「途中式を書きなさいと言われるけれど、暗算の方が速い」
「うちの子は全部暗算でやっているけれど、大丈夫?」
「逆に、途中式を書きすぎて時間が足りない…」
算数や数学を勉強していると、「暗算」と「途中式」のどちらを重視すべきかで悩む方は非常に多いです。
実際、計算が得意な子ほど暗算をしたがりますし、保護者の方からすると「頭の中でできるなら、その方が良いのでは?」と思うこともあるでしょう。
しかし結論から言うと、本当に大切なのは「暗算をするか」「途中式を書くか」ではなく、“何のためにそれをするのか”です。
この記事では、
・暗算のメリット・デメリット
・途中式を書く意味
・成績が伸びる子の使い分け
・中学受験・定期テストで失敗しやすいパターン
について詳しく解説します。
暗算のメリットとは?
計算スピードが上がる
暗算の最大のメリットは、やはりスピードです。
例えば、「25+37」「48÷6」のような簡単な計算を毎回筆算していたら、かなり時間がかかります。
中学受験でも高校受験でも、「制限時間との戦い」は非常に重要です。
そのため、ある程度の暗算力は絶対に必要です。
特に、九九や繰り上がり・繰り下がり、簡単な分数計算などは、瞬時に処理できるほど練習しておくことが大切です。
数の感覚が育つ
暗算をしている子は、「数の大きさ」や「計算の感覚」が育ちやすい傾向があります。
例えば、49×21を見て「50×21-21だな」、98+37を見て「100+35に近い」というように、“数を柔軟に見る力”が育っていきます。
この力は、中学受験算数の「工夫計算」などでも非常に役立ちます。
では、途中式は不要なのか?
むしろ「途中式を書けない子」は伸び悩みやすい
ここで非常に重要なのですが、「暗算ができる」ことと、「途中式を書かなくて良い」ことは全く別です。
実際、成績が伸び悩む子には、
・頭の中だけで解こうとする
・途中を書かない
・自分でも何を考えたか分からなくなる
・ミスをしても原因が分からない
という特徴がよくあります。
途中式を書く最大のメリットは「思考の整理」
途中式を書く本当の意味は、単なる記録ではありません。
「頭の中を整理するため」です。
例えば、「84÷(3.5−1.1)」のような計算を頭だけでやると、「どこまで計算したか」「何を先にやるか」が混乱しやすくなります。
しかし途中式を書けば、84÷2.4 =840÷24=35というように、考え方を整理できます。
「暗算ばかり」の子に起こりやすい問題
「できたつもり」になりやすい
暗算中心の子は、答えだけ見て、「分かった!」と思いやすい傾向があります。
しかし実際には、「途中で何を考えたのか」「どこで判断したのか」を説明できないことがあります。
すると、少し問題が変わっただけで対応できなくなります。
これは、「解き方を理解した」のではなく、「たまたま解けた」状態です。
成績が伸びる子は「使い分け」ができる
簡単な処理は暗算、複雑な処理は書く
本当に成績が伸びる子は、「どこを暗算するか」「どこを書くか」を自然に使い分けています。
例えば、「九九や簡単な足し算 → 暗算」「面積比 → 図を書く」「場合の数 → 樹形図を書く」というように、「頭の中だけでは危ない部分」をきちんと見える化しています。
これは非常に重要な力です。
保護者の方に知ってほしいこと
「暗算できる=優秀」ではない
保護者の方が特に注意したいのが、「全部暗算でできるなんてすごい!」と思いすぎてしまうことです。
もちろん暗算力は大切です。
しかし、算数・数学で本当に大切なのは、「再現性」です。
つまり、「毎回安定して解けるか」「少し変わった問題でも対応できるか」ということです。
そのためには、「考えた跡」を残す習慣が非常に大切になります。
途中式を書くときに意識したいこと
「後で自分が見て分かるか」を基準にする
途中式を書くときは、「先生に見せるため」ではなく、「未来の自分が見て理解できるか」を基準にしましょう。
例えば、「どこで考えたのか」「どこで間違えたのか」が後から分かるように書けると、復習効果が一気に上がります。
まとめ
暗算と途中式は、「どちらが正しいか」で考えるものではありません。
本当に大切なのは、「問題を正確に、再現性高く解けるか」です。
そのためには、「簡単な処理は暗算」「思考を整理するために途中式を書く」という使い分けが非常に重要です。
特に中学受験では、「頭の中では分かっていた」では点数になりません。
ぜひ普段の勉強から、「どこを暗算するか」「どこを書くべきか」を意識して学習してみて下さい。
その積み重ねが、「テストで安定して点を取れる力」につながっていきます。
