中学受験まで残り1か月。
この時期になると、
- 「まだ知らない解法があるのでは?」
- 「新しい問題集をやらせた方がいいのでは?」
- 「応用問題をもっと解かせるべき?」
と、不安から知識のインプットに走りたくなる親御さんが非常に多くなります。
しかし、結論から言うと、中学受験の1か月前に最も大切なのは新しい知識ではありません。
本番で合格点を取るために必要なのは、
「できる問題を、確実に正解する力」
この一点です。
この記事では、なぜ直前期にインプットよりアウトプット(演習)が重要なのか、そして1か月前にやるべき具体的な問題演習の考え方を、分かりやすく解説します。
中学受験1か月前に「知識のインプット」を控えるべき理由
本番では「難問を解く力」より「失点しない力」が問われる
入試本番の算数で合否を分けるのは、難問が解けたかどうかではありません。
実際には、
- 計算ミス
- 条件の読み落とし
- 基本問題での取りこぼし
こうした「本来取れるはずの点数を落とすミス」が、合否を分けています。
直前期に新しい知識を詰め込むと、
- 頭の中が整理されない
- 判断に迷う
- 解法選択が遅れる
といった状態になりやすく、逆に失点リスクが高まります。
新しいことは「定着」しないまま本番を迎えやすい
1か月という期間は、
- 新しい単元を理解し
- 何度も演習し
- 自動化レベルまで定着させる
には明らかに短すぎます。
中途半端な知識は、
- 本番で使えない
- 迷いを生む
- 時間を奪う
というマイナス要因にしかなりません。
1か月前に意識すべきは「できる問題で確実に点数を取る」こと
合格者は「正解できる問題」を落とさない
合格者に共通しているのは、
- 全問正解ではない
- 難問は潔く捨てている
- 取るべき問題を確実に取っている
という点です。
つまり直前期は、「新しいことをできるようにする期間」ではなく「すでにできることを、絶対に落とさない期間」
と捉えることが重要です。
「できる問題」とは何か?
ここでいう「できる問題」とは、
- 過去に正解したことがある問題
- 解法を説明できる問題
- 時間内に安定して解ける問題
これらです。
逆に、
- 正解したり間違えたりする問題
- 解法をうろ覚えの問題
- 時間がかかりすぎる問題
は、直前期では無理に広げる必要はありません。
1か月前の問題演習でやるべき3つのこと
① 基本〜標準問題の「正答率」を極限まで高める
難問演習よりも、
- 計算
- 一行問題
- 典型パターン問題
の正答率を9割以上に引き上げることが最優先です。
② 間違えた問題は「なぜ間違えたか」だけを確認
直前期の復習は、
- 解き直しを大量にする
- 新しい類題を増やす
必要はありません。
重要なのは、
- 計算ミスか
- 条件読み違いか
- 勘違いか
ミスの原因を一言で言語化することです。
これだけで本番の再発率は大きく下がります。
③ 時間配分を意識した演習に切り替える
この時期は、
- 何分でどこまで解くか
- どの問題を後回しにするか
といった試験戦略込みの演習が重要です。
「全部解こう」としない判断力こそ、直前期に身につけるべき力です。
【チェックリスト】中学受験1か月前の算数演習が正しくできているか
- 新しい問題集に手を出していない
- 基本問題の正答率が安定している
- 計算ミスの傾向を把握している
- 解けない問題を潔く飛ばす練習をしている
- 時間配分を意識して問題を解いている
3つ以上当てはまれば、直前期の方向性は間違っていません。
よくある質問
Q. 応用問題や難問は本当にやらなくていいですか?
A. 「できるなら維持」「できないなら捨てる」でOKです。直前期に新たに伸ばそうとするのはリスクが高く、失点につながりやすいです。
Q. 苦手単元の復習はどうすればいいですか?
A. 新しい解法を増やすのではなく、「取れる問題だけを確実に取る」レベルまで戻すことが大切です。
Q. 親はどこまで口出しすべきですか?
A. 教えるよりも、
- 解ける問題を選べているか
- 無理な問題に時間をかけていないか
この戦略面の確認役に徹するのが理想です。
まとめ|直前期は「できることを信じ切る」期間
中学受験の1か月前にやるべきことは、たった一つです。
「できる問題で、確実に点数を取る」
新しい知識を増やすよりも、今まで積み重ねてきた力を本番で出し切れる状態に整えること。
それが、合格への一番確実な近道です。
