中学受験算数の周期算の問題 規則性の見つけ方と問題の解き方

こんにちは。鈴木です。

今回は、数の規則性の中でも、周期算に関する問題を見ていきたいと思います。

周期算で大事なのは、数の並びにおいて、どんな規則性が隠れているのかを自分で見つけることです。

多くの場合、数を順番に並べて、番号とそれに対応する数字との間にある関係性を調べることになります。

ここでは、規則性の見つけ方や、問題ごとの考え方を見ていくことにします。

周期算 何種類かの数字をきまりにしたがって並べる問題

{1、2、3}の3種類の数字を、あるきまりにしたがって、下のようにならべました。左から53番目の数字は何ですか?

3、2、1、3、3、2、1、3、3、2、1、3、3、2、1、・・・・・

きまりの見つけ方

そもそも、きまりとは、何のことでしょうか。

上の問題を見ると、3の次は2、2の次は1、1の次は3、3の次は3、3の次は2、・・・

という風に、数字が並んでいます。

見ていくと、3、2、1、3と並んだあとに、また3、2、1、3と、数字が並んでいることが分かります。

この例から分かる通り、きまりとは、数の並び方が決まった上で、その並び方が繰り返されることです。

ですのでまずは、数の並び方とその繰り返しを、見つけることが大事です。

はじめの数から数えて4番目あたりまでの数を見ていくと、数がどんな並び方をしていて、最初に繰り返すのは何番目からなのかが、分かることが多いです。

この問題の場合は、1番目の数は3、4番目の数も3、5番目の数と8番目の数も3であることから、3、2、1、3という数の並びが最初に繰り返されるのは5番目であることが分かります。

数の並びのはじめとおわりに注目する!

上の例でいうと、数の並びは、{3、2、1、3}というセットになっていますが、注目すべきは、数の並びのはじめとおわりです。

この数の並びを見ると、3ではじまって、3で終わっています。

{3、2、1、3}という1つのセットにおいて、以下の2つを考えることが大事です。

・はじめの3は、もとの数の並びにおいて何番目の数なのか?

・おわりの3は、もとの数の並びにおいて何番目の数なのか?

もう一度、もとの数の並びを見てみましょう。

3、2、1、3、3、2、1、3、3、2、1、3、3、2、・・・

数の並び(セット){3、2、1、3}において、はじめの3は、もとの数の並びにおいては

1番目、5番目、9番目、13番目、・・・

の数であることが分かります。

おわりの3は、もとの数の並びにおいては

4番目、8番目、12番目、16番目・・・

の数であることが分かります。

実はこれらのことが、問題を解く上では大切なカギとなるのです。

いきなり大きな番号を考えない

さて、問題は、数の並びにおいて、53番目の数を求めることでした。

53番目というと、番号が大きくて、何をすれば良いのか分からないという生徒さんも多くいます。

しかし、上に書いた数の並びにおけるはじめの数とおわりの数が、それぞれもとの並びにおいては何番目なのかを考えることで、分かりやすくなります。

{3、2、1、3}のセットにおいて、おわりの3は、それぞれ4番目、8番目、12番目、16番目、・・・の数でした。

つまり、おわりの3は、4の倍数の番号のときに現れるのです。

いちばん近い番号を考える

ここでは、53にいちばん近い4の倍数を考えてみましょう。

4、8、12、16、20、24、・・・、48、52、・・・

ということで、52がいちばん近いですね。

つまり、52番目の数が3であることは分かります。

ここで出てきた3は、{3、2、1、3}のセットにおける、はじめの3か、おわりの3かどちらだったか、確認しておいて下さい。

おわりの3です。

52番目に、おわりの3がきているわけですから、53番目からは、また3、2、1、3、・・・、と続いていくわけです。

つまり、53番目の数は3であることが分かります。

周期算 白マルと黒マルを並べる問題

あるきまりにしたがって、〇と●を下のように100個ならべました。このとき、〇は全部で何個ありますか。

●〇●〇●●●〇●〇●●●〇●〇●●●〇●〇●●●〇●〇●●●〇・・・

並び方の規則性を見つける

こうした問題も、やはりどんな並び方でマルが並んでいるのかを見つけることからはじめます。

数の並びと同じく、4番目か5番目まで見ていくことで、マルの並び方のセットと、その繰り返しが見つかります。

この問題では

●〇●〇●●

という並びが、一つのセットになっています。

並びのセットにおけるマルの数を調べる

問題では、●の数を聞かれているので、規則性(マルの並びのセット)が分かったら、そのセットにおいて、〇の数と●の数はそれぞれいくつなのかを、はじめに把握しておきましょう。

この問題の場合は

●4個、〇2個

というセットになっていますね。

はじめのマルとおわりのマルに注目する

マルを並べる問題も、数を並べる問題と同じく、はじめとおわりに注目することが大事です。

マルのセットにおいて、この問題では●ではじまって、●でおわっていますね。

もとのマルの並びにおいては、1番目の●からはじまって、6番目の●までが、1つ目のセットになっています。

次に、7番目の●からはじまって、12番目の●までが、2つ目のセットになっています。

もとの並びにおいては何番目かを調べる

ここでもやはり、セットの中にあるはじめの●とおわりの●が、もとのマルの並びにおいては、何番目なのかを考えることになります。

番号を答える問題であっても、「何個か?」を答える問題であっても、いずれにしても、上に書いた考え方は必ず使います。

マルの並びのセットにあるはじめの●は、もとの並びにおいては

1番目、7番目、13番目、19番目、・・・

おわりの●は、もとの並びにおいては

6番目、12番目、18番目、24番目、・・・

となっています。

100番目に近い番号を考える

この問題では、マルを100個並べたときのことを考えています。

マルのセットは、●4個、〇2個でなっています。

1つのセットに、●と〇合わせて6個あるので、何セットあれば、100個に近くなるのかを考えます。

1セットで6個、2セットで12個、3セットで18個、・・・

と考えていくことで、マルが全て合わせて100個に近いとき、16セットで96個あると考えるのが、分かりやすいのではないでしょうか。

このとき、●は何個あるのか、〇は何個あるのか、答えてみて下さい。

●は4×16=64個、〇は2×16=32個

あることが分かります。

96番目は●がきて、そこからまた●〇●〇●●・・・と続くので、100番目は〇であることが分かります。

ということで、〇は全部で、32+2=34(個)あるのです。

周期算 和を求める問題

 {6、7}の2種類の数字を、あるきまりにしたがって、下のようにならべました。1番目から35番目までの数字をすべて加えたときに和を求めなさい。

7、6、6、6、7、6、6、6、7、6、6、6、7、6、6、・・・

まずは規則を見つける

上に書いた数字のならびを見ると、どんな規則があるでしょうか。

7からはじまり、6が3回ならんだあと、また7がきて、その次にまた6が3回続きます。

この「7がきたあとに、6が3回続くという規則」が、ずっと続くと考えられます。

小さい番号のときから考えてみる

問題では、「35番目まで」とありますが、まずは小さい番号のときを考えてみて下さい。

例えば、1番目の7から4番目の6までを全て足すと、1番目から4番目までの数字の和は

7+6+6+6=25

となります。

つまり、4番目まで足すと25になるわけです。

1番目から4番目までが、1つ目の周期でしたので、2つ目の周期(5番目から8番目)を考えてみましょう。

5番目から8番目も、やはり同じ周期ですので、2つ目の周期の数字を全て足すと、その和は25です。

はじめから4番目までの数字を全て足すと25、8番目までの数字を全て足すと50ということになります。

さて、3つ目の周期まで考えると、何となく和に関しても、規則性が見えてきそうです。

3つ目の周期の数字を全て足すと、やはり25となり、はじめから12番目までの数字を全て足すと75になることが分かります。

4番目まで足すと25

8番目まで足すと50

12番目まで足すと75

・・・

番号が4つずつ増えると、和は25ずつ増えていますね。

つまり、番号が4の倍数のときは、とても考えやすいのです。

ということは、16番目までの和は100、20番目までの和は125、24番目までの和は150、・・・

と考えていくことで、とりあえず4の倍数の番号のうち、35番に近いときの和が分かれば良いのです。

和の出し方について

少し比例の考え方に似た部分もあります。

番号が4番から8番へとかわるとき、番号は2倍になっていますが、和も25から50へと、2倍になっていることが分かります。

4番から12番へと、番号が3倍になっても話は同じで、和もやはり、25から75へと、3倍になっていますね。

こうやって考えると、35番に近い4の倍数の番号を一つ考えて、その番号が4の何倍になっているのかが、分かれば良いのです。

36番が、一番良さそうですね。

36番のときで考えると、36は4×9ですから、和の方も25×9=225 となっているのです。

はじめから36番目までの数字を全て足すと、225になっていることが分かりました。

問題では、35番目まで足したときが問われています。

36番目の数字が、いくつなのかが分かれば、225からその数字を引いて、答えが出せたことになります。

4、8、12、16、20、・・・

これらの番号にあたる数字は、すべて6となっていますので、答は225-6=219 になります。

周期算 針金を折り曲げる問題

 1本の針金を15cmごとに折り曲げて、下の図のような形を作ったところ、はしからはしまでの長さが285cmになりました。針金の長さは何cmですか。

どんな形が繰り返し現れるのかを考える

上の図形を見て、何やら同じ形の図形が繰り返し出てくるのだなということが、分かると良いですね。

繰り返し現れる(であろう)「同じ図形」が、どうやったら見つかるのかが分かりづらいと感じる人は、まずは問題に載っている図形を、なぞってみることをおすすめします。

なぞっていくと、不思議なもので

「あ、ここでまた、こんな図形を描いたんだな!」

ということが、分かってくるはずです。

私も実は、こうした問題を解くときは、必ず図形を個別に描いて、なぞっていきます。

この問題では、まずは針金を3回折って得られる、こんな形が繰り返し現れることが分かります。

繰り返し現れる図形の長さはいくらか

繰り返し出てくる図形が、どんな形をしているのかが分かったら、その長さを調べてみます。

この図形のはしからはしまでの長さは、30cmであることが分かります。

ちなみに、さりげなく「はしからはしまで」と書きましたが、これは図に描いてある部分のことを指します。

問題文にも、既に書いてありますが、解く前に、問題文の中にある言葉が、図でいうと「どこの何のこと」を言っているのか? を把握しておくことは、とても大事です。

これは、どの問題を解くときにも言えることです。

そして、そもそも問題文で聞かれているのは、針金全体の長さです。

15cmごとに折り曲げているので、3回折り曲げて作った図形については、15cmの部分は4つできるので、図形一つ分の全体の長さは60cmとなるのです。

やはり短い場合の長さから考える

図形一つの「はしからはしまで」の長さは、30cmでした。

図形2つ分では60cm、図形3つ分では90cm、図形4つ分では120cmとなるのです。

このときも、やはり比例に似た考え方が出てきます。

(図形の個数)×30=(個数分の図形のはしからはしまでの長さ)

となっています。

問題文には、285cmとあったので、ここでもやはり、285cmに近い長さから考えていくことが良いです。

ヒントとなるのは、上の式に出てきた「×30」という部分です。

図形一つ分の30cmからはじまって、60cm、90cm、120cm、・・・

と増えていくので、30の倍数を考えていくと、良いことがありそうですね。

つまり、285に近い30の倍数を考えることとなります。

270か300ということになりますが、270としておきます。

「はしからはしまで」270cmであれば、図形は何個ならんでいるのかを考えることになります。

それは、上の式から、270÷30=9(個)であることが分かります。

余った部分に気をつける!

「繰り返し現れる図形」が、9個でてくることが分かったので、図形一つ分の針金全体の長さは60cmだから、針金全体では60×9=540(cm)・・・

としてしまっては、まだ答が合ったことにはなりません。

問題文下の図を見てみると、最後の最後に、余った部分がありますね。

多くの生徒さんが、こうして、余った部分を見過ごしたまま、答えを出したつもりになってしまうこともあるので

「そもそも何を求めなさいと聞かれているのか?」

「自分が今だした答えと、問題文や図に載っている値などが一致しているか?」

といった、この2点について意識して、見直しもしてみて下さい。

ということで、答は540+15=555(cm)です。

周期算まとめ

周期算といっても、数をならべる問題や白マルと黒マルをならべる問題、図形の問題など、種類はたくさんあります。

問題で何を聞かれているのかに注目してみても、数字の和を聞かれていることもあれば、どの数字がいくつならんでいるのかを聞いてくるものもあります。

しかし、どの問題を見てみても、具体的に「こんなときは、どうなっているのか」を調べて、自分で規則性を見つけることをしていきながら、解く力が求められます。

特に、どの問題にも共通しているのが、小さい番号のときから考えて、何と何の間にどんな規則があって、それを式として表すと、どんなことまで分かるのか? を考える場面があることです。

多くの場合、まずは番号にともなって、規則的に数字がならべられているので、規則や周期が繰り返し現れる区切りとなる番号を調べるという考え方が大事です。

ぜひ、参考にしてみて下さい。

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