低学年の家庭学習で保護者が意識したい3つのポイント

低学年のお子さんを持つ保護者の方から、

・「すぐに答えを教えてしまっていいのでしょうか?」

・「自分で考えさせた方がいいと言われますが、どこまで待てばいいのでしょうか?」

・「知識は教えない方が考える力が育つのでしょうか?」

という相談をよく受けます。

確かに、「考える力を育てましょう」という言葉はよく耳にします。

しかし、その言葉だけが一人歩きしてしまい、「教えることは悪いこと」と考えてしまう方も少なくありません。

実際には、低学年の学習では「考え抜く経験」と「適切な知識を身につけること」の両方が欠かせません。

今回は、この2つの役割について解説します。

疑問に思ったことは答を見つけられるまで考え抜く

低学年では、「答えを出すこと」よりも、「なぜだろう?」と思ったことについて考え続ける経験が非常に大切です。

例えば、7+8はどうして15になるんだろう?

という疑問を持ったとします。

ここで、「7に3を足して10、残り5だから15だよ。」とすぐ教えることもできます。

もちろん、この方法を覚えることも大切ですが、それ以上に価値があるのは、

・指を使って数えてみる

・おはじきを並べてみる

・10を作れないか試してみる

・他にもやり方はないか考える

というように、自分なりに答えを探そうとすることです。

こうした経験を繰り返すことで、「分からないことがあっても、まず自分で考えてみよう」という姿勢が育ちます。

これは算数だけでなく、将来どの教科を学ぶ上でも大きな財産になります。

また、たとえ考えた結果が間違っていても構いません。

大切なのは、「考えた」という経験そのものです。

低学年では、正解よりも「考える過程」を大事にしてあげましょう。

「言葉」を正しく覚えられるような知識を教える

一方で、「全部自分で考えさせればよい」というわけではありません。

子どもが考えている対象には、社会の中で共通に使われている名前があります。

例えば、「三角形」「長方形」「辺」こうした言葉は、自分で考えて発明するものではありません。

大人が正しく教える必要があります。

例えば、子どもが「この角がとがっている四角」と表現していたら、「これは『台形』という名前なんだよ。」と教えてあげればよいのです。

また、「ここを何というの?」という質問に対して、「自分で考えてみよう。」と言ってしまうのは適切ではありません。

名称は知識だからです。

知識を正しく覚えることで、子どもは次からその言葉を使って考えられるようになります。

つまり、知識は思考の邪魔をするものではなく、思考を支える道具なのです。

「考える」と「教える」はセット

よく、「答えを教えてはいけない」という話を耳にします。

しかし、本当に教えてはいけないのは、「考える前に答えだけを渡してしまうこと」です。

逆に、

・名前を教える

・用語を教える

・数え方を教える

・道具の使い方を教える

こうした知識は積極的に教えて構いません。

そして、その知識を使って、「じゃあ、この名前を使って説明してみよう。」「他にも同じようなものはあるかな?」と考える機会を作っていくことが重要です。

知識を与え、考えさせ、また新しい知識を身につける。

この繰り返しが、低学年の学びには最も効果的です。

まとめ

低学年の学習では、

・疑問に対して自分なりの答えを見つけるまで考え抜く経験

・考えている対象を正しく表現するための知識を身につけること

この2つが車の両輪です。

「考える力」を育てたいからといって知識を教えないのも、「効率よく教えたい」と思って考える時間を奪ってしまうのも、どちらも偏った学びになってしまいます。

お子さんが「どうしてだろう?」と考え始めたら、その時間を大切に見守る。そして、考えるために必要な言葉や知識は適切なタイミングで教える。

このバランスを意識することが、低学年の学びを大きく成長させる鍵になります。

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