中学受験でよく出題される「過不足算」。
中でも「予定より何個多く買えた・少なくなった」というタイプの問題は、混乱しやすく、苦手意識を持つ子も少なくありません。
今回は、ノートの価格が安くなって予定より多く買えたというシンプルな文章題を使って、「過不足算の考え方」や「スッキリ解ける解法」をわかりやすく解説します。
図を描くのが苦手でも理解できる方法なので、ぜひ参考にしてください!
そもそも「過不足算」とは?
「過不足算」は、用意した数量と実際に必要だった数量の差から全体の量を求める問題です。
「予定より多かった(過)」「足りなかった(不足)」という言葉が登場したら、過不足算の出番です。
具体的には、「同じものをいくつか配る」「お金で何かを買う」といったシーンで使われます。
「もし予定通りにしていたら、余った/足りなかった」などの条件がヒントになります。
例題とよくあるつまずきポイント
例題:1冊100円のノート何冊かをちょうど買えるお金を持って買いものに行きましたが、ノートが80円で売っていたので、予定よりも5冊多く買うことができ、おつりはありませんでした。はじめに持っていったお金はいくらですか。
つまずきポイント:
- 何が「予定」で、何が「実際」だったかが混乱しやすい
- 「おつりがない」=すべて使い切った、というヒントを見落としがち
- 図を描こうとして時間がかかってしまう子も多い
図を描くのが苦手でも解ける解法を解説!
まず、予定していた冊数を「▢冊」とおくのが出発点です。
予定では:
- 100円のノートを▢冊 → 持っていたお金は 100×▢ 円
実際は:
- ノートは80円だった
- ▢冊より5冊多く買えた → つまり(▢+5)冊買えた
- おつりはなかった → 全額使い切った
ここで、「もし80円のノートを▢冊だけ買っていたらどうなっていたか?」を考えると、
- 実際には(▢+5)冊買っているので、▢冊だけなら 80×5=400円余ったはず
この「400円」は、1冊あたりの金額の差(100円−80円=20円)×▢冊で説明できるため、
20×▢=400
▢=20
つまり、もともと20冊買う予定だったということがわかります。
最終的に、はじめに持っていたお金は
100×20=2000円
となります。
今回のポイントと過不足算のコツ
今回のような過不足算では、「予定」と「実際」の差に注目することが最大のカギです。
✅ ポイント整理
- 「何冊かを買う予定だった」→ それを文字でおく
- 「実際にはいくつ買えたか」→ 差を使って整理
- 「おつりがなかった」→ 全額使ったことがヒント
- 「差額」×「予定冊数」で式が作れる!
「差額×個数」の視点で考えると、複雑な設定でもシンプルに処理できます。
まとめ
過不足算のコツは、「予定」と「実際」のズレから全体を把握することです。
この考え方が身につくと、
- 配り方の問題
- お金を使う問題
- 買い物の個数の変化を問う問題
といった中学受験頻出のパターンにすべて対応できます。
次のステップとしては、「おつりが出る」「足りなかった」など、条件が異なる応用問題にも挑戦してみましょう!