中学受験の算数では、「公式を覚えた」「解き方を暗記した」だけでは、なかなか成績が伸びないという声をよく耳にします。
特に難関校を目指す受験生にとっては、「どのように解くか」だけでなく、「どのように考えたか」「なぜその解き方を選んだのか」といった“思考のプロセス”こそが問われるのです。
この記事では、算数の成績アップに欠かせない「解き方」以上に大切な3つの視点について解説します。
思考力・判断力を鍛えるヒントを知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
「例題とその類題を解いた経験」を思い出す
算数の問題を前にしたとき、「この問題、どこかで見た気がする」と感じたことはありませんか?
その“なんとなく見覚えがある”という感覚は、実は非常に大切なヒントになります。
中学受験の算数では、まったく同じ問題が出ることは少なくても、「例題」と「類題」のように、パターンの近い問題が頻出します。
ですから、問題に取りかかる前に「これは以前解いたあの問題に似ているな」と思い出せるかどうかが、解答のスピードと正確さに直結するのです。
日々の演習で解いた問題を「解いて終わり」にするのではなく、「この問題はどのパターンだったか」「前にどんなミスをしたか」といった記憶をたどる練習をしておきましょう。
「覚える」ではなく「自問自答」を意識する
算数を「暗記科目」のように捉えてしまうと、本質を見失ってしまいます。
もちろん、公式や解法のパターンを覚えることも必要ですが、それ以上に大切なのは、「なぜそうなるのか?」と自分自身に問いかけながら理解を深めることです。
たとえば、「なぜこのときに線分図を書くのか?」「この式はどういう意味を表しているのか?」といった疑問を持つことで、ただの暗記が“理解”に変わっていきます。
この“自問自答”の習慣こそが、初見の問題に強くなるための土台です。
解きながら心の中で先生になったつもりで自分に説明してみる――そんな意識を持つだけで、算数の見え方が大きく変わってくるでしょう。
常に「正しいかそうでないか」を判断する
算数で得点を取るためには、「間違えないこと」が大前提です。
そのためには、ただ答えを出すだけで満足せず、「この答えで本当に合っているのか?」と立ち止まって確認する力が求められます。
途中式に無理がないか、計算ミスはないか、条件をすべて使えているか――こうしたポイントを、解き終えた後に“自分でチェック”できるようになると、ミスの減少につながります。
模試や本番では、焦りや緊張で思わぬミスが出るもの。
日頃から「常に自分の答えを疑う」というクセをつけておくことで、確実性の高い答案が作れるようになります。
まとめ
中学受験算数の成績を伸ばすためには、ただ解き方を知るだけでは不十分です。
・過去に解いた問題の記憶をたどる力
・「なぜそうなるのか?」を考え抜く思考力
・常に自分の答えを見直す判断力
これらの力が合わさって、真の実力が育まれます。
公式やパターンを覚えることに偏りすぎず、「考える算数」を意識した学習で、合格への一歩を着実に進めていきましょう。