中学受験の算数を勉強していると、「どうしても理解できない単元」にぶつかることがあります。
何度も復習し、問題集を解き、塾や家庭教師の解説を聞いても、なぜかスッキリしない…。
そんな経験は、多くの受験生や保護者が抱える悩みです。
実は、中学受験算数には「苦手克服」に時間がかかる単元が存在します。
しかし、焦らず正しい勉強法で取り組めば、必ず理解できるようになります。
この記事では、理解できない単元に出会ったときの原因分析と効果的な対処法を、具体例とともに解説します。
理解できない単元は「前提知識の抜け」が原因かもしれない
中学受験の算数でつまずく大きな理由のひとつが、「その単元を理解するための前提知識」が不足していることです。
例えば、速さの問題が苦手な場合、「割合」や「単位換算」の理解不足が影響しているケースは少なくありません。
対策方法:
- 苦手単元の解法に必要な基礎を洗い出す
- 前の学年や過去の単元に戻って復習する
- 例題を使って段階的に理解を積み上げる
こうした「戻り学習」を行うことで、急に理解できる瞬間が訪れることがあります。
苦手単元よりも「得意単元の得点力」を上げる
模試や入試本番で合格点を取るためには、苦手単元に固執しすぎない戦略も必要です。
理解できない単元に多くの時間をかけすぎると、得意単元の精度が下がり、全体の得点力が落ちることがあります。
おすすめ勉強法:
- 得意単元の過去問演習を増やす
- 正答率の高い分野を徹底的に復習する
- ミスをゼロに近づける
中学受験では、「解ける問題を確実に取る」ことが合格への近道です。
その子に合った理解方法を見つけて応用する
一般的には「図を描けば理解しやすい」とされる単元でも、すべての子どもに当てはまるとは限りません。
ある子は数値例から理解しやすく、別の子は日常生活のエピソードに置き換えることで理解が進むこともあります。
実践例:
- 図形問題が苦手 → 実物模型や折り紙で立体を再現
- 割合や比が苦手 → 買い物や料理で実際に計算してみる
- 速さの問題が苦手 → 距離と時間を実際に計測してグラフ化
過去にスムーズに理解できた単元の「きっかけ」を分析し、苦手単元にも応用しましょう。
「理解できないのは当然」と受け入れる
中学受験算数は、小学生が本来学ぶ範囲を超え、中学・高校レベルの数学要素も含みます。
小学5年や6年の段階で全てを完璧に理解できる必要はありません。
ポイント:
- 時間をおいて再挑戦すると理解できる場合がある
- 難易度の高い単元は「保留」にしても良い
- 成長や思考力の発達とともに理解度は上がる
「今はまだできなくても大丈夫」という前向きな姿勢が、長期的な学力向上につながります。
「理解できたつもり」の単元も定期的に確認
苦手単元だけでなく、得意だと思っている単元にも注意が必要です。
中学受験の算数では、「理解できていたつもり」で誤った方法を使い続けるケースが多く見られます。
確認方法:
- 模試や演習で同じ単元を複数回出題
- 解答だけでなく途中式や図もチェック
- 他人に解法を説明させてみる
このプロセスで、「思い込み理解」を防ぎ、安定した得点力を確保できます。
よくある質問集
Q1. 苦手単元は毎日やるべきですか?
A. 必ずしも毎日取り組む必要はありません。得意単元の復習と並行し、週2〜3回程度じっくり向き合う方が効率的です。
Q2. 苦手単元の克服にはどれくらいかかりますか?
A. 単元や子どもの理解度によりますが、数週間で改善する場合もあれば、半年以上かかることもあります。焦らず、段階的に進めることが大切です。
Q3. 保護者はどんなサポートをすればいいですか?
A. 苦手を責めるのではなく、「どんな方法で理解が進むのか」を一緒に探すことが重要です。適切な声かけや教材選びも効果的です。
まとめ
中学受験算数で理解できない単元に出会ったら、
- 前提知識の抜けを埋める「戻り学習」
- 得意単元の得点力アップ
- 子どもに合った理解方法の応用
- 難しい単元は時間をおいて再挑戦
- 「理解できたつもり」の確認
この5つを意識することで、苦手単元の克服は現実的な目標になります。
算数は積み重ねの教科です。焦らず、効率的に、そして戦略的に取り組みましょう。