子どもは本当に勉強したくないのでしょうか?
「机に向かわない」
「声をかけても反応が悪い」
「ダラダラしてばかりで、やる気が感じられない」
中学受験をしていると、多くの親御さんが一度は「うちの子、やる気がないのでは…」と感じたことがあるはずです。
ですが、これまで数多くの中学受験生を見てきて、はっきり言えることがあります。
子どもは、決して“勉強のやる気がない”わけではありません。
多くの場合、「やる気がない」のではなく、「動けなくなっている」だけなのです。
なぜ、親から見ると「やる気がないように見えてしまうのか」
①「やる気=行動量」だと誤解してしまう
親はつい、
- 勉強時間
- 自主性
- スピード
といった目に見える行動を「やる気」と結びつけがちです。
しかし子ども側では、
- 問題が難しすぎる
- 何から始めればいいか分からない
- 間違えるのが怖い
といった理由で、止まってしまっているだけのことが多くあります。
②「できない自分」を見せたくない
中学受験生は想像以上にプライドが高いです。
- 「分からない」と言うのが怖い
- 努力不足だと思われたくない
- 期待を裏切りたくない
その結果、何もしないように見える行動を選ぶことがあります。
これは怠けではなく、自己防衛です。
③ 失敗体験が積み重なっている
・×が続く
・テストの点が下がる
・友達との差を感じる
こうした経験が続くと、「どうせやってもできない」という思考が無意識に強化されます。
その結果、
- 手をつけるのが遅い
- 問題を避ける
- 別のことを始める
といった行動が出てきます。
本当は、子どもはどう思っていることが多いのか
多くの子どもは、心の中でこんなことを考えています。
- 「本当はできるようになりたい」
- 「怒られたくない」
- 「ちゃんとやっているのに、分かってもらえない」
- 「何から直せばいいのか分からない」
特に多いのが、
「やらなきゃいけないのは分かっている」という気持ちです。
つまり、
✔ 必要性は理解している
✔ 合格したい気持ちもある
✔ でも、やり方が分からない
この状態が、やる気がないように見える態度として表れます。
本当に「やる気がない子」が示す行動パターン
ここはとても重要です。
本当にやる気がない場合の特徴(少数派)
次の特徴が長期間・一貫して見られる場合のみ、やる気の問題が考えられます。
- 勉強そのものに関心がない
- 目標や学校に興味を示さない
- 成績の話をしても感情の反応が薄い
- できなくても悔しがらない
- 改善しようとする姿勢が見られない
実際には、このタイプの子は非常に少数です。
多くの子は、
- 悔しがる
- 落ち込む
- 逃げる
こうした反応を見せます。
これはつまり、心の中では本気で向き合っている証拠です。
親の「声かけ」具体例
❌ NGな声かけ
- 「やる気あるの?」
- 「ちゃんとやってるの?」
- 「またできてないの?」
- 「そんな勉強で受かるわけない」
子どもは「責められた」と感じ、さらに動けなくなります。
✅ OKな声かけ
- 「どこで止まってる?」
- 「今、いちばん分からないのはどこ?」
- 「ここまでやったのは偉いね」
- 「一問だけ一緒にやろうか」
行動ではなく状態を聞くのがポイントです。
算数・国語・理科・社会|家庭学習チェックリスト
✔ 勉強が進まない原因チェック
- □ 問題のレベルが合っていない
- □ 解き方が分からないまま進んでいる
- □ 丸つけ・見直しが雑
- □ 「できた」「分かった」が感覚的
✔ 環境チェック
- □ 勉強内容が多すぎる
- □ スケジュールが詰め込みすぎ
- □ 親の声かけが結果中心
「やる気がない」と感じたときのNG対応集
- ❌ 無理に長時間やらせる
- ❌ 他の子と比較する
- ❌ 感情的に叱る
- ❌ 「受験やめる?」と脅す
これらは、一時的に動かせても、長期的に逆効果です。
親が最初に変えるべき視点
「やる気を出させよう」とする前に、考えてほしいことがあります。
- 今の勉強は、子どもにとって「できる範囲」か
- できていない原因を言語化できているか
- 行動ではなく、気持ちを見ようとしているか
子どもに必要なのは、気合や根性ではなく、「小さな成功体験」です。
もし、
- 親が教えると感情的になってしまう
- どこから立て直せばいいか分からない
- 勉強量は多いのに成果が出ない
このような状態であれば、第三者のプロが「学び方」を整理するだけで、大きく変わるケースも多くあります。
✔ 今の理解度を客観的に診断
✔ 偏差値帯に合った教材と進め方
✔ 「できる」感覚を取り戻す指導
無理に頑張らせる前に、一度立ち止まって整理することも選択肢の一つです。
まとめ|「やる気がない」のではなく、「動けない」だけかもしれない
- 子どもは、決してサボりたいわけではない
- 多くの場合、つまずきや不安で止まっている
- 本当にやる気がないケースはごく一部
「やる気がない」と決めつける前に、ぜひ一度、こう問いかけてみてください。
「この子は、今どこで動けなくなっているのだろう?」
その視点の変化が、親子関係も、学習状況も、大きく変えてくれます。
