こんにちは。算数・数学プロ家庭教師の鈴木です。
今回は、分数のかけ算・割り算を理解するために必要ポイントを、動画付きでお伝えしていきます。
お子さんのご様子を見て、こんなことに思い当たることはないでしょうか。
・分数のかけ算・割り算の仕方に納得ができない
・計算の途中でミスをすることが多い
・約分をし忘れることが多い
・時間を分数で表すことができない
・文章問題に苦手意識を持っている
・四則計算をミスしてしまう
いかがでしょうか。
上に書いたことがあてはまる方は、ぜひこの記事もご参考に学習を進めていただけると幸いです。
特に「分数のかけ算」は、なぜ「分母同士、分子同士をかけて良いのか」を疑問に持つ方も多いのですが、以下で解説するように、「長方形の面積」を具体例として納得できます。
また、この単元に限らず、「文章問題が苦手」という声も多いですが、これからお伝えしていくように「分数のかけ算を使う文章問題」と「分数の割り算を使う文章問題」の見分け方を理解できると、苦手意識もなくなります。
目次もご参考に、得意にしていきたいところからお読みいただき、学習を進めて下さい。
分数のかけ算の仕方に納得できる一例

分数のかけ算は、分母同士・分子同士をかけることで、答を出すことができますが、その理由に納得できる具体例の一つに、長方形の面積を考えることがあります。
「かけ算とは何か」を考えたとき、整数同士のかけ算であれば、一辺が1mの正方形が「横に何個、たてに何個あるのか?」を考えることになります。
ところが、分数や小数にまで「かけ算」の考え方を広げることになったとき、大切なのは、一辺が1mの正方形の例で言えば、「正方形をいくつに分けたうちの何個分か?」を考えることです。
動画では「たて2/3、横4/5の長方形」を考えることで、(2/3×4/5) の答がどうなるのかを調べていきます。
まずはじめに正方形を小さい長方形に分けて、小さい長方形が全体の何分の1になっているのかを見ていき、結果として (2/3×4/5) にあたる面積は、全体の何分のいくつなのかを調べます。
ここで注意したいのは、はじめからいきなり「分母同士、分子同士をかけているわけではない」ということです。
あくまでも、かけ算を長方形の面積として捉えて、面積の値として出てきた数が、結果として「分母同士、分子同士をかけたものになっている」ということが、後から分かってきます。
動画でも解説しました。
計算の途中で約分できるようになるために・・・

多くのお子さんを見ていると、分数のかけ算をする際に、「計算の途中での約分をしていない」という様子が見受けられます。
計算の途中で約分するとはどういうことなのかについて、以下の動画でお話しましたが、そもそもお子さんによっては、「なぜはじめから約分ができるのか?」について、疑問を持っている人もいます。
その疑問に少しでも応えられればと思います。
約分するとは、もう少し具体的に言うと、「お互いの数の最大公約数」を見つけることでもあるのです。
計算の途中で約分をしていないというのは、もっと言うと、「最大公約数を探すことをしていない」ということになります。
ですので、まずは最大公約数をどうやって見つけたのかなど、過去に習った単元も振り返りながら、約分を練習していけると良いのではないかと思います。
動画でも解説しました。
まずは約分できる数の組合わせを見つける
さて、約分をするというのは、最大公約数を探すことであると言いました。
最大公約数を探す際に大切なのは、以下の考え方です。
偶数を見つける
分母、分子どちらにも偶数がある場合は、まずはそれらを見つけることから始めて下さい。
偶数が見つかった場合は、どちらも2で割るなどして、約分を行います。
ただし、1回約分しただけでは、まだ分母、分子が同じ数で割れる可能性があります。
例えば、6/12 を2で約分すると、3/6 となりますが、これはまだお互いに、3で割ることができます。
お子さんの様子を見て、3/6 で約分しなくなってしまったら、以下の考え方を身に付けることに、課題があるかもしれません。
よくある「数の組合わせ」を知る
最大公約数や、最小公倍数の単元では、「3と6」「6と9」「12と18」「24と36」・・・
などなど、「これら2つの最大公約数を求めなさい」という問題において、どの問題集を見ても載っているような、「よくある、よく見る数の組合わせ」というものがあります。
約分をしていない様子があるお子さんは、最大公約数や最小公倍数の単元に戻り、上に書いたような「よく見る数の組合わせ」に気づけるかどうかを、確かめていく必要があります。
それらに気付けた上で、「お互いの数をどちらも割り切る数のうち、一番大きいもの」を見つけられるかどうかが、約分をできるようにしていくための大事な視点です。
5の倍数を見つける
約分をする際にもう一つ大切なのは、「分母分子において、5の倍数を見つける」ということです。
分数のかけ算をする際に、分母分子を見て、「1の位が0か5の数は5で割れる」ということに気付けると、分母同士、分子同士をそのまま計算してしまった結果、3けた以上の大きすぎる数を扱うこともなく、かけ算ができます。
動画でも解説しました。
時間を分数で表せるようになることも大切!

中学受験の勉強を早いうちからしているお子さんは、時間を分数で表すことも、知っているかと思います。
こうした考え方は、文章問題を読んで、時間の単位が揃っていないときに、時間の単位を揃えるという場面で必要になります。
例えば時速40㎞で45分間移動したときの距離を求める際に、「速さ×時間」の式を使って答を出すのであれば、時速を分速に直すという手もあります。
しかし、「分速×(分)」ではなくて、「時速×(時間)」を計算することで、計算量を減らせる場合もあります。
以下の動画では、そのための練習につながるようなお話をしております。
文章問題はテープの長さに関する問題が基本的!
よく「〇〇は✖✖の何倍か?」という問題を見ますが、そうした問題を考えるときは、「量や数を線分に例える」という考え方が出てきます。
というのも、「〇〇は✖✖の何倍か?」という問題文は、言い換えると「✖✖の何個分が〇〇になるのか?」という問題文になります。
このときにでてくる「何個分、あるいは何本分なのか?」という問題を調べる際に、線分やテープの長さに例えて考える場面があります。
次に出てくる「倍」に関する問題や、割合を考える際にも線分やテープの図を描いて考える場面が出てくるので、まずはテープそのものの問題から考えてみて下さい。
動画でも解説しました。
「~倍」は「何がどの量のいくつ分か」を考えること
前の節でもお話した通り、やはり「倍」に関する考え方を身につけるための基礎となるのは、線分やテープの長さに関する問題です。
動画では、ひもの長さに関する問題を扱いましたが、整数の「倍」ではなくて、分数の「倍」についてお話しています。
今まで「倍」というのは、「一方が他方の何個分か?」を考えることでした。
しかし、分数を考えるようになると、今度は「一方を何個に分けたうちのいくつ分が他方になるのか?」という具合に、「何個に分けたうちの~」という言葉が、陰ながら出てきます。
そのことについても、動画内でお話しておりますので、「知らなかった」というお子さんは、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。
分数の割り算とその意味
分数の割り算について、割る数の分母、分子を逆にしてかけて計算することは、よく知られたことなのですが、その理由を正確に理解することは、難しいことでもあります。
分数の割り算を考えるときには、そもそも整数で割る割り算の意味についても、考え直す必要が出てきます
一例を述べると、6÷5という計算は、「同じ長さのテープ5本で6mになるときの、1本分の長さを求めること」と考えられます。
同じく、6÷4も「同じ長さのテープ4本で6mになるときの、1本分の長さを求めること」となります。
こうした考え方を、分数の割り算にも適用していくと、6÷(1/2) の意味も分かってきます。
つまり、6÷(1/2) というのは、「(1/2) 本で6mになるときの、1本分の長さを求めること」となるのです。
これは言い換えると、「半分の長さが6mのとき、もとの1本分の長さは何m?」と聞かれているのと同じなのです。
動画でも解説しました。
文章問題において割り算であることがどこで分かるのか?
お子さんの様子を見ていてよくあるのが、文章問題を解く際に、お子さんが「今はかけ算を習っているから、この文章問題はかけ算で解くはずだ」であるとか、「割り算を習っているから割り算で解くものだ」という風に思い込んで、問題と向き合っているように見えるということです。
その場合には、かけ算と割り算が入り混じった文章問題を、小テストのような形で出題することがありますが、そのときに実際に、「かけ算なのか、割り算なのかを、正しく把握できていない」ということが分かるときもあります。
割り算であることが分かる、一つの見分け方として、「〇〇のいくつ分が具体的に分かっているとき、〇〇を求めなさい」という文があることです。
動画では、問題文の読み方、図の描き方などについてもお話しました。
割り算を理解するために解いておきたい問題
かけ算、または「倍」を理解するために、線分やテープに関する問題を解いておくことが基本となりますが、今度は棒の長さに関する問題です。
これは、単位量あたりの大きさ、比例にも関係があるところです。
これまで、例えば整数の割り算であれば、「2mで300円のテープは、1m何円ですか?」というような形の問題文があったかと思います。
整数ではなくて分数の割り算になっても、問題文の表現に注目すれば、割り算を計算して答が出るということが、分かる場合も多いです。
もちろん、問題文の表現だけではなく、図を描くことや、特に今回扱う棒の長さと重さに関する問題は、「棒のどの部分も、均等に重い」ということを仮定する必要があります。
つまり、「棒のこの部分だけが極端に重い、あるいは軽いということがない場合」を想定しています。
そうした仮定のもとに、問題を考えていくことも分かると、解ける問題の種類も増えていきます。
動画でも解説しました。
四則計算を正確に行うために欠かせない見方・捉え方
四則計算をする際に、多くのお子さんは「カッコの中から先に計算すること」や「かけ算、割り算から先に計算すること」などを、知識として知っています。
しかし、お子さんに、実際に計算してもらう場面において、意外にも大切なルールが理解できていないことが分かるときもあります。
それは、特に「〇÷□÷△」のように、「割り算が連続している式」を計算する際に、お子さんが「そんなこと知らなかった」と教えてくれることで、明らかになります。
計算のルールを知らないということについて、思い当たることがある方は。以下の記事もご一読下さい。
https://sugaku1bann.com/2021/10/26/misudewanakuseikaisitatumori/
動画にて、そのことについてお話しました。
比例の理解にもつながる問題
次に扱うのは、比例の考え方に直接つながる問題なのですが、このときに出てくるのは、「例えばこんなときは、この数はいくつになるのか?」を考える場面です。
問題では「1㎏の砂の量をはかったら7/10 L ありました。この砂2と4/5 L の重さは何㎏ですか。」
とありますよね。
このときに、「何算で答が出るか分からないけれど、とりあえずかけ算を計算する」というような様子がお子さんにあったら、問題文を読み、それを図に直すことや、具体例などを考えることで、「かけ算か割り算かを判断すること」が身についていない可能性があります。
その場合には、「過去に似た問題を解いたことがなかったかどうか?」を思い出す練習を繰り返す必要があります。
というのも、小学校で習う数全体を通して、整数や小数、あるいは分数にしても、問題文を読む限り、かけ算にはかけ算の、割り算には割り算の考え方が反映された上で、問題が作られています。
ですので、扱う数が分数になっても、過去に似たような文を読んだことを思い出せると、「あのときに出てきた問題文のこの部分が分数になっているだけだ!」という気持ちが出てくる可能性があります。
そういった意味でも、「前に出てきたことと結びつける」ということが大事です。
動画では、かけ算と割り算をどちらも計算していますが、そうすることで、答えるものは何なのかを見つけていきます。
そのときに大切なのは、「具体的に数を当てはめてみる」という考え方です。
動画でも解説しました。
割合の復習ができると理解度も上がる
分数のかけ算、割り算を身につけて、割合の問題まで解けると良いですね。
中学受験をされるお子さんは、必ず分数を使った割合の問題まで解いておくことが必要です。
数が分数になっても、「くらべられる数、もとにする数」がどれなのかを判断し、それらに当てはめることになります。
動画ではそれらに当てはめることに加えて、「割合とは倍を言い換えたもの」であることについても、お話してあります。
割合を表す際に、線分を描いて考えることの必要性を理解しづらいというお子さんもいらっしゃいますが、その理由の一つとして、割合と「~倍」の関係を意識できていないことも考えられます。
分数にまで数の考え方を広げることで、そのような関係性も理解できることが大切です。
動画でも解説しました。
まとめ
分数のかけ算、割り算を理解する上で大切なのは、「一方が他方のいくつ分なのか」を考えることです。
もっと細かく言うと、「いくつに分けたうちの何個分なのか」という考え方ができることが大切です。
特に分数の割り算を考えるときには、例えば「÷ (2/3)」であれば、「3つに分けたうちの2つ分が割られる数になるもの」という風に考える場面が出てきます。
ぜひ動画なども参考に、そうした考え方を受け入れていただければと思います。