小5算数のつまずきを防ぐ!家庭でできる正しい教え方と学習法

小5の算数は、「分数」「小数」「割合」「速さ」「図形」など、抽象的な内容が一気に増える時期です。

低学年までは“感覚でできた”子も、ここで急につまずき始めるケースが非常に多く、算数嫌いの分岐点にもなります。

「解き方を教えても分かってくれない」「何が分からないのか分からない」――そんな悩みを抱える親御さんは多いでしょう。

しかし、小5の算数で大切なのは「正解を教えること」ではなく、「子どもが考える力を引き出すこと」です。

この記事では、つまずきやすい単元別の教え方、家庭での学習スケジュール、親の声かけのコツまでを具体的に紹介します。

小5算数が“分かれ道”になる理由

内容が抽象化し、見えない世界を扱う

「割合」「速さ」「単位量あたり」など、数式だけで考える内容が増えます。

「なんとなく分かった」で済ませていた学習では太刀打ちできません。

この段階で“根本理解”を置き去りにすると、6年・中学数学で確実に苦労します。

親が関わるタイミングが重要

小5は、塾に通い始める子とそうでない子が分かれる時期。

家庭でのフォローができるかどうかで、「理解の深さ」「自学の習慣」に大きな差が出ます。

塾の有無にかかわらず、家庭学習で理解を“自分のものにする時間”をつくることが不可欠です。

小5算数のつまずき単元と教え方のコツ

分数のかけ算・わり算

  • つまずき理由:「整数」と「分数」の計算ルールを混同しがち。
  • 教え方のコツ:
    • 「分母どうし・分子どうしをかける」だけでなく、「なぜそうなるか」を具体物(1/2個のケーキをさらに1/3に…など)で見せる。
    • わり算では「逆数」を感覚で説明する(“何倍したら1になるか”をイメージ)。
    • 練習の順序:「整数×分数」→「分数×分数」→「文章題」の順に。

割合(百分率・歩合を含む)

  • つまずき理由:「どれを“もと”にするか」が曖昧。
  • 教え方のコツ:
    • “もとにする量”に○をつけて確認する習慣をつける。
    • 図で「もとにする量→比べる量→割合」を視覚化。
    • 実生活例(セール30%OFF、テストの得点率など)を使うと理解が定着しやすい。
    • 割合の公式を覚えるより、「100を基準に考える感覚」を育てる。

速さ・道のり・時間

  • つまずき理由:「単位換算」と「関係式」の理解不足。
  • 教え方のコツ:
    • “速さ=道のり÷時間”の三角図を使って整理。
    • 具体的な距離(学校までの距離など)で計算し、「速さ」の意味を体感。
    • 「道のり」「時間」「速さ」を“求める対象ごと”に練習問題を分類する。

図形(面積・体積・角度)

  • つまずき理由:公式暗記だけで済ませてしまう。
  • 教え方のコツ:
    • 「なぜこの公式になるのか」を図や紙工作で説明。
    • 体積では“1段分の面積×高さ”の意味を図で説明。
    • 実際に箱を開いて展開図を描かせると理解が深まる。

家庭でできる学習スケジュールと丸つけの型

家庭学習スケジュール例

月曜〜金曜:1日15〜20分+見直し5分

曜日内容ポイント
分数の復習(例題→類題)図を使って説明させる
割合問題もとにする量を見つける練習
速さ三角図をノートに描く
図形展開図・面積の問題
1週間のまとめテスト間違い分析ノートを作成

→ 土日は「親子チェックタイム」。

“今週どんな問題ができたか”“どんなミスをしたか”を話し合いましょう。

丸つけと振り返りの型

  • 間違いの印をつけた後に、「どの考え方で間違ったか」を一緒に確認。
  • 親が直すのではなく、「自分で気づかせる」ことを目的に。
  • 正解でも、「どうしてそう思ったの?」と説明させることで思考力が伸びる。
  • 「今日のベスト問題」を決めて、親が短く褒めるのも効果的。

親がやりがちなNG例と改善策

NG例① 正解を急いで教える

→ 子どもの思考が止まり、“答え待ち学習”になる。

◎改善策:「どう思う?」「ここまで分かった?」と質問を返す。

NG例② ミスを叱る

→ 子どもは“算数=怖い”と感じて拒否反応を起こす。

◎改善策:「ここまで合ってたね」「惜しかったね」と過程を褒める。

NG例③ 学校・塾任せにする

→ “理解したつもり”の部分を見落とす。

◎改善策:家庭では“自分の言葉で説明させる時間”をつくる。

教え方を成功させる3つの習慣

  1. 毎日短く続ける(15分でOK)
     →「やる気が出るまで待つ」ではなく、まず机に向かう習慣を。
  2. 図や言葉で考えさせる
     → 図・表・言葉を使って自分で説明できれば理解は定着。
  3. ミスを“発見のチャンス”に変える
     → 「ミスを見つけた=成長の証」と伝えると前向きに学べる。

よくある質問

Q1:親が算数を教えるのはどのくらいの時間が理想?

→ 1日15〜20分で十分です。長時間より“毎日続くこと”が大事です。

Q2:塾に通っていても家庭で教えた方がいい?

→ はい。塾の内容を“自分で説明できるか”を家庭で確認するだけでも効果的です。

Q3:親が算数に苦手意識がある場合は?

→ 教えなくても構いません。「一緒に考えよう」という姿勢が最も重要です。

まとめ

小5の算数は、子どもの算数人生の“分かれ道”です。

親が教えるときは「正解を教える」より「考えさせる」「承認する」を意識しましょう。

  • 分数・割合・速さは“図と感覚”で理解させる
  • 家庭学習は短時間でも毎日続ける
  • 間違いを一緒に分析し、「できるようになった過程」を褒める

今日からでも、親の関わり方を少し変えるだけで、子どもの算数は確実に変わります。

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