定期テストが終わった後、つい「次の単元に進もう」と思ってしまう人も多いでしょう。
しかし、成績が上がる生徒ほど「テスト後の振り返り」を丁寧に行っています。
テストを振り返る目的は、「何ができて、何ができなかったか」を整理し、次のテストで同じミスをしないこと。
この記事では、
- 効果的な振り返り方の手順
- 成績が伸びる間違いノートの作り方
- 実際に活用するためのチェックリスト
を詳しく紹介します。
振り返りの目的を明確にする
まず大前提として、「振り返り」は“反省”ではなく“分析”です。
「なんでこんなミスを…」と自分を責めるのではなく、「どんな思考・行動がミスを生んだか」を冷静に見つめることが大切です。
振り返りのゴールは「再現性」と「修正」
- うまく解けた問題 → なぜうまくいったかを再現する
- 失敗した問題 → どの段階でつまずいたかを修正する
この2点を意識するだけで、振り返りの精度が大きく変わります。
テストを「構造的に」分析する方法
点数だけではなく、テスト全体の構造を見直しましょう。
分析のステップ
- 問題ごとに「正解・不正解」を色分け
- 各大問を「単元別」に分類(例:一次関数・確率・図形など)
- さらに「原因別」に整理
- 計算ミス(ケアレスミス)
- 理解不足(公式・定義を知らなかった)
- 時間配分(最後まで到達できなかった)
- 読み違い・条件見落とし
→ この分析をまとめることで、「弱点の傾向」と「得点源の単元」が明確になります。
効果的な「振り返り方」の実践ステップ
ここでは、テスト後に実際に行う“具体的な振り返りの流れ”を紹介します。
振り返り5ステップ
- テスト用紙をコピーして保存
→ 原本を残しておくことで、次回テスト前に見返せる。 - 解き直しをする(時間を測る)
→ 「制限時間内に本当にできるか」を再確認する。 - ミスの原因を書き出す
→ 例:「符号を確認しなかった」「面積の単位を書き忘れた」 - 正しい解法を自分の言葉で説明する
→ “理解”ではなく“説明できる”状態を目指す。 - 同じ形式の類題を1問解く
→ “理解した”を“できる”に変える。
この流れを1回転させるだけで、同じ単元でのミスは劇的に減ります。
「間違いノート」の作り方と使い方
間違いノートは、単なる記録帳ではなく、“自分だけの弱点データベース”です。
作り方と使い方のポイントを具体的に紹介します。
<作り方:4ステップ>
- タイトル欄に「単元名+問題テーマ」
例:「連立方程式|代入法の計算ミス」「平行線と角|補助線の引き忘れ」 - 間違えた問題を貼る or 手書きで再現する
→ どこでミスしたのか一目でわかるように。 - ミスの原因を書く
→ 「途中計算を省いた」「式を立てるときに変数を取り違えた」など具体的に。 - 正しい考え方・再解答をまとめる
→ 模範解答を写すのではなく、**自分の言葉で“なぜそうなるか”**を書き残す。
<使い方:成績アップにつながる3つの活用法>
- 次のテスト勉強の最初に見返す
→ 「同じミスを防ぐチェックリスト」として活用。 - 単元テスト前に“類題”を解いて再確認
→ ミスが定着しないうちに、再演習でリセット。 - 定期的に「ミスの傾向」を振り返る
→ 3回連続で似たミスをしていないか確認する。
(例:「計算の符号」「条件の読み取り」など)
<ノートの見た目の工夫>
- 左ページ:問題・自分の解答
- 右ページ:ミスの原因・正しい解法・再演習結果
→ 見開きで“過去の自分”と“修正後の自分”を比較できる。
色ペンを使って「原因」「改善策」を視覚化すると、復習時の記憶定着率が上がります。
振り返りの成果を「次の行動」に落とし込む
振り返りの目的は“反省”ではなく“改善”。
分析をしたら、次のテストまでの「行動目標」を立てましょう。
例:行動計画の立て方
- 計算ミスが多い → 毎朝5分「計算だけ練習」する
- 問題文の読み落とし → ノートに条件をマーカーで線を引く習慣をつける
- 時間が足りなかった → 模試形式で制限時間を意識して演習する
目標は「短く」「具体的に」「数値化して」設定するのがコツです。
よくある質問
Q1. 間違いノートはいつ作ればいいですか?
→ テスト返却のその日、または翌日がおすすめです。
記憶が新しいうちに書くことで、「なぜ間違えたか」が明確になります。
Q2. 全問やる必要がありますか?
→ いいえ。「今後も出そうな問題」「同じミスをしそうな問題」だけで十分です。
Q3. ノートが続かない場合は?
→ テンプレートを作って、書く項目を固定化すると続けやすいです。
(例:「ミスの原因」「正しい考え方」「次回の対策」)
まとめ
数学の定期テストで結果を出すには、テスト後の時間をどう使うかが勝負です。
✅ 振り返り5ステップ
- 点数ではなく中身を見る
- ミスの原因を言語化する
- 正解問題も根拠を確認する
- 間違いノートを作る
- 改善行動を実行する
“できなかった”問題は、“できるようになる”ための材料。
その積み重ねが、次のテストでの確実な得点力アップにつながります。
