「さっき教えた通りにやればできるのに…」
「解き方を説明したのに、なぜか違う方法で解いている」
「答えは合うけれど、教えたやり方を使わない」
お子さんの勉強を見ていると、このような場面に出会うことは少なくありません。
特に中学受験の算数や学校の文章題では、
・解き方を説明した
・一緒に解いた
・その直後の問題なのにできない
ということもあります。
すると保護者の方は「ちゃんと話を聞いていなかったのかな」「理解していないのかな」と不安になります。
しかし、実はこれは珍しいことではありません。
今回は「教えた解き方で解けない」「自分のやり方にこだわる」子どもへの接し方について解説します。
子どもは「解き方」ではなく「答え」を覚えている
保護者の方が説明したとき、子どもは理解したように見えることがあります。
しかし実際には、「解き方を理解した」「答えまでの流れを理解した」のではなく、「今回の問題の答え」だけを覚えている場合があります。
例えば、「割合の問題は線分図を書くんだよ」と教えても、子どもの頭の中では「この問題は120円になった」だけが残っていることがあります。
そのため数字が少し変わるだけで解けなくなります。
これは理解不足というより、まだ知識が定着していない状態です。
自分流で解くこと自体は悪いことではない
保護者の方が心配になるのは、「教えた方法を使わない」という点だと思います。
しかし、自分なりの方法で正しく解けているのであれば、必ずしも問題ではありません。
算数には複数の解法があります。
例えば、
・線分図で解く
・表を書いて解く
・比で考える
など、いろいろな方法があります。
大切なのは「再現性があるか」です。
たまたま正解しただけなのか、別の問題でも同じように解けるのか、ここを確認しましょう。
問題なのは「偶然の正解」
注意したいのは、本人も説明できないのに正解しているケースです。
例えば、「なんとなくこうした」「勘でやった」「たまたま合った」という状態です。
この場合は次の問題で解けなくなる可能性が高くなります。
正解したときほど、「どう考えたの?」と聞いてみましょう。
説明できない場合は、本当に理解しているとは言えません。
「なぜその解き方を使うのか」を説明する
子どもが教えた解き方を使わない理由の一つに「その方法の必要性が分かっていない」というものがあります。
例えば割合の問題で線分図を書く場合、「先生がそう言ったから」では子どもは納得しません。
そうではなく、「どちらがもとにする量なのか見やすくなる」「割合の問題で間違えにくくなる」など、その方法を使うメリットを説明することが大切です。
子どもは納得すると行動が変わります。
まずは子どもの考えを聞く
教えた方法と違う解き方をしていたら、すぐに訂正するのではなく、まず聞いてみましょう。
「どう考えたの?」
「なぜそうしたの?」
この質問だけで多くのことが分かります。
実は、保護者よりも効率的な方法を思いついている場合もあります。
逆に、全く理解できていないことが分かる場合もあります。
まずは子どもの思考を確認することが重要です。
同じ問題ではなく類題で確認する
理解できたかどうかを確認するとき、同じ問題を解き直させる方は多いです。
しかし本当に理解できているかどうかは「数字や条件を変えた問題」で確認する必要があります。
例えば、「速さ=道のり÷時間」を理解したか確認するなら、全く同じ問題ではなく類題を解かせます。
これができて初めて、解き方が身についたと言えます。
保護者がやりがちなNG対応
NG① すぐに解き方を説明する
子どもが考える前に説明すると、受け身の学習になります。
まずは自分で考える時間を与えましょう。
NG② 教えた方法以外を認めない
算数には複数の解法があります。
答えまでの筋道が正しければ認めることも大切です。
NG③ 「さっき教えたよね」と言う
この言葉は子どもを萎縮させます。
理解していないのではなく、まだ定着していないだけかもしれません。
本当に目指すべきこと
算数の学習で目指すべきなのは、「教えた通りに解くこと」ではありません。
本当に大切なのは、解説を見なくても自力で正解できることです。
教えた解き方をそのまま再現できても、テストで解けなければ意味がありません。
逆に、別の方法でも安定して正解できるのであれば、それは立派な実力です。
保護者の役割は、解き方を押し付けることではなく、子どもが再現できる考え方を身につける手助けをすることです。
まとめ
・教えた解き方でできないのは珍しくない
・子どもは解き方ではなく答えだけ覚えていることがある
・自分流でも再現性があれば問題ない
・偶然の正解には注意する
・「なぜその方法を使うのか」を説明する
・まずは子どもの考えを聞く
・類題で理解度を確認する
・目標は「教えた通り」ではなく「自力で解けること」
お子さんが教えた方法を使わないと不安になるかもしれません。
しかし大切なのは解法の形ではなく、本質を理解し、自分の力で再現できることです。
目先の解き方にこだわりすぎず、「なぜそう考えたのか」を聞く習慣を持つことで、算数の力は大きく伸びていきます。
