売買損益の教え方と勉強法 理解の仕方と大切なポイント

こんにちは。世田谷区のプロ家庭教師、数学専門の鈴木です。

売買損益・・・。

普段の生活の中で、あまり意識的に使う言葉ではないですが、意味はすぐに分かる方も多いですよね。

つまり、ものを売るときに、仕入れ値よりも高い値段をつけておかないと、自分が損をします!という話です。

売買損益は、小学校の算数はもちろん、中学の方程式でも、文章問題のネタとして、よく出てきます。

ただ、小学生にこの単元を教えるときには、初めは少し難しい印象を与えてしまいがちです。

仕入れ値、売り値、利益・・・。

これらの言葉が何を意味するのかが分からなければ、いくら問題を解いたところで、何を求めたのかがよく分からないということになってしまいます。

今回は、割合が苦手だった子が、すぐに売買損益を理解できた事例を通して、実際の会話のやりとりも取り入れながら、教え方や理解の仕方について、書いていくことにします。

仕入れ値や利益の理解

小学生の子どもに、仕入れ値といきなり言っても、仕入れが何を意味するのか分からないこともあるでしょう。

言葉の理解については、まずは、お買いものに行ったときにことを思い出してもらって、こんな話から入ることができると良いのではないでしょうか。

実際にあった会話を思い出して、ここに書いていくことにします。

先生「普段、お菓子とか買うために、どこかへでかける?」

生徒「コンビニに行きます。」

私「なるほど。どんなお菓子買う?」

生徒「ポテトチップス・・・」

私「いいね。だいたいいくらくらいする?」

生徒「・・・118円かな。」

私「そうだったね。それじゃあ、仮にポテトチップスを120円とするね。せっかく買ったポテトチップス、誰かにあげる?」

生徒「いや、あげない。」

私「そうだよね。笑 でもさ、それを誰かに、必ず売らなければいけないって言われたら、どうする?120円で売る?」

生徒「いや、売らない。」

私「そうだね。それは、何か理由はあるかな?」

生徒「だって、ただ120円がそのまま戻ってくるだけじゃん!」

私「その通りだね。そしたら、そのポテトチップス、いくらで売れば良い?」

生徒「・・・150円。」

私「そのくらいが良い値段だね。笑 ここまでの話を、少し整理するね。」

自分がものを買ったときに払ったお金=仕入れ値

上の例で言うと、売るつもりでいるポテトチップスを、自分は120円で買ったわけですが、このとき払った120円を、仕入れ値というのですね。

つまり、商品を仕入れて(在庫を増やして)くるのです。

売る値段から仕入れ値を引いた額=利益

120円で買ったポテトチップスを、150円で売るという、何も文句のない取り引きではありますが、せっかく自分は120円で買ったのですから、売るときには、少しでも手元に、お金を残したいわけですね。

150円で売るとなると、自分のところには30円が残るわけです。

このとき、入ってきたお金(30円)を、利益と言います。

割合の言葉での理解

売買損益の問題では、「〇割〇分の利益」など、割合の言葉が出てくることもあります。

基本的な問題がこちらです。

1000円で仕入れたおもちゃを、3割5分の利益が出るように値段をつけたい。いくらにすればよいか?

この問題を理解する上では、こんなことが分かっていれば良いですね。

〇割〇分を小数に直す

いくら利益や仕入れ値が分かっても、これができなかったら、問題を解いて正解にならない可能性があります。

〇割と言われたら、10分の1単位で小数に直すことを、覚えておくことが大事です。

2割と言われたら、0.2

3割5分と言われたら、0.35

に直すといったことが、できると良いわけです。

何の3割5分なのか?

問題文には直接書いてないのですが、「何の」3割5分なのか、生徒は理解できているでしょうか。

これは実は、「仕入れ値の」3割5分なのです。

問題文の正しい読み方としては

1000円の3割5分にあたる値段を、自分の利益にしたい!

ということになります。

「~円の〇割〇分」はかけ算か?割り算か?

割合は、どうやって求めるのか、覚えていますか?

(くらべられる量)÷(もとにする量)

でしたね。

それでは逆に、割合が分かっているときに、もとにする量や比べる量は、どうやって求めるのでしょうか?

そして、そもそも、1000円の3割5分と言われたとき、1000円というのはもとにする量なのか、比べられる量なのか、生徒は理解できているでしょうか。

この問題の場合は、結論から言うと、1000円はもとにする量

利益は1000×0.35=350円

ということになります。

この記事のまとめ

売買損益の問題は、日常生活と結びついたものではあるものの、考えやすいかというと、実はそうでもなかったりします。

生徒にとっては、問題文の中で読みにくい部分があったり、計算式を立てられないところがあったりするものです。

特に、仕入れ値や利益などは、言葉を言い換えて書かれているものなので、具体的なイメージを持つところから指導ができると良いですね。

私が教えた生徒さんは、割合の計算式の立て方なども同時に練習することで、理解できてきました。

どんな問題でも、理解の仕方や練習の仕方が大事ですね。

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