中学受験本番まで、いよいよ残り3か月。
「まだ間に合う?」「今から何をすればいい?」と焦るご家庭も多い時期です。
しかし、この時期は“新しいことを詰め込む”のではなく、「得点を上げる勉強」に集中することが何より大切です。
ここでは、残り3か月をどう過ごすか、何を優先すべきかを、プロ家庭教師の視点で具体的に解説します。
残り3か月の勉強の基本方針
新しい単元には手を出さず、「できる問題」を確実にする
残り3か月は、基礎の穴を埋める最後のチャンスです。
この時期に新しい難問に手を出すよりも、過去の模試・テスト・問題集で「間違えた問題のやり直し」を優先しましょう。
- 過去3か月の模試の解き直し
- 塾のテキスト「節末問題」「確認問題」の再演習
- 自分の“弱点ノート”をもとにした復習
「できなかった問題ができるようになる」=合格点の積み上げです。
教科別・やるべき勉強内容
算数 ― 「苦手単元の整理」と「計算・作図の精度」
算数は最後まで伸びます。
以下の3点に集中しましょう。
- 苦手単元(速さ・割合・場合の数など)の再演習
- 計算・作図ミスを減らす練習
- 過去問で「得点できる分野」を見極める
毎日1題でもいいので「過去問に似た問題」を解き、**“本番を想定した精度”**を高めましょう。
国語 ― 「読み方」と「設問分析」の再確認
国語は“テクニックより安定感”。
時間配分と選択肢の根拠確認を徹底します。
- 記述は「本文根拠+自分の言葉」構成を練習
- 過去問で設問パターン(心情・理由・要約)を分類
- 毎日15分で「語彙」や「慣用句」を復習
読み方と答え方を型にできれば、点が安定します。
理科・社会 ― “出題範囲の総整理”
理社は「知識の整理」と「演習の反復」が鍵。
- 各分野ごとの“間違いノート”を作る
- 一問一答で「〇×を素早く判断する練習」
- 過去問3年分の傾向分析(頻出単元・形式)
苦手分野よりも「確実に得点できる分野を伸ばす」方が合格率は上がります。
過去問演習の進め方と使い方
時間を測って本番形式で解く
過去問は「解き方の練習」ではなく「試験の練習」。
ストップウォッチを使って本番時間で1年分を通して解く習慣をつけましょう。
- 各大問の時間配分を決めておく
- 難問に固執せず「捨て問」を決める
- 採点後に“得点できる問題”を分類
「取れる問題で何点取れるか」を把握することが、合格点戦略の基盤です。
メンタル面と生活習慣の整え方
親の焦りは子どもに伝わる
残り3か月は、精神面の安定が最大のポイントです。
保護者が焦ると、子どもも不安になります。
「頑張ってるね」「あと少しで本番だね」と、結果より努力を認める声かけを意識しましょう。
生活リズムを「受験当日仕様」に整える
- 起床・就寝時間を本番と同じに
- 朝学習を毎日入れて“朝型”に慣らす
- 食事・休憩・勉強の時間を固定化
「本番と同じ時間に脳を働かせる」ことで、当日最高のパフォーマンスを発揮できます。
親ができるサポート3選
- スケジュールを一緒に立てる(1週間単位で「過去問」「復習」「休息」を入れる)
- 間違えた問題をノートで可視化(苦手が見えると安心できる)
- 本番シミュレーションを一緒にする(服装・持ち物・会場の想定)
保護者が「環境を整えるサポーター」になることが、最大の支えになります。
よくある質問
Q1. まだ志望校が決まっていません。今から決めても大丈夫?
→ 大丈夫です。過去問を数年分見て「解けそう」「雰囲気が合う」と感じた学校を中心に候補を絞りましょう。
Q2. 過去問の点数が全然上がりません。どうすれば?
→ 間違いを分析して「解けるのに落とした問題」と「まだ理解不足の問題」を分けましょう。
「理解不足」よりも「惜しいミス」を潰す方が短期間で点が上がります。
Q3. 模試の結果が下がって不安です。
→ 模試は“練習試合”です。得点ではなく、「本番までに何を修正すべきか」を見つける材料にしましょう。
まとめ
中学受験の残り3か月は、
- 苦手克服より「得点アップにつながる復習」
- 新しいことより「精度・安定感の向上」
- 焦りより「自信を積み重ねる」
この3点を意識するだけで、合格可能性は大きく変わります。
「やるべきことをやる」「余計なことは増やさない」――これがラスト3か月の鉄則です。
