中学受験の学校説明会で見るべきポイント|偏差値だけでは分からない学校選びのチェック項目

中学受験を考えているご家庭にとって、志望校を決めるためにぜひ参加しておきたいのが学校説明会です。

学校説明会では、

  • 教育方針
  • 大学進学実績
  • 入試についての説明
  • 学校生活
  • 部活動
  • 施設

など、さまざまな情報を得ることができます。

ただ、初めて参加すると、

「結局、何を見ればいいの?」

と迷ってしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。

特に気をつけたいのは、説明会で聞いた「学校の良いところ」だけで志望校を決めないことです。

学校側が説明してくれる内容だけでなく、実際に自分の目で見た校内の様子や生徒の雰囲気、そして「この学校にわが子が6年間通ったらどうなるか」まで考えることが大切です。

この記事では、中学受験の学校説明会へ行ったときに、保護者が見ておきたいポイントを詳しく解説します。

学校説明会は「学校の良し悪し」を判断するためだけのものではない

学校説明会へ行くと、

「大学合格実績が良い」

「施設がきれい」

「面倒見が良さそう」

といったところに目が向きやすくなります。

もちろん、これらも大切です。

しかし、学校選びで本当に重要なのは、

「良い学校かどうか」ではなく、「わが子に合う学校かどうか」

です。

どれほど進学実績の良い学校でも、校風や学習方針が子どもに合わなければ、6年間が苦しくなってしまう可能性があります。

反対に、最初は第一志望ではなかった学校でも、実際に訪れてみたら、

「この学校なら楽しく通えそう」

「この先生たちなら安心して任せられそう」

と感じることもあります。

だからこそ学校説明会では、パンフレットに書いてある情報を確認するだけではなく、実際に学校へ行かなければ分からないことを見るようにしましょう。

① 学校の教育方針がわが子に合っているか

まず確認したいのが、学校の教育方針です。

たとえば、

  • 自主性を重視する学校
  • 学校側が細かく学習管理する学校
  • 大学受験指導に力を入れる学校
  • 英語教育に力を入れる学校
  • 探究学習を重視する学校
  • 部活動や学校行事を重視する学校

など、学校によって教育方針はかなり違います。

ここで大切なのは、

「どの方針が優れているか」ではありません。

子どもの性格に合っているかどうかです。

たとえば、自分から計画を立てて勉強できる子であれば、自由度の高い学校が合うかもしれません。

一方、自分だけではなかなか勉強できない子の場合、宿題や補習などである程度学校側が学習を管理してくれる環境のほうが合うこともあります。

説明会では学校の特徴を聞きながら、

「この教育方針の中で、うちの子は成長できそうか?」

という視点で考えてみてください。

② 生徒の様子を見る

私が学校説明会で特に見てほしいと思うのが、実際に通っている生徒の様子です。

先生の説明やパンフレットは、その学校の魅力が分かりやすく整理されています。

一方、生徒の様子は実際に学校へ行かなければ分かりません。

たとえば、

  • 生徒同士がどのように話しているか
  • 先生と生徒がどのように接しているか
  • 来校者に挨拶をしているか
  • 校内で楽しそうに過ごしているか
  • 落ち着いた雰囲気なのか、活発な雰囲気なのか

などを見てみましょう。

ここでも、

「挨拶をする生徒が多い学校だから良い学校」

と単純に判断する必要はありません。

大切なのは、その雰囲気の中に自分の子どもが入った姿を想像できるかどうかです。

可能であれば、学校説明会だけでなく文化祭や体育祭などにも参加してみると、より普段に近い生徒の姿を見ることができます。

③ 先生と生徒の距離感を見る

学校の雰囲気を知るうえで、先生と生徒の関係も重要です。

校内見学の機会があれば、

生徒が先生にどのように話しかけているか

を見てみてください。

質問しやすそうな雰囲気なのか。

先生と生徒の距離が近いのか。

ある程度きちんとした距離を保つ学校なのか。

これも学校によってかなり違います。

特に、分からないことを自分から質問するのが苦手な子の場合は、先生側から声をかけてもらえる環境なのかどうかも確認しておきたいところです。

④ 学習面のサポート体制を確認する

中高一貫校では、学校によって学習進度や指導方法が大きく異なります。

そのため、

  • 宿題の量
  • 小テストの頻度
  • 補習の有無
  • 成績不振者へのフォロー
  • 長期休暇中の講習
  • 放課後の学習環境
  • 質問できる環境
  • 塾へ通っている生徒の割合

などを確認しておくとよいでしょう。

特に私が重要だと思うのが、「勉強ができる生徒に何をしているか」だけでなく、「勉強につまずいた生徒にどう対応しているか」を見ることです。

学校説明では、難関大学への進学実績や上位層向けのカリキュラムが紹介されることがあります。

しかし、入学後にすべての子が順調に勉強できるとは限りません。

たとえば数学でつまずいてしまった場合、

「補習があります」

だけではなく、

「どのような生徒が対象で、どのくらいの頻度で、どのような補習を行うのか」

まで質問できると、学校のサポート体制がより具体的に見えてきます。

⑤ 大学進学実績は「数字の中身」を見る

大学合格実績を学校選びの参考にするご家庭も多いでしょう。

ただし、

「○○大学100名合格」

という数字だけを見るのでは不十分です。

確認したいのは、

  • 卒業生数
  • 現役合格者数
  • 国公立大学への進学状況
  • 私立大学への進学状況
  • 推薦入試・総合型選抜への対応
  • 学校推薦型選抜の状況
  • 実際の進学者数

などです。

「合格者数」と「進学者数」は同じではありません。

一人の生徒が複数の大学・学部に合格すれば、それぞれが合格実績として数えられる場合があります。

ですから、数字を見るときは、

「この学校に入れば○○大学へ行ける」

と考えるのではなく、

「どのような進路を選ぶ生徒が多い学校なのか」

を見る材料として使うとよいでしょう。

⑥ 通学時間は必ず実際に確認する

意外に軽視できないのが通学です。

中学校へ入学すると、週5日あるいは週6日、何年間も通うことになります。

乗換案内で「自宅から50分」と表示されても、実際には、

  • 駅まで歩く時間
  • 電車の待ち時間
  • 朝の混雑
  • 乗り換え
  • 最寄り駅から学校までの徒歩
  • 雨の日の移動

などがあります。

できれば学校説明会の日は、実際に子どもが通学する時間帯や経路を意識して移動してみることをおすすめします。

「片道10分の違い」でも、6年間積み重なると大きな差になります。

また、部活動をして帰宅時間が遅くなった場合も想像してみましょう。

⑦ 校舎のきれいさより「子どもが毎日使う場所」を見る

新しい校舎や立派な設備を見ると、どうしても魅力的に感じます。

もちろん施設も学校選びの一つの要素です。

ただ、見るのであれば、

  • 教室
  • 図書館
  • 自習スペース
  • 食堂
  • 体育施設
  • トイレ
  • ロッカー
  • グラウンド
  • 部活動で使用する施設

など、子どもが実際に日常生活で使う場所を確認しましょう。

設備が豪華かどうかより、

「休み時間はどこで過ごすのだろう」

「放課後に勉強できる場所はあるのだろうか」

と、入学後の生活を想像しながら見ることが大切です。

⑧ 部活動・学校行事も確認する

子どもに入りたい部活動がある場合は、活動状況も確認しましょう。

同じ「○○部」があっても、

  • 週何日活動するのか
  • 朝練があるのか
  • 大会への参加状況
  • 中学生と高校生が一緒に活動するのか
  • 勉強との両立をどう考えているのか

などは学校によって違います。

また、文化祭・体育祭・修学旅行・海外研修などの学校行事も、6年間の学校生活を考えるうえでは重要です。

中学受験ではどうしても「入試に合格すること」に意識が集中します。

しかし、合格した翌日から始まるのは受験勉強ではなく学校生活です。

子どもが「ここに通いたい」と思えるものがあるかも見ておきましょう。

⑨ 入試について「何を見ているのか」を聞く

6年生になったら、入試に関する説明は特に重要です。

学校によっては説明会で、

  • 出題方針
  • 各教科で求める力
  • 過去問の扱い方
  • 記述問題の採点方針
  • 部分点の考え方
  • 入試問題の変更点

などを説明してくれることがあります。

ここはしっかりメモを取っておきましょう。

算数についても、

「計算力を重視するのか」

「思考力を見る問題が多いのか」

「途中式や考え方も評価するのか」

など、学校によって入試問題の特徴は違います。

学校がどのような子どもに入学してほしいと考えているのかが、入試問題に表れることもあります。

過去問対策を始める際にも役立つ情報です。

⑩ 個別相談では「具体的な質問」をする

個別相談が用意されている場合は、ぜひ利用しましょう。

ただし、

「面倒見はいいですか?」

「勉強は大変ですか?」

という質問では、具体的な情報を得にくくなります。

たとえば、

「数学で授業についていけなくなった生徒には、どのようなフォローがありますか?」

「部活動を週5日している生徒の場合、家庭学習はどのくらい必要ですか?」

「中学1年生では1日どのくらいの宿題が出ますか?」

など、実際の学校生活を想定した質問にすると、学校ごとの違いが分かりやすくなります。

子ども自身の感想も必ず聞く

学校説明会が終わったら、保護者だけで評価を決めず、子どもにも感想を聞いてみましょう。

ただし、

「この学校どうだった?」

だけでは、

「普通」

「よかった」

で終わってしまうことがあります。

そこで、

「生徒の雰囲気はどうだった?」

「教室はどうだった?」

「入りたい部活はあった?」

「今日見た学校に毎日通うとしたらどう?」

「前に行った○○中と比べると、どっちが好き?」

など、具体的に聞いてみましょう。

子どもなりに感じていることが見えてきます。

特に複数校を見学すると、比較することで本人の好みが分かってくることがあります。

学校説明会では「わが子が6年間通う姿」を想像する

学校説明会で確認しておきたいことをまとめると、次のようになります。

  1. 教育方針は子どもに合っているか
  2. 生徒はどのような雰囲気か
  3. 先生と生徒の距離感はどうか
  4. 学習面のサポートは十分か
  5. 大学進学実績の中身はどうなっているか
  6. 無理なく通学できるか
  7. 日常的に使う施設はどうか
  8. 部活動や学校行事は子どもに合っているか
  9. 入試ではどのような力を求めているか
  10. 入学後につまずいたときの対応はどうなっているか

偏差値や大学合格実績は、学校を比較するための分かりやすい数字です。

しかし、数字だけでは、

「その学校で自分の子どもが楽しく、成長しながら6年間を過ごせるか」

までは分かりません。

だからこそ、実際に学校へ足を運ぶ意味があります。

そして、学校説明会へ参加するときには、

「この学校は良い学校なのか?」

だけではなく、

「この学校は、わが子に合っているのか?」

という視点を持ってみてください。

中学受験では「合格できる学校」を探すことも必要ですが、その先にある**「入学してから6年間通いたい学校」を探すことも同じくらい大切です。

FAQ

Q1. 中学受験の学校説明会には何年生から参加すればいいですか?

5・6年生になってからだけでなく、可能であれば3・4年生のうちから参加してもよいでしょう。

早い時期であれば「受験校を決める」というより、いろいろな学校を見て、子どもや保護者がどのような学校を魅力的に感じるのかを知る機会として利用できます。

6年生では過去問対策や受験勉強で忙しくなるため、気になる学校には早めに足を運んでおくと志望校選びを進めやすくなります。

Q2. 学校説明会には子どもも一緒に行ったほうがいいですか?

子どもが参加できる説明会であれば、できるだけ一緒に行くことをおすすめします。

保護者が「良い学校だ」と感じても、子ども自身は違った印象を持つことがあります。

校舎、生徒の雰囲気、部活動などを実際に見ることで、「この学校に行きたい」という気持ちが生まれ、受験勉強への目標が具体的になることもあります。

Q3. 学校説明会と文化祭はどちらに行くべきですか?

可能であれば、両方参加することをおすすめします。

学校説明会では教育方針、学習指導、進路、入試などの情報を得やすい一方、文化祭では生徒の雰囲気や学校生活をより身近に感じられます。

**「学校の方針を見る説明会」と「実際の生徒を見る文化祭」**というように、目的を分けて参加すると学校を判断しやすくなります。

Q4. 学校説明会ではどのような服装で行けばいいですか?

特別な指定がなければ、保護者も子どもも清潔感のある落ち着いた服装で問題ありません。

学校説明会は基本的に入試の面接ではありませんので、必要以上に服装を気にするよりも、説明を聞いたり校内を見学したりしやすい服装を選ぶとよいでしょう。

学校から服装や持ち物について案内がある場合は、その指示を確認してください。

Q5. 学校説明会で算数について聞いておくことはありますか?

6年生であれば、算数の出題方針について確認しておくとよいでしょう。

たとえば、計算問題や一行問題の割合、記述や途中式の扱い、思考力問題の出題傾向などです。

ただし、説明会で聞いた情報だけで受験対策を決めるのではなく、実際の過去問と照らし合わせて「どの単元を、どのレベルまでできるようにする必要があるのか」を確認することが重要です。

まとめ 志望校が見えてきたら「合格するために何が必要か」も確認しましょう

学校説明会へ行き、

「この学校に通いたい」

という志望校が見えてきたら、次に考えたいのが現在の学力と入試問題との差です。

特に算数は、同じくらいの偏差値の学校でも出題される問題には違いがあります。

そのため、

「算数が苦手だから、とにかく難しい問題をたくさん解く」

という勉強をするのではなく、

志望校の入試で必要な問題と、今の段階でできていない問題を整理することが大切です。

私は算数・数学専門の家庭教師として、これまで200名以上の生徒を指導してきました。

算数が苦手な子の指導では、いきなり志望校レベルの問題を繰り返すのではなく、

「どの単元まで戻れば、自分の力で問題を解けるようになるのか」

を確認し、必要であれば前の学年や基本問題まで戻って学習します。

そして、一度説明を聞いて解けただけでは「できるようになった」と判断せず、類題や小テストを使いながら、問題を見たときに自分で考え方を判断し、式を立てられるところまで確認します。

学校説明会へ参加して志望校が見えてきたものの、

「今の算数の成績で間に合うのだろうか」

「何からやり直せばいいのか分からない」

「塾には通っているけれど、算数だけなかなか伸びない」

とお悩みでしたら、一度ご相談ください。

志望校の入試問題と現在の学習状況を確認したうえで、これから算数で何を優先して勉強すればよいのかを一緒に整理します。

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