算数の文章問題が苦手な小学生へ|読めない・式が立てられない原因と解き方

「計算問題はできるのに、算数の文章問題になると解けない」

「問題文を読んでも、何算を使えばよいのか分からない」

「親が説明するとその場では分かるのに、次の問題ではまた止まってしまう」

このような状態は、算数が苦手だからといって、すぐに問題を解く力がないと決めつける必要はありません。

文章問題では、計算力だけでなく、問題文から数量や関係を読み取り、図や式に表す力が必要です。

そのため、計算はできても、文章題だけ苦手になることがあります。

大切なのは、答えや使う公式をすぐに教えることではありません。問題文のどの言葉や数量で分からなくなったのかを確認することです。

この記事では、算数の文章問題が苦手になる原因と、家庭での解き方、保護者の声かけについて説明します。

算数の文章問題が苦手になる主な原因

文章題が解けないときは、「文章を読む力がない」と一つの原因に決めつけないことが大切です。

実際には、いくつかのつまずきが重なっている場合があります。

1. 問題文の数字を見ただけで計算している

問題文に数字が出てくると、すぐに足したり引いたりしてしまう子がいます。

しかし、文章題に出てくる数字は、すべて計算に使うとは限りません。

また、数字だけを見ても、それぞれが何を表しているのかが分からなければ、正しい式は立てられません。

まずは、次の3つを分けて確認します。

  • 何が分かっているか
  • 数字は何を表しているか
  • 何を求めるのか

数字を計算する前に、数字の意味を確認することが必要です。

2. 「合わせて」「残り」「より多い」などの意味が曖昧になっている

文章題では、日常生活で使う言葉と、算数で使う言葉の意味を正確に理解する必要があります。

たとえば、「合わせて」は足し算になることが多い言葉ですが、問題全体を読まずに「合わせて」を見つけただけで足し算をするのは危険です。

「より多い」「差」「残り」「1人分」「何倍」なども、数量の関係を表しています。

言葉の意味が曖昧なままだと、計算方法を覚えても、少し文章が変わっただけで解けなくなります。

3. 問題文を図に変えられない

文章を読んで頭の中だけで考えようとすると、数量の関係が分かりにくくなることがあります。

特に、次のような問題では図が役立ちます。

  • どちらがどれだけ多いかを比べる問題
  • 全体と部分の関係を考える問題
  • 割合や比の問題
  • 速さ・時間・道のりの問題
  • 面積や長さを考える問題

文章をそのまま覚えるのではなく、線分図、面積図、表、簡単な絵などに置き換えることで、数量の関係が見えるようになります。

4. 計算の前提となる単元に穴がある

文章題で使うのは、文章題専用の特別な力だけではありません。

たとえば、割合の文章題で止まっていても、原因が割合ではなく、次のような基礎にある場合があります。

  • 分数の意味が曖昧
  • かけ算とわり算の関係が分からない
  • 単位をそろえられない
  • 小数や分数の計算が不安定
  • 「1つ分」と「いくつ分」の関係が分からない

その場合、難しい文章題を繰り返すより、必要な前提単元に戻ることが近道になります。

5. 解説を読めば分かるが、自分では式を立てられない

解説を読んで「なるほど」と思うことと、問題文だけを見て自分で式を立てられることは別です。

解説を見ながら書き写した直後は、できるようになったように感じます。

しかし、時間を置いて同じ問題を解いたり、少し条件が変わった類題を解いたりすると、また止まることがあります。

そのため、学習では次の確認が必要です。

  1. まず何も見ずに考える
  2. 分からないところを区切る
  3. 必要な説明を受ける
  4. 解説を閉じて、同じ問題を解き直す
  5. 類題を自力で解く

解説を読めたかではなく、問題文から考え方を再現できるかを確認します。

算数の文章問題を解くための基本手順

文章問題が苦手な子には、「よく読んで」とだけ伝えても、具体的に何をすればよいのか分かりません。

次の順番で確認すると、問題文を整理しやすくなります。

手順1:最後の「何を求めるか」を確認する

最初からすべてを暗記しようとせず、まず問題の最後を読みます。

「何cmを求めますか」

「何個になりますか」

「何分かかりますか」

「全体の何割ですか」

このように、最後に何を聞かれているのかを確認します。

求めるものが分かると、問題文のどの数字や条件に注目すればよいのかが見えやすくなります。

手順2:数字に単位や説明をつける

「18」「7」のように数字だけを見ていると、数量の関係が分からなくなります。

たとえば、次の問題を考えます。

赤いリボンは18cmあります。青いリボンは、赤いリボンより7cm長いです。2本のリボンを合わせると何cmですか。

この問題では、数字を次のように整理します。

  • 赤いリボン:18cm
  • 青いリボン:赤いリボンより7cm長い
  • 求めるもの:2本を合わせた長さ

青いリボンは、18cmと7cmを使って、まず長さを求めます。

青いリボン 18+7=25cm
2本の合計 18+25=43cm

答えは43cmです。

ここで大切なのは、いきなり「18+7+18」と計算することではありません。どの数量を求めるための計算なのかを説明できることです。

手順3:簡単な図を描く

きれいな図を描く必要はありません。数量の関係が分かるように、線や箱を使って表します。

先ほどの問題なら、次のようなイメージです。

赤いリボン |────18cm────|
青いリボン |────18cm────|──7cm──|

図を描くと、「青いリボンは赤いリボンより7cm長い」という関係が見えます。

文章題で図を描く目的は、図をきれいに仕上げることではありません。

頭の中にある数量の関係を、紙の上に出すことです。

手順4:式の意味を言葉で説明する

式を立てたら、「なぜこの計算をするのか」を確認します。

たとえば、

「18+7は、青いリボンの長さを求める計算です」

「18+25は、赤いリボンと青いリボンを合わせる計算です」

と説明できれば、数字を適当に計算しているのではなく、問題文の関係を式にできています。

手順5:答えの単位と大きさを確かめる

最後に、単位や答えの大きさを確かめます。

  • 長さを聞かれているのに「個」となっていないか
  • 合計を求めたのに、もとの数より小さくなっていないか
  • 余りのあるわり算で、余りがわる数以上になっていないか
  • 時間と分、mとcmなどの単位が混ざっていないか

計算が合っているかだけでなく、答えが問題の条件に合っているかを確認する習慣をつけます。

家庭で算数の文章問題を教えるときの声かけ

保護者がすぐに解き方を説明すると、子どもはその場では答えを出せるかもしれません。

しかし、自分で考える機会が少なくなると、次の問題で再び止まってしまいます。

最初から答えを教えるのではなく、次のように質問してみてください。

  • 「問題の最後では、何を聞かれているの?」
  • 「この数字は何を表しているの?」
  • 「どちらが多いの?少ないの?」
  • 「図にすると、どんな関係になりそう?」
  • 「その式は、何を求めるための計算?」
  • 「答えの単位は何になる?」

ただし、質問を続けても問題文の意味自体が理解できていない場合は、子どもだけに考えさせ続けないことも大切です。

そのときは、文章を短く区切り、言葉の意味を確認します。

「より多いというのは、どちらに何を足すという意味かな」

「合わせるというのは、どの数量とどの数量を一緒にするのかな」

というように、具体的な数量や図に置き換えて考えます。

文章問題ができないとき、問題数を増やす前に確認したいこと

文章題が苦手な子に、いきなり大量の問題を解かせても、同じ間違いを繰り返すことがあります。

問題数を増やす前に、次のことを確認してください。

  • 問題文の言葉の意味を理解しているか
  • 何を求める問題か分かっているか
  • 数字に単位や説明をつけられるか
  • 図や表に整理できるか
  • 計算方法を選んだ理由を説明できるか
  • 解説を閉じても同じ問題を解けるか
  • 条件が少し変わった類題にも取り組めるか

もし、基本的な文章題でも毎回同じ場所で止まるなら、現在の学年の問題を続ける前に、前学年の計算や一行問題まで戻った方がよい場合があります。

戻ることは、勉強の遅れを意味しません。

自分で解ける問題を増やしながら、必要な土台を作り直すための学習です。

算数の文章問題が苦手な子の家庭学習の進め方

家庭学習では、1日に多くの問題を解くより、少ない問題を丁寧に確認することをおすすめします。

たとえば、次の流れです。

  1. まず自力で問題を読む
  2. 分からない言葉や数字に印をつける
  3. 図や表を描く
  4. 式と答えを書く
  5. 答え合わせをする
  6. 間違えた場所を確認する
  7. 解説を閉じて、もう一度解く
  8. 翌日または数日後に確認する
  9. 最後に類題を解く

間違えた問題については、答えを赤ペンで写して終わりにしないことが大切です。

「問題文の意味が分からなかったのか」

「図を描けなかったのか」

「式は合っていたが計算を間違えたのか」

「単位をそろえられなかったのか」

原因を分けて記録すると、次の学習で何を直せばよいのかが分かります。

中学受験の算数で文章問題を解けるようにするには

中学受験の文章題では、問題文が長くなり、複数の条件を整理する必要があります。

しかし、いきなり難しい問題に慣れようとするのではなく、次の順番で土台を確認することが大切です。

  1. 計算を正確にする
  2. 一行問題で基本的な関係を確認する
  3. 線分図や面積図を描く
  4. 基本的な文章題で式の意味を説明する
  5. 類題を解く
  6. 複数の単元が混ざった問題に進む
  7. 過去問で、どの方法を使うか判断する

偏差値30台から40台で伸び悩んでいる場合、難しい応用問題を増やすより、計算・割合・比・速さ・図形などの前提単元を確認する方が効果的なことがあります。

特に、塾の授業や宿題についていけないときは、現在の単元だけを見て判断しないことが大切です。

今の問題が解けない原因が、前の学年や前の単元にないかを確認します。

まとめ:文章題は「解き方」より、どこで止まったかを確認する

算数の文章問題が苦手な子に必要なのは、すぐに公式や解き方を覚えさせることだけではありません。

まず、次のことを確認します。

  • 問題文のどの言葉で止まったのか
  • 数字が何を表しているのか分かっているか
  • 何を求める問題か分かっているか
  • 図や表に整理できるか
  • 式の意味を説明できるか
  • 解説を見ずに解き直せるか
  • 類題でも自分で考えられるか

文章題の指導では、子どもによって必要な対応が異なります。

自分で間違いを見つけられる子には、解き直す時間を作ります。問題文の読み方から難しい子には、語句や数量の意味を具体化し、図を使って正しい考え方を再現できるようにします。

「教えてもできるようにならない」

「文章題だけ、何度やっても解けない」

という場合は、問題数を増やす前に、どこから分からなくなったのかを一緒に確認することが必要です。

算数の文章問題でお困りの方へ

私は、算数・数学専門の家庭教師として、これまで200名以上の生徒を指導してきました。

文章題の指導では、いきなり解き方を教えるのではなく、問題文のどの言葉・数量で止まったのかを確認します。必要であれば、前の学年の計算や一行問題まで戻り、図を描く、式の意味を説明する、解説を見ずに類題を解く、というところまで確認します。

お子さまが実際に解いた問題をもとに、どこでつまずいているのかを一緒に整理できます。

算数の文章問題について相談したい方は、算数の学習相談・体験授業について問い合わせるからご連絡ください。

指導経歴や、算数が苦手な子への指導方針は、講師プロフィールでご紹介しています。

よくある質問

Q1. 算数の文章問題だけ解けないのは、国語力が原因ですか?

国語の読解力が関係することはありますが、それだけが原因とは限りません。数字の意味、算数の用語、図への置き換え、計算の前提単元など、複数の原因が考えられます。まずは、問題文のどこで止まったのかを確認することが大切です。

Q2. 文章題は、たくさん解けばできるようになりますか?

同じ原因の間違いを繰り返したまま問題数だけを増やしても、改善しにくい場合があります。間違えた問題は、原因を確認し、解説を閉じて解き直し、類題を自力で解けるかまで確かめます。

Q3. 子どもが図を描きたがりません。無理に描かせるべきですか?

最初からきれいな図を求める必要はありません。線や丸、簡単な絵で、数量の関係を紙に出すことから始めます。図を描くことが目的ではなく、頭の中だけで考えている条件を整理することが目的です。

Q4. 中学受験の文章題は、何年生から対策すればよいですか?

学年よりも、現在どこまで自力で解けるかを確認することが大切です。計算や一行問題に不安がある場合は、文章題の応用に進む前に、前提となる単元を確認した方がよいことがあります。

Q5. 家庭で教えても、すぐに忘れてしまいます。

説明を聞いてその場で解けても、定着したとは限りません。解説を閉じた状態で解き直し、日を置いてもう一度確認し、最後に類題を解く流れを作ると、自分で考える力につながります。

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