「うちの子、解説はちゃんと読んでいるんです」
「解説を覚えているのに、テストでは解けません」
これは、私が算数専門の家庭教師として指導してきた中で、何度も聞いてきた言葉です。
結論から言います。
解説を覚えるだけでは、算数の成績は伸びません。
なぜなら、それは「理解」ではなく「暗記」だからです。
この記事では、
- なぜ解説暗記では伸びないのか
- 本当に成績が伸びる学び方とは何か
- 今日から家庭でできる改善方法
を具体的に解説します。
なぜ「解説を覚えるだけ」では伸びないのか?
① 算数は「インプット」ではなく「アウトプット」
算数の問題は、毎回少しずつ形を変えて出題されます。
数字が違う
聞かれている内容が違う
文章の順番が違う
図がない
つまり、全く同じ問題はほぼ出ません。
解説を丸ごと覚えても、
- 条件が1つ増えたら?
- 問われ方が逆になったら?
- 図がなくなったら?
そこで止まってしまいます。
それは「理解している」のではなく、「解説の文章を記憶しているだけ」だからです。
② 「わかったつもり」が一番危険
解説を読むと「なるほど」「そうか、こうやるのか」と、分かった気になります。
しかし自分で白紙から再現できますか?
- 解説を閉じて
- もう一度自力で
- 一言一句見ずに
これができない場合、理解は成立していません。
③ 思考力は“アウトプット”でしか鍛えられない
算数の力は、
✔ 考える
✔ 試す
✔ 間違える
✔ 修正する
この過程で育ちます。
解説暗記は「受け身」です。
しかし、入試やテストは自分の頭で考える競技です。
受け身の学習では、思考筋肉は育ちません。
解説暗記型の子によくある特徴
- ノートがきれい
- 解説を写すのが丁寧
- 「分かった」とよく言う
- でもテストで点が取れない
これは「理解の演出」はできているが、思考の練習をしていない状態です。
特に偏差値30〜40台で伸び悩む子の多くが、この状態に陥っています。
本当に成績が伸びる学び方
では、どうすればいいのでしょうか?
答えはシンプルです。
解説を見る前に、自分で考え切ること。
そして、解説を見たあと、必ず“再演習”すること。
正しい学習ループ
① まず自力で考える
② 答え合わせをする
③ 間違えた原因を分析する
④ 解説を読む
⑤ 解説を閉じてもう一度解く
⑥ 翌日もう一度解く
この流れができて初めて「理解」です。
「解説を覚える」から「構造を理解する」へ
大切なのは、
✔ なぜその式になるのか
✔ どの情報を使ったのか
✔ 何を求める問題だったのか
を言葉で説明できること。
たとえば割合なら:
- 何が「もとにする量」?
- 何が「くらべる量」?
- どちらを聞かれている?
ここまで説明できて、初めて理解です。
親ができる“理解チェック質問”
家庭で使える確認方法を紹介します。
解説後にこう聞いてください。
- 「どうしてその式になったの?」
- 「別の数字だったらどうなる?」
- 「何を求める問題だった?」
ここで止まるなら、暗記状態です。
それでも「時間がない」はどうする?
受験生は時間が限られています。
だからこそ、質の低い学習を繰り返す時間が一番もったいない。
10問を解説暗記するより、3問を完全理解した方が伸びます。
成績が伸びる子がやっていること
伸びる子は:
- すぐ解説を見ない
- 途中式を消さない
- 間違いノートを作る
- 翌日必ず解き直す
つまり、解説は「答え」ではなく「ヒント」として使っています。
よくある質問集
Q1. 解説を何度も読めば、そのうち理解できますか?
A1. 読むだけでは不十分です。理解とは「自分で再現できること」です。解説を閉じて、自力で説明・再現できるかが基準です。
Q2. すぐ解説を見ないと時間がもったいないのでは?
A2. すぐ見る方が、実は時間を無駄にします。考える時間が「思考力」を育てます。最低でも5〜10分は自力で考える習慣をつけましょう。
Q3. 同じ問題を解き直すのは意味がありますか?
A3. 非常に意味があります。むしろ「再演習」こそが成績を伸ばします。
✔ 解説直後
✔ 翌日
✔ 1週間後
この3回解ければ、本物の理解です。
Q4. 子どもが「分かった」と言います。本当に確認する方法は?
A4. 次の質問をしてみてください。
「どうしてその式になったの?」
「何を求める問題だった?」
「数字が変わったらどうなる?」
答えられなければ、まだ暗記段階です
Q5. 難しい問題でも、とりあえず解説を覚えれば入試は対応できますか?
A5. できません。入試は必ず形を変えて出題されます。考え方を理解していなければ、対応できません。
Q6. 偏差値30〜40台の子はまず何から変えるべき?
A6. 問題数を減らしてください。10問解説暗記するより、3問を完全理解する方が圧倒的に伸びます。
Q7. 解説を書き写すのは無意味ですか?
A7. 書き写すだけなら無意味です。しかし「自分の言葉でまとめ直す」「間違えた理由を書く」なら効果があります。
まとめ
「解説を覚えるだけ」では、算数は伸びません。
なぜなら算数は、思考の教科だからです。
成績が伸びる学習とは「自力で考える」「間違える」「原因を分析する」「再演習する」この繰り返しです。
もし今「解説は読んでいるのに成績が伸びない」と感じているなら、努力不足ではなく、学び方の問題かもしれません。
算数は、やり方で変わります。
そしてそれは、今日から変えられます。
