中学受験を目指すお子さんにとって、「計算のきまり」は算数の基礎を固める大切な単元です。
予習シリーズ4年生(上巻)第2回では、四則計算、逆算、工夫して解く計算、文章題を学びます。
これらの内容をしっかり理解することで、より複雑な問題にも対応できる力が身につきます。
この記事では、学習のポイントや注意点、実際の類題を紹介しながら、「計算のきまり」をスムーズにマスターする方法を解説します。
予習シリーズ4年生(上巻)第2回で学ぶ「計算のきまり」とは?
中学受験の算数を学ぶ上で、「計算のきまり」はとても重要な単元です。
この単元をしっかり理解することで、計算のスピードと正確性が向上し、後の学習がスムーズに進みます。
予習シリーズ4年生(上巻)の第2回では主に、「四則計算」「逆算」「工夫して計算する問題」を学びます。
これらは、ただ計算するだけでなく、効率的に解く方法を身につけることが大切です。
本記事では、それぞれの学習ポイントを詳しく解説し、実際に活用できるようになるためのコツも紹介します。
計算のきまりの基礎を押さえよう
まず、「計算のきまり」とは、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)の正しい計算順序を理解し、効率的に計算するためのルールのことです。
特に重要なのが「演算の優先順位」です。
基本的なルールとして、以下の点を押さえておきましょう。
- 掛け算・割り算は足し算・引き算より先に計算する
例:4 + 7 × 8 → 7 × 8 を先に計算し、4 + 56 = 60 - かっこの中は最初に計算する
例:12 × (17 − 9) → (17 − 9) を計算し、12 × 8 = 96 - 同じ優先順位の演算は左から順に計算する
例:60 ÷ 2 × 5 → 左から計算し、(60 ÷ 2) × 5 = 30 × 5 = 150
これらのルールを理解することで、間違いや計算ミスを減らすことができます。
特に中学受験では、計算ミスが得点に直結するため、基礎をしっかり身につけておくことが大切です。
第2回で学ぶ主な内容
予習シリーズ4年生(上巻)第2回では、主に3つの重要なテーマを学びます。
1. 四則計算
四則演算の計算ルールを正しく理解し、スムーズに解く力を養います。
特に「かっこ」の優先順位や、掛け算・割り算の先行処理を意識することがポイントです。
2. 逆算
「□ + 2 = 11」など、未知の数を求める問題を解きます。
逆算の考え方を理解し、「もとに戻す」操作をスムーズに行うことが大切です。
3. 工夫して計算する問題
大きな数の計算を工夫して素早く解くテクニックを学びます。
たとえば、「37 × 25 × 4」は、「37 × (4 × 25)」と工夫すると、37×100となり、計算が楽になります。
この単元をしっかり学ぶことで、今後の算数の学習がよりスムーズになり、応用問題にも対応できる基礎力が身につきます。
計算のきまりを学ぶ際の注意点
「計算のきまり」は算数の基礎ですが、意外と計算ミスが起こりやすい単元でもあります。
特に中学受験では、問題の難易度が上がるにつれ、正確に速く計算する力が求められます。
そのため、単純な計算力だけでなく、計算の順序や法則を正しく理解し、適切に処理するスキルが必要になります。
この章では、「四則計算の順序」「逆算の考え方」「計算を工夫する方法」の3つのポイントについて詳しく解説します。
計算ミスを防ぎながら、効率よく計算するためのコツをしっかり押さえておきましょう。
順序に気をつけよう!四則計算のルール
四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)を正しく計算するためには、「演算の優先順位」をしっかり守ることが大切です。
1. 掛け算・割り算を先に計算する
例えば、
4 + 7 × 8 の場合、
「4 + 7」を先に計算すると 11 × 8 = 88 となり間違いです。
正しくは、「7 × 8」を先に計算し、
4 + 56 = 60 が正解となります。
2. かっこ内の計算を最優先する
例えば、
12 × (17 − 9) の場合、
「12 × 17」を先に計算してしまうと間違いです。
正しくは、かっこ内の「17 − 9」を先に計算し、
12 × 8 = 96 となります。
3. 同じ優先順位の演算は左から順に処理する
例えば、
60 ÷ 2 × 5 の場合、
「2 × 5」を先に計算すると 60 ÷ 10 = 6 となり、誤った答えになってしまいます。
正しくは、左から順に計算し、
(60 ÷ 2) × 5 = 30 × 5 = 150 となります。
このように、計算の順序を正しく守ることが、ミスを減らすための重要なポイントです。
普段から計算の流れを意識して練習しておきましょう。
逆算は「一つの数と見る」という考え方がポイント
逆算とは、式の中の「□(空欄)」に入る数を求める計算のことです。
例えば「□ + 2 = 11 」の場合、「□」を求めるには、「11 から 2 を引けばよい」と考えます。
1. 逆算の基本的な考え方
逆算では、「□が含まれる部分を一つの数と考える」 ことが重要です。
例えば、
(17 + □) ÷ 3 = 11 の場合、まず、全体の流れを逆にたどります。
- 「÷3」を「×3」に変えて、11 × 3 = 33
- 「+ 17」とあるので、33 – 17 = 16
- よって、□ = 16
このように、逆算では「カッコで囲まれた式」「×、÷でつながれた数字」は「一つの数とみなす」という考え方が大切になります。
また「+ の反対は −」「× の反対は ÷」といった関係を理解しておくと、スムーズに解けるようになります。
2. 計算の流れを意識する練習が大事
逆算の問題を解くときは、
- 「□の周りにどんな計算がされているのか」
- 「計算の順序を逆にたどる」
この2つを意識することで、スムーズに答えを導き出せます。
特に文章題では逆算の考え方がよく出題されるので、しっかり練習しておきましょう。
計算の工夫の基本は「分配法則」
計算を効率よく解くためのテクニックとして、分配法則を活用することが重要です。
1. 分配法則とは?
分配法則とは、掛け算を分けて計算することで、計算を簡単にする方法です。
例えば「45 × 82 + 18 × 45」をそのまま計算すると、大きな数の掛け算が必要になり、計算が大変です。
しかし、分配法則を使うと「45 × (82 + 18) = 45 × 100 = 4500」となり、計算が一気に簡単になります。
2. 分配法則を活用した工夫の例
例えば「99 × 8 」を計算するとき、
- 99 を (100 − 1) と考える
- (100 × 8) − 8 を計算する
これにより、
800 − 8 = 792 と、簡単に求めることができます。
3. 計算の工夫でスピードアップ!
分配法則を活用すると、計算量を減らせるというメリットがあります。
中学受験では、短時間で正確に答えを出すことが求められるため、計算の工夫は必須のスキルです。
日頃から「分解して考える」練習をしておくと、自然と計算力が身につきます。
「計算のきまり」を理解するためのコツとポイント
「計算のきまり」をしっかりと理解し、正しく使いこなすことは、中学受験における算数の土台を築くうえで欠かせません。しかし、単にルールを覚えるだけではなく、実際の問題の中でスムーズに適用できることが大切です。
計算を速く、正確に解くためには、**「計算の順序を意識すること」「逆算をスムーズに解くコツを知ること」「計算を工夫して効率よく解くこと」**の3つのポイントを押さえる必要があります。
この章では、それぞれのポイントについて詳しく解説し、計算の精度を高めるための具体的な方法を紹介します。
「かっこ」の優先順位を意識しよう
四則計算では、計算の順序を守ることがとても重要です。その中でも、「かっこ()」の優先順位を意識することは、計算ミスを防ぐうえで特に大切なポイントになります。
1. かっこ内の計算は最優先
かっこがある場合は、必ずその中を先に計算します。
例:
48 ÷ (15 − 7)
間違った計算:
48 ÷ 15 − 7 = 3.2 − 7 = -3.8(誤り)
正しい計算:
(15 − 7) = 8
48 ÷ 8 = 6(正解)
かっこを飛ばして計算してしまうと、間違った答えになってしまうため、注意が必要です。
2. かっこが複数ある場合の優先順位
かっこが複数ある場合は、内側のかっこから順番に計算していきます。
例:
{21 − (12 + 5)} ÷ 2
まずは内側のかっこ「(12 + 5)」を計算し、
21 − 17 = 4
次に、外側の計算を実行し、
4 ÷ 2 = 2
このように、内側のかっこ → 外側のかっこの順番で計算を進めることで、正しい答えを導き出せます。
かっこが入ると一気に計算が複雑に見えますが、順序を意識すればスムーズに解けるようになります。
逆算は「具体例を思い出す」がポイント
逆算は、「式を逆にたどる」という考え方が基本になりますが、それに加えて「具体例を思い出す」ことが、スムーズに解くためのコツになります。
1. 逆算を「式の逆操作」として考える
たとえば「□ × 5 = 45」という式は「□に5をかけたら45になる」 → 「45を5で割れば□が求まる」という流れになります。
よって「□ = 45 ÷ 5 = 9」というように、式の流れを「もとに戻す」という考え方を常に意識しましょう。
2. 具体的な計算例を思い出す
逆算の問題に慣れていないと、どこから手をつければいいのか分からなくなることがあります。
そのような場合は、似たような計算問題を思い出して、具体的な数値の動きをイメージすると、解きやすくなります。
例:(17 + □) ÷ 3 = 11
これがピンとこない場合、まずは「▢÷2=3」 という計算例を思い出すと「▢=2×3=6」と分かります。
こうした例を思い出し、「カッコのついた式は一つの数」を思い出すと「(17+□ ) = 11×3=33」も分かります。
このように、計算のイメージがつかめるようになると、逆算がスムーズに解けるようになります。
かけ算や割り算の工夫で計算をラクにする
計算を速く、正確に解くためには、「工夫して計算する力」を身につけることが重要です。
その中でも、かけ算や割り算では、計算を簡単にするためのテクニックがいくつかあります。
1. かけ算の工夫(分配法則)
かけ算を工夫すると、計算がラクになります。
例:
35 × 25 × 4
普通に計算すると手間がかかりますが、先に「25×4=100」をすると、答は「3500」と分かります。
ただし、気をつけなければいけないのは、この式のように「かけ算が連続している式」でなければ、「25×4」の方を先に計算することはできません。
このように、計算しやすい組み合わせを見つけることがポイントです。
2. 近い数を使って計算する
例:97× 8
97を「100 − 3」と考えると、
- (100 × 8) − (3× 8) = 800 − 24= 776
このように、計算しやすい数に置き換えることで、スピードアップが可能です。
実際に挑戦!「計算のきまり」の類題と解答
「計算のきまり」を理解するためには、実際に問題を解いてみることが一番の近道です。
ここでは、「四則計算」「逆算」「工夫して解く計算」の3つの分野に分けて、類題を紹介します。
問題を解くときは、次の3つのポイントを意識しましょう。
- 四則計算の順序をしっかり守る(かっこを優先し、掛け算・割り算を先に計算する)
- 逆算は「もとに戻す」考え方を使う(移項のルールを意識する)
- 計算の工夫を活用し、素早く解く方法を考える(分配法則や分解を使う)
それでは、実際の問題に挑戦してみましょう!
四則計算の類題
問題
次の計算を正しく行いましょう。
- 6 + 8 × 5
- 72 ÷ (18 − 6)
- 50 − {14 − (12 ÷ 4)}
- (24 ÷ 3 + 5) × 2
- {36 − (18 ÷ 3)} ÷ 6
解答と解説
- 6 + 8 × 5 → 6 + 40 = 46(掛け算を先に計算)
- 72 ÷ (18 − 6) → 72 ÷ 12 = 6(かっこの中を先に計算)
- 50 − {14 − (12 ÷ 4)} → 50 − {14 − 3} = 50 − 11 = 39(内側のかっこから順に計算)
- (24 ÷ 3 + 5) × 2 → (8 + 5) × 2 = 13 × 2 = 26(かっこの中を計算してから掛け算)
- {36 − (18 ÷ 3)} ÷ 6 → {36 − 6} ÷ 6 = 30 ÷ 6 = 5(かっこを優先しながら計算)
ポイント
- まずはかっこの中を計算する
- 掛け算・割り算を先に計算する
- 計算の順序を意識してミスを防ぐ
逆算の類題
逆算では、「□の部分を求める」ために、式を逆にたどる考え方が必要です。
加減乗除の関係をしっかり理解し、逆算の流れをスムーズにしましょう。
問題
次の□に入る数字を求めましょう。
- □ + 5 = 23
- □ − 12 = 30
- □ × 7 = 84
- 88 ÷ □ = 11
- (□ + 9) ÷ 3 = 12
解答と解説
- □ + 5 = 23 → □ = 23 − 5 = 18(加算の逆は減算)
- □ − 12 = 30 → □ = 30 + 12 = 42(減算の逆は加算)
- □ × 7 = 84 → □ = 84 ÷ 7 = 12(乗算の逆は除算)
- 88 ÷ □ = 11 → □ = 88 ÷ 11 = 8(除算の逆は乗算)
- (□ + 9) ÷ 3 = 12 → □ + 9 = 12 × 3 = 36 → □ = 36 − 9 = 27(除算を掛け算に戻し、最後に引き算)
ポイント
- 足し算・引き算・掛け算・割り算の逆の関係を意識する
- まずは「式を逆にたどる」ことを意識する
- かっこのある式は、かっこ内をまとめて考える
工夫して解く計算の類題
計算の工夫をすることで、計算スピードを上げ、ミスを減らすことができます。分配法則や数の分解を活用して、賢く計算しましょう。
問題
次の計算を、できるだけ工夫して解きましょう。
- 25 × 48
- 99 × 7
- 76 × 126 − 76× 26
- 86 × 73 + 27 × 86
- 47 × 25 × 4
解答と解説
- 25 × 48 → (25 × 50) − (25 × 2) = 1250 − 50 = 1200(50を基準にして計算)
- 99 × 7 → (100 × 7) − (1 × 7) = 700 − 7 = 693(99を100−1と考える)
- 76 × 126 − 76 × 26 → 76 × (126 − 26) = 76 × 100 = 7600(分配法則を利用)
- 86 × 73 + 27 × 86 → 86 × (73 + 27) = 86 × 100 = 8600(分配法則を利用)
- 47 × 25 × 4 → 47 × (4 × 25) = 47 × 100 = 4700(計算しやすい組み合わせに変更)
ポイント
- 分配法則を使うと計算がシンプルになる
- 数をうまく分解し、計算しやすい形に変える
- 九九や基本的な計算ルールを活用する
まとめ
「計算のきまり」は、算数の基礎を固めるために欠かせない重要な単元です。
特に中学受験では、計算ミスを減らし、速く正確に答えを出す力が求められるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
本記事では、以下のポイントを解説しました。
✅ 四則計算のルールを守る
・掛け算・割り算は足し算・引き算より先に計算する
・かっこの中の計算を優先する
・同じ優先順位の演算は左から順に処理する
✅ 逆算の考え方を身につける
・「□の部分を一つの数と見る」ことで式の流れをつかむ
・移項のルールを意識して、式を逆にたどる
✅ 計算の工夫を活用する
・分配法則を利用すると、計算をラクにすることができる
・近い数を基準にすることで、暗算しやすくなる
✅ 実際の問題を解いて、理解を深める
・四則計算、逆算、工夫して解く計算の類題を通じて、考え方を練習
これらのポイントを意識して学習を進めることで、計算力が向上し、より複雑な問題にも対応できるようになります。
特に、文章題や応用問題を解く際にも、「計算のきまり」を正しく適用できることが大切です。
日々の学習では、単に問題を解くだけでなく、
✅ なぜその順序で計算するのか?
✅ どうすればもっと簡単に計算できるか?
といったことを意識すると、より深い理解につながります。
「計算のきまり」をしっかり身につけて、中学受験の算数を得意科目にしていきましょう!

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