算数苦手な小学生が文章問題に強くなる方法 自分で式を立てる力の育て方

「計算問題ならできるのに、文章問題になると急に手が止まってしまう」

「文章を読んでいるはずなのに、出てきた数字を適当に足したり引いたりしてしまう」

「家で教えると解けるのに、次の日に一人でやらせるとまたできない」

小学生の算数を家で見ていると、このような場面はよくあります。

特に困るのが、ヒントを出せば正解できるのに、一人では式を立てられないケースです。

親からすると、「さっき教えたばかりなのに、どうしてできないのだろう」と感じることもあるでしょう。

しかし、ここで一度確認したいことがあります。

「式を教えてもらった後に計算できること」と、「文章を読んで自分で式を立てられること」は、同じではありません。

たとえば、「210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか」という問題を考えてみましょう。

計算だけを見れば、それほど難しい問題ではありません。

ところが、文章の意味をうまく捉えられていない子は、

「210-4/5」

と式を立てることがあります。

そこで大人が、「210円の4/5なんだから、まず210を5で割るんだよ」と教えれば、

210÷5×4=168
210-168=42

と計算できるかもしれません。

これを見ると、「少しヒントを出せば分かる」と考えたくなります。

しかし実際には、子どもが自分でできなかった最も重要な部分である、「210円の4/5とは何を表しているのかを理解して、必要な計算を決めるところ」まで大人が教えていることになります。

文章問題に強くなるためには、計算練習だけでなく、

・問題文に書かれている数字は何を表しているのか

・何を求める問題なのか

・それぞれの数量はどのような関係なのか

・その関係を図にするとどうなるのか

・なぜ、その計算をするのか

を子ども自身が考える練習が必要です。

この記事では、小学生が文章問題に強くなる方法を、「正解できたか」だけではなく、自分で式を立てられるようになったかという視点から考えていきます。

家庭で算数を教えるときに、どのような質問をすれば子どものつまずきが分かるのか、どこまでヒントを出してよいのかについても、具体的な問題を使いながら解説します。

小学生が算数の文章問題を苦手にするのはなぜ?

小学生が算数の文章問題を苦手にする原因は、必ずしも計算力だけではありません。

問題文に書かれた数字の意味や数量の関係を読み取り、それを計算に置き換えるところでつまずくケースがあります。

そのため、文章問題ができなかったときは、すぐに解き方を説明するのではなく、

「この子は、どこまで自分で分かっていたのか」

を確認することが大切です。

計算はできるのに文章問題が解けないのはなぜ?

計算方法を知っていることと、文章から「何を計算すればよいか」を自分で決めることは別の力だからです。

たとえば、

1本80円の鉛筆を3本買いました。代金はいくらですか。

という問題で、

80×3=240

と計算できることと、問題文を読んで「80×3」と自分で式を立てることは分けて考える必要があります。

「80×3」と書いてあれば計算できる子でも、文章だけを読むと、

80+3

と書くことがあります。

この場合、かけ算の計算方法そのものが分からないとは限りません。

「80円が3本分ある」という数量の関係を、80×3という式に置き換えるところでつまずいている可能性があります。

ここで、

「3本買うんだから、80×3でしょ」

と教えれば、その後の計算はできます。

しかし、それだけでは次の問題で自分からかけ算を選べるようになったかは分かりません。

文章問題では、

文章を読む
→ 数字の意味を理解する
→ 数量の関係を考える
→ 計算方法を決める
→ 式を立てる
→ 計算する

という複数の段階があります。

計算問題では「計算する」ことが中心ですが、文章問題ではその前の段階も必要です。

そのため、計算ができても文章問題でつまずくことはあります。

文章問題が苦手なのは「読解力」がないから?

読解力が関係している場合はありますが、「文章問題が苦手=国語の読解力がない」と決めつける必要はありません。

文章問題を解くには、問題文を正確に読む必要があります。

言葉の意味が分からない、文章を途中で読み飛ばす、何を求める問題なのかを正確に捉えられない、といった状態であれば、読む力についても練習が必要です。

一方で、文章そのものは読めているのに、数量の関係を理解できていないケースもあります。

算数の文章問題では、文章を読むだけでなく、書かれている数字が何を表し、その数字同士がどのような関係なのかまで読み取る必要があります。

「文章問題が苦手だから国語をやらせよう」とすぐに決めるのではなく、子どもが問題文のどこまで理解できているのかを確かめることが先です。

「残り」「全部で」などの言葉から何算か決めてもいい?

「残り=引き算」「全部で=足し算」のように、特定の言葉だけで何算かを決める方法には注意が必要です。

文章問題では、数量の関係を考えて計算方法を決めます。

低学年の文章問題では、

・「全部で」なら足し算

・「残り」なら引き算

・「ずつ」ならかけ算

・「分ける」なら割り算

のように、問題文の言葉と計算方法が一致する問題も多くあります。

そのため、こうした言葉を手がかりにして正解できることがあります。

しかし、それが習慣になると、文章の意味を十分に考えず、知っている言葉だけを手がかりに計算方法を決めることがあります。

文章問題に強くなるための第一歩は、「何算かを当てること」ではなく、問題文に書かれた数字と数量の関係を自分で説明できるようになることです。

文章問題に強くなるには、どんな力が必要?

文章問題に強くなるために必要なのは、問題文を読んですぐに何算かを決める力ではありません。

文章に書かれた数字の意味を理解し、数量の関係を整理して、自分で式に置き換える力です。

この考え方は、学校の算数学習で重視されている内容とも一致します。

文部科学省の「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」では、数量の関係に着目し、図や式で表したり、式と図を関連付けて考えたりすることが示されています。

https://www.mext.go.jp/content/20211102-mxt_kyoiku02-100002607_04.pdf?utm_source=chatgpt.com

文章問題でも、計算方法だけを覚えるのではなく、問題場面の数量の関係を捉え、図や式に表すことが重要です。

文章問題が苦手な子を見ると、つい「もっと文章をよく読みなさい」「図を描きなさい」「これは何算?」と教えたくなります。

文章を正確に読むことも、図を描くことも大切です。

ただし、文章問題を自力で解くには、

①数字の意味を理解する
→ ②数量の関係を図や絵で表す
→ ③その関係から自分で式を立てる

という流れを、子ども自身がたどれるようになることが重要です。

どこまでできているかを順番に確認すると、「計算はできるのに、なぜ文章問題だけできないのか」も見つけやすくなります。

①問題文に出てくる数字が「何を表すか」を説明できる

文章問題で最初に確認したいのは計算方法ではなく、問題文に出てくる一つひとつの数字が何を表しているのかを、子ども自身が説明できるかです。

たとえば、

1本80円の鉛筆を3本買いました。代金はいくらですか。

という問題なら、

「80って何?」

「3って何?」

と聞いてみます。

「80は鉛筆1本の値段」

「3は買った鉛筆の本数」

と答えられれば、二つの数字が何を表しているのかは理解できています。

ところが、文章問題が苦手な子の場合、数字を見つけることはできても、その数字が何を表しているのかを正確に説明できないことがあります。

文章に「80」と「3」が書いてあることは分かっていても、

・80円は「1本あたりの値段」

・3本は「鉛筆の本数」

・求めたいのは「3本分の代金」

というところまで数量を整理できていないのです。

この状態で、

「80と3があるから、かけ算だよ」

と教えれば、80×3という式は書けます。

しかし、別の文章問題でも自分で同じ考え方ができるとは限りません。

そこで家庭で教えるときは、すぐに「何算?」と聞くのではなく、

・「この数字は何?」

・「80円って何の値段?」

・「3って何の数?」

・「今、何が分かっている?」

・「何を求める問題?」

と聞いてみます。

ここでの目的は、正しい式を言わせることではありません。

問題文に書かれた数字を、単なる数字ではなく「意味を持った数量」として捉えられているかを確認することです。

これは、割合や分数が出てくる文章問題ではさらに重要です。

だからこそ、間違った式を見たときは、式だけを直すのではなく「それぞれの数字を何だと思っているのか」を確認することが大切です。

②文章に書かれた数量の関係を図や絵にできる

数字の意味が分かったら、次に必要なのは、それぞれの数量がどのような関係になっているのかを図や絵で表す力です。

文章問題では、一つひとつの数字の意味が分かっても、それだけで式が決まるとは限りません。

「どの量が全体なのか」

「どの量がその一部分なのか」

「何が増えたのか、減ったのか」

「同じ量がいくつあるのか」

といった関係まで捉える必要があります。

そこで役立つのが、図や絵を描いて考えることです。

ただし、「文章問題ができなかったら、とにかく図を描かせればよい」というわけではありません。

図を描く目的は、きれいな図を完成させることではなく、文章に書かれている数量の関係を目で見える形にすることです。

図は、答えを教えるためだけに使うものではありません。

子どもが文章をどのように理解しているのかを確かめるためにも使えます。

文章問題が苦手な子に図を描かせるときは、

「図を描けたか」

だけではなく、

「なぜこの図になるの?」

「この部分は何を表している?」

「この全部は何?」

と聞くと、理解しているところと、まだつながっていないところを確認しやすくなります。

③図や数量の関係から自分で式を立てられる

文章問題で最終的に育てたいのは、問題文の意味を数量の関係に置き換え、その関係に合った計算を自分で選び、式を立てる力です。

文章問題では、「式を覚える」ことよりも、なぜその式になるのかを自分でたどれることが重要です。

この考え方は、さらに複雑な文章問題でも重要です。

学年が上がるにつれて、問題文に出てくる数字をそのまま足したり引いたりするだけでは解けない問題が増えます。

割合、速さ、比、平均、図形などでも、

「何が分かっているのか」
「それぞれの数字は何を表しているのか」
「数量同士はどのような関係なのか」
「だから、どんな計算が必要なのか」

という順序で考えます。

家庭学習でも、子どもが間違えたときに、

「これはかけ算」

「ここは5で割る」

と式を先に教えるだけで終わらせず、

「どうしてそうすると思う?」

「この数字は何を表している?」

「図にするとどうなる?」

と確認してみてください。

そのうえで一度教えた問題は、解説やヒントを見ない状態でもう一度解かせます。

文章を読むところから式を立てるところまで、一人でもう一度できれば、「自分で解けるようになったか」を確認できます。

文章問題に強くなるために必要なのは、解き方を数多く暗記することではありません。

「文章→数字の意味→数量の関係→図→式」という流れを自分でつなげることが、自力で式を立てる力につながります。

実際にどこでつまずく?「210円の4/5」の文章問題で考える

文章問題で間違えたときは、正しい式をすぐに教えるより、「なぜその式にしたのか」を聞くことで、子どもがどこでつまずいているのか分かることがあります。

ここからは、実際に私が小学生を指導したときの例を紹介します。

扱ったのは、

210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という問題です。

この問題で、生徒が最初に書いた式は、

210-4/5

でした。

そこで、すぐに正しい式を教えるのではなく、「なぜこの式を立てたのか」を対話しながら確認しました。

すると、「4/5をお金だと考えていた」という、式だけを見ていては分からないつまずきが見えてきました。

まず、

「これは何算?」

と聞くと、

「引き算」

と答えました。

さらに、

「どこを見て引き算だと思ったの?」

と聞くと、

「『残りはいくら』って書いてあるから」

という答えが返ってきました。

このやり取りから、子どもは数量の関係全体を考えたのではなく、「残り」という言葉を手がかりに引き算を選んでいたことが分かります。

しかし、これだけでは「210-4/5」という式になった理由をすべて説明できません。

そこで、

「210は何の数字?」

「4/5は何の数字?」

と聞いてみます。

210については、

「お金」

と答えられます。

ところが、4/5についても「お金」のように捉えていました。

つまり、子どもの中では、

・210はお金

・4/5もお金

・「残り」と書いてあるから引き算

という認識になっていたのです。

このように考えているのであれば、

210-4/5

という式は、適当に書いたものではありません。

本人なりに問題文を読んだ結果として、その式を立てていたのです。

間違った式だけを見ると、

「引き算の使い方が分かっていない」

「分数が分かっていない」

「文章をきちんと読んでいない」

と考えてしまうかもしれません。

しかし実際には、「210円の4/5」という言葉の関係を正しく捉えられていないことが原因でした。

だからこそ、誤答を見つけたときは、

「違うよ」

と直す前に、

「どうしてこの式にしたの?」

と聞いてみることが大切です。

子どもの答えを聞くことで、同じ誤答でも、どこで考え方を間違えたのかを具体的に確認できます。

「210円は何?」「4/5は何?」と聞くと何が分かる?

式を直す前に一つひとつの数字の意味を聞くと、子どもが問題文をどこまで理解しているのかを確認できます。

「210-4/5」という式だけを見ても、

・引き算の意味が分かっていない

・分数の意味が分かっていない

・問題文を読み違えている

・数字を適当に組み合わせている

のどれに当てはまるのかは判断できません。

そこで、

「210は何?」

「4/5は何?」

と聞きます。

この質問の目的は、正解を言わせることではありません。

子どもの中で、それぞれの数字がどのような意味になっているのかを確認することです。

今回のように「4/5もお金」と考えていることが分かれば、

「4/5の計算方法を忘れている」

と判断する前に、

「210円」と「その4/5」がまだ結びついていないのではないか

と考えられます。

ここで最初から、「何の4/5?」と聞く方法もあります。

この質問は、最終的には必要になることがあります。

ただし、子どものつまずきを確認するためには、少し待つことも大切です。

「何の4/5?」

と聞くことで、問題文の

210円4/5

という関係に気づきやすくなるからです。

考えるきっかけになる一方、最初からこの質問をすると、子どもがもともと「210円と4/5の関係」に気づいていたのかを確認しにくくなります。

そのため、まずは、

「210って何?」

「4/5って何?」

と聞き、本人が数字をどう捉えているのかを確認します。

すぐに答えられなければ、問題文をもう一度読んでもらいます。

それでも分からなければ、質問を少しずつ具体的にします。

家庭で文章問題を見るときは、最初から正解へ誘導するのではなく、まず子どもが自力でどこまで理解しているのかを見ることが大切です。

図を描けても文章問題を理解できているとは限らない?

図を描けたからといって、文章問題の数量関係まで理解できているとは限りません。

大切なのは、図のそれぞれの部分が何を表しているのかを子ども自身が説明できることです。

今回の問題でも、

「図を描いてみようか」

と促すと、一本の線を描いて、線全体を210円と表すことができました。

これは大切な一歩です。

「210円が最初にあるお金全体」であることは、図に表せています。

次に、

「じゃあ、4/5はどこ?」

と聞くと、線の一部分を指すことができました。

しかし、ここで「分かっている」と判断するのはまだ早い段階です。

4/5が全体の一部分であることは分かっていても、

「210円を5つに等しく分けたうちの4つ分」

というところまで理解できているとは限らないからです。

実際、

「じゃあ、図に4/5を描いてみて」

と聞いても、線を5等分するところまでは自分で進めませんでした。

ここで大人が、

「4/5なんだから5つに分けるんだよ」

と教えれば、図は完成します。

しかし、それでは子ども自身が「全体を5等分する」と考えられたのかを確認できません。

そこで、少し待ちます。

そして必要に応じて、

「この線全部が210円なんだよね」

「4/5ってあるけど、1にあたるものがここにあるんだけど何か分かる?」

と質問します。

図は、正しい解き方を見せるためだけでなく、子どもが文章の数量関係をどこまで理解しているのかを確認するためにも使えます。

そのため、親が完成した図を描いて見せるだけでなく、できるだけ子ども自身に描いてもらい、

「これは何?」

「ここは何を表している?」

「どうして5つに分けたの?」

と確認することが重要です。

「何の4/5?」という質問で、なぜ式を立てられた?

「4/5」が単独の数字ではなく「210円の4/5」だと結びつくことで、210円を5等分し、その4つ分を求める計算につながります。

今回の指導では、しばらく考えても、自分では「210円を5等分する」というところまでたどり着きませんでした。

そこで問題文をもう一度読んでもらい、

「何の4/5?」

と聞きました。

すると、

「210円」

と答えました。

ここでようやく、

210円の4/5

という二つの数量が結びつきます。

図を見ると、

「210円全部を5つに分ければいい」

ということが分かり、

210÷5×4

という式を立てられました。

計算すると、

210÷5=42

42×4=168

なので、使ったお金は168円です。

残りは、

210-168=42

となり、答えは42円です。

この計算を見て、子どもは、「なんだ、簡単だ」と感じることがあります。

実際、210÷5や42×4という計算そのものは簡単だったのかもしれません。

しかし、今回最初に自力でできなかったのは計算ではありません。

問題文の「210円の4/5」を数量の関係として理解し、210÷5×4という式に変える部分です。

大人からヒントをもらった後の計算ができても、最初から文章問題を自力で解けたことにはなりません。

ここを区別しないと、

「説明すればすぐ分かる」

「ヒントを出せばできる」

と判断してしまうことがあります。

しかし、文章問題で確認したいのは、何も教えられていない状態で、問題文を読んで数量の関係を捉え、自分で必要な計算を決められるかです。

今回のやり取りから分かったのは、「分数の計算ができない」という大きなくくりではなく、「『210円の4/5』を、210円を全体とした割合として捉えるところで止まっていた」という具体的なつまずきでした。

原因が分かれば、次に必要な練習も見えてきます。

分数の計算問題を増やすのではなく、

「何の4/5?」

「全体はどれ?」

「1にあたる量はどれ?」

「図にするとどこ?」

と確認しながら、文章と数量の関係を結びつける練習をします。

文章問題を教えるときに大切なのは、できるだけ早く正しい式を教えることではありません。

子どもの間違い方から「どこまでは分かっていて、どこから分からなくなったのか」を見つけ、必要な部分だけを教えることです。

「教えたらできた」で終わらず、次に同じ考え方の問題が出たときにも、自分で式を立てられるところまで練習することが大切です。

「ヒントを出せば解ける」は文章問題ができていると言える?

「ヒントを出せば解ける」という状態だけでは、その文章問題を自力で解けるようになったとは言えません。

特に、ヒントによって「どんな式を立てればよいか」まで分かった場合、子どもが自分で行ったのは計算だけということがあります。

家庭で算数を教えていると、

「一人ではできないけれど、少しヒントを出せばできる」

「式を少し教えてあげれば、あとは自分で解ける」

ということがあります。

ヒントをきっかけに理解が進むこと自体は問題ありません。

確認したいのは、どの部分を子どもが自分で考え、どの部分を大人がヒントとして与えたのかです。

文章問題では、

問題文を読む
→ 数字の意味を理解する
→ 数量の関係を考える
→ 必要な計算を決める
→ 式を立てる
→ 計算する

という段階があります。

このうち「必要な計算を決める」「式を立てる」という部分を親がヒントとして与え、その後の計算を子どもができたのであれば、「文章問題を自力で解けた」のではなく、「式を教えてもらえば計算できた」状態です。

「210を5で割ったら?」はヒントとして適切?

子どもがどこまで理解しているかを確認する段階では、「210を5で割ったら?」というヒントは、答えにつながる計算を先に示しすぎる場合があります。

例えば先の

210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という問題で

子どもが、

210-4/5

と書いて止まっていたとします。

ここで、

「4/5を求めるんだから、まず210を5で割るんだよ」

と教えれば、

210÷5=42

と計算できます。

さらに、

「じゃあ4つ分だから?」

と聞けば、

42×4=168

まで進めるでしょう。

その後、

210-168=42

と計算して、正解することもできます。

この様子だけを見ると、

「少し教えたらすぐにできた」

「計算は分かっている」

と感じるかもしれません。

確かに、210÷5という計算そのものはできています。

しかし、最初に子どもが分からなかったのは、210÷5の計算方法ではありません。

問題文の「210円の4/5」を読んで、「210円を5等分する必要がある」と自分で考えるところです。

「210を5で割ったら?」と聞くと、その部分を大人が代わりに与えることになります。

そのため、理解度を確認するときは、答えから離れた質問から始めます。

たとえば、

「210円って何?」

「4/5って何を表している?」

「この210円全部を図にするとどうなる?」

と聞きます。

それでも分からなければ、

「何の4/5?」

「1にあたるものはどれ?」

と、少しずつ質問を具体的にします。

それでも難しければ、そこで解き方を説明します。

ヒントを出してはいけないのではなく、最初から式につながるヒントを出しすぎないことが大切です。

子どもがどこで止まっているのかを確認してから、必要な部分だけを教えると、次に何を練習すべきかも分かりやすくなります。

ヒントのあとに正解できても安心できないのはなぜ?

ヒントを出した後に正解できても、文章から数量の関係を読み取って式を立てる部分を大人が手伝っている場合があるからです。

文章問題を教えていると、子どもが解き方を聞いた後に、

「なんだ、簡単じゃん」

と言うことがあります。

実際、計算だけを見ると簡単な場合があります。

今回の問題でも、

210÷5=42

42×4=168

210-168=42

という計算自体は難しくないかもしれません。

しかし、「計算が簡単だった」ことと「文章問題を自力で解けた」ことは別です。

子どもが一人で問題に取り組んだときには、

210-4/5

と書いていました。

そこから大人とのやり取りによって、

「4/5は210円の4/5」

「210円全部が1」

「それを5等分する」

と理解し、210÷5×4という式につながりました。

つまり、つまずいていたのは計算ではなく、文章を読んで数量の関係を理解し、それを式に変える部分です。

ここを大人が説明した後で正解できても、次に似た問題を一人で解けるとは限りません。

そのため、家庭学習では「正解したか」だけではなく、

・問題文の数字の意味を自分で説明できた

・何を求める問題なのか自分で説明できた

・数量の関係を自分で図に表せた

・必要な計算を自分で決められた

・ヒントなしで式を立てられた

・後でもう一度、一人で同じ考え方を使えた

という点まで確認します。

特に重要なのが最後の確認です。

一度教えて正解した問題は、時間を空けて、解説を見ずにもう一度解いてもらいます。

問題文を読むところから自分で考えて正解できれば、前回より理解が進んでいることを確認できます。

反対に、また同じところで止まるのであれば、前回は教えてもらった手順に沿って解けただけだった可能性があります。

文章問題では、この違いを見分けることが大切です。

親はどこまでヒントを出せばいい?

親がヒントを出すときは、最初から計算方法を教えるのではなく、子どもが問題文をどこまで理解しているのかを確認する質問から始めます。

家庭で算数を教える目的は、その場で正解させることだけではありません。

最終的には、同じ考え方の問題に出会ったとき、親が横にいなくても自分で式を立てて解けるようにすることが目標です。

そのため、ヒントは段階的に出します。

今回の問題であれば、いきなり、

「210÷5をしなさい」

とは言いません。

最初は、

「どうして210-4/5にしたの?」

と聞きます。

これなら、まだ解き方は教えていません。

子どもが、

「残りって書いてあるから」

と答えれば、「残り」という言葉から引き算を選んだことが分かります。

次に、

「210は何?」

「4/5は何?」

と聞きます。

ここでも正しい式は教えていません。

4/5を金額だと思っていることが分かれば、問題文の数量の捉え方でつまずいていることが見えてきます。

さらに必要であれば、図を描いてもらいます。

それでも4/5との関係が分からなければ、

「何の4/5?」

と聞きます。

そこで、

「210円」

と答えられたら、

「じゃあ、210円の4/5って図ではどう表せる?」

と考えてもらいます。

このように、「答えにつながる計算を教える」のではなく、「子どもが次の一歩を自分で考えられる質問をする」という考え方でヒントを出します。

何度質問しても分からない場合は、必要な知識や考え方を説明します。

たとえば、「4/5」という分数自体の意味が曖昧なのであれば、文章問題を続けるより、

「1本の線を5等分したときの1/5、2/5、4/5」

といった分数の基礎に戻る方法もあります。

大切なのは、ヒントを出さないことではありません。

「どこまで一人でできたかを確認してから、できなかった部分だけを教える」ことです。

そうすれば、

「数字の意味までは分かっている」

「全体と部分の関係で止まっている」

「図までは描けるけれど、そこから式にできない」

というように、つまずいている場所を具体的に捉えられます。

そして、一度ヒントを出して正解できても、それで終わりにはしません。

時間を置いて、同じ考え方を使う問題を何も見ず、ヒントなしで最初から解く機会を作ります。

そこで自分で式を立てられれば、前回のヒントが自力で解くための学習につながったことを確認できます。

「ヒントを出せばできる」をゴールにするのではなく、「ヒントがなくてもできる」まで確認することが、文章問題を家庭で教えるときの大切なポイントです。

小学生が文章問題に強くなる方法は?家庭でできる5つの練習

小学生が文章問題に強くなるためには、問題数を増やすだけでなく、「数字の意味を説明する→何を求めるか確認する→数量の関係を図にする→自分で式を立てる→ヒントなしで解き直す」という練習が効果的です。

文章問題が苦手だと、文章題がたくさん載っているドリルを使って、毎日何問も解かせたくなるかもしれません。

問題を解く量も必要です。

しかし、問題文を正しく理解できないまま同じような練習を繰り返しても、

「残りと書いてあるから引き算」

「全部でと書いてあるから足し算」

といった解き方を繰り返すことがあります。

大切なのは、1問の中で「なぜこの式になるのか」を子ども自身が考えることです。

家庭では、次の5つを意識して文章問題に取り組んでみてください。

方法① 問題を解く前に「この数字は何?」と確認する

文章問題を読んだら、すぐに計算を始めるのではなく、問題文に出てきた数字がそれぞれ何を表しているのかを言葉で説明する練習をします。

文章問題が苦手な子は、問題文の中から数字を見つけると、すぐに計算しようとすることがあります。

たとえば、

1個120円のりんごを4個買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。

という問題なら、

「120って何?」

「4って何?」

「500って何?」

と確認します。

それぞれ、

「りんご1個の値段」

「りんごの個数」

「出したお金」

と説明できれば、数字の意味は捉えられています。

次に確認したいのが、これらの数字の関係です。

120円と4個から、まず4個分の代金を求めます。

120×4=480

そのうえで、500円から480円を引きます。

500-480=20

ここで最初から、

「120×4をしてから500円から引くんだよ」

と教えてしまうと、子どもが数字の意味を理解していたかは分かりません。

式を教える前に数字の意味を確認するだけでも、「計算ができない」のか「問題文から数量を読み取れていない」のかを区別しやすくなります。

特に分数・割合・速さ・比などを学ぶようになると、「問題文に数字が二つあるから、この二つを計算すればよい」とは限りません。

そのため、低学年の比較的簡単な文章問題から、

「この数字は何を表している?」

と考える習慣をつけることが大切です。

方法② 「何を求める問題か?」を子どもの言葉で説明させる

問題文を読んだ後は、「何を求める問題なのか」を子ども自身の言葉で説明してもらいます。

文章問題では、書かれている数字だけでなく、最後に何を求めればよいのかを正しく捉える必要があります。

先ほどの、

1個120円のりんごを4個買い、500円を出しました。おつりはいくらですか。

という問題で、求めるのは「りんご4個の代金」ではありません。

最終的に求めるのは「おつり」です。

ところが、120×4=480まで計算すると、そこで「480円」と答えてしまう子もいます。

この場合、かけ算ができなかったわけではありません。

計算そのものは正しくできています。

「何を聞かれているのか」を最後まで意識できていなかったことが問題です。

そこで、計算を始める前に、「この問題では、最後に何が分かればいいの?」と聞いてみます。

「おつり」と答えられたら、「じゃあ、おつりを出すためには何が分からないといけない?」と続けます。

すると、「買ったりんごの代金」という考えにつながります。

このように、文章問題では最終的な答えから逆に考えることも必要です。

問題文を読んだら、「分かっていること」と「知りたいこと」を区別する。

これができると、出てきた数字をそのまま計算するだけの解き方を減らせます。

方法③ すぐ式を書かず、図や絵で数量の関係を表す

式が立てられない問題では、数字をすぐに計算せず、文章に書かれている数量の関係を図や絵に表す練習をします。

図を描く目的は、文章だけでは分かりにくい関係を目で確認できるようにすることです。

たとえば、

210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という問題なら、210円全体を一本の線で表せます。

そして、「この線全部が何?」と聞きます。

「210円」と答えられたら、「じゃあ4/5はどこ?」と聞いてみます。

ここで子ども自身が線を5等分し、そのうち4つ分を示せれば、「210円を全体の1として、その4/5を考える」という数量の関係を図にできています。

一方、4/5がどこなのか分からなかったり、線を5等分できなかったりするのであれば、式を立てる前の段階で止まっている可能性があります。

このとき、大人が完成した図をすぐに描くのではなく、「この全部は何?」「4/5って、何の4/5?」「5って何を表している?」と質問します。

それでも分からなければ、必要なところを教えます。

図は「正解するためのテクニック」としてだけでなく、子どもが数量の関係を理解しているかを確かめるためにも使えます。

線分図、テープ図、簡単な絵など、問題によって表し方は変わります。

最初からきれいな図を描く必要はありません。

「何が全体で、どこが一部分なのか」

「何がいくつあるのか」

「どちらが多いのか」

といった関係が分かれば十分です。

方法④ 「残り=引き算」のようなキーワード暗記に頼らない

文章問題で何算を使うかは、「残り」「全部で」「ずつ」といった言葉だけではなく、問題に出てくる数量同士の関係から判断します。

国立教育政策研究所の全国学力・学習状況調査でも、「加法や減法の問題場面の数量の関係を捉え式に表すこと」が分析されています。

文章問題では、「残り」という一つの言葉だけを見るのではなく、問題場面全体から数量の関係を捉えて式にすることが重要です。

文章問題を学び始めた頃は、

「合わせて」「全部で」があれば足し算

「残り」があれば引き算

「ずつ」があればかけ算

と覚えることで、簡単な問題では正解できることがあります。

しかし、学年が上がるにつれて、この方法だけでは対応できなくなります。

たとえば、

ある本を昨日までに80ページ読みました。今日30ページ読んだところ、残りは40ページになりました。この本は全部で何ページありますか。

という問題には「残り」という言葉があります。

しかし、求めたいのは残りのページ数ではありません。

残りは40ページだと、すでに分かっています。

求めるのは本全体のページ数です。

したがって、

80+30+40=150

と考えます。

「残り」という言葉だけを見て引き算をすると、正しい式にはなりません。

そこで、

「80ページは何?」

「30ページは何?」

「40ページは何?」

「全部のページは、この3つとどんな関係?」

と考えます。

すると、「読んだ80ページ+今日読んだ30ページ+まだ残っている40ページ=本全体」という関係が見えてきます。

その関係を式にすると、

80+30+40

になります。

何算を使うかは、言葉から決めるのではなく、数量の関係を考えた結果として決まります。

この考え方は、割合・速さ・比など、より複雑な文章問題を学ぶときにも必要です。

方法⑤ 解説を閉じて「もう一度一人で解く」

教えてもらって正解した文章問題は、解説やヒントを見ない状態でもう一度最初から解き、自分で式を立てられるか確認します。

家庭学習で注意したいのが、「説明したら分かったから、この問題はできるようになった」と判断して終わることです。

説明を聞いた直後は、解き方を覚えています。

そのため、「もう一回やってみて」と言われれば、同じ式を書けることがあります。

しかし、それだけでは問題文を理解して自分で式を立てたのか、直前に教えてもらった式を覚えていただけなのかを区別しにくくなります。

そこで、一度間違えた問題は、時間を空けてもう一度解きます。

そのときは、

・解説を見ない

・前に書いた式を見ない

・親からヒントを出さない

という状態から始めます。

問題文を読むところから、自分で取り組んでもらいます。

正解できた場合でも、「どうしてこの式にしたの?」と聞いてみます。

自分の言葉で説明できれば、文章と式の関係を理解できているか確認しやすくなります。

反対に、前回と同じところで止まった場合は、前回は「説明を聞いて分かった」段階であり、まだ「一人でできる」段階にはなっていなかったと考えられます。

その場合は、もう一度どこで止まったのかを確認します。

文章問題の学習では、

教えてもらって解ける

自分で考えて式を立てる

何も見ずに正解する

似た問題でも自分で考えて解く

というところまで練習することが大切です。

問題集を何ページ進めたかだけでは、文章問題ができるようになったかは判断できません。

1問でも、問題文の意味を考え、図を描き、式を立て、後からもう一度自力で解くところまで取り組めば、「自分で式を立てる練習」になります。

小学生が文章問題に強くなる方法として家庭で特に意識したいのは、「正しい式を教えること」よりも、「正しい式に子ども自身がたどり着く過程を練習すること」です。

家庭でできるつまずき診断

文章問題ができない原因は、子どもによって異なります。

まず「どこまで一人でできて、どこから分からなくなるのか」を確認すると、必要な練習を選びやすくなります。

文章問題で間違えると、

「読解力がないのかな」

「計算が苦手なのかな」

「もっと文章問題を解かせた方がいいのかな」

と考えがちです。

しかし、同じように式を立てられない子でも、つまずいている場所は同じとは限りません。

問題文を正確に読めていない子もいれば、文章は読めても数字の意味を捉えられていない子もいます。数量の関係までは分かっていても、それを式にできない場合もあります。

そこで、子どもが文章問題で止まったときは、次の順番で確認してみてください。

文章問題のつまずき診断表

確認すること子どもの様子考えられるつまずき家庭での確認方法
問題文を正確に読めるか数字や言葉を読み飛ばす問題文を正確に読めていない一度音読してもらう
言葉の意味が分かるか「合わせて」「差」「○倍」などの意味が曖昧語彙や算数用語を理解できていない「この言葉はどういう意味?」と聞く
数字の意味を説明できるか数字は見つけられるが「何の数字?」に答えられない数量の意味を捉えられていない「この数字は何?」と一つずつ聞く
何を求めるか分かるか途中で求めた数字を答えにする問われていることを捉えられていない「最後に何が分かればいい?」と聞く
数量の関係を説明できるか数字の意味は分かるが、どう計算するか分からない数量同士の関係を整理できていない「この数字とこの数字はどんな関係?」と聞く
図や絵に表せるか何をどう描けばよいか分からない文章から数量の関係を取り出せていない「全部はどれ?」「この部分は何?」と確認する
必要な計算を自分で選べるか「残りだから引き算」など、言葉だけで決める数量の関係ではなくキーワードで判断している「どうしてこの計算にしたの?」と聞く
自分で式を立てられるか考え方を説明できても式にできない数量の関係を計算に置き換えられていない「この数字は図のどこ?」と図と式を対応させる
ヒントなしで解き直せるか教えた直後はできるが、後日また止まる解き方を一時的に覚えただけの可能性がある時間を空け、解説やヒントなしでもう一度解く
似た問題も一人で解けるか同じ問題はできるが、数字や聞き方が変わると解けない考え方ではなく解き方を覚えている可能性がある同じ考え方を使う類題を解いてもらう

この診断表をすべて一度に確認する必要はありません。

子どもが止まったところから、

「問題文は読めている?」
→「この数字は何?」
→「何を求めるの?」
→「数字同士はどんな関係?」
→「図にできる?」
→「どうしてこの式にしたの?」

と順番に確認します。

子どもが自分で答えられなくなったところが、つまずきを見つける手がかりになります。

たとえば、問題文を音読できても「この数字は何?」に答えられないのであれば、読む練習だけを増やしても改善しない可能性があります。

反対に、数字の意味や数量の関係は説明できるのに、問題文を読み飛ばして条件を間違えるのであれば、まず正確に読む練習が必要です。

また、式を教えれば計算できる子の場合は、計算練習を増やすより、数量の関係から自分で式を立てる練習を優先した方がよい場合があります。

大切なのは、「文章問題が苦手」「読解力がない」とまとめるのではなく、どの段階で止まっているのかを具体的に確認することです。

つまずいている場所が分かれば、音読・読書・ドリルのどれを取り入れるべきかも判断しやすくなります。

音読・読書・ドリルをすれば文章問題に強くなる?

音読・読書・ドリルは、文章問題が苦手な小学生に役立つことがあります。

ただし、どれか一つを続ければ文章問題が解けるようになるとは限りません。

「どこでつまずいているのか」に合わせて練習方法を選ぶことが大切です。

算数の文章問題が苦手だと、

「文章を読めていないから、もっと本を読ませた方がいいのでは?」

「国語の読解問題もやらせた方がいい?」

「文章問題のドリルを毎日解けば慣れるのでは?」

と考えることがあります。

問題文を正確に読めない子であれば、音読や国語の読解、語彙を増やす学習が役立つ場合があります。

一方で、

「文章を声に出して正しく読める」

「言葉の意味も分かっている」

「計算もできる」

という子が、算数の文章問題では式を立てられないこともあります。

この場合、必要なのは読む量を増やすことではなく、文章に書かれた数量の関係を読み取り、それを図や式に置き換える練習です。

算数の文章問題が苦手なら国語の読解力も鍛えるべき?

問題文そのものを正確に読めていない場合は、国語の読解力を鍛えることも有効です。

ただし、算数の文章問題が苦手だからといって、必ずしも原因が国語にあるとは限りません。

文章問題を解くには、文章を正確に読む力が必要です。

たとえば、

・知らない言葉が多い

・文の途中を読み飛ばしてしまう

・「AよりBが3個多い」の関係を逆に捉える

・誰が何をしたのかを読み違える

・何を求める問題なのか分からない

といった状態であれば、語彙や文章の読み取りについても練習する必要があります。

このような場合は、国語の読解問題に取り組んだり、分からない言葉の意味を確認したりすることも役立ちます。

しかし、文章を正確に読めることと、算数の式を立てられることは同じではありません。

たとえば、先にあった例でも、生徒は

210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という文章を一字一句間違えずに読めていましたが、

210-4/5

と式を立ててしまっていました。

この例で必要なのは、「210円」「4/5」という文字を正しく読むことだけではありません。

「210円全部を1と考え、その4/5を使った」という数量の関係を理解することが必要です。

そのため、文章問題が苦手な小学生に必要な力を、すべて「国語力」「読解力」でまとめないことが大切です。

文章そのものの意味が分からないのであれば、読む力や語彙の練習が必要です。

文章は理解できても数字同士の関係が分からないのであれば、算数として数量の関係を考える練習が必要です。

この二つを分けて考えると、子どもに必要な学習を選びやすくなります。

音読や読書だけで算数の文章問題は解けるようになる?

音読や読書は文章を正確に読む力を育てるうえで役立ちますが、それだけでは「数量の関係を式にする練習」が不足する場合があります。

文章問題が苦手な子に、問題文を音読してもらうことには意味があります。

音読すると、

・数字を読み飛ばしていた

・「多い」と「少ない」を読み違えていた

・問題文を途中までしか読んでいなかった

といった読み間違いに気づくことがあります。

特に、問題を急いで読む子には、一度声に出して正確に読むことが、読み間違いを確認する方法になります。

読書も、語彙を増やしたり、文章を読むことに慣れたりするうえで役立ちます。

ただし、「文章問題が苦手だから本をたくさん読ませればよい」と考えるだけでは十分でない場合があります。

算数の文章問題では、文章を読んだ後に、

文章
→ 数字の意味
→ 数量の関係
→ 図
→ 式

という流れで考える必要があるからです。

算数の文章を読み、数量を取り出し、その関係を考える練習が必要です。

そのため音読を取り入れる場合も、「読ませて終わり」にせず、

「何が分かっている?」

「この数字は何?」

「何を聞かれている?」

「図にするとどうなる?」

と確認すると、算数の学習につなげやすくなります。

「正確に文章を読むための練習」と「読んだ数量を式に変える練習」は役割が違います。

それぞれのつまずきに合わせて、必要な練習を組み合わせることが大切です。

文章問題が苦手な小学生にドリルは必要?

文章問題のドリルは練習に使えますが、難しい問題を大量に解かせるより、子どもが自分で文章の意味を説明できるレベルの問題から取り組むことが大切です。

文章問題が苦手だと、

「とにかく慣れさせよう」

と、文章問題がたくさん載っているドリルを選びたくなることがあります。

しかし、子どもが一人ではほとんど式を立てられず、毎回親が横で解き方を教えているのであれば、問題の難易度を見直す必要があります。

たとえば10問取り組んでも、

1問目で式を教える

2問目でも式を教える

3問目でもヒントを出す

という状態が続けば、子ども自身が「問題文から式を立てる練習」をする時間は少なくなります。

このような場合は、一度問題の難易度を下げます。

文章が短く、計算自体は簡単な問題を使って、

「この数字は何?」

「何を求めるの?」

「どうしてこの式になるの?」

と確認します。

計算が簡単だからこそ、文章の意味と式の関係を考えることに集中できます。

たとえば、かけ算を学習済みの子なら、

1袋に5個ずつあめが入っています。3袋では何個になりますか。

のような短い問題からでも構いません。

ただ5×3と書かせるだけではなく、

「5は何?」

「3は何?」

「どうして足し算ではなく、かけ算にしたの?」

と聞きます。

子どもが、

「1袋に5個あって、それが3袋あるから」

と説明できれば、数量の関係と式が結びついています。

そこから少しずつ文章を長くしたり、必要のない情報を含む問題を入れたり、複数の計算が必要な問題へ進めます。

ドリル選びで見るべきなのは学年表示だけではなく、「子どもがヒントなしで文章の意味を考えられる難易度か」という点です。

難しい問題集を進めることよりも、

自分で問題文を読む
→ 数字の意味を説明する
→ 数量の関係を考える
→ 自分で式を立てる
→ 正解する

という経験を積み重ねることを優先します。

また、同じドリルを使う場合でも、正解したら終わりにせず、一度間違えた問題には印をつけておきます。

後日、解説を隠した状態でもう一度取り組みます。

そのときにヒントなしで式を立てられれば、前回の学習が自力で解く力につながったかを確認できます。

反対に、また同じところで止まるのであれば、

「もっと問題数を増やそう」

と考える前に、どの数字の意味が分からなかったのか、どの数量の関係で止まったのかをもう一度確認します。

文章問題に強くなるためのドリルは、「何冊終わらせたか」よりも、「1問を自分で読んで、自分で式を立てられたか」を確認するために使うことが大切です。

文章問題の練習で親が確認したい「できるようになった」の基準

実際に指導していると、保護者の方から「一人ではできないけれど、ヒントを出せばできるんです」という相談をよく受けます。

たとえば、計算そのものはできても、文章問題になると最大公約数を使う問題なのか、最小公倍数を使う問題なのかを自分で判断できないケースがあります。

「これは最小公倍数を使う問題だよ」と教えれば、その後の計算は一人でできるかもしれません。

しかし、確認したいのは最小公倍数を計算できるかどうかだけではありません。

問題文を読んで、「なぜこの問題では最小公倍数を使うのか」を自分で判断できるかです。

これは、この記事で紹介した「210円の4/5」の例とも共通しています。

計算方法を示された後に正解できることと、問題文から必要な考え方を自分で選べることは別です。

そのため私は、「ヒントを出した後に正解できたか」だけではなく、「ヒントを出す前にどこまで自分で考えられていたか」を見るようにしています。

文章問題ができるようになったかを確認するときは、正解だけではなく、問題文を読んでから式を立てるまでを、どこまで子ども自身でできたかを見ることが大切です。

家庭で算数を教えていると、親が説明した後に子どもが正解すると、

「分かってくれた」

と感じることがあります。

その場で説明を理解できたことは一つの前進です。

ただし、

「説明を聞けば理解できる」
「ヒントがあれば解ける」
「何も見ずに一人で解ける」

は、それぞれ異なる状態です。

文章問題では、この違いを分けて考える必要があります。

特に家庭学習では、親が横にいるため、子どもが止まるとすぐに助けられます。

「ここはかけ算じゃない?」

「5で割るんじゃない?」

「残ったお金を出すんだよね?」

このような一言で子どもが先へ進み、その後の計算を自分でできれば、「分かっていた」と感じやすくなります。

しかし、その一言がなければ式を立てられなかったのであれば、まだ練習すべき部分があります。

文章問題の理解度を見るときは、「最終的に正解したか」だけでなく、「正解するまでに大人が何を教えたか」を確認することが重要です。

「説明を聞けば分かる」は理解できている?

説明を聞いて「分かった」と納得できても、それだけでは自分で文章問題を解ける段階まで到達したとは判断できません。

算数では、解説を聞くと、

「そういうことか」

「それなら分かる」

「簡単だった」

と感じることがあります。

解き方を説明してもらえば、問題文のどこに注目するのか、どの数字を使うのか、どんな計算をするのかが整理されます。

あとは計算するだけなら、簡単に感じることもあります。

しかし、文章問題で難しいのは、まさにその問題文から必要な情報を整理する部分であることがあります。

たとえば、

210円の4/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という問題でも、

「210円を5等分して、その4つ分を求めるんだよ」

と説明された後なら、

210÷5×4

と計算できます。

しかし、最初に、

210-4/5

と書いていたのであれば、説明を受ける前には「210円の4/5」という数量の関係を正しく捉えられていませんでした。

つまり、解説を聞いて理解できることと、問題文からその考え方を自分で取り出せることには違いがあります。

家庭では親が、

「ここを見て」

「この数字を使うんだよ」

と助けられます。

一方、テストでは自分で、

「どこを見るのか」

「どの数字を使うのか」

「どんな関係なのか」

「どんな計算をするのか」

を判断しなければなりません。

そのため、説明した直後の「分かった」で終わらせず、後から何も見ずに自分で解けるかまで確認します。

「ヒントがあればできる」はどこまで評価すればいい?

「ヒントがあればできる」という場合は、ヒントの後に正解したことよりも、ヒントを出す前に子どもがどこまで考えられていたかを見ることが重要です。

同じ「ヒントを出した」でも、その内容によって意味は大きく異なります。

たとえば、子どもが問題を読み飛ばしていたので、

「もう一度ゆっくり読んでみよう」

と声をかけたところ、自分で式を立てられたとします。

この場合、数量の関係を考える力はあり、問題文を読み直すことで自力で進めたと考えられます。

一方、

「これは210を5で割るんだよ」

と教えた後に解けたのであれば、文章から計算を決める部分は大人が行っています。

どちらも結果だけを見れば、

「ヒントを出したら正解した」

となります。

しかし、子ども自身が考えた範囲は大きく違います。

家庭で文章問題を見るときは、ヒントを段階に分けると、どこまで一人で考えられたかを確認しやすくなります。

【ヒントを出す順番の目安】

  1. 「もう一度問題を読んでみよう」
  2. 「何を求める問題?」
  3. 「この数字は何を表している?」
  4. 「図にするとどうなる?」
  5. 「何の4/5?」「何が1にあたる?」
  6. 必要な考え方や計算方法を教える

最初の質問ほど、子ども自身が考える部分を多く残しています。

後になるほど、正解につながる情報が増えます。

必ずこの順番で質問する必要はありません。

大切なのは、最初から解き方を教えないことです。

子どもが③の質問で気づいたのであれば、それ以上ヒントを出さず、自分で続きを考えてもらいます。

そして、

「今回は『この数字は何?』と聞いたら解けた」

と把握しておけば、その子がどこで止まりやすいのかも分かってきます。

これを繰り返すことで、

「文章問題が苦手」

とまとめるのではなく、

「数字の意味を確認できれば式を立てられる」

「図までは描けるが、そこから式にするところで止まる」

と具体的に捉えられます。

ヒントは、正解させるためだけでなく、子どもがどこまで一人で考えられるかを確認するためにも使えます。

文章問題を理解できたか確認する一番簡単な方法は?

一度教えた問題や同じ考え方を使う問題を、時間を空けて何も見ず、ヒントなしで最初から解いてもらうと、理解できているかを確認しやすくなります。

文章問題を教えた直後は、解き方の記憶が残っています。

その場ですぐ、

「じゃあ、もう一回やってみて」

と解かせると、先ほど聞いた式をそのまま書けることがあります。

そこで、少し時間を空けます。

そして、

・解説を閉じる

・前に書いた式を隠す

・親は最初からヒントを出さない

・問題文からもう一度考える

という状態で取り組んでもらいます。

たとえば「210円の4/5」の問題なら、

問題文を読む

210円が全体だと考える

4/5の意味を考える

必要なら図を描く

210÷5×4と自分で立式する

残りの金額を求める

というところまで一人で進められるかを確認します。

さらに、数字を変えた似た問題でも確認します。

たとえば、

300円の2/5のお金を使いました。残りはいくらですか。

という問題です。

前の問題の式を覚えているだけでなく、

「300円が全体」

「その2/5を使う」

「だから300円を5等分して2つ分を求める」

と考えられれば、学んだ考え方を別の問題にも使えています。

ここまでできれば、単に前の問題の解き方を覚えただけでなく、数量の関係を理解して式を立てる力が身についてきたと考えられます。

反対に、翌日になるとまた、

300-2/5

と書くのであれば、前日はまだ自力で解けるところまで定着していなかった可能性があります。

その場合は、

「300は何?」

「2/5は何?」

と確認し、数量の意味から考え直します。

文章問題の「できた」は、1回正解したかどうかだけでは判断しません。

一つの目安として、

レベル1:説明を聞けば分かる

レベル2:質問やヒントがあれば式を立てられる

レベル3:同じ問題をヒントなしで解ける

レベル4:似た問題でも自分で数量の関係を考えて解ける

と分けると、子どもの現在の状態を捉えやすくなります。

実際の家庭教師先での指導例

私の指導でも、その場で正解できただけでは「できるようになった」とは判断していません。

まず、対話によってつまずいている原因を確認し、必要なことを理解できたら、その直後にもう一度問題を解いてもらいます。

そこで正しい考え方で解けることを確認したうえで、同じ問題と類題を家庭学習として出します。

次の指導日には、宿題として取り組んだ問題の中からこちらで問題を選び、もう一度解いてもらいます。

ここで確認するのは、答えが合っているかどうかだけではありません。

どの問題でも、問題文から正しい考え方を自分でアウトプットし、式を立てられるかを確認します。

私の場合は、ここまで確認できて初めて、その内容を「できるようになった」と判断します。

流れを整理すると、

① 対話によって、どこで考え方を間違えているのかを確認する

② 正しい考え方を理解した直後に、もう一度自分で解く

③ 同じ問題と類題を家庭学習で解く

④ 次の指導日に、その中から問題を選んで再度解いてもらう

⑤ どの問題でも正しい考え方を自分でアウトプットできるか確認する

という流れです。

文章問題では、「一度正解した」という結果だけでは、その考え方を自分で使えるようになったかまでは分かりません。

その場でできた。家庭学習でもできた。さらに時間を空けて問題を選ばれても、正しい考え方を自分で出せた。

ここまで確認することで、「教えてもらったから解けた」のではなく、自分で考えて解ける状態になったかを判断しやすくなります。

家庭で目指したいのは、親が横にいれば正解できる状態で終わることではありません。

問題文を読んで、数字の意味を考え、数量の関係を整理し、自分で式を立てて正解できるところまでつなげることです。

そのため、「今日何問正解したか」だけではなく、

「今日はどこまでヒントなしでできたか」

も確認してみてください。

「教えたらできた」から「何も教えなくてもできた」へ進んでいるかを見ることが、文章問題の理解度を確認する基準の一つです。

よくある質問

Q1. 文章問題が苦手なのは発達障害が原因ですか?

文章問題が苦手ということだけで、発達障害かどうかを判断することはできません。

文章問題が解けない原因には、問題文に出てくる言葉の意味が分からない、数字の意味を捉えられない、数量の関係を整理できない、計算方法を選べないなど、さまざまなものがあります。

まずは、

「問題文を正確に読めているか」

「それぞれの数字が何を表しているか説明できるか」

「数量の関係を図にできるか」

「図から自分で式を立てられるか」

と順番に確認すると、どこでつまずいているのかを見つけやすくなります。

文章問題以外の学習や日常生活でも継続的に困りごとが見られ、発達面について心配なことがある場合には、算数の文章問題だけから判断せず、学校や適切な専門機関などに相談することも検討してください。

Q2. 算数の文章問題が苦手なら国語の勉強も必要ですか?

問題文そのものを正確に読めていない場合には国語の学習も役立ちますが、算数の文章問題が苦手な原因がすべて国語にあるわけではありません。

語彙が不足していたり、文章を読み飛ばしたり、文の意味を取り違えたりしているのであれば、国語の読解や語彙の学習も必要です。

一方、文章は読めていても、「80円が3本分だから80×3」のように数量の関係を式へ変換できない子もいます。

この場合は、国語の読解問題を増やすだけでなく、「この数字は何?」「何を求めるの?」「図にするとどうなる?」と考える算数の練習が必要です。

Q3. 文章問題が苦手な小学生にはドリルをたくさん解かせた方がいいですか?

問題数を増やすことより、子どもが自力で文章の意味を考え、式を立てられる難易度のドリルを使うことを優先します。

難しい文章問題を10問解いて、10問とも親が式を教えているのであれば、子ども自身が「文章から式を立てる」練習は十分にできません。

まずは短く簡単な文章問題から、

「数字は何を表している?」

「何を求める問題?」

「どうしてこの式にしたの?」

と確認します。

1問を自分で読んで式を立てる経験を積んでから、少しずつ問題の難易度を上げていく方が、つまずいている部分を確認しながら学習できます。

Q4. 文章問題に強くなるために音読や読書は効果がありますか?

音読や読書は文章を正確に読む力を育てるうえでは役立ちますが、それだけで算数の文章問題を解けるようになるとは限りません。

音読をすると、問題文の読み飛ばしや読み間違いに気づきやすくなります。読書も、語彙を増やし文章を読むことに慣れるという点では役立ちます。

ただし、算数では文章を読んだ後に、数字の意味を理解し、数量の関係を整理して式に変える力も必要です。

音読や読書と、実際の算数の文章問題を使った「文章→数量の関係→式」の練習は分けて考えましょう。

Q5. 小学生が文章問題に強くなるコツは何ですか?

文章問題に強くなるコツは、「何算か」をすぐ考えるのではなく、数字の意味と数量の関係を確認してから式を立てる習慣をつけることです。

「残りだから引き算」「全部でだから足し算」のように言葉だけで計算方法を決めると、問題が複雑になったときに対応できないことがあります。

問題を読んだら、

「この数字は何?」

「何を求めるの?」

「数字同士はどんな関係?」

「図にするとどうなる?」

と順番に考えます。

計算方法を当てる練習ではなく、なぜその式になるのかを考える練習を重ねることが重要です。

Q6. ヒントを出せば解けるなら、文章問題を理解できていますか?

ヒントを出せば解けるだけでは、自力で文章問題を解けるところまで理解できているとは限りません。

たとえば、「210を5で割ってみたら?」というヒントを出してから解けた場合、子ども自身ができたのは、その後の計算だけかもしれません。

文章問題で確認したいのは、問題文を読んで数字の意味を理解し、数量の関係を考え、自分で式を立てられるかです。

一度ヒントを出して教えた問題は、後から解説を閉じ、何も見ない状態でもう一度解いてもらいましょう。

そこで最初から自分で式を立てられるかを見ることで、「教えてもらえばできる」から「一人でもできる」へ進んでいるかを確認できます。

まとめ|文章問題に強くなるには「自分で式を立てる過程」を大切にする

小学生が文章問題に強くなるために大切なのは、正しい式をたくさん覚えることではなく、問題文から数量の関係を読み取り、自分で式を立てられるようになることです。

この記事で特にお伝えしたかったポイントは、次の5つです。

計算ができることと、文章を読んで自分で式を立てられることは別

・「残り=引き算」のように、特定の言葉だけで何算かを決めない

・間違えたら「この数字は何?」「なぜこの式にしたの?」と聞き、子どもの考え方を確認する

「ヒントを出せばできる」と「ヒントなしでできる」を分けて考える

・一度教えた問題は、後から何も見ずにもう一度解き、自力で式を立てられるか確認する

文章問題で子どもが間違えると、親はどうしても正しい解き方を教えたくなります。

しかし、すぐに式を教える前に、

「どうしてこの式にしたの?」

と一度聞いてみてください。

子どもの答えを聞くと、単に計算方法を忘れているのではなく

「数字の意味を勘違いしている」

「文章の一つの言葉だけで何算かを決めている」

「図にはできるけれど式につながらない」

といった、具体的なつまずきが見つかることがあります。

そして、家庭学習で確認したいのは、「教えたら正解できたか」ではなく、「何も教えなくても、どこまで自分でできたか」です。

文章を読むところから、

数字の意味を理解する
→ 数量の関係を考える
→ 必要なら図にする
→ 計算方法を決める
→ 自分で式を立てる
→ 何も見ずに正解する

という流れを少しずつ一人でできるようにしていきます。

もし、家庭で何度教えても同じところでつまずく、どこまで戻って学習すればよいか分からない、親がヒントを出さないと文章問題を進められないという場合には、「もっと問題を解かせる」前に、どの段階で止まっているのかを確認することが必要です。

家庭だけでは原因を判断しにくい場合は、算数の学習状況を整理するために、家庭教師への相談もご利用ください。

お子さんが現在どこでつまずいているのかを確認したうえで、必要な単元への戻り方や、家庭学習で取り組む内容を考えていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です