こんばんは。世田谷のプロ家庭教師、数学専門の鈴木です。
おうぎ形の面積や、円錐の表面積を求めることに、苦手意識を持っている生徒さんがたくさんいるなと感じます。
理解して、自分で問題を解けるようにするために、ここに、おうぎ形の表面積を求めるための手順を示していきます。
表面積とは何か
そもそも、表面積とは何でしょうか。
「表面積を求めなさい」
というと
「どんな公式を使って求めたっけ?」
ということばかりが頭の中にあり、体積を求める公式や、円の弧の長さを求める公式とが混同して、考えるのが嫌になることが、ありませんか?
表面積を求めるときには、まず最初に考えなければならないことがあります。
何か分かりますか?
それは、展開図を書くことです。
展開図を書かない生徒さん、多すぎます。
たくさんの公式ばかりが頭の中をグルグルしてるのは、良いことではありません。
まずは展開図を書きましょう。
円錐の展開図、書けますか??
おうぎ形と円が、くっついてあるやつですよ!
さて、展開図を書いたら、何を考えるのか。
表面積とは何かを、考えましょう。
ここでは円錐の表面積を考えているので、円錐を例にとると
展開図に出てきた全ての平面図形の面積、つまり、おうぎ形と円の面積を足したもの
が、表面積になるのです。
おうぎ形の面積だけを求めて、満足してはいけません。
円の面積は分かるけど…
展開図に出てきた円は、円錐のどの部分を指すか分かりますか?
これは、円錐の底面の部分です。
底面の半径と、円錐の母線が分かっている場合、母線は展開図におけるどの部分になるのか。
そうです。おうぎ形の半径にあたる部分です。
この辺り、ちゃんと確認しながら解き進めることが大切です。
底面に当たる円の半径が分かっている場合、円の面積は、どうやって求めますか?
円の面積は
半径×半径×π
で求めます。大丈夫ですね??
では、問題はおうぎ形の面積ですが、これに苦手意識がある生徒さんが、とても多いです。
何が分かれば面積が分かるのか
例えば、展開図を書いて、今分かっていることが、底面の円の半径とおうぎ形の半径だけだったとしましょう。
何が分かると、おうぎ形の面積が分かりますか?
逆に、何が分からなければ、面積が分からないですか?
その答えは
中心角が分からなければ、おうぎ形の面積が分からないのです。
おうぎ形の面積が分からないというのは、この、中心角が分からないということに起因していることがほとんどです。
以下に、中心角を求めるプロセスを、書いていきますね。
中心角を◻︎とおく!
今、真っ先に求めたいものは、おうぎ形の中心角です。
求めたいけれど、分からないものは、何か文字でおくか、◻︎や△でおくクセをつけましょう。
◻︎とおいて、何をするのか。
何に注目するのか。
底面の円の円周=⁇
円周はどこと等しいのか?
おうぎ形の弧の長さと等しいのです。
上の図でいうと、太く塗りつぶした部分ですね。
円周の長さは、どうやって求めますか?
円周は、直径×πで求めるのです。
つまり、上の例だと2πですね。
そして、ここからが大切です。
この、2πという長さは、一方でどこと等しいのか。
おうぎ形の弧の長さでしたね。
では、おうぎ形の弧の長さは、どうやって求めますか?
おうぎ形の半径は、上の例でいうと3cmですが、そもそも、おうぎ形とは、どんな図形の一部分ですか?
円の一部分なんです!
なので、おうぎ形の弧の長さを求めるといったときに、まずすべきことは、もともとの円の円周の長さを求めることなのです!
もう一度、円の円周は、どうやって求めますか?
直径×πです!
上の例でいうと、6×πで6πということになるわけですね。
では、ここからどうやって弧の長さを求めるのか。
例えば、中心角が90度と、具体的に分かっている場合、6π÷4と、すぐに分かることも多いのですが、この4という数字、どこから来ましたか?
それは、一周360°だから、90°はその4分の1だから…
という理由で分かるのですが、これが例えば50°とか、76°など、少し分かりづらいものになると、式が立てづらく感じる場面も、多いですね。
弧の長さを求めるときは
円周の長さに、(360°分の中心角)を掛けるのです。
上の図でいうと、どうなるか分かりますか?
6π×(360°分の◻︎)
となるわけです。
方程式をつくる
おさらいです。
円周の長さは、どこと等しいですか?
おうぎ形の弧の長さでしたね。
このことから、上の例でいうと、どんな式が出来上がるのか、分かりますか?
2π=6π×(360°分の◻︎)
となるわけです。
そして、問題はここからです。
◻︎をどうやって求めますか?
これは、方程式を解くこととも取れますし、もとを辿れば、小学校のときにやった逆算とも取れるのです。
上の式を見ると、360°分の◻︎に、カッコがついています。
あえて、こうやって式を作りました。
カッコの中身は、一つの数だと思って下さい。
6πに、何か一つの数を掛けたら、2πになりました。
この数は何でしょう?
今聞かれていることは、こういうことです。
答えは6π分の2π、つまり、約分して3分の1なわけです。
そして、この3分の1という数、どこの数でしたでしょうか。
そうです。
360°分の◻︎です。
すると、◻︎は何になるのか?
△分の◻︎=○の形の変形
問題です。
6分の◻︎=2、◻︎には何が入るでしょうか。
◻︎=6×2で12だと分かった人も多いかと思います。
では、8分の◻︎=2分の1、◻︎はなでしょうか。
16じゃないですからね!
こちらもやはり、◻︎=8×(2分の1)で、答えは4です。
では本題です。
(360°分の◻︎)=(3分の1)
◻︎に入る数は、何でしょうか。
上の例と、全く同じように考えて下さいね。
答えは360°×(3分の1)で、120°となります。
これで、中心角が出ましたね!
表面積を求める
かなり細かく見てきましたが
「あ、ここでいつも分からなくなるんだよね〜。」
といった部分が、苦手意識を持っている生徒さんには、どこかしらあったはずです。
もし、思い当たるところがあれば、その部分だけ何回でも読み直して、何回でも練習してみて下さいね。
さて、中心角が分かれば、あとは、やっと公式通りに計算することが許されます。
おうぎ形の面積は、どうやって求めるのか。
もとの円の面積×(360°分の中心角)
で求めるのです。
上の例でいえば
3×3×π×(360°分の120°)
です。
答えは3πです。
というわけで、表面積は、どうなるか分かりますか?
表面積は、おうぎ形の面積と、底面の円の面積を、どうするんでしたっけ?
足すのでしたね!
底面の面積は、半径が1だから、その面積は…
πですね。
ということで、表面積はどうなるかというと…
そうです。4πです。
ふぅ、やっとここまで来ましたね。
苦手だという方、こちらの記事を読んで、気になるところは何回でも読み直して、何回でも練習して、自分でできるまで、諦めないで下さいね。