食塩水の問題は、中学受験でも頻出単元のひとつです。
しかし実際には「やり方は覚えたはずなのに、なぜか間違える」「計算は合っているのに答えが違う「水を足すとどうなるのか分からなくなる」というような声が非常に多い分野でもあります。
その原因は、公式が分からないからではありません。
多くの場合、何が“全体”で、何が“一部”なのかを整理できていないことが原因です。
食塩水は、ただの計算問題ではありません。
「割合」の理解がきちんとできているかどうかを試される単元です。
だからこそ、「全体はどれか?」「一部はどれか?」「何を求めているのか?」の3点を明確にしてから式に入ることが、何よりも大切になります。
食塩水の基本は、以下の3つを意識することがとても大事です。
・食塩水の量(全体)
・食塩の量(一部)
・濃さ(%)(割合)
そして、基本式はこれだけ。
・濃さ(%)= 食塩 ÷ 食塩水 × 100
・食塩 = 食塩水 × 濃さ
・食塩水 = 食塩 ÷ 濃さ
本記事では、食塩水の基本問題について解説していきます。
問1:300gの食塩水に45gの食塩。濃さは?
濃さ=食塩÷食塩水×100
の式にそのまま当てはめます。
すると、、、
45 ÷ 300 = 0.15
0.15 × 100 = 15%
答え:15%
となります。
問2:235gの水に15gの食塩。何%の食塩水?
まず「食塩水」の量(全体) を作ります。
食塩水=235+15=250g
となるので
濃さ=15 ÷ 250 ×100
15 ÷ 250=0.06 → 6%
答え:6%
となります。
問3:16%の食塩水150gに食塩は何g?
食塩=食塩水×濃さ(の1/100)
という、少しまぎらわしい式になってしまいます。
・16%=0.16
・150 × 0.16 = 24
答え:24g
問4:12%の食塩水300gを作る。水と食塩は?
まず食塩を出します。
食塩=300 × 0.12=36g
次に水を出します。
水=300 − 36=264g
答え:水264g、食塩36g
問5:食塩45gで18%の食塩水。食塩水は何g?
はじめに、食塩水=食塩÷濃さを使うと
・18%=0.18
・食塩水=45 ÷ 0.18
これらより、
45 × 100 ÷ 18 = 4500 ÷ 18 = 250
答え:250g
問6:食塩30gを何gの水にとかすと6%?
6%の食塩水ということは
食塩 ÷ 食塩水 = 6/100
食塩が30gなので、食塩水は「食塩水=30 ÷ 0.06」。
0.06=6/100なので
30 × 100 ÷ 6=300 ÷ 6=500g
水は「全体−食塩」
水=500 − 30=470g
答え:470g
問7:15%の食塩水400gに水100gを加える。何%?
ポイント:水を足しても食塩の量は変わらない
最初の食塩の量を出すと「食塩=400 × 0.15=60g」となります。
水100gを足した後の食塩水の量は「食塩水=400+100=500g」です。
濃さは「60 ÷ 500 × 100」より、60 ÷ 500=0.12 → 12%
答え:12%
問8:7%の食塩水200gから水を60g蒸発。何%?
ポイントは「蒸発するのは水だけ。食塩は減らない」ということです。
最初の食塩の量は「食塩=200 × 0.07=14g」です。
蒸発で減るのは水で、それにつられて食塩水もその分減ります。
新しい食塩水の量は「200 − 60=140g」、濃さは「14 ÷ 140 × 100」「14 ÷ 140=0.1 → 10%」
答え:10%
問9:4%の食塩水200gに食塩40g追加。何%?
ポイントは、食塩を入れたら、食塩も食塩水も増えるということです。
最初の食塩は「食塩=200 × 0.04=8g」です。
食塩40gを追加した後、「食塩=8+40=48g」「食塩水=200+40=240g」、濃さは「48 ÷ 240 × 100」を計算して「48 ÷ 240=0.2 → 20%」。
答え:20%
よくある落とし穴チェック|なぜ間違えるのか?どう防ぐのか?
食塩水の問題は、公式そのものよりも「何が変わって、何が変わらないのか」を見抜けるかどうかで正解率が決まります。
ここでは、多くの子どもがつまずくポイントを1つずつ丁寧に解説します。
① 水を足す → 食塩は変わらない
水を足したときに一番多いミスは、「全体が増えたから、食塩も増えた気がする」という感覚的な勘違いです。
しかし、実際に増えたのは 水だけ です。
例えば、15%の食塩水400gに水を100g加えるとき
・最初の食塩は 400×0.15=60g
・水を足しても、食塩60gはそのまま
つまり「食塩は変わらない」「食塩水(全体)だけ増える」ということから、濃さは「必ず薄くなる」のです。
・ポイント
水を足す問題では、まず 最初の食塩の量を書き出す。
そこから絶対に動かさない。
② 水が蒸発 → 食塩は変わらない
蒸発の問題も、考え方は同じです。
蒸発するのは 水だけ です。
食塩は空気中に飛びません。
例えば、7%の食塩水200gから水を60g蒸発させるとき、最初の食塩は「200×0.07=14g」蒸発後も食塩は 14gのまま、減るのは水だけなので、
・食塩水(全体)は少なくなる
・食塩はそのまま
だから、濃さは「必ず濃くなる」のです。
・ポイント
蒸発問題は「食塩は減らない」と声に出して確認する。
③ 食塩を足す → 食塩も食塩水も増える
ここも非常にミスが多いところです。
食塩を足した場合
・食塩は増える
・同時に食塩水(全体)も増える
ということになります。
なぜなら、「食塩水=水+食塩」だからです。
例えば、
・4%の食塩水200g
・食塩40g追加
ということであれば、最初の食塩は8g、追加後は
・食塩=8+40=48g
・食塩水=200+40=240g
となります。
ここでありがちなミスは「食塩だけ増やして、全体を200gのままにしてしまう」などです。
これでは大きな誤りになります。
・ポイント
食塩を足すときは「全体も増える」を必ずセットで考える。
④ 「水○gに食塩○g」→ まず全体を作る
これは最も基本で、最も多いミスです。
「235gの水に15gの食塩」と書かれていると、そのまま 15÷235 をしてしまう子がいます。
しかし、濃さは「食塩 ÷ 食塩水」です。
ここでの食塩水は「235+15=250g」ですので、まず 全体(食塩水)を作る ことが絶対条件です。
・ポイント
問題に「水○g」と書いてあったら、必ず「+食塩」をして全体を作る。
なぜこれらで間違えるのか?
多くの子どもは、「公式は知っている」「計算もできる」にもかかわらず、それでも間違えます。
理由は、「何が変化しているのか」を意識せずに計算しているからです。
食塩水の問題は計算問題ではなく、
変化の問題 です。
・何が増えた?
・何が減った?
・何は変わらない?
これを整理してから式を立てれば、正答率は一気に安定します。
まとめ:食塩水は「変わるもの/変わらないもの」を見抜く
食塩水の問題は、一見すると計算の問題に見えます。
しかし本質は、割合の問題でもあり、同時に変化の問題でもあります。
成績が安定する子と、いつもどこかでミスをする子の違いはここです。
「何が変わって、何が変わらないのか」を整理しているかどうか。
食塩水で絶対に意識する3つの確認
問題を解く前に、必ずこの3つを自分に問いかけます。
・食塩は増えた?減った?そのまま?
・食塩水(全体)は増えた?減った?
・だから濃さは濃くなる?薄くなる?
この確認をせずに計算に入ると、ほぼ確実にどこかで混乱します。
典型パターンを整理すると
・水を足す → 食塩は変わらない/全体は増える/薄くなる
・水が蒸発 → 食塩は変わらない/全体は減る/濃くなる
・食塩を足す → 食塩も全体も増える/濃くなる
・「水○gに食塩○g」 → まず全体を作る
これを頭の中で整理できれば、難しい問題でも土台は崩れません。
