平均の基本問題の解き方と考え方 必ず解いておきたい例題5選

こんにちは。数学学習コンサルタントの鈴木です。

平均のお話に入る前に、よくある悩みについて書いていきたいと思います。

算数・数学は一番よく勉強しているはずなのに、なぜ成績が上がらないのか?

もうこれには、明確な理由があります。

また別の記事でも詳しく書きますが、算数・数学の成績が上がらない(テストで点数がとれない)原因は、大きく3つの要因が関係しています。

一つは、テストに出題される問題とほぼ同じレベルの問題を解く練習を、家庭学習の中で行えていないこと。

つまり、テストに出題される問題と、勉強した(つもりになっている)問題のレベルとの間に、大きな溝がある場合です。

例えば、テストにはどんな問題集にも載っているタイプの問題が多くでているにもかかわらず、家庭学習では、難問ばかりやっていている(つもりになっている)と、当たり前ですが、点数をとることはできません。

この場合は、テストに出題される問題の傾向を分析して、まずはどんな問題をできるようにする必要があるのかを把握します。

二つ目は、テストに出題される問題と同じレベルの問題を解く練習をしているにもかかわらず、その問題の解説などを何も見ずに、解けるようにはなっていないこと。

つまり、解説をただ読んだだけになってしまっていることなどが考えられます。

この場合は

・そもそも問題で何を問われているのかを理解できているかどうかを振り返る

・問題の解説において「問題を解くために何をすれば良いのか」「なぜそう考えるのか」という部分に疑問を持ち、自分なりにその疑問に対する答や、問題を解く上で大事な考え方に気づく

・問題の解説への疑問に対する答がでたら、今度は同じ問題を、解説などは何も見ずに、上に書いた疑問とそれに対する答や、大事な考え方を「マネして使いながら」問題を解く

・「マネして使いながら」解いた問題と全く同じ考え方で解ける問題を解く

という流れをひたすら繰り返していくことで、分からなかった問題を「できる問題」に変えていきます。

ここでポイントになるのが、「考え方をマネして使いながら」解くという点です。

三つ目は、テストの中で、自分が勉強した問題が出てきているはずなのに、それに気付けないこと。

これはどういうことかと言うと、問題集のページなどで、例えば「速さの問題」など、分野・単元名が書いていれば、公式などを思い出して、問題を解くことができても、テスト用紙には、分野・単元名が書いていないため、問題文を読んだ上で、「これはあの分野・単元の問題だ!」ということに気づいた上で、問題を解くような練習ができていないために、テストのときに解けなくなってしまうといったことが、原因としては考えられます。

これがいわゆる、みなさんよく言われる「テスト慣れしていない」ということです。

算数・数学のテストで点数を取ろうと思ったら、仕上げに本番のテストの「模擬テスト」をやらないとダメなわけです。

とは言ったものの、やはりはじめは基本問題(つまり教科書の例題、考え方を学ぶためにある問題のことを指します)を、自分で何も見ずに「考え方をマネして使いながら」解けることが大事です。

前置き長くなりましたが、今回は、平均の基本問題の考え方・解き方についてお話していきます。

算数・数学に苦手意識がある生徒さんは、どうしても「考え方をマネする」ことに課題がある場合が多いのです。

分かりやすく言えば、自分勝手に問題を解いてしまっています。

ここでは平均の問題について、平均には平均の考え方があり、その考え方を、生徒さんが基本的な問題で使いこなせることを目的として、解説していきます。

平均=合計÷個数 よりも大事な考え方

平均を求めることは、イメージとしては、長さが違うN本のテープを全てつなぎ合わせ、つないでできた1本のテープをN等分することで、同じ長さのテープをN本作ることと同じです。

これが、均すということです。

平均の問題は、ただ合計÷個数を計算すれば良いわけではなく、むしろ合計=平均×個数を計算することの方が多いです。

こんな問題を解けることを目指して下さい。

例題.1 あるクラスで算数のテストを行ったところ、男子21人の平均点は76点、女子15人の平均点は88点でした。このクラス全体の平均点は何点ですか。

合計=平均×個数

たまにあるかん違いは、76+88=164 となって、それを÷2をして82点と答えてしまうことです。

この問題の場合は、合計とは男女合わせた点数の合計、個数とは男女の人数のことです。

男女合わせた点数は、男子の合計点数と女子の合計点数を足して得られます。

(男子の合計点数)=(男子の平均)×(男子の人数)=76×21=1596

(女子の合計点数)=(女子の平均)×(女子の人数)=88×15=1320

ということで、クラス全体の平均は

(1596+1320)÷(21+15)=81

となって、81点がクラスの平均であることが分かります。

また、こんな問題もできると平均の考え方が理解できてきます。

例題.2 Aさんは、算数のテストを5回受けました。4回目までの点数は、82点、75点、87点、68点で、5回のテストの平均点が79点となりました。5回目のテストの点数は何点ですか。

こうした問題でも、注目する部分は「5回のテストの平均点が79点となりました」のところです。

これは言い換えると、5回目までの合計点が395点であることを意味します。

あとは、4回目までの点数が分かっているので、それらを足して395から引けば、答が出ます。

平均と和差算の問題

ここでも、合計=平均×個数の考え方を使う場面が出てきますが、少しだけ他の単元の問題が混ざっています。

例題.3 A、B、C、D、E5人の身長の平均は152cmで、C、D、E3人の身長の平均は149cmです。AがBよりも5cm高いとき、Aの身長は何cmですか。

注目すべきは〇〇人の平均は□□cm

5人の平均身長が152cm、3人の平均身長が149cmとあるので、この時点で

A+B+C+D+E=760 C+D+E=447

となって、A+B=313 となることが分かります。

和差算の見分け方

さて、すでに平均と和差算と題して、「なるほど、和差算が関係しているのか」と先入観が入ってしまったかもしれないのですが、そもそも、問題文を読んで、どの時点で和差算と分かるのでしょうか。

実は「AがBより5cm高い」という文から、和差算が関係していることが分かります。

しかも、平均と人数に関する情報から、AとBの合計まで分かったわけですから、AとBの和と、AとBの差がどちらも分かるので、和差算であることが確定するのです。

つまりこの問題は「AとBの合計が313で、A−B=5のとき、Aを求める問題」ということになります。

和差算については、こちらの記事でもくわしく書いてありますので、ぜひ読んでいただけるとありがたいです。

https://sugaku1bann.com/2021/12/06/wasazannnotokikata/

答は、Aの身長は159cmとなります。

平均とつるかめ算

平均の問題は、合計の値を求める場面が多いことから、和差算やつるかめ算とは混ぜて出題されやすいと言えます。

こんな問題も、できておくと良いです。

例題.4 40人のクラスで10点満点のテストを行ったところ、以下の結果を得ました。

10点・・・7人  9点・・・8人  8点・・・□人  7点・・・6人  6点・・・〇人

テストの平均点が8点、5点以下の生徒がいないとき、□と〇にあてはまる数を求めなさい。

注目すべきは〇〇人のクラスで平均□□点

この問題でも、40人分の合計点数をはじめに出します。

40人のクラスで平均が8点ということなので、40人分の合計点は320点です。

このうち、10点が7人(合計70点)、9点が8人(合計72点)、7点が6人(合計42点)なので、これらそれぞれの点数を取った生徒の合計点数は70+72+42=184(点)となります。

さて、184点というのは、21人分の合計点です。

クラスは全体で40人います。

このことから、問題文にある□と〇を足すと19人であることが分かります。

そして、クラス全体の合計点は320点なので、□人(8点を取った人)と〇人(6点を取った人)の合計人数分の点数は、320−184=136(点)となります。

あとはこの、□と〇を求めなさいということなのですが、式で書くと

□+〇=19   8×□+6×〇=136

となっています。

求める数が2つあり、かけ算と足し算が混ざった式を使うのは、それこそがつるかめ算です。

つるかめ算の見分け方

つるかめ算は、数学の分野で言えば連立方程式のことです。

しかし、当たり前ですが、中学受験では連立方程式を使えません。

上に書いたように

・求める数が2つある

・かけ算と足し算が混ざった式が出てくる

というときは、つるかめ算で解けることが多いです。

というのも、□+〇=19、8×□+6×〇=136 を面積図に表せるからです。

これがその面積図です。

つるかめ算と面積図の関係

この面積図では、たての長さを点数、横の長さを人数とし、面積それ自体を合計点数に例えています。

「たての長さ8、横の長さ□の長方形」と、「たての長さ6、横の長さ〇の長方形」を合わせて作った図形の面積が、136であることを表しています。

今、面積図中の赤で囲った部分は、本来合計点には含まれない部分です。

しかし、それも含めて考えると、たての長さ8、横の長さ19の長方形の面積(=152)を考えることができ、赤で囲った部分は16であることが分かります。

この赤の部分の長方形の面積は、たての長さが8−6=2となっているので、横は8となります。

つまり、〇=8、□=19−8=11になるわけです。

平均と面積図(人数と平均点に関する問題)

面積図を使う平均の問題は他にもあります。

例題.5 生徒数35人のクラスで、算数のテストの平均点は66点です。このうち、男子の平均点は63点、女子の平均点は68点でした。このクラスの男子の人数は何人ですか

面積図を使う問題の見分け方

問題の解説には、いきなり面積図を使うことが書かれていることも多くあり、生徒にとっては「何で面積図を使うのか」ということが、分からないこともあります。

前の問題でも面積図を使いましたが、面積図を使う問題は、とにかく

・分からない量が2つある

・かけ算と足し算が混ざった式を使う

という問題です。

この問題も

・男子と女子の人数が分からない(足して35人ということは分かる)

・クラス全体の平均は分かる(この時点でクラスの合計点が分かる)

といった2つの条件があるので、こんな面積図を描くことで問題を解けます。

面積図の描き方

まずは、クラス全体の合計点が分かっているので、たての長さを平均、横の長さをクラスの人数として、面積がクラス全体の合計点を表すような長方形を描きます。

次に、女子の人数を□人として、たての長さ68、横の長さ□の長方形を、はじめに描いた長方形の中に描き入れます。

更に、男子の人数を〇人として、たての長さ63、横の長さ〇の長方形を、描き入れます。

この図の中には

・たての長さ2、横の長さ□の長方形㋐

・たての長さ3、横の長さ□の長方形㋑

・たての長さ3、横の長さ〇の長方形㋒

・たての長さ63、横の長さ35の長方形

があることが分かります。

面積図で注目すべきは「出てる部分」=「かけている部分」

上の面積図を見ると

・㋐の部分はクラス全体の点数を表す長方形から出てる部分

・㋒の部分はクラス全体の点数を表す長方形の中でかけている部分

であることが分かります。

「68×□(女子の合計点数を表す面積)」+「63×〇(男子の合計点数を表す面積)」=「クラスの合計点数」

ですので、長方形㋐と㋒の面積は等しくなっているのです。

式で書くと

㋐+㋑+(63×35)=㋑+㋒+(63×35)

となります。

面積図においては、とにかく面積が等しい長方形を見つける

この図から、㋑+㋒=3×35=105

なので、㋐+㋑=105です。

図から、㋐+㋑=「たての長さ5、横の長さ□の長方形の面積」

なので、□=105÷5=21

となって、女子の人数は21人であることが分かります。

必ず問題文を振り返る

ここで、21人としてはいけません。

問題では、男子の人数を聞かれているので、答は35−21=14人です。

いついかなるときでも

・今自分は何を求めたのか

・どんな値を求めるプロセスにあるのか

を気にしながら、解くことが大事です。

平均の基本問題の解き方まとめ

基本問題とはいっても、中学受験では

・問題を解くための大事なポイントとなる考え方は何か

・その大事な考え方を、基本問題の類題においてマネして使うことができているか

・そもそもどんな問題で、考え方を学べば良いのか

を理解していくこと自体が難しいといえます。

平均の問題に関しては、この記事で解説した問題とその類題を解くことで、考え方や解き方が分かってくるかと思います。

合計=平均×個数、線分図の描き方、面積図の描き方など、問題を解きながら身につけていくことができるのが一番です。

この記事や問題集の解説などを読みながら手を動かし、そのあと何も見ることなく問題を解けると良いですね。

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