中学受験の勉強を進める中で、「この問題集で合っているのかな?」「塾のテキストだけでは不安だから、何か買い足した方がいい?」と悩む保護者の方は非常に多いです。
実は、市販の問題集選びは成績を伸ばす武器にも、成績を下げる原因にもなります。
この記事では、中学受験指導の現場でよくある失敗例を踏まえながら、市販の問題集を買うときのポイントと注意点を分かりやすく解説します。
中学受験で市販の問題集を買う目的をはっきりさせる
「何のために買うのか」を決めずに買うのはNG
まず一番大切なのは、その問題集を「何の目的」で使うのかを明確にすることです。
目的の例としては、
- 計算力を安定させたい
- 特定単元(割合・速さ・図形など)を補強したい
- 塾の内容が難しすぎて基礎を固め直したい
- 過去問に入る前の準備として基礎確認をしたい
目的が曖昧なまま買うと、「結局ほとんど使わなかった問題集」になってしまいます。
レベル選びが最重要「少し簡単」は正解
難しすぎる問題集は逆効果
中学受験では、「ちょっと簡単かな?」くらいの問題集が最も効果的です。
よくある失敗が、
- 偏差値帯を意識せず「有名校レベル」の問題集を買う
- 「これくらいやらないと不安」という親の焦りで難易度を上げてしまう
難しすぎる問題集は、
- 解けない
- 丸つけで×ばかり
- 自信を失う
という悪循環に陥りやすくなります。
1冊を完璧にやり切れる量かどうかを見る
「問題数が多い=良い問題集」ではない
市販の問題集は、最後までやり切れて初めて意味があります。
チェックしたいポイントは、
- 1単元あたりの問題数は多すぎないか
- 解説は子どもが読んで理解できるか
- 途中で挫折しそうな構成になっていないか
「分厚くて安心」よりも、「最後まで終わらせられるか」を重視しましょう。
解説の質は必ずチェックする
答えだけ載っている問題集は要注意
中学受験の算数では、解説の質=その問題集の価値と言っても過言ではありません。
良い解説の特徴は、
- 図や考え方が丁寧に書かれている
- 途中式が省略されていない
- なぜその考え方になるのかが説明されている
解説が不十分だと、
- 親が毎回教える必要がある
- 子どもが「分からないまま進む」
という状態になりがちです。
塾の教材と「役割が被っていないか」を確認する
塾テキストのコピーになっていないか?
市販の問題集は、塾の教材を補う役割で使うのが基本です。
注意したいのは、
- 塾と同じレベル・同じ構成の問題集を買ってしまう
- 結局、塾の宿題だけで手一杯になる
おすすめなのは、
- 塾が難しすぎる → 市販の基礎問題集
- 塾が演習不足 → 市販の類題演習用問題集
というように、役割分担を明確にすることです。
よくある失敗パターン3選
本屋で衝動買いしてしまう
「評判が良さそう」「タイトルが魅力的」
これだけで買うのは危険です。
何冊も同時に買ってしまう
問題集は多いほど良いわけではありません。
使い切れない=効果ゼロです。
子ども本人の意見を聞かない
実際に使うのは子どもです。
- 見やすいか
- 取り組みやすそうか
一度中身を一緒に確認しましょう。
市販問題集を最大限活かす使い方のコツ
「完璧主義」にしない
- 全問やらなくてOK
- 苦手単元だけ使ってOK
問題集は道具です。
目的に合った部分だけを使いましょう。
必ず「できるようになったか」を確認する
- 同じタイプの問題を時間を空けて解く
- 解説を見ずに説明できるか確認する
ここまでやって初めて「身についた」と言えます。
よくある質問
Q1. 市販の問題集は何冊くらい必要ですか?
A. 基本は1〜2冊で十分です。多すぎると管理できません。
Q2. 難関校を目指すなら難しい問題集が必要ですか?
A. 土台となる基礎が固まってからでOKです。最初から難問は不要です。
Q3. 親が教えられない場合はどうすればいいですか?
A. 解説が丁寧な問題集を選ぶか、家庭教師・個別指導の活用を検討しましょう。
まとめ|市販の問題集は「戦略的に」選ぶ
中学受験における市販問題集選びで大切なのは、
- 目的が明確か
- レベルが合っているか
- 最後までやり切れるか
- 解説が丁寧か
この4点です。
「とりあえず買う」ではなく、「この子の今の課題を解決するために選ぶ」
それが、成績を伸ばす問題集選びの本質です。
