小学5年生で算数が苦手になる理由と対策|つまずきやすい単元と家庭学習の進め方
小学5年生になると、これまで算数が得意だったお子さんでも、授業についていけなくなることがあります。
「4年生まではそれほど困っていなかったのに、5年生になってからテストの点数が下がってきた」
「計算はできるのに、文章問題になると手が止まってしまう」
「学校で習ったときは分かっていたはずなのに、家で解き直すとできない」
このような様子が見られる場合、単に勉強時間が足りないとは限りません。
小学5年生の算数では、小数のかけ算・わり算、分数、割合、単位量あたりの大きさ、図形など、これまで学んだ内容を組み合わせて考える場面が増えてきます。
そのため、今習っている単元だけでなく、3年生や4年生で学んだ内容に原因があることも少なくありません。
この記事では、算数専門の家庭教師としての指導経験を踏まえ、小学5年生で算数が苦手になる理由、つまずきやすい単元、家庭での具体的な対策について解説します。
小学5年生になると算数が難しくなる?
小学5年生の算数が難しく感じられる大きな理由は、これまで学んできた計算や考え方を使って、新しい問題を解く機会が増えるためです。
4年生までの内容を理解していることが前提になる
例えば、小学5年生で学ぶ小数のわり算では、整数のわり算だけでなく、小数点の位置や数の大きさについての理解も必要になります。
また、割合の問題では、かけ算やわり算ができるだけでは十分ではありません。
「何をもとにして比べているのか」
「どちらの数量が大きいのか」
「何を求めるために、かけ算やわり算を使うのか」
といったことを考える必要があります。
4年生までの内容に曖昧な部分が残っていると、5年生の新しい内容を理解することが難しくなります。
計算ができても文章問題が解けるとは限らない
計算問題では正解できるのに、文章問題になると解けなくなるお子さんもいます。
例えば、次の問題です。
あるリボンの長さは2.4mです。その0.5倍の長さは何mですか。
この問題では、
2.4×0.5=1.2
となります。
しかし、「0.5倍だから半分になる」という感覚がないと、かけ算を使うことに疑問を感じたり、反対に2.4÷0.5としてしまったりすることがあります。
計算方法を覚えていることと、数量の関係を理解していることは別です。
文章問題でつまずく場合は、式の立て方だけでなく、問題に出てくる数量の意味を理解できているか確認することが大切です。
小学5年生の算数で苦手になりやすい5つの単元
小学5年生の算数では、特につまずきが目立ちやすい単元があります。
1.小数のかけ算・わり算
小数の計算では、小数点の位置を間違えるお子さんがいます。
例えば、
3.6÷0.6
という計算で、わる数を整数にするために両方の数を10倍することを理解していないと、計算方法を混同してしまいます。
また、小数をかけると答えが小さくなる場合や、小数でわると答えが大きくなる場合についても、数の大きさを考えずに計算していることがあります。
対策
- 整数のかけ算・わり算が正確にできるか確認する
- 小数点を移動する理由を説明できるようにする
- 計算する前に答えのおよその大きさを考える
- 計算後に答えが不自然でないか見直す
小数の計算が苦手な場合、まずは整数の計算に戻って確認することも有効です。
2.分数のたし算・ひき算
小学5年生では、分母が異なる分数のたし算・ひき算を学習します。
例えば、
1/2+1/3
を計算するとき、分母同士、分子同士をそれぞれ足してしまうお子さんがいます。
これは、通分という計算手順を知らないだけでなく、分数の大きさや意味を十分に理解していない可能性があります。
対策
まずは、分母が同じ分数の計算を確認します。
その後、
1/2=3/6
1/3=2/6
のように、分数の大きさを変えずに表し方を変えることを理解させます。
分数の計算では、手順を暗記するだけでなく、図や数直線を使って分数の大きさを確認することも大切です。
3.割合
割合は、小学5年生の算数で特に苦手意識を持ちやすい単元の一つです。
例えば、
定価800円の品物を20%引きで買いました。代金はいくらですか。
という問題では、
800×0.8=640
と計算できます。
しかし、20%引きという言葉を見て、800×0.2=160を答えにしてしまうお子さんもいます。
この場合、計算自体は間違っていません。
問題で求められているのが「値引きされた金額」なのか「実際に支払う金額」なのかを区別できていないことが原因です。
対策
割合の問題では、いきなり公式に数字を当てはめないようにします。
まず、
- もとにする量は何か
- 比べられる量は何か
- 割合は何を表しているのか
を確認します。
また、線分図を使って数量の関係を整理することも効果的です。
4.単位量あたりの大きさ
単位量あたりの大きさでは、異なる数量を比較するために、基準となる量をそろえる必要があります。
例えば、
Aの畑では30㎡で120kg、Bの畑では40㎡で140kgの野菜が収穫できました。どちらの畑の方が、1㎡あたりの収穫量が多いでしょうか。
という問題です。
Aの畑は、
120÷30=4(kg)
Bの畑は、
140÷40=3.5(kg)
となるので、Aの畑の方が1㎡あたりの収穫量が多いことが分かります。
ここで重要なのは、単にわり算をすることではありません。
何を1あたりにそろえて比較するのかを理解することです。
対策
式を立てる前に「1㎡あたり何kgになるかを求めよう」と言葉で確認します。
計算した答えには必ず単位をつけ、何を求めた数なのか説明できるようにしましょう。
5.図形の面積・体積
小学5年生では、三角形や平行四辺形、台形、ひし形などの面積を学習します。また、直方体や立方体の体積も扱います。
図形が苦手なお子さんの中には、公式は覚えていても、どの長さを使えばよいのか分からない場合があります。
例えば、平行四辺形の面積では、
底辺×高さ
という公式を覚えていても、斜めの辺を高さとして使ってしまうことがあります。
対策
公式に数字を代入する前に、底辺と高さがどこにあるのか図に書き込ませます。
さらに、なぜその公式で面積を求められるのか、図形を切ったり移動させたりして考えることも有効です。
公式の暗記だけで終わらせず、図形の性質と結びつけて理解することが大切です。
小学5年生で算数が苦手な子に共通する学習上の問題
算数が苦手なお子さんを指導していると、単元の理解不足だけでなく、勉強の進め方にも課題が見られることがあります。
解説を聞いて分かっただけで終わっている
解説を聞いた直後は問題を解けても、翌日になると解けなくなることがあります。
これは、解説を理解したことと、自分の力で問題を解けるようになったことが同じではないためです。
解説を聞いて理解できたら、次は何も見ずに解き直すことが必要です。
そして、数字や条件を変えた類題でも同じ考え方を使えるか確認します。
間違えた問題を解き直していない
テストや宿題で間違えた問題を、丸つけだけで終わらせていないでしょうか。
答えを赤ペンで書き写しても、次に同じような問題が出たときに解けるとは限りません。
間違えた問題は、まず原因を確認する必要があります。
計算ミスなのか、問題文を読み違えたのか、それとも解き方そのものが分からなかったのか。
原因によって、必要な対策は異なります。
難しい問題ばかり練習している
算数が苦手だからといって、難しい問題をたくさん解けばできるようになるわけではありません。
基本問題を十分に理解していない段階で応用問題に取り組んでも、解説を読むだけの学習になってしまうことがあります。
まずは、自分の力で解ける問題を増やすことを優先しましょう。
小学5年生の算数が苦手な場合は何年生まで戻る?
小学5年生の算数が苦手だからといって、必ずしも5年生の教科書を最初からやり直す必要はありません。
大切なのは、どこから理解が曖昧になっているのかを確認することです。
小数の計算が苦手なら4年生の内容を確認する
小数のわり算で間違いが多い場合、4年生で学んだ小数のしくみや整数のわり算を確認します。
特に、わり算の筆算や九九が不安定な場合は、さらに前の学年まで戻ることも必要です。
割合が苦手ならかけ算・わり算の意味を確認する
割合の公式を覚えていても、問題に応じて使い分けられない場合があります。
そのようなときは、割合の問題を繰り返す前に、
「3個で240円の品物は、1個いくらか」
「1個80円の品物を5個買うといくらか」
といった基本的な数量関係を理解できているか確認します。
図形が苦手なら4年生までの面積に戻る
三角形や平行四辺形の面積が苦手な場合、長方形や正方形の面積を正しく求められるか確認します。
面積の単位や、縦と横をかける意味が曖昧なままでは、新しい公式を覚えても混乱しやすくなります。
前の学年に戻ることは、勉強が遅れることではありません。
今の単元を理解するために必要な内容を補うことで、その後の学習を進めやすくなります。
小学5年生の算数苦手対策|家庭で実践したい5つの方法
家庭学習では、勉強時間を増やす前に、取り組み方を見直すことをおすすめします。
1.最初は確実に解ける問題から始める
苦手な単元を勉強するときは、最初から難しい問題を出さないようにします。
例えば、小数のわり算が苦手なら、
6÷2
1.2÷2
1.2÷0.2
というように、少しずつ難易度を上げていきます。
できる問題から始めることで、どの段階で理解が止まっているのかを確認できます。
2.例題を解いたら類題を解く
解説を読んだ後は、数字を変えた類題を解くことが大切です。
例えば、
2.4÷0.6
という計算を学習したら、
3.6÷0.9
4.8÷0.8
などの問題に取り組みます。
ここでは、解説を見ずに同じ考え方を使えるか確認します。
3.翌日にもう一度解き直す
その日に正解できた問題でも、翌日には解き方を忘れていることがあります。
そのため、一度できた問題を翌日や数日後に解き直す機会を設けましょう。
特に、以前間違えた問題については、何も見ずに正解できるようになったかを確認することが大切です。
4.丸つけの前に見直しをする
計算ミスが多いお子さんには、丸つけをする前に自分で見直す習慣をつけることをおすすめします。
例えば、
- 数字を正しく写しているか
- 計算の途中で符号や小数点を間違えていないか
- 問題で求められているものを答えているか
- 単位を書き忘れていないか
などを確認します。
最初からすべてを見直そうとするのではなく、普段よく間違えるところを一つずつ確認することから始めましょう。
5.短時間でも継続して取り組む
算数が苦手なお子さんの場合、長時間勉強することが負担になることもあります。
まずは1日15〜20分程度を目安に、無理なく取り組める量から始めてもよいでしょう。
例えば、
- 5分:前回の復習
- 10分:基本問題と類題
- 5分:見直しと間違いの確認
という進め方です。
ただし、15〜20分という時間にこだわる必要はありません。
大切なのは、決めた時間だけ机に向かうことではなく、その日に学習した内容を自分の力で解けるようにすることです。
小学5年生の算数が苦手な場合、中学受験の勉強はどう進める?
中学受験を予定している小学5年生の場合、学校の算数だけでなく、塾の学習内容にも対応する必要があります。
特に5年生では、割合、比、速さ、図形など、入試につながる重要な内容を学習するため、苦手を残したまま進むことに注意が必要です。
塾の宿題をすべて終わらせることを目標にしない
塾の宿題が多い場合、問題を終わらせることだけが目的になってしまうことがあります。
しかし、解説を見ながら難しい問題を解き続けても、理解が十分に深まらない場合があります。
算数が苦手なお子さんには、基本問題や標準問題の中から優先して取り組む問題を選ぶことも必要です。
塾の進度と苦手単元の復習を並行する
5年生で算数が苦手になった場合、塾の授業をすべて中断して前の学年に戻ることは、現実的ではないこともあります。
そのため、現在の塾の学習を続けながら、理解が不十分な単元を少しずつ補う方法が考えられます。
例えば、塾で速さを学習しているときに、小数のわり算が不安定であれば、速さの基本問題と並行して小数の計算を復習します。
今週の授業内容と、必要な復習内容の優先順位を決めることが大切です。
応用問題より基本問題の定着を優先する
中学受験では、難しい問題を解けるようになることも必要です。
しかし、基本問題で計算ミスが多かったり、考え方を理解していなかったりする場合は、まず基本問題を確実に解けるようにすることを優先しましょう。
特に、一度説明を聞いて解けた問題を、後日もう一度、自分の力で解けるかを確認することが重要です。
小学5年生の算数が苦手なとき、保護者が気をつけたいこと
家庭で算数を教えるときには、つい「どうしてこんな問題が分からないの?」と言いたくなることもあるかもしれません。
しかし、お子さん自身も、どこが分からないのか説明できないことがあります。
そのような場合は、間違いを指摘するだけでなく、どの段階まで理解できているのかを確認してみましょう。
例えば、文章問題が解けない場合は、
「問題に書いてあることは分かる?」
「何を求める問題かな?」
「この数字は何を表しているかな?」
と、一つずつ確認します。
そして、できている部分については具体的に伝えることが大切です。
「式は違ったけれど、何を求める問題かは分かっているね」
「前より計算が正確になったね」
というように、学習の過程で改善した部分を認めていきましょう。
よくある質問
Q.小学5年生で算数が苦手でも、6年生までに克服できますか?
苦手になっている原因や、理解が不十分な単元の数によって異なりますが、5年生からでも学習方法を見直すことは十分に可能です。
ただし、短期間で難しい問題まで解けるようになることを目標にするのではなく、まずは基本問題を自分の力で解けるようにすることが大切です。
Q.小学5年生の算数のテストで60点程度の場合、何から始めればよいですか?
まずは、間違えた問題を確認しましょう。
計算ミスが多いのか、文章問題で式が立てられないのか、図形の公式を使えないのかによって、必要な対策が異なります。
点数だけで学力を判断せず、どの問題を、なぜ間違えたのかを確認することが大切です。
Q.小学5年生の算数は親が教えた方がよいですか?
保護者が教えること自体に問題はありません。
ただし、説明が長くなったり、親子で感情的になったりする場合は、無理に教え続ける必要はありません。
保護者の役割を、問題を教えることよりも、学習内容の確認や取り組みやすい環境づくりに置く方法もあります。
Q.小学5年生から算数の家庭教師をつけるのは遅いですか?
小学5年生からでも遅いとは限りません。
大切なのは、現在の理解度を確認し、必要な単元から学習を始めることです。
特に、学校や塾の授業についていけなくなっている場合は、どこから復習すればよいのかを明確にすることが重要です。
まとめ|小学5年生の算数苦手対策は「できない原因」を見つけることから
小学5年生の算数では、小数、分数、割合、単位量あたりの大きさ、図形など、これまで学んだ内容を使って考える単元が増えます。
そのため、算数が苦手になったときには、今習っている単元だけを繰り返すのではなく、前の学年まで含めて理解が不十分なところを確認することが大切です。
家庭学習では、次のことを意識してみてください。
- どの単元でつまずいているのかを確認する
- 必要であれば3年生・4年生の内容まで戻る
- 確実に解ける基本問題から始める
- 例題を理解したら、類題を自分の力で解く
- 間違えた問題を後日もう一度解き直す
算数が苦手なお子さんに必要なのは、必ずしも勉強時間を増やすことではありません。
今のお子さんに合った問題から始め、理解したことを自分の力で再現できるようにすることが大切です。
小学5年生の算数が苦手でお困りの保護者の方へ
「学校の授業についていけなくなってきた」
「塾の宿題を頑張っているのに、算数の成績が上がらない」
「前の学年に戻った方がよいと思うけれど、どこから復習すればよいか分からない」
このようなお悩みがある場合は、まずお子さんの現在の理解度を確認することから始めてみませんか。
算数・数学専門の家庭教師として、お子さんがどこでつまずいているのかを確認し、必要な単元まで戻りながら、一人で問題を解けるようになることを目指して指導しています。
学校の算数に不安がある小学5年生のお子さんにも、中学受験に向けて算数を立て直したいお子さんにも、現在の学習状況に応じて対応しています。
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