小学生の算数で「図形になると急にできなくなる」という声は多くの保護者からよく聞かれます。
計算はできるのに、図形の面積・角度・立体問題などになると手が止まり、苦手意識を持ったまま学年が上がる子も少なくありません。
しかし、図形は一度苦手を克服すると大きな得点源になる単元です。
今回は小学生が図形を苦手とする理由を整理し、その克服方法と家庭での具体的なサポート方法をわかりやすく解説します。
なぜ図形の問題が苦手になるのか?
小学生が図形を苦手にする原因には次のようなものがあります。
- 頭の中で図形を捉える力が未発達
折り紙のように「折ったらどうなる?」「切ったらどうなる?」をイメージする力が必要ですが、経験不足や思考練習が不足するとできません。 - 公式だけ覚えても使い方がわからない
面積や体積の公式は覚えられても、どのタイミングでどの公式を使うかがわからないと問題が解けず、自信を失います。 - 問題文を読んで図を書き直す習慣がない
問題に描かれた図をそのまま見て解こうとしがちで、補助線を書いたり、自分で図を書き直したりすることを避けてしまいます。 - 図形用語の理解不足
「対角線」「平行」「垂直」「合同」など図形特有の言葉がわからず、問題文の理解そのものが難しくなり苦手意識を強めます。
このように、図形問題の苦手は単なる「暗記不足」ではなく、思考力・用語理解・イメージ力の不足が重なっていることが多いのです。
図形を克服するために必要な4つの力
図形を克服するためには以下の4つの力を家庭学習で育てることが重要です。
1️⃣ 図形を動かすイメージ力
折り紙を使って折る・切る・重ねる遊びで、頭の中で図形を動かす力を育てられます。
2️⃣ 公式の使い方を理解する力
「どこで使うか」「なぜその公式を使うか」を具体例で理解させることで公式が生きた知識になります。
3️⃣ 自分で図を書き直す力
文章を読んで自分で図を書いたり補助線を引いたりする習慣をつけることが重要です。
4️⃣ 図形用語を理解する力
日常会話の中で「この線は垂直だね」など言葉を使いながら教えると、用語理解が深まります。
この4つの力は、図形だけでなく算数全体の思考力アップにもつながります。
家庭でできる図形克服サポート方法
家庭でできる図形克服サポートには次の方法があります。
✅ 折り紙や積み木で図形感覚を育てる
立体図形のイメージは積み木遊び、折り紙遊びが効果的です。折る・切る・貼る体験が頭の中で図形を動かす練習になります。
✅ 図形の問題を一緒に音読する
問題文を声に出して読ませ、何が聞かれているのかを一緒に確認し、図に書き込みながら整理させます。
✅ 簡単な図形問題からステップアップ
苦手な子には「小さい面積の求め方」「長方形・三角形の基本面積」など簡単な問題から着実にステップアップさせるのが効果的です。
✅ 丸つけのとき「どこで公式を使ったか」を確認する
答え合わせだけでなく、「なぜその公式を使ったのか?」を子ども自身の言葉で説明させる習慣をつけると応用力が身につきます。
これらを繰り返すことで、図形への苦手意識を取り除き「できるかも!」という自信を育てることができます。
図形の克服についてよくある質問集
Q1:図形問題はどのくらいの頻度で練習すれば良いですか?
A: 週に2〜3回でも良いので、計算問題と同じように定期的に取り組むことが大切です。1日1問からで良いので、図を描き直す・補助線を引く練習を習慣化しましょう。
Q2:図形問題が全くできない場合は何から始めると良いですか?
A: まずは 長方形・正方形・三角形の面積の基本問題 から始め、「どうしてこの公式を使うのか」を説明できるようにすることがおすすめです。折り紙や積み木でイメージ力を育てるところからスタートしても良いです。
Q3:親が図形が苦手で教えられない場合はどうしたら良いですか?
A: 無理に教える必要はありません。問題文を一緒に読み、図を書き直させ、どう考えたのか子どもに説明してもらうだけでも十分なサポートになります。必要であれば、個別指導やオンライン授業を活用するのも効果的です。
Q4:図形の克服にはどれくらい時間がかかりますか?
A: 個人差はありますが、正しいステップで取り組めば 数ヶ月で「できる問題が増える」状態に変化 します。小さな成功体験を積むことで自然と苦手意識がなくなり、応用問題にも取り組めるようになります。
まとめ
図形は苦手意識を持つ子が多い分、一度克服できるとテストで大きな得点源になります。
「頭の中で図形を動かす練習」「公式を使う理由の理解」「図を書き直す習慣」「図形用語の理解」という4つの力を家庭で少しずつ育てることが大切です。
小学生のうちに図形への苦手意識をなくすことは、中学以降の数学の成績にも大きな影響を与えます。
ぜひ家庭での声かけや学習サポートを通じて、お子さまの図形力を育ててあげてください。