算数の問題集を見ていると、よく次のような欄があります。
・「少し難しい問題」
・「発展問題」
・「チャレンジ問題」
このような問題を見て、
・やった方がいいの?
・難しいなら飛ばしていい?
・全部やらないといけない?
と悩む保護者の方も多いです。
結論から言うと、「少し難しい問題」は状況によって解くべき場合と、解かなくてよい場合があります。
むしろ、使い方を間違えると
・算数嫌いになる
・基礎が崩れる
・成績が伸びなくなる
ということも珍しくありません。
この記事では、算数専門家庭教師としての経験から、問題集の「少し難しい問題」の正しい扱い方を詳しく解説します。
「少し難しい問題」の本当の目的
まず知っておいてほしいことがあります。
問題集の「少し難しい問題」は、全員が解く前提ではありません。
多くの教材は次の構造になっています。
① 基本問題
② 標準問題
③ 少し難しい問題(発展)
つまり、「基本 → 標準がメイン」であり、「少し難しい問題」は上位層向けなのです。
この部分を誤解すると、学習が崩れます。
なぜ「少し難しい問題」が用意されているのか
理由は主に3つあります。
理由① 上位層の演習用
問題集は
・算数が得意な子
・普通の子
・苦手な子
全員が使う教材です。
そのため、上位の子が退屈しないように発展問題が用意されています。
理由② 思考力トレーニング
少し難しい問題は、
・一段階ひねってある
・複数の考え方が必要
・条件整理が必要
など、思考力を鍛えるための問題になっています。
ただしこれは、基礎ができていることが前提です。
理由③ 入試レベルへの橋渡し
中学受験算数では「標準問題だけ」では足りないこともあります。
そのため、入試レベルに近い問題として用意されている場合もあります。
「少し難しい問題」をやるべき子
次の条件がそろっている場合は、ぜひ解くべきです。
① 基本問題をほぼ間違えない
目安は正答率90%以上です。
基本問題でミスが多い場合、発展問題に進むのはまだ早いです。
② 自分で考える習慣がある
発展問題は
・すぐ解けない
・試行錯誤が必要
です。
そのため
・図を書く
・条件整理する
・試す
といった思考プロセスが必要になります。
③ 算数が好き
これはとても重要です。
発展問題は楽しい人には最高の教材ですが、苦手な子には苦痛になります。
「少し難しい問題」をやらなくていい子
次のケースでは、むしろやらない方がいいです。
ケース① 基礎問題でミスが多い
これは非常に多いです。
例えば
・計算ミスが多い
・単位を間違える
・問題文の読み違い
この状態で発展問題をやると学習効率が一気に下がります。
まずやるべきは基礎の精度アップです。
ケース② 解説を読んでも理解できない
発展問題は、解説を読めば理解できるレベルであることが重要です。
もし
・解説が理解できない
・なぜその式になるか分からない
ならレベルが合っていません。
ケース③ 時間が足りない
中学受験の勉強では、やることが多すぎます。
そのため、優先順位は
① 基礎
② 標準
③ 発展
です。
③は余裕があるときだけ
で十分です。
一番多い失敗パターン
実は多くの家庭で起きているのが、次のパターンです。
「全部やらないといけない」
問題集を「1ページ残さずやろうとする」ケースです。
しかしこれは、算数が伸びない典型パターンです。
理由はシンプルで、「復習時間が消えるから」です。
算数で大事なのは
・解いた問題の復習
・間違えた問題の理解
です。
量を増やすより、理解を深める方が重要です。
算数が伸びる問題集の使い方
おすすめの使い方を紹介します。
Step① 基本問題を完璧にする
目標
「見たら解き方が分かる」
状態です。
Step② 標準問題を自力で解く
次に、標準問題を自力で解けるかを確認します。
ここが算数の実力ゾーンです。
Step③ 余裕があれば発展問題
ここまでできたら、発展問題に挑戦します。
ただし、
・10分考える
・無理なら解説を見る
くらいで十分です。
発展問題のおすすめ勉強法
発展問題は、次の方法がおすすめです。
① まず自力で考える
② 図を書く
③ 条件整理
④ 解説を読む
⑤ もう一度解く
特に重要なのが「解説を読んだあともう一度解く」です。
これをしないと「理解したつもり」で終わります。
よくある質問
Q1. 展問題をやらないと入試に対応できませんか?
A1. そんなことはありません。多くの入試問題は、基礎の組み合わせです。まずは標準問題を確実に解けることが最優先です。
Q2. 難しい問題で粘るのは良いことですか?
A2. 適度なら良いですが、30分以上止まるのは非効率です。10〜15分考えて、方向性が見えなければ解説を読む方が効果的です。
Q3. 塾の宿題で発展問題が出ます
A3. その場合は「全部やらなくてもよい場合」「優先順位がある場合」があります。塾の先生に「どこまで必須か」を確認するのがおすすめです。
まとめ
算数の勉強で一番重要なのは、「基礎の精度です。
「少し難しい問題」は
・基礎が固まっている
・時間に余裕がある
・算数が好き
この条件がそろったときに、挑戦すれば十分です。
むしろ、多くの子にとっては、基礎問題を完璧にする方が成績は伸びます。
算数は「難しい問題をたくさん解いた子」ではなく、「基本問題を確実に解ける子」が最終的に合格します。
焦らず、「基礎 → 標準 → 発展」の順番を大切にしましょう。
