
- 「間違えたところだけ頑張れば伸びるよ」
- 「図を一緒に整理しようか」
- 「よく集中できてるね!」
- 「昨日より進んでるよ」
声かけは“算数の説明”ではなく、行動のサポートを意識すると上手くいきます。
よくある質問
Q1. 親が算数を教えられないと不利ですか?
A. まったく不利ではありません。
むしろ、親が教えない方が家庭のトラブルが減り、子どもが自立して伸びるケースが多いです。
Q2. 子どもが「分からない」と言っても塾に質問しにいきません…
A. よくある状況です。
次の3つで改善します。
- 質問する問題を親が付箋でまとめる
- 塾に行く前に「今日これを聞いてこようね」と確認
- 帰宅後に「聞けた?」ではなく「どうだった?」と優しく聞く
“聞く習慣”が身につけば一気に伸びます。
Q3. 塾の宿題が多すぎてこなせません。どうすれば?
A. 宿題は減らしてOKです。
塾の宿題は「やりきれない量」を前提につくられています。
優先順位は
- 例題
- 類題(A中心)
- 練習問題(奇数だけ)
- 発展問題(余力があれば)
“少なく深く”やった方が伸びます。
Q4. 親が解説を読んでも理解できないのは普通?
A. 普通です。
中学受験の算数は、大人が本気で解いても太刀打ちできないレベル。
理解できない=悪い親ではなく、「塾の教材が高度」であるだけです。
Q5. 家庭ではどの単元からサポートすれば良い?
A. 家庭で効果が最も出るのは
- 計算
- 基礎的な割合
- 速さの基本
- 図形の“書き込み”
難問は全部塾へ任せればOKです。
Q6. 子どもが算数嫌いになってしまいました…
A. 原因の多くは
- 問題量の多さ
- 分からないまま進むこと
- 家庭での衝突
です。
親がやるべきは
- 問題量を調整
- 分からない問題を捨てる勇気
- 声かけを優しくする
すると短期間で好き嫌いが改善します。
Q7. 親がどのくらい勉強に関わるのがベスト?
A. 関与度は“中くらい”がベスト。
- 高すぎる → 子が依存 or 反発
- 低すぎる → 子が迷子
理想は
- スケジュール管理:親
- 勉強の中身:塾
- メンタルケア:親
の分担です。
Q8. このサポート法は偏差値30〜40台の子にも有効ですか?
A. 最も効果があります。
特に効果があるのは
- 間違え直しの習慣
- 計算の安定化
- 復習日を固定
- 宿題の優先順位づけ
基礎力が定着すると一気に偏差値が伸びます。
Q9. 親が数学が得意だと逆に失敗することがあるって本当?
A. 本当です。
得意な親ほど
- 子どもに求めすぎる
- 解法を細かく教えすぎる
- 子どもが混乱する
というケースが多く見られます。
算数が苦手な親の方が「見守り・サポート」に徹しやすく、結果伸びやすいこともあります。
Q10. この記事の内容を家庭内でどう実践すれば良い?
A. まずは以下の3つから始めればOK。
- 今日やることリストを10分で作る
- 間違えた問題だけ翌日再演習する
- 分からない問題は全部塾へ任せる
この“ミニ改革”だけで家庭学習は劇的に安定します。
まとめ:親が算数を分からなくても受験は戦える
中学受験の算数は、親が解けないのが当たり前。
だからこそ、親がやるべきことは 教えることではなく環境の管理 です。
- 時間・宿題・復習の管理
- メンタルケア
- 難問は塾へ
- 丸つけの質を高める
この4つを押さえれば、算数が苦手な親でも子どもの成績は確実に伸びます。
