比例・反比例の苦手をなくすための勉強法とコツを徹底解説‼

こんにちは。数学学習コンサルタントの鈴木です。

比例・反比例については、小学校でも扱われている単元ですが、苦手にしているという声をよく聞きます。

比例・反比例の基礎的な考え方を理解するに当たっては、比の値や単位量あたりの大きさといった単元の理解が不可欠です。

例えば密度が一定で、15㎝^3あたりの重さが20gの物体があるとき、この物体の80㎝^3あたりの重さはいくらなのか、逆に75gの重さだったとき、何㎝^3かを答える問題などは、比例の考え方を理解する際には、大いに役に立ちます。

この記事では、比例・反比例が苦手になる理由とその対策、解いておきたい典型問題とその考え方について、お話していきます。

主に比例を題材としてお話をしていきますが、反比例についても全く同じことが言えます。

反比例についてはまた、別の記事を書きますね。

比例・反比例が苦手になる理由

比例とは、ともなって変わる2つの量A、Bとの間に、「Bが常にAの何倍かになっている」という関係が成り立つことです。

このときポイントになるのが、単位量あたりの大きさをを理解できているかどうかです。

単位量あたりの大きさへの理解不足

単位量あたりの大きさという単元では、1つの入れものに、同じ大きさのものが何個入っているのか? について考える場面が出てきます。

先の問題の例でいうと、15㎝^3あたりの重さが20gの物体について、1㎝^3あたり何gなのかを考える問題はまさに、1㎝^3あたり「1gの重さが何個あるのか」を考えることと同じです。

以下の記事では、単位量あたりの大きさに関する苦手対策について書いてありますので、あわせてお読み下さい。

https://sugaku1bann.com/2022/03/07/tanniryouatarinonigatetaisaku/

ここでは、上に書いた15㎝^3あたり20gの物体について、72㎝^3あたりの重さを求める問題を例に、苦手意識が出てくるポイントについて解説します。

例えば何㎝^3のときの重さが分かるのか

いきなり1㎝^3のときの重さを求められなくても、まずは30㎝^3のときの重さや、45㎝^3のときの重さを考えてみて下さい。

数学に苦手意識を持つ生徒さんに多いのが、例えばどんな場合があるのかを考えずに、いきなり解き方を探してしまうことです。

そうではなくて、与えられた問題文を読み、文章から自分には何が分かるのかを探すことが大切です。

この問題の場合、例えば30㎝^3のときは、物体が2個分あることが分かりますから、重さは40gとなりますよね。

次に45㎝^3のときはどうなるのかというと、物体が3個分あることが分かるので、重さは60gと分かります。

 2つの量の間にある関係性を見つけることに苦手意識がある

比例・反比例が苦手になる理由の1つに、2つの量の間にある関係性を見つけて、自分で式を作ることに苦手意識がある場合が多いです。

この問題の場合ですと、体積が15cm^3、30cm^3、45cm^3のとき、重さはそれぞれ20g、40g、60gと出てきたら、そもそも1cm^3あたりの重さはいくらなのかを考えることに、苦手意識があることが考えられます。

体積÷重さが一定であることに気づく

15のとき20、30のとき40、45のとき60と書き出してみると、それぞれ体積と重さ2つの数字の間には、「重さ÷体積=4/3」という関係があります。

このことはつまり、1cm^3あたり、4/3gであることを示しています。

問題では72cm^3のときの重さを聞かれていましたから、その重さを〇とでもおくと

〇÷72=4/3

という式ができて、〇=72×(4/3)=96(g) となることが分かるのです。

分数の約分が苦手な可能性がある

また、もっと細かい話をすると、割った数が一定になるという関係性を見つけるプロセスにおいては、お互いの数がどんな数で約分できるのかに気づくことが求められる場面があります。

2つの数の間にある関係性を見つけるのが苦手ということは、言い換えれば分数の約分が苦手、あるいは計算を進める上で、積極的に約分をしてこなかったことが考えられます。

比例・反比例の苦手は、約分の練習不足が原因であることも十分に考えられます。

比例・反比例そのものの意味や関数についての理解不足

先に、比例の意味そのものについて書くことにします。

yがxに比例するとは、「yがxの関数で、y=axという式で表せること」です。

ここで関数という言葉が出てきましたが、これは「1つ数を決めると、それにともなって、もう1つ別の数が決まる規則」のことです。

ここでの例でいうと、体積の値を1つ決めるごとに、重さがただ1つ決まるという決まりごとが、まさに関数です。

比例・反比例が苦手になる理由は、「そもそも比例するとはどういう意味なのか」といったことを、理解できなくなることが関係します。

反比例することの意味(定義といった方が正しい)についても、以下に書いておきます。

yがxに反比例するとは、「yがxの関数で、y=a/xという式で表されること」です。

反比例についても同様に、上に書いたような、反比例が意味することについて理解できていないと、苦手になってしまう可能性が高いです。

比例・反比例の苦手を克服するコツ

この記事でもかいたように、比例・反比例の苦手の原因は、何も比例・反比例の単元だけにあるわけではありません。

特に単位量あたりの大きさについては、比例の考え方そのものを問われている問題も多くあり、そうした問題が解けないことが直接、比例が苦手になる原因を生みます。

まずは比例・反比例以前の単元の問題が解けるかどうか、約分など分数の計算をミスなくできるかどうかといったポイントを、振り返ってみる必要があります。

2つの量との間にある関係性についての問題を解く

比例・反比例以前の単元を振り返ることに加えて、比例・反比例では、関数の考え方を使えているかどうかについても、確かめておくことが大切です。

というのも、問題を解くにあたって、どんな見方・考え方ができていることが重要かというと、この値を1つ決めるごとに、あの値が1つ決まるよね! といった思考のアウトプットができていることが望ましいのです。

例えば、前に述べた体積と重さの関係においては、体積を1つ決めるごとに、その体積のときの重さがただ1つだけ決まるといった事実に、気がつけることが大事なのです。

その他にも、水の量が時間とともに一定量ずつ増えるといった問題においても、時間を決めるごとに、その時間における水の量がただ一つだけ決まる といった見方ができてくると、関数の考え方が使えてきていると言えます。

問題の解き方だけではなくて、解説などには載っていないような、こうした考え方を使えることが、比例・反比例の理解への第一歩です。

規則性を見つける練習をする

ここで出てきた体積と重さの問題だけではなく、2つの量に関する問題においては、その問題を解くことに限って言えば、条件がいくつも出ていることはなく、1つだけしか出ていないことがほとんどです。

その条件から、自分で規則性を見つけて、問題を解くという姿勢が求められます。

そのためには常に、「例えばこのときの値はどうなるのか?」を考えることが大事です。

かならず式を立てて計算する

式を書かずに、正確に計算をすることにあこがれる気持ちも分かりますが、もし、式を書かずに計算をした結果、ミスをしてしまっているのであれば、かならず式を書くクセをつけて下さい。

比例については特に、y=axという式で表せることが、そもそも比例することの意味でした。

ですので、意識的に式を書くことが、比例の問題を解いているという実感を持つことにもつながります。

反比例についても、全く同じことが言えます。

まとめ

比例・反比例は、それまでに習った計算スキルを、自分で使いこなすことが求められる上に、関数という考え方を身につけることも求められます。

ただ問題が解けたからといって、はたして比例・反比例の意味そのものが理解できているかどうかは、実はまた別の話なのです。

問題の解き方だけではなく、自分で規則性を見つける力や、それを式として表現する力を身につけるための良い練習ができるのが、比例・反比例の単元の良いところでもあります。

ぜひ、時間をかけて理解するという気持ちを持って、取り組んで下さい。

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