「中学受験をして私立中学に入ったけれど、別の高校を受験することはできるの?」
「中高一貫校なので、このまま高校へ上がるのが普通だと思っていたけれど、子どもが外部の高校へ行きたいと言い始めた」
「今の学校で成績が下がっている。このまま内部進学するより、高校受験をした方がよいのだろうか」
このようなことで悩み、私立中学から高校受験する方法について調べている保護者の方もいると思います。
結論からいうと、私立中学や中高一貫校に通っていても、別の高校を受験することは可能です。
ただし、公立中学校から高校受験をする場合とまったく同じように考えることはできません。
私立中学から外部の高校を目指す場合には、
- 内申・調査書をどのように用意するのか
- 外部受験をすると内部進学の権利はどうなるのか
- 現在の学校は高校受験にどこまで対応してくれるのか
- 学校の定期テストと受験勉強をどう両立するのか
- 現在の学力で、どの高校を目指せるのか
などを一つずつ確認する必要があります。
特に、私が中学生の学習相談や数学の指導をする際に気をつけているのが、「今の私立中学で成績が悪い=高校受験でも通用しない」と、そのまま考えないことです。
中高一貫校では、学校によって授業の進度や使用している教材、定期テストの難易度がかなり違います。
そのため、学校の数学で点数が取れていない子でも、高校受験で必要になる中学校範囲を改めて確認すると、基礎部分はきちんと身についている場合があります。
反対に、中学受験を経験して私立中学に入学しているからといって、高校受験に必要な内容がすべて身についているとも限りません。
大切なのは、現在の学校の成績だけを見るのではなく、「高校受験をする中学生として、今どこまでできているのか」を一度確認することです。
この記事では、私立中学から高校受験する場合の内申・内部進学・外部受験の注意点だけでなく、高校受験へ切り替える前に確認しておきたい学力や、受験勉強の進め方についても解説します。
まだ「高校受験をする」と決めていないご家庭も、今の学校に残る場合と外部の高校を目指す場合を整理するための参考にしてください。
私立中学から高校受験はできる?
私立中学に通っていても、必要な応募資格や出願条件を満たしていれば、現在の学校とは別の高校を受験することはできます。
中高一貫校に通っているからといって、必ずそのまま系列の高校へ内部進学しなければならないわけではありません。
都立・公立高校を受験する場合は、それぞれの自治体が定める応募資格を確認します。
別の私立高校を受験する場合も、その高校の募集要項に定められた出願条件を満たしていれば受験できます。
ただし、ここで最初に知っておいていただきたいことがあります。
「外部の高校を受験できること」と「現在の学力で志望校を受験できる状態になっていること」は別の問題です。
私立中学、特に中高一貫校では、一般的な公立中学校とは異なる進度や教材で授業を行っていることがあります。
学校ではすでに高校範囲を先取りしていたり、学校独自の内容を扱っていたりする一方で、高校受験をする中学生が学ぶ範囲を、受験に必要な形では十分に扱っていないこともあります。
そのため、私立中学から高校受験を考え始めたら、
- 現在の学校での成績
- 高校受験として見た現在の学力
- 内申・調査書の扱い
- 現在の学校の内部進学と外部受験に関するルール
- 志望校の出願条件・入試科目
を分けて確認する必要があります。
「今の学校で成績が悪いから高校受験も難しい」と決める必要はありません。
反対に、「私立中学で成績が良いから、高校受験にもそのまま対応できる」とも限りません。
現在の学校での成績だけではなく、高校受験に必要な範囲を実際に解いて確認することが大切です。
中高一貫校からでも外部の高校を受験できる?
中高一貫校に通っている場合でも、外部の高校を受験することは可能です。
ただし、外部受験をする場合は、現在の学校の内部進学に関するルールを早めに確認しておきましょう。
特に確認したいのは、
- 外部受験をすることをいつまでに学校へ伝える必要があるか
- 外部高校へ出願すると内部進学資格はどうなるか
- 外部受験に不合格だった場合に内部進学できるか
- 調査書などの必要書類を学校から出してもらう手続き
- 推薦・併願を希望する場合に学校からどのような対応を受けられるか
といった点です。
これらは私立中学校に共通する一つのルールがあるわけではなく、学校によって異なります。
そのため、
「外部の高校を受けて、合格したら外へ行く。不合格だったら今の学校の高校へ上がる」
と最初から考えてしまうのは注意が必要です。
外部受験をすると内部進学資格を残せない学校であれば、その前提で併願校まで考える必要があります。
また、外部受験を考えたからといって、すぐに内部進学をあきらめる必要もありません。
まず現在の学校に、
「外部の高校を受験した場合、内部進学の扱いはどうなりますか」
と確認してみてください。
そのうえで、現在の学力や志望校との距離を調べてから、内部進学と外部受験を比較しても遅くありません。
私立中学から都立高校・公立高校を受験できる?
私立中学に在籍している生徒でも、応募資格を満たしていれば都立高校・公立高校を受験できます。
たとえば東京都立高校については、東京都教育委員会が入学者選抜の応募資格を定めています。
そのため、「私立中学に通っているから都立高校を受験できない」ということではありません。
ただし、実際に出願できるかどうかについては、居住地や中学校の卒業見込みなど、その年度の応募資格を確認する必要があります。
特に、東京都内に住みながら都外の私立中学校へ通っている場合などは、「現在通っている中学校の所在地」だけで判断せず、受験年度の応募資格を確認してください。
また、都立・公立高校では、学力検査だけでなく調査書が選考に使われる場合があります。
そのため、
「入試問題で何点取れるか」
だけではなく、
「現在の評定がどのように扱われるのか」
も確認する必要があります。
この点については、後ほど「私立中学から高校受験すると内申はどうなる?」で詳しく説明します。
※都立高校の応募資格や選抜方法は年度によって変更される可能性があります。実際に受験する際には、必ず受験年度の東京都教育委員会「入試Q&A」「入試案内」などの最新情報をご確認ください。
私立中学から別の私立高校を受験できる?
現在私立中学に通っていても、別の私立高校へ進学するために高校受験をすることはできます。
ただし、私立高校は学校によって、
- 一般入試
- 推薦入試
- 併願に関する制度
- 必要な評定
- 出席状況などの条件
- 入試科目
が異なります。
したがって、志望する私立高校が決まったら、必ずその年度の募集要項を確認してください。
特に推薦や併願を考えている場合は、
「自分の評定が基準を満たしているか」だけでなく、「現在通っている私立中学からその受験方法を利用できるか」まで確認することが重要です。
また、私立中学から別の私立高校を目指す場合にも、現在の学校の成績だけで志望校を決めるのはおすすめしません。
私立中学校では、学校によってカリキュラムや定期テストの難易度が異なるからです。
高校受験用の模試や中学校範囲の問題を利用して、外部の受験生の中での現在位置を確認したうえで、志望校を考えていきます。
私が指導した「私立中学から外部高校受験」の例
実際に私が指導した生徒にも、私立中学での勉強と高校受験の勉強を分けて考える必要があったケースがあります。
この生徒は中1から指導を始めました。
当初のご依頼は高校受験対策ではなく、
「現在通っている私立中学の進度に合わせて数学を指導してほしい」
というものでした。
学校の成績も良く、数学の理解にも特に問題はありませんでした。
ただ、学校で習っている数学は、一般的な中学校のカリキュラムとはかなり異なっていました。
たとえば中2の段階で、学校では2変数の関数など、通常の高校受験対策で扱う中学校数学とは異なる内容も学習していました。
その後、中2ごろに本人から、
「高校では部活動を本格的にやりたいので、中央大学附属高校へ行きたい」
という希望が出ました。
そこで、それまでの「学校の進度に合わせた数学」とは別に、高校受験として必要な数学を改めて確認することにしました。
私が最初に行ったのは、いきなり志望校の難しい問題を解かせることではありません。
中1・中2で一般的に学習する数学の単元を、一通りテストしました。
私立中学で学校の成績が良かったとしても、それだけで、
「高校受験に必要な中学校数学もすべて身についている」
とは判断しなかったからです。
実際に問題を解いてもらい、解説を見ない状態で、中1・中2の内容を自力で解けるかを確認しました。
この生徒の場合は、高校受験に必要な基礎学力が十分に身についていることを確認できました。
そこで、
中1・中2の単元を一通りテストする
↓
高校受験に必要な基礎が身についていることを確認する
↓
中3範囲を学習する
↓
高校受験の標準問題へ進む
↓
志望校の過去問演習を行う
という順番で対策を進めました。
最終的には、中央大学附属高校に合格することができました。
この生徒の場合、私立中学での成績が悪かったわけではありません。
むしろ学校の数学もしっかり理解できていました。
それでも、学校独自のカリキュラムだけで学習していたら、高校受験をする一般的な中学生が学ぶ範囲を、受験に必要な形で体系的に確認する機会は少なかったのではないかと感じました。
この経験からも、私は私立中学での成績と、高校受験としての学力はいったん分けて確認した方がよいと考えています。
これは、学校の成績が悪い子だけに必要な確認ではありません。
学校で成績が悪くても、高校受験の基礎が身についていることがあります。
反対に、学校で成績が良くても、高校受験で必要になる範囲を別に確認する必要があります。
私立中学から外部受験を考え始めたら、現在の学校の成績だけで可能性を決めず、高校受験で必要になる中学校範囲を実際に解いて、どこまで自力でできるのかを確認するところから始めましょう。
私立中学から高校受験する人にはどんな理由がある?
私立中学から高校受験を考える理由は、成績不振だけではありません。
内部進学の条件を満たせない場合もあれば、入学後に授業の進度や学校の学習方針が合わないと分かったり、本人が希望する進路が変わったりすることもあります。
大きく分けると、
- 成績や内部進学の条件
- 授業の進度や学習方針
- 校風や高校以降の進路
といった理由が考えられます。
ただし、どの理由についても、
「今の私立中学が合わない=高校受験をした方がよい」
とすぐに結論を出す必要はありません。
現在の学校に残る場合と、外部の高校を受験する場合の両方を考えたうえで、本人にとってどちらがよいのかを確認していくことが大切です。
成績不振で内部進学が難しいケース
現在の私立中学での成績が内部進学の条件を満たしていないことから、高校受験を検討するケースがあります。
中高一貫校であっても、無条件ですべての生徒が系列高校へ進学できるとは限りません。
内部進学について、
- 評定
- 定期テスト
- 出席状況
- 学校独自の進級・進学条件
などが定められている場合があります。
そのため、学校から内部進学について指摘を受けたり、保護者の方が現在の成績を見て不安を感じたりしたことをきっかけに、外部の高校を検討することがあります。
ただし、ここで注意したいのは、現在の私立中学での成績と、高校受験として見た学力は同じものではないということです。
たとえば、現在の学校では授業が速く、定期テストも学校独自の内容を多く含んでいるために成績が振るわないとしても、中1・中2の一般的な中学校数学まで戻って確認すると、基礎は十分に身についている可能性があります。
反対に、定期テスト前に問題の解き方を覚えることである程度の点数を取れていても、少し時間がたってから同じ単元を出題すると、自力では解けないこともあります。
そのため、
「内部進学が難しいから、もっと入りやすい高校を探そう」
とすぐに考えるのではなく、
現在の学校で何ができていないのか、高校受験として見るとどの程度の学力があるのかを分けて確認することが先です。
内部進学が難しい理由が学力面にあるのであれば、学校を変えることだけでは問題が解決しない場合もあります。
授業の進度や学校の学習方針が合わないケース
私立中学へ入学してから、授業の進度や学校の学習方針が本人に合っていないと分かり、外部受験を考えるケースもあります。
特に中高一貫校では、中学校3年間と高校3年間を完全に分けず、6年間を通したカリキュラムを組んでいる学校があります。
そのため、中学校の段階から授業が速く進んだり、高校の内容を先取りしたりすることがあります。
こうした環境が合う子もいれば、前の単元を十分に理解する前に次の内容へ進んでしまい、少しずつ分からないところが増えてしまう子もいます。
数学の場合は、この影響が特に表れやすい科目です。
たとえば一次関数ができないからといって、一次関数だけを何度も練習すればよいとは限りません。
実際には、
- 方程式
- 比例・反比例
- 座標
- 分数計算
など、それ以前に学習した内容が原因になっていることがあります。
この状態で学校の進度だけを追い続けても、分からないところが残ったまま次の単元へ進むことになります。
ただし、「授業が速いから学校を変えれば解決する」とも限りません。
高校受験をして別の学校へ進学しても、数学の基礎が抜けたままであれば、高校数学で再び困る可能性があります。
外部受験を考える場合にも、どの単元から理解があやしくなっているのかを確認し、必要であれば前の学年まで戻って学び直すことが必要です。
学校を変えるかどうかと、現在の学力を立て直すことは、分けて考えた方がよいでしょう。
校風や進路が合わず別の高校へ進みたいケース
学力面に大きな問題がなくても、本人が希望する高校生活や将来の進路が変わったことから、外部受験を考える場合があります。
中学受験をした時点では、小学生本人が高校や大学までの進路を具体的に考えることは難しいものです。
ところが中学生になると、
- やりたい部活動が見つかった
- 高校で学びたいことが見つかった
- 大学進学について具体的に考えるようになった
- 現在の学校とは違う環境で高校生活を送りたい
- 高校から進みたい大学や学部を意識するようになった
など、本人の希望が変わることがあります。
これは必ずしも、現在通っている私立中学に問題があるということではありません。
中学受験をしたときに考えていた進路と、中学生になった本人が希望する進路が変わることはあります。
この場合は、
「せっかく中学受験をしたのだから、そのまま内部進学した方がよい」
「本人が外へ出たいと言っているから、高校受験をさせた方がよい」
のどちらかだけで決めるのではなく、具体的に比較してみましょう。
たとえば、
- 現在の学校に内部進学した場合にできること
- 志望する高校へ進学した場合にできること
- 大学進学まで考えたときの違い
- 現在の学力と志望高校との距離
- 高校受験のために必要になる学習量
- 外部受験した場合の内部進学の扱い
などを確認します。
特に本人が「今の学校を出たい」と話している場合には、何が嫌なのかだけではなく、別の高校へ行って何をしたいのかまで聞いてみることが大切です。
外部受験そのものを目的にするのではなく、高校に入学した後に本人がどのような生活や進路を希望しているのかまで考えたうえで、内部進学と高校受験を比較していきましょう。
私立中学から高校受験を考える理由は家庭によって異なります。
だからこそ、理由だけを見て「外部受験すべき」と決めるのではなく、現在の学校での状況、高校受験としての学力、本人が希望する進路をそれぞれ確認してから次の選択を考えることが大切です。
私立中学から高校受験すると内申はどうなる?
私立中学から高校受験する場合も、受験する高校や入試方式によっては、中学校の評定や調査書が選考に使われます。
そのため、
「私立中学だから内申は関係ない」
と考えるのは注意が必要です。
一方で、「内申」という言葉は意味が曖昧なまま使われることも多いため、最初に整理しておきましょう。
高校受験では、主に次の言葉が出てきます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 評定 | 各教科について「5・4・3・2・1」などで示される評価 |
| 調査書 | 中学校が作成し、高校へ提出する書類 |
| 調査書点 | 調査書に記載された評定などを、入試制度に従って点数化したもの |
| 内申・内申点 | 評定や、それを入試用に換算した点数などを指して一般的に使われる言葉 |
つまり、「内申点」という名前の独立した書類を家庭で用意して高校へ提出するわけではありません。
中学校が作成する調査書があり、そこに記載された評定などが、それぞれの高校・入試方式の選考方法に従って利用されます。
ここを区別しておくと、
「私立中学から高校受験すると内申はどうなるの?」
という疑問も整理しやすくなります。
私立中学でも内申・調査書は出してもらえる?
私立中学に通っている場合でも、高校受験で必要となる調査書については、在籍している中学校に作成を依頼することになります。
東京都教育委員会も、都立高校入試で使用する調査書について、
「在学(出身)している中学校が作成します」
と説明しています。
したがって、私立中学から都立高校を受験する場合も、現在の中学校に必要な手続きを確認することになります。
ただし、
「調査書を作成してもらえること」と「外部受験した場合の内部進学の扱い」は別の問題です。
外部受験を考え始めた段階で、在籍校には少なくとも、
- 調査書作成をいつまでに依頼する必要があるか
- 外部受験をいつまでに申し出る必要があるか
- 推薦・併願に関して学校独自の手続きがあるか
- 外部高校へ出願すると内部進学の扱いがどうなるか
を確認しておきましょう。
特に中高一貫校では、もともと高校受験を前提とした進路指導を行っていない場合もあります。
「必要になったら学校に調査書を書いてもらえばよい」と考えるのではなく、外部受験の可能性が具体的になった時点で、在籍校の手続きと期限を確認しておくことが大切です。
※東京都立高校の調査書については、東京都教育委員会が調査書の様式・作成方法を公開しています。
都立・公立高校の受験では内申がどのように扱われる?
都立・公立高校では、学力検査だけでなく、中学校の調査書に記載された評定などが選考に使われる場合があります。
ただし、どの学年の評定を使うのか、どのように点数化するのか、学力検査との比率をどうするのかは、自治体や入試方式によって異なります。
ここでは、東京都立高校を例に説明します。
東京都立高校の学力検査に基づく入試では、5教科の学力検査を行う場合、調査書の評定を、
国語・数学・英語・社会・理科 → 1倍
音楽・美術・保健体育・技術・家庭 → 2倍
として扱います。
そのため、評定の満点は、
5教科×5=25
実技4教科×5×2=40
となり、
25+40=65点
です。
たとえば、9教科すべての評定が「3」であれば、
主要5教科は、
3×5=15
実技4教科は、
3×4×2=24
なので、
15+24=39点
となります。
さらに、学力検査の得点と調査書点の比率が7:3の場合には、学力検査を700点満点、調査書点を300点満点に換算して選考に使用します。
東京都教育委員会が公開している入試案内でも、この5教科入試における65点満点→300点満点への換算が示されています。
ここで重要なのは、「定期テストで何点だったか」がそのまま都立高校へ提出され、その点数が直接入試得点になるわけではないということです。
中学校での学習状況をもとに付けられた評定が調査書に記載され、その評定を入試制度に従って点数化して使用します。
したがって、都立高校を志望する場合には、
「模試で偏差値がどのくらいあるか」
だけでなく、
「現在の評定を入試制度に当てはめると、調査書点がどの程度になるのか」
まで確認しておく必要があります。
※ここで説明したのは東京都立高校の制度を理解するための一例です。
入試制度は年度によって変更される可能性があるため、実際に受験する際には必ず受験年度の東京都教育委員会の最新情報をご確認ください。
私立中学の定期テストが難しいと内申で不利になる?
私立中学の定期テストが難しいからといって、それだけで「高校受験の内申で不利になる」と決めることはできません。
私立中学では、学校によって授業進度、使用教材、定期テストの内容が大きく異なります。
そのため、
「定期テストが40点だった」
という数字だけを見ても、その生徒が高校受験の問題をどこまで解けるのかは分かりません。
ここでは、二つを分けて考える必要があります。
① 現在の私立中学でどのような評定が付いているのか
② 高校受験として見ると、現在どの程度の学力があるのか
です。
たとえば、学校ではすでに先取り学習を行っていて、その内容の定期テストで苦戦していたとしても、中1・中2の高校受験に必要な範囲を解かせると十分に理解できている可能性があります。
反対に、学校の定期テストではある程度点数が取れていても、以前習った内容をランダムに出題すると、自力では解けないこともあります。
ですから、
「私立中学での評定が低い=高校受験の学力も低い」
と考えないことが大切です。
ただし、志望する高校の選抜で調査書点が使われるのであれば、現在の評定を無視してよいわけでもありません。
外部受験を考える場合には、
- 現在の9教科の評定
- 志望校での調査書の扱われ方
- 高校受験用の模試の成績
- 中1・中2を含めた基礎学力
- 志望校の過去問を解くために必要な学力
をそれぞれ確認します。
学校の成績と高校受験の学力を混ぜて考えず、両方を確認したうえで志望校を考えることが重要です。
私立中学から私立高校へ推薦で受験できる?
私立中学から別の私立高校を推薦で受験できるかどうかは、志望高校の推薦基準と、現在通っている中学校の手続きの両方を確認する必要があります。
私立高校の推薦入試では、学校によって、
- 必要な評定
- 出席状況
- 中学校からの推薦
- 単願・併願の条件
- 英検などの資格による加点
- その他の出願条件
などが定められていることがあります。
したがって、
「評定が基準を満たしているから推薦で受験できる」
と家庭だけで判断するのは避けましょう。
まず志望する高校の最新の募集要項で推薦条件を確認し、そのうえで現在通っている私立中学校へ、
「この高校をこの推薦方式で受験したいのですが、学校から推薦してもらうことは可能ですか」
と確認します。
特に私立中学から外部の高校を受験する場合は、推薦を希望することが内部進学の扱いに影響する可能性もあるため、早めの確認が必要です。
また、推薦の条件を満たしているかだけで志望校を決めるのではなく、入学後の授業についていける学力があるかも確認しておきたいところです。
高校受験は合格することが最終目的ではありません。
高校へ入学した後に、その学校の数学やその他の授業についていけるかまで考えて志望校を選ぶことが大切です。
私立中学から高校受験する場合、「内申があるか、ないか」という二択で考えるのではなく、
①現在の評定を確認する
②志望校が調査書をどのように使うか確認する
③現在の中学校に調査書作成や外部受験の手続きを確認する
④高校受験としての学力を別に確認する
という順番で整理すると分かりやすくなります。
特に、私立中学での成績と高校受験としての学力は同じものではありません。
内申・調査書について正しく確認すると同時に、実際の入試問題を解くための学力も別に確認して、志望校を考えていきましょう。
外部受験を決める前に確認したい注意点は?
私立中学から外部の高校を受験する場合は、志望校を決める前に、現在の学校の内部進学ルールと、高校受験の準備を両立できるかを確認しておきましょう。
特に注意したいのは、
- 外部受験した場合も内部進学できるのか
- 現在の中学校からどこまで高校受験のサポートを受けられるのか
- 学校の勉強と高校受験対策を両立できるのか
という3点です。
私立中学からの高校受験では、
「志望校に合格できる学力があるか」
だけを確認すればよいわけではありません。
現在の学校でどのような手続きが必要なのか、高校受験を選んだ場合に何が変わるのかまで確認してから、外部受験を決めることが大切です。
外部受験を考えたら、最初に何を確認すればよい?
外部受験を考え始めた段階では、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
① 現在の学校の内部進学条件を確認する
↓
② 外部受験した場合の内部進学の扱いを確認する
↓
③ 学校への申し出や必要書類の期限を確認する
↓
④ 志望する高校の出願条件を確認する
↓
⑤ 高校受験としての現在の学力を確認する
↓
⑥ 志望校との学力差を確認する
↓
⑦ 学校の勉強と受験対策を両立できるか考える
この順番で大切なのは、いきなり、
「どの高校を受けようか」
「どの塾へ行こうか」
から始めないことです。
たとえば、外部高校への出願によって内部進学資格の扱いが変わる学校であれば、受験校の組み方そのものが変わってきます。
反対に、現在の学校に内部進学する選択肢を残しながら外部受験できるのであれば、考え方も変わります。
そのため、「現在の学校の制度」「高校受験の条件」「本人の現在の学力」の3つを確認してから、具体的な受験計画を立てるのがおすすめです。
高校受験に失敗したら内部進学できる?
外部の高校に不合格だった場合、必ず現在の私立中学から系列高校へ内部進学できるとは限りません。
ここは外部受験を決める前に、必ず在籍校へ確認しておきたい点です。
学校によっては、
- 外部受験を申し出ても内部進学資格を残せる
- 一定の時期までに内部進学か外部受験かを決める
- 外部高校へ出願すると内部進学の扱いが変わる
など、ルールが異なる可能性があります。
したがって、
「第一志望の外部高校を受験して、不合格だったら今の学校の高校へ進めばよい」
と家庭だけで判断するのは避けましょう。
在籍校には、できるだけ具体的に、
- 外部受験を希望する場合、いつまでに申し出る必要がありますか
- 外部高校へ出願しても内部進学資格は残りますか
- 外部高校に不合格だった場合、系列高校へ進学できますか
- 内部進学を辞退する最終期限はいつですか
と確認しておくとよいでしょう。
できれば、口頭で一度聞くだけではなく、学校から配布されている進路資料・内部進学規定なども確認しておくことをおすすめします。
学校独自の制度については、インターネット上の体験談よりも、現在在籍している学校からの説明を優先してください。
学校から高校受験のサポートを受けられる?
私立中学、特に中高一貫校では、公立中学校と同じ形で外部高校受験の進路指導を受けられるとは限りません。
これは学校の対応方針によって異なるため、事前に確認が必要です。
中高一貫校の場合は、系列高校への内部進学を前提としてカリキュラムや進路指導が組まれていることがあります。
その場合、外部受験をする家庭では、
- 志望校の情報収集
- 入試科目・出題傾向の確認
- 模試の選択
- 併願校の検討
- 過去問対策
- 出願日程の管理
などを、家庭や塾・家庭教師などで補う必要が出てくることがあります。
ここで確認したいのは、「学校が外部受験を認めているか」だけではありません。
在籍校に、
「外部受験する場合、進路面談ではどこまで相談できますか」
「調査書などの書類はどのような手続きでお願いすればよいですか」
「推薦・併願について相談できますか」
など、具体的に聞いておくとよいでしょう。
学校から受けられるサポートの範囲が分かれば、家庭で準備すること、塾や家庭教師に任せること、学校にお願いすることを分けられます。
学校の定期テストと高校受験の勉強を両立できる?
私立中学から外部受験する場合、現在の学校の勉強と高校受験の勉強が同じ内容になるとは限りません。
ここは、公立中学校から高校受験する場合との違いとして特に確認しておきたい点です。
中高一貫校では、学校独自のカリキュラムで学習していたり、高校内容を先取りしていたりすることがあります。
一方、高校受験では、中1から中3までの中学校範囲を改めて使います。
そのため、
学校では現在進んでいる内容を勉強する
のと同時に、
高校受験のために以前の中学校範囲へ戻って勉強する
という状況が起こることがあります。
ここで避けたいのは、
「高校受験することになったから、受験用の問題集を追加する」
というだけの対応です。
学校の宿題、定期テスト、高校受験用教材をすべて同じように進めようとすると、勉強量だけが増えてしまう可能性があります。
まず、
① 学校の勉強で維持しなければならないもの
② 高校受験のために戻って確認する必要があるもの
③ 志望校に合わせて新しく練習するもの
に分けて考えます。
特に、志望校の選抜で現在の学校の評定・調査書が使われるのであれば、
「外部受験するから学校の定期テストはもう関係ない」
とは考えられません。
学校の成績も維持しながら受験勉強を進める必要があります。
一方で、すでに十分できている中学校範囲まで、受験用問題集を最初から何周もする必要もありません。
何を増やすかではなく、現在できていることと、受験までにできるようにする必要があることを分けることが大切です。
外部受験を決める前に親子で確認しておきたいこと
制度や学力だけでなく、本人がなぜ外部受験をしたいのかも確認しておきましょう。
中学生本人が、
「今の学校を出たい」
と言っていたとしても、その理由によって考えることは変わります。
たとえば、
- 学びたいことがある
- 行きたい高校が見つかった
- やりたい部活動がある
- 大学進学を考えて高校を選び直したい
- 現在の学校生活で困っていることがある
では、外部受験の意味がそれぞれ違います。
そのため、
「今の学校を出たいか」だけでなく、「高校へ進学して何をしたいのか」まで話してみることをおすすめします。
そのうえで、
現在の学校に内部進学した場合と、外部の高校へ進学した場合について、
高校生活・学習環境・その先の進路
まで含めて比較します。
外部受験を決める段階では、まだ志望校を一校に絞る必要はありません。
現在の学校に残る場合と外部受験する場合の両方を残した状態で、制度・学力・本人の希望を一つずつ確認していくことが大切です。
私立中学から高校受験するかどうかは、「受験できるか」だけで決めるものではありません。
内部進学の条件、外部受験した場合の学校のルール、高校受験としての現在の学力、学校の勉強との両立、そして本人の希望まで確認したうえで決めていきましょう。
今の私立中学で成績が悪いと高校受験も難しい?
現在通っている私立中学で成績が悪いからといって、高校受験も難しいとは限りません。
特に私立の中高一貫校では、学校独自の教材を使っていたり、公立中学校より速い進度で授業を進めていたり、高校内容を先取りしていたりすることがあります。
そのため、現在の学校の定期テストで点数が取れていないことと、高校受験で必要になる中学校数学ができないことは、いったん分けて考える必要があります。
ただし、反対に、
「中学受験をして私立中学へ入学できたのだから、高校受験の基礎学力もあるはず」
と考えるのも注意が必要です。
中学受験から時間がたち、中1・中2で学習した内容が定着していないこともあります。
ですから、外部受験を考えるときには、現在の学校の順位や定期テストの点数だけを見るのではなく、
「高校受験で必要になる中学校範囲を、今どこまで自力で解けるのか」
を改めて確認することが大切です。
私立中学の成績だけで高校受験の可能性を決めてよい?
私立中学での成績だけを見て、高校受験ができる・できないを決めるのはおすすめしません。
学校の成績は、現在通っている学校で学習している内容についての評価です。
一方、高校受験では、志望高校が出題する中学校範囲の問題を解く力が必要になります。
この2つは重なる部分もありますが、必ずしも同じではありません。
たとえば、現在の学校で高校内容を先取りしていて、その単元の定期テストで苦戦している場合を考えてみましょう。
その生徒に中1・中2の高校受験レベルの問題を解いてもらったところ、
- 正負の数
- 文字式
- 方程式
- 比例・反比例
- 連立方程式
- 一次関数
- 平面図形
などは問題なく解ける、ということも考えられます。
この場合、
「学校の定期テストで点数が低い=高校受験の基礎がない」
とは判断できません。
反対のケースもあります。
学校の定期テストでは直前に習った内容を復習して点数を取れていても、数か月前に習った単元を説明なしで出題すると、解き方が出てこないことがあります。
高校受験では、中1・中2・中3で習った内容が混ざって出題されます。
そのため私が学力を確認するときには、「一度習ったことがあるか」ではなく、「今、解説を見ずに自力で正解までたどり着けるか」を重視しています。
外部受験を考えているのであれば、
学校の成績を見る
+
高校受験で必要な範囲を実際に解いて確認する
という2つの確認が必要です。
まず公立中学校レベルの基礎学力を確認する
高校受験を考え始めたら、いきなり志望校の過去問を解くのではなく、まず中1・中2を含めた中学校数学の基礎がどこまで身についているかを確認します。
特に私立中学では、現在学校で習っている単元だけを見ていると、以前の内容がどの程度定着しているのか分かりにくいことがあります。
数学であれば、学年に応じて、
- 正負の数
- 文字式
- 方程式
- 比例・反比例
- 平面図形・空間図形
- 連立方程式
- 一次関数
- 図形の性質
- 確率
など、これまで習った主要単元を確認します。
ここで重要なのは、問題集に○が付いているかどうかではありません。
何も見ない状態で問題を出されても、自分で考えて式を立て、正解までたどり着けるかを見ます。
たとえば、
「一次関数は学校で習いました」
と言っていても、実際に問題を解いてもらうと、式を自分で作れないことがあります。
その場合は、一次関数の問題だけを繰り返すのではなく、
「方程式はできるか」
「比例は理解できているか」
「座標は正しく扱えるか」
というように、一つ前の内容へ戻って確認します。
さらに必要であれば、小学校算数まで戻ります。
特に、
- 分数・小数の計算
- 割合
- 比
- 速さ
- 単位量あたりの大きさ
などは、中学校数学を理解する土台になります。
中学生だから中学生の問題だけを解けばよい、というわけではありません。
分からなくなったところが小学校算数にあるのであれば、そこまで戻って理解し直した方が、その後の中学校数学を進めやすくなります。
ただし、最初から小学校や中1の問題集をすべてやり直す必要もありません。
まず問題を解いてもらい、
できている単元 → 維持する
少しあやしい単元 → テスト形式でもう一度確認する
できていない単元 → 前提となる内容まで戻る
というように分けます。
高校受験までの時間は限られています。
だからこそ、できているところまで最初からやり直すのではなく、「どこからできなくなっているのか」を確認して、必要なところへ戻ることが大切です。
高校受験用の模試で志望校との距離を確認する
中学校範囲の基礎を確認したら、高校受験用の模試を利用して、外部の受験生の中での現在位置も確認しましょう。
私立中学の校内順位だけでは、高校受験をする生徒の中でどの位置にいるのかは分かりません。
学校の定期テストは、その学校で習っている内容をもとに作られています。
一方、高校受験用の模試は、高校受験を予定している生徒を対象として作られています。
そのため、外部受験を考えるのであれば、
「現在の私立中学で何番なのか」
だけでなく、
「高校受験をする集団の中で、現在どの程度の位置にいるのか」
を確認する意味があります。
ただし、模試を受けたら偏差値や合格判定だけを見るのではありません。
たとえば数学なら、
- 計算問題はどの程度取れているか
- 関数で落としているのか
- 図形で落としているのか
- 基本問題を落としているのか
- 応用問題まで進めているのか
- 時間不足なのか
- 解き方そのものを理解していないのか
まで答案を見ます。
同じ「偏差値50」でも、基礎問題を落としている偏差値50と、基礎問題はほぼ取れていて、応用問題で点数を落としている偏差値50では、これから行う勉強が違います。
志望校との比較についても同じです。
模試でD判定だったから、
「この高校は無理」
とすぐに決めるのではなく、
現在何点足りないのか、その点数を取るためにはどの問題を取れるようにする必要があるのかまで確認します。
そうすると、
「中1まで戻る必要があるのか」
「中2の関数だけ重点的に復習すればよいのか」
「基礎はできているので志望校レベルの問題演習へ進めるのか」
が見えやすくなります。
保護者の方はこの順番で確認してください
現在の私立中学で成績が振るわず、外部受験を考え始めた場合は、次の順番で確認すると整理しやすくなります。
① 定期テストの点数だけでなく、何ができていないのかを見る
↓
② 一つ前の学年まで戻り、主要単元を自力で解けるか確認する
↓
③ 必要であれば小学校算数まで戻る
↓
④ 私立中学での成績と、高校受験としての学力を分けて考える
↓
⑤ 高校受験用の模試で現在位置を確認する
↓
⑥ 志望校との学力差を確認する
↓
⑦ ここまで確認してから、内部進学と外部受験を比較する
ここで一番避けたいのは、
「今の学校で成績が悪いから、外部の高校を受験しても無理だろう」
と、現在の学校の成績だけで可能性を決めてしまうことです。
同時に、
「私立中学に合格したのだから、外部高校受験も何とかなるだろう」
と考えるのも適切ではありません。
必要なのは、学校名や現在の順位から推測することではなく、本人に実際に問題を解いてもらうことです。
私が数学を見る場合も、
どの学年かではなく、どの単元まで自力でできていて、どこからできなくなっているのか
を確認してから、学習する内容を決めます。
私立中学から高校受験を考える場合も同じです。
現在の私立中学での成績だけで高校受験の可能性を決めず、「基礎学力→高校受験としての現在位置→志望校との差」の順番で確認してから、外部受験を考えていきましょう。
私立中学から高校受験するかどうかは何を確認して決める?
私立中学から高校受験するかどうかは、現在の学校の成績だけで決めるのではなく、「内部進学の条件」「高校受験としての現在の学力」「志望高校との学力差」「内申・調査書や学校のルール」を確認してから決めることが大切です。
外部受験を考え始めると、
「今の成績で受験できる高校はどこだろう」
と、すぐに志望校を探したくなるかもしれません。
しかし、その前に確認したいことがあります。
大きく分けると、次の4つです。
① 現在の学校での成績と内部進学条件
② 高校受験として見た現在の学力
③ 志望高校との学力差
④ 内申・調査書・内部進学などのルール
この4つを確認すると、
「今の学校で成績が悪いから外部へ出る」
あるいは、
「中高一貫校に入ったのだから、そのまま内部進学する」
という二択ではなく、本人の現在の状況をもとに比較しやすくなります。
①現在の学校での成績と内部進学条件
最初に、現在の成績で系列高校へ内部進学できるのかを確認します。
中高一貫校であっても、内部進学の条件は学校によって異なります。
確認したいのは、
- 現在の評定
- 定期テストの成績
- 出席状況
- 進級・内部進学に関する学校独自の条件
- 内部進学先で選択できるコース
- 高校進学後の学習内容
などです。
ここで重要なのは、
「内部進学できるか」だけでなく、「内部進学した場合に本人が希望する高校生活や進路につながるか」まで確認することです。
内部進学の条件を十分に満たしているのであれば、現在の学校に残ることも有力な選択肢になります。
一方、内部進学できるとしても、
「本人が希望する進路と違う」
「高校でやりたいことが現在の学校では難しい」
という場合には、外部受験と比較する意味があります。
反対に、現在の成績が内部進学の条件に届いていない場合も、
「それなら外部受験をすればよい」とすぐに考えるのではなく、その成績になっている原因まで確認します。
学校の進度についていけていないのか、以前の単元に理解不足があるのか、現在の学校独自のカリキュラムとの相性なのかによって、必要な対応が変わるからです。
②高校受験として見た現在の学力
次に、現在の私立中学での成績とは別に、高校受験として見た現在の学力を確認します。
これは外部受験を考えるうえで非常に重要です。
私立中学では、学校独自の教材やカリキュラムを使っていたり、高校内容を先取りしていたりすることがあります。
そのため、
学校の成績=高校受験としての学力
とは限りません。
数学であれば、中1・中2など、これまで学習した高校受験につながる範囲について、解説や教科書を見ない状態で問題を解いて確認します。
ここで見るのは、
「習ったことがあるか」
ではありません。
問題を見たときに、自分で必要な考え方を取り出し、式を立てて正解までたどり着けるかです。
もし現在中3であっても、中2の内容ができていなければ中2へ戻ります。
さらに必要であれば中1、小学校算数まで戻ることもあります。
反対に、中1・中2の内容が十分に身についているのであれば、すべてを最初から勉強し直す必要はありません。
できているところと、これからできるようにする必要があるところを分けてから、高校受験の計画を立てます。
③志望高校との学力差
現在の学力を確認したら、次に志望高校との距離を確認します。
ここでは、
「偏差値が○だから受けられる」
「模試がD判定だから無理」
というように、一つの数字だけで決めないことが大切です。
確認したいのは、
- 志望校の入試科目
- 問題の難易度
- 必要になる得点
- 現在の模試での得点
- どの単元で点数を落としているか
- 過去問で求められる力
- 入試までに残された期間
などです。
たとえば、志望校の数学で60点程度を目標にするとします。
現在40点だったとしても、基本的な計算問題や標準問題で20点分落としている場合と、基本問題はほぼ取れていて、難しい図形や関数で20点足りない場合では、同じ「あと20点」でも対策が違います。
前者であれば、基礎を固め直すことで得点を伸ばせる可能性があります。
後者であれば、志望校の出題レベルに合わせた演習が必要になります。
そのため、志望校との距離は偏差値だけではなく、
「あと何点必要なのか」「その点数をどの問題で取るのか」
まで考えます。
外部受験するかどうかについても、現在の学力から志望校までの差を、残された期間で埋められる計画を立てられるかまで確認してから考えることが大切です。
④内申・調査書・内部進学のルール
学力面と同時に、内申・調査書や現在の学校の外部受験ルールも確認します。
前のセクションで説明したように、受験する高校や入試方式によっては、中学校の評定・調査書が選考に使われます。
そのため、学力検査で十分な点数を取れそうだからといって、入試条件の確認を後回しにはできません。
少なくとも、
- 志望高校では調査書がどのように使われるか
- 推薦を利用する場合に必要な条件は何か
- 現在の中学校へいつまでに外部受験を申し出るのか
- 調査書などの書類をいつまでに依頼するのか
- 外部受験すると内部進学資格はどうなるのか
- 外部受験に不合格だった場合に内部進学できるのか
を確認します。
ここは、塾やインターネット上の情報だけで最終判断しない方がよい部分です。
現在の学校に関するルールは在籍校へ、志望高校の出願条件はその高校の最新の募集要項や公的な入試情報で確認してください。
制度は年度によって変更される可能性があります。
「昨年はこうだった」
「上の子のときはこうだった」
という情報だけで判断せず、実際に受験する年度の情報を確認しましょう。
外部受験と内部進学を比較してみる
ここまで確認できたら、外部受験と内部進学を同じ項目で比較します。
| 確認すること | 外部受験 | 内部進学 |
|---|---|---|
| 進学条件 | 志望高校の出願条件・入試方式を確認 | 現在の学校の内部進学条件を確認 |
| 現在の学力 | 高校受験としての学力を確認 | 現在の学校の授業への理解度を確認 |
| 必要な勉強 | 中学校範囲の復習+志望校対策 | 現在の学校のカリキュラムを中心に進める |
| 学校の勉強 | 受験勉強との両立が必要になることがある | 現在の学校の勉強をそのまま継続しやすい |
| 内申・調査書 | 志望校の選抜方法を確認 | 内部進学条件としての成績の扱いを確認 |
| 受験の負担 | 模試・受験勉強・出願・入試が加わる | 外部受験と比べると受験準備が少ない場合がある |
| 不合格時の進路 | 内部進学できるとは限らないため事前確認が必要 | 原則として現在の学校の制度に従う |
| 高校入学後の学習 | 新しい学校のカリキュラムへ移る | 中高一貫のカリキュラムを継続できる |
| その先の進路 | 志望高校の大学進学実績・進路などを確認 | 現在の学校からの進路を確認 |
| 本人の希望 | 外部高校で何をしたいのか確認 | 現在の学校に残ることを本人がどう考えているか確認 |
ここで大切なのは、外部受験と内部進学のどちらが一般的に優れているかを決めることではありません。
家庭によって状況が違うからです。
現在の学校に不満があったとしても、内部進学した方が本人の希望する進路につながることもあります。
反対に、内部進学に問題がなくても、本人が明確に希望する高校や進路が見つかれば、外部受験を検討する意味があります。
最終的には、
①現在の学校での成績と内部進学条件
②高校受験としての現在の学力
③志望高校との学力差
④内申・調査書・外部受験のルール
⑤本人が高校で何をしたいのか
を並べて考えます。
「今の学校で成績が悪いから外部受験」「せっかく私立中学へ入ったから内部進学」という決め方ではなく、両方の進路について具体的な条件を確認したうえで選ぶことが大切です。
私立中学から高校受験するならいつから準備する?
私立中学から高校受験する可能性が出てきたら、外部受験をすると決める前でも、現在の学力と学校のルールは早めに確認しておくことをおすすめします。
ただし、「早く準備する」というのは、中1から高校受験用の難しい問題集を始めるという意味ではありません。
最初に行いたいのは、
- 現在の学校でどこまで理解できているか
- 中1・中2など、これまで習った内容が定着しているか
- 内部進学にはどのような条件があるか
- 外部受験をする場合、いつまでに学校へ申し出る必要があるか
といったことの確認です。
特に私立の中高一貫校では、一般的な中学校とは異なる進度やカリキュラムで学習していることがあります。
そのため、「中3になったら高校受験の勉強を始める」というより、外部受験の可能性が出てきた時点で、高校受験としての現在位置を確認しておくと、その後の選択がしやすくなります。
中1・中2なら何から始めればよい?
中1・中2で外部受験を考え始めた場合は、まずこれまでに習った中学校数学が定着しているかを確認するところから始めます。
まだ志望高校が決まっていなくても構いません。
この段階で重要なのは、難しい高校受験問題をたくさん解くことではなく、今まで習った内容を時間がたってからでも自力で解ける状態にしておくことです。
たとえば数学であれば、中1終了時点なら、
- 正負の数
- 文字式
- 方程式
- 比例・反比例
- 平面図形・空間図形
- データの活用
などを確認します。
中2であれば、それに加えて、
- 式の計算
- 連立方程式
- 一次関数
- 図形の性質
- 確率
など、それまでに学習した範囲を確認します。
ここで、
「学校の問題集では○が付いている」
「定期テストでは点数が取れていた」
だけで終わらせないことが大切です。
解説や教科書を見ず、単元名も教えられていない状態で問題を出されても、自分で考えて解けるかを確認します。
できない単元が見つかったら、その単元だけを繰り返すのではなく、必要に応じて一つ前の内容へ戻ります。
一方、すでにできている単元については、最初からすべてやり直す必要はありません。
中1・中2の段階では、
「受験勉強をどんどん先へ進める」よりも、「これまで習った内容に大きな穴を残さない」
ことを優先した方が、その後の高校受験対策へつなげやすくなります。
また、中2になって外部受験が具体的になってきたら、高校受験用の模試を利用して、現在の私立中学の中だけではなく、高校受験をする生徒の中での現在位置を確認する方法もあります。
中3から高校受験を決めた場合はどうする?
中3になってから外部受験を決めた場合でも、まず現在の学力を確認してから受験勉強の優先順位を決めます。
中3からの高校受験で避けたいのは、
「時間がないから、とにかく問題集をたくさん解こう」
と始めることです。
反対に、
「基礎が心配だから、中1の問題集を1ページ目から全部やり直そう」
とするのも、残された期間によっては効率的ではありません。
まず中1・中2の主要単元を確認し、
① 基礎から戻る必要がある単元
② 基本は理解しているが、練習が必要な単元
③ すでに自力で解けるため、優先順位を下げられる単元
に分けます。
そのうえで、中3で現在習っている内容と並行して、必要な中1・中2の復習を行います。
たとえば、中3の二次方程式を勉強している時期に、中2の一次関数が十分に定着していないことが分かったとします。
この場合、
「学校では二次方程式だから、一次関数は後回し」
とするのではなく、
学校の現在の学習を進めながら、高校受験のために一次関数も戻って学習する
というように分けて考えます。
さらに志望校が具体的になったら、
基礎の確認
↓
高校受験の標準問題
↓
志望校の出題レベルに合わせた問題
↓
過去問
という順番を意識します。
ただし、すべての単元を完全に仕上げてから過去問へ進む必要はありません。
入試までの残り期間によっては、過去問を使って、
「志望校では何が求められているのか」
を確認しながら、必要な単元へ戻ることもあります。
中3から外部受験を始める場合ほど、勉強量を増やす前に、「何を優先して、何を後回しにするか」を決めることが重要です。
学校にはいつ高校受験の相談をする?
外部受験の可能性が具体的になってきたら、志望校が完全に決まるのを待たずに、現在の中学校へ一度相談しておくことをおすすめします。
私立中学では、外部受験に関する手続きや内部進学の扱いが学校によって異なります。
そのため、
「第一志望校が決まってから学校に伝えよう」
と考えていると、学校独自の期限を過ぎてしまう可能性があります。
確認したいのは、
- 外部受験の希望をいつまでに申し出るのか
- 外部受験すると内部進学の扱いはどうなるのか
- 内部進学か外部受験かを決める期限はあるのか
- 調査書などの必要書類をいつまでに依頼するのか
- 推薦・併願を希望する場合にどのような手続きが必要か
などです。
この段階では、
「必ず外部受験します」
と決めていなくても、
「外部高校の受験も選択肢として考えています。いつまでに何を決める必要がありますか」
と確認しておけばよいでしょう。
特に重要なのは、
「外部受験を学校へ相談する時期」と「本格的な受験勉強を始める時期」は、必ずしも同じではない
ということです。
学力面ではまだ内部進学と外部受験を比較している途中でも、制度や期限については先に確認できます。
学校のルールを知らないまま勉強だけを進めるより、手続き上の期限を先に把握しておいた方が、落ち着いて進路を考えられます。
学年別に見る高校受験の準備
私立中学から外部受験を考える場合の流れを、学年別に整理すると次のようになります。
| 時期 | 主に確認・準備すること |
|---|---|
| 中1 | 学校の成績だけでなく、中1で習った基礎が自力で解けるか確認する |
| 中2前半 | 中1の内容に抜けがあれば補いながら、現在の学校の学習を進める |
| 中2後半 | 外部受験が具体的になってきたら、高校受験用の模試などで現在位置を確認する。内部進学・外部受験の学校ルールも調べ始める |
| 中3春~夏 | 中1・中2の弱点を絞って復習しながら、中3内容を進める。志望校との学力差も確認する |
| 中3夏~秋 | 志望校を具体化し、基礎の補強と志望校レベルの問題演習を並行する。学校の手続きも確認する |
| 中3秋~冬 | 志望校の過去問を使い、必要な得点と不足している単元を確認して対策する |
| 出願・入試前 | 調査書などの出願書類を確認しながら、弱点や志望校で出題されやすい内容を優先して仕上げる |
この表は、
「中2の○月までに高校受験を始めなければならない」
という意味ではありません。
本人の学力、志望校、現在の学校の進度によって必要な準備は変わります。
大切なのは、外部受験の可能性が出てきた段階で、「今まで習ったことがどこまでできているか」と「学校の外部受験ルール」を確認しておくことです。
高校受験をすると決めてから初めて中1・中2の理解度を調べるより、早い段階で現在の状態が分かっていれば、
「このまま内部進学する」
「外部受験へ切り替える」
のどちらを選ぶ場合にも、その後の学習計画を立てやすくなります。
私立中学から高校受験する場合は、「いつから受験勉強を始めるか」だけを考えるのではなく、「いつから現在の学力と学校のルールを確認するか」を考えることが大切です
私立中学から高校受験する場合、塾・家庭教師はどう選ぶ?
私立中学から高校受験する場合は、高校受験対策だけでなく、現在通っている私立中学の勉強も含めて学習計画を立てられる塾・家庭教師を選ぶことが大切です。
特に中高一貫校では、
- 学校独自の教材を使っている
- 公立中学校とは授業の進度が違う
- 高校内容を先取りしている
- 定期テストの範囲や難易度が一般的な中学校と違う
ということがあります。
その状態で外部受験をするとなると、
「現在の私立中学の勉強」と「高校受験のための勉強」
を同時に進めなければならない場合があります。
そのため、
「高校受験の実績があるか」
だけで塾や家庭教師を選ぶのではなく、
現在の学校の学習状況を確認したうえで、何を学校用として勉強し、何を高校受験用として勉強するのかを整理できるか
まで確認して選ぶことをおすすめします。
高校受験対策だけを見ればよい?
私立中学から外部受験する場合、高校受験対策だけを行えばよいとは限りません。
現在の学校の成績が評定・調査書に関係する受験方式であれば、学校の定期テストを完全に後回しにはできません。
一方で、学校の勉強だけを続けていても、高校受験に必要な範囲を十分に復習できるとは限りません。
そのため、塾や家庭教師には、
① 現在の学校で行っている勉強
② 高校受験で必要になる中1~中3の内容
③ 志望校に合わせた入試対策
の3つを分けて考えてもらう必要があります。
たとえば、学校では高校内容を先取りしている一方で、高校受験では中1・中2で習った関数や図形を使うということもあります。
この場合、
「学校の授業についていくための勉強」
と、
「高校受験のために以前の単元へ戻る勉強」
を並行して進めます。
ここで重要なのは、単純に教材を増やさないことです。
学校の問題集、塾の問題集、高校受験用問題集、過去問と次々に教材を追加しても、理解できていない内容が残ったままでは成績につながりにくくなります。
塾や家庭教師を選ぶときには、
「学校の勉強と高校受験の勉強を、どのように分けて進めますか?」
と聞いてみるとよいでしょう。
その質問に対して、現在の学力や学校の進度を確認せず、
「この受験用教材を最初から進めます」
という説明だけであれば、一度立ち止まって考えてみてもよいと思います。
学校の勉強と受験勉強を分けて計画できるか確認する
私立中学から高校受験する場合は、「学校用」と「高校受験用」の勉強を分けて計画できるかを確認しましょう。
私なら、まず現在行っている勉強を整理します。
たとえば数学なら、
学校の現在の単元
→ 授業・宿題・定期テストに必要な勉強
高校受験の基礎
→ 中1・中2を含め、入試までに使える状態にしておく内容
志望校対策
→ 標準問題・応用問題・過去問など、志望校に合わせて行う勉強
というように分けます。
ここで、すべてを同じ量だけ勉強する必要はありません。
学校の内容が十分に理解できているのであれば、学校用の勉強に必要以上の時間をかける必要はありません。
反対に、学校の成績が内部進学や調査書に関係し、定期テストにも大きな問題があるのであれば、高校受験だけに時間を使うわけにもいきません。
高校受験についても同じです。
中1・中2の基礎が十分に身についていれば、最初からすべてやり直す必要はありません。
現在できていること、できていないこと、志望校合格のためにこれから必要なことを分け、その結果から勉強時間を配分することが重要です。
ですから、塾や家庭教師を選ぶときには、
「週に何時間教えてくれるか」
「どの教材を使うか」
だけではなく、
「現在の学校の勉強と高校受験の勉強について、優先順位をどのように決めますか?」
という点も確認してみてください。
数学が苦手なら「どこから分からないか」を先に確認する
数学が苦手な場合は、現在習っている単元を教えてもらうだけでなく、「どこから分からなくなっているのか」を確認してくれる塾・家庭教師を選ぶことが大切です。
これは、私が実際に指導するときにも特に重視していることです。
以前、中3の生徒について、保護者の方から、
「計算ミスが多い」
という相談を受けたことがありました。
ところが、実際に問題を解いてもらうと、単なる計算ミスではありませんでした。
たとえば、
x/2+y/3
という文字式を、
3x+2y
としてしまっていました。
そこで確認していくと、「文字式」と「方程式」の違いが十分に理解できていないことが分かりました。
方程式であれば、
x/2+y/3=1
のように「=」があり、等式の両辺に同じ数をかけることができます。
しかし、
x/2+y/3
は方程式ではありません。
「=」がない文字式なので、分母をなくすために勝手に全体を6倍して、
3x+2y
へ変えることはできません。
さらに確認すると、その生徒の場合は文字式だけを教え直せばよい状態でもありませんでした。
そこで、小学校で習う、
1/2+2/3
のような分数のたし算まで戻りました。
数字だけの分数計算を確認したうえで、
「文字が入っていても、基本的には数字の計算で行っていたことと同じように考える」
というところから整理し直しました。
このように、
「計算ミスが多い」ように見えても、本当の原因が計算練習不足とは限りません。
文字式と方程式を区別できていないことが原因かもしれませんし、さらにその前の分数計算まで理解があやふやになっていることもあります。
ここで計算問題だけを大量に解かせても、原因が残ったままになる可能性があります。
私は、このような場合、
現在の問題で間違える
↓
なぜその式にしたのか確認する
↓
前提となる単元を問題で確認する
↓
必要であればさらに前へ戻る
↓
理解できたら元の問題へ戻る
↓
解説を見ずにもう一度解けるか確認する
という流れで見ていきます。
数学では、一つの単元だけが独立しているわけではありません。
中3の問題ができない原因が中2にあることもあれば、中1、小学校算数まで戻る必要があることもあります。
そのため、数学が苦手な生徒の塾・家庭教師を選ぶ場合には、
「今できない問題を教えてくれるか」だけではなく、「なぜできないのかを確認し、必要なところまで戻ってくれるか」
を見てほしいと思います。
私立中学からの高校受験特有の事情に対応できるか確認する
私立中学から高校受験する場合は、一般的な高校受験対策だけでなく、私立中学に通っている生徒特有の事情にも対応できるかを確認しましょう。
特に確認したいのは、
- 中高一貫校の先取り学習に対応できるか
- 学校独自の教材にも対応できるか
- 学校の定期テスト対策も必要に応じて行えるか
- 高校受験としての中学校範囲を別に確認できるか
- 内部進学と外部受験を並行して考えている段階でも相談できるか
- 志望校が決まったら過去問対策まで進められるか
という点です。
たとえば、一般的な高校受験塾では、公立中学校の進度を想定してカリキュラムが組まれていることがあります。
それ自体が悪いわけではありません。
しかし、現在通っている私立中学の授業内容と大きく違う場合、
学校では別の単元を勉強し、塾では高校受験用の単元を勉強する
ことになります。
その状況を本人だけで整理するのは簡単ではありません。
ですから、入塾や家庭教師への相談の際には、
「私立の中高一貫校に通っていますが、外部の高校を受験する可能性があります。学校の勉強と高校受験の勉強を、どのように分けて進めますか?」
と聞いてみることをおすすめします。
そのうえで、
「まず学校の進度と現在の学力を確認しましょう」
「高校受験として不足している範囲を確認してから計画を作りましょう」
など、本人の状況を確認してから具体的な学習計画を説明してくれるかを見てください。
塾か家庭教師かという形式だけで決める必要はありません。
集団塾でも本人の状況に合ったカリキュラムで進められるのであれば選択肢になりますし、個別指導や家庭教師でも、現在の学校の勉強と高校受験対策を整理できなければ十分とはいえません。
大切なのは、
「どこで教わるか」よりも、「現在の学校の学習状況と高校受験としての学力を確認し、志望校までの勉強を組み立ててもらえるか」
です。
私立中学から高校受験する場合には、
①現在の学校の勉強
②高校受験の基礎
③志望校対策
を分けて考え、さらに数学が苦手なら、現在の単元だけではなく「どこから分からなくなっているのか」まで確認してくれる塾・家庭教師を選ぶことをおすすめします。
私立中学から高校受験についてよくある質問
私立中学から都立高校を受験できる?
出願資格などの条件を満たしていれば、私立中学に在籍していても都立高校を受験できます。
ただし、「私立中学から受験できる」ということと、「現在の学力で志望校に合格できる」ということは分けて考える必要があります。
外部受験を考え始めたら、都立高校の出願資格を確認するとともに、中1・中2を含めた高校受験の範囲をどこまで自力で解けるのかも確認しましょう。
また、現在の私立中学についても、外部受験をする場合の手続きや内部進学の扱いを事前に確認しておくことが大切です。
私立中学から高校受験すると内申で不利になる?
私立中学に通っているという理由だけで、内申で不利になると決めることはできません。
高校入試では、受験する高校や入試方式によって、中学校の評定が調査書などを通じて選考に使われます。
そのため、
「私立中学の定期テストは難しいから不利になる」
と定期テストの点数だけで判断するのではなく、まず現在どのような評定が付いているのかを確認しましょう。
そのうえで、志望高校が評定・調査書をどのように選考に使うのかを、受験年度の募集要項などで確認する必要があります。
外部の高校に不合格だったら、今の私立中学から内部進学できる?
外部高校に不合格だった場合に系列高校へ内部進学できるかどうかは、現在通っている学校のルールによって異なります。
「外部高校を受験して、不合格なら内部進学すればよい」と家庭だけで判断するのは避けましょう。
外部受験を決める前に、
- 外部高校へ出願しても内部進学資格が残るのか
- 内部進学を辞退する期限はいつか
- 外部高校に不合格だった場合に内部進学できるのか
を現在の中学校へ確認してください。
学校独自の制度については、過去の口コミやインターネット上の情報だけではなく、在籍校の最新の説明や進路資料を確認することが重要です。
私立中学からの高校受験は中3からでも間に合う?
中3からでも高校受験を目指すことはできますが、間に合うかどうかは現在の学力、志望校、入試までの期間によって変わります。
中3から外部受験を決めた場合に、焦って受験問題集を何冊も始めるのはおすすめしません。
まず中1・中2の主要単元を確認し、
できている単元
復習すればできる単元
前の学年まで戻る必要がある単元
に分けます。
そのうえで、高校受験用の模試なども利用して現在位置を確認し、志望校までに必要な勉強を絞ります。
中3からの場合ほど、勉強量を増やすことより、「何を優先して勉強するか」を決めることが重要です。
私立中学で成績が悪くても高校受験できる?
現在の私立中学で成績が悪くても、それだけで高校受験が難しいとは判断できません。
私立中学、特に中高一貫校では、学校独自の教材やカリキュラムを使用したり、高校内容を先取りしたりしている場合があります。
そのため、学校の定期テストで点数が低くても、高校受験で必要になる中学校範囲は理解できていることがあります。
反対に、学校の定期テストでは点数が取れていても、中1・中2の内容をランダムに出題すると解けないこともあります。
外部受験を考えるなら、「今の学校で何点取っているか」だけでなく、「高校受験として必要な問題をどこまで自力で解けるか」を別に確認しましょう。
私立中学から高校受験するなら塾と家庭教師のどちらがよい?
塾か家庭教師かという形式だけで決めるのではなく、現在の私立中学の勉強と高校受験対策の両方を整理してもらえるかで選ぶことをおすすめします。
私立中学からの外部受験では、
①現在の学校の勉強
②高校受験で必要な中1~中3の基礎
③志望高校に合わせた受験対策
を並行して進める場合があります。
数学が苦手であれば、さらに「現在の問題を教える」だけではなく、どこから分からなくなっているのかを確認し、必要なら前の学年まで戻ってくれるかも重要です。
相談するときには、
「私立中学に通っていますが、外部高校を受験する場合、学校の勉強と高校受験の勉強をどのように分けて進めますか?」
と質問してみると、指導方針を確認しやすくなります。
まとめ:私立中学から高校受験を考えたら「今の成績」だけで決めない
私立中学から高校受験することは可能ですが、現在の学校の成績だけを見て、外部受験するかどうかを決めないことが大切です。
この記事の重要なポイントを整理します。
- 私立中学からでも、出願資格などを満たせば外部の高校を受験できる
- 私立中学での成績と、高校受験としての現在の学力は分けて確認する
- 外部受験を決める前に、内部進学条件・調査書・学校の手続きなどを確認する
- 高校受験用の問題や模試を使い、現在の学力と志望校との差を確認する
- 学校の勉強と高校受験対策を分け、必要なところから学習計画を立てる
特に私立中学では、学校独自のカリキュラムや先取り学習が行われていることがあります。
そのため、
「学校の成績が悪いから外部受験も難しい」
とも、
「私立中学に通えているから高校受験も大丈夫」
とも、成績表だけを見て判断することはできません。
まず、
現在の学校での成績・内部進学条件を確認する
↓
高校受験で必要な中学校範囲を自力で解けるか確認する
↓
高校受験用の模試などで現在位置を確認する
↓
志望高校との差を確認する
↓
外部受験と内部進学を比較する
という順番で考えてみてください。
数学についても、現在中3だから中3の問題だけを勉強すればよいとは限りません。
中2の内容につまずきがあれば中2へ、中1に原因があれば中1へ、必要であれば小学校算数まで戻って確認します。
大切なのは、学年に合わせて勉強することではなく、「どこまで自力でできていて、どこからできなくなっているのか」を確認することです。

私立中学から外部高校への受験を考えているものの、
「今の数学の学力で高校受験ができるのか分からない」
「学校の成績が悪く、どこからやり直せばよいか分からない」
「学校の勉強と高校受験対策をどう両立すればよいか分からない」
という場合は、一度現在の学力を確認してから学習計画を立てることをおすすめします。
私の指導では、現在の学年や学校の成績だけで判断せず、実際に問題を解いてもらい、どこまで自力でできていて、どこから復習する必要があるのかを確認したうえで、必要な学習内容を整理しています。
私立中学からの高校受験や数学の学習について迷っている場合は、無料相談・体験授業からご相談ください。
