「家で解くときはスラスラできているのに、テストになると点数が取れない」
算数について、このような悩みを抱える保護者の方は少なくありません。
実はこのタイプの子は、算数の理解力が足りないわけではないことがほとんどです。
問題は「学力」ではなく、テスト特有の環境・思考の使い方・練習の質にあります。
この記事では、
- なぜテストになるとできなくなるのか
- 家庭学習でどこを変えればよいのか
- 親が気をつけるべき声かけ
を、算数指導の現場目線で分かりやすく解説します。
普段はできるのにテストでできなくなる主な原因
「分かったつもり」で止まっている
家での学習では、
- 途中式を省いている
- 親のヒントで進めている
- 解法を見ながら解いている
こうした状態でも「できた」と感じやすくなります。
しかしテストでは完全な自力再現が求められるため、急に解けなくなります。
ポイント
👉「理解している」=「一人で最初から最後まで説明できる」
テスト特有の緊張で思考が止まる
テスト中は
- 時間制限
- 周囲の雰囲気
- 点数への意識
が重なり、普段使えている思考力が発揮できなくなることがあります。
特に真面目で責任感の強い子ほど、この影響を受けやすいです。
問題文の読み方が不安定
家では
- ゆっくり読める
- 親が確認してくれる
一方テストでは
- 焦って読み飛ばす
- 条件を勘違いする
ということが起きがちです。
計算ミスではなく「読みミス」が点数を下げているケースも多くあります。
家庭学習で見直すべき3つのポイント
「テスト形式」で解く練習を増やす
普段の学習から
- 時間を測る
- 見直し時間も含めて解く
- 一発勝負で解く
といったテストに近い環境を作りましょう。
毎回でなくて構いません。
週1回でも「本番練習」を入れるだけで大きく変わります。
解き直しは「考え直し」までやる
×を直すときに
- 正解を書き写すだけ
- 解説を読んで終わり
になっていませんか?
解き直しでは、
- なぜその考えになったのか
- どこで判断を間違えたのか
を言葉で説明させることが重要です。
これができると、テストでの再現性が一気に高まります。
親は「点数」より「プロセス」を見る
テスト後、つい「どうしてこんな問題を落としたの?」と言ってしまいがちですが、これは逆効果です。
代わりに
- 「どこまでは合っていた?」
- 「考え方は合ってたね」
と、思考の良かった部分に目を向けましょう。
安心感が、次のテストでの安定につながります。
テストで力を出せる子に変わるために大切なこと
「ミス=失敗」ではないと伝える
ミスを極端に恐れると、
- 手が止まる
- 見直しができない
状態になります。
「ミスは調整の材料」という認識を家庭で共有することが大切です。
小さな成功体験を積み重ねる
いきなり「満点を取ろう」ではなく、
- 見直しができた
- 読み間違いが減った
など、行動レベルの成功を認めてあげましょう。
よくある質問集
Q1. 家ではできているので放っておいても大丈夫ですか?
A. 放置はおすすめしません。原因が整理されないまま学年が上がると、より差が広がります。
Q2. テスト前に特別な対策は必要ですか?
A. 新しいことより、「いつも通り解く練習」を意識してください。
Q3. 親が教えすぎている可能性はありますか?
A. あります。ヒントを出しすぎると、自力再現力が育ちません。
まとめ
「普段はできるのにテストになるとできない」という状態は、算数が苦手なのではなく、テスト対応力が未完成なだけです。
- 自力で解く練習
- テスト形式への慣れ
- 親の声かけの工夫
この3つを意識するだけで、点数は安定していきます。
焦らず、「できる力を本番で出せる状態」を一緒に整えていきましょう。
