「この前はできていたのに、なぜ今日は解けないの?」
お子さんの勉強を見ていると、このような場面に出会うことはありませんか。
塾で習った直後はできていた問題が、数週間後には全く解けなくなっている・・・。
テスト前に覚えたはずなのに、本番では思い出せない・・・。
実はこれは珍しいことではありません。
算数が苦手な子だけでなく、成績上位の子でも同じようなことが起こります。
今回は、一度学んだことを忘れてしまう理由と、忘れにくくするための具体的な対策について解説します。
算数は「覚える教科」ではなく「できるようになる教科」
まず大前提として知っておきたいことがあります。
それは、「分かった」と「できる」は別物だということです。
授業を聞いて、
・なるほど
・分かった気がする
・解説を見れば理解できる
という状態は、まだ「理解した段階」です。
しかしテストでは、
・解説なし
・ヒントなし
・一人で
解かなければなりません。
つまり、自力で再現できて初めて身についたと言えるのです。
多くの子どもは「分かった」で学習を終えてしまうため、時間が経つと忘れてしまいます。
忘れてしまう理由① 解説を見て理解しただけ
最も多い原因です。
例えば割合の問題を学習したとします。
解説を読むと、「なるほど、そうやるのか」と思います。
しかし実際には、
・自分で式を立てたわけではない
・自分で考えたわけではない
ので、脳にはあまり定着していません。
映画を見た翌日に細かい内容を忘れてしまうのと同じです。
見ただけでは記憶は定着しにくいのです。
忘れてしまう理由② 復習する回数が足りない
人間は忘れる生き物です。
一度覚えた内容でも、何もしなければどんどん忘れていきます。
塾で習っただけで覚え続けられる子はほとんどいません。
例えば、
・月曜日に学習
・金曜日に復習
だけでは不十分です。
忘れかけた頃に思い出す作業が必要になります。
忘れてしまう理由③ 「解き方」を覚えているだけ
算数が苦手な子によく見られるパターンです。
例えば、「旅人算はこう解く」「つるかめ算はこう解く」と手順だけを覚えます。
すると少し問題文が変わっただけで対応できません。
なぜなら、考え方ではなく手順だけを覚えているからです。
問題を解くときに、「なぜこの式になるの?」を確認しましょう。
例えば速さなら、
・速さとは何か
・時間とは何か
・距離とは何か
を説明できる状態を目指します。
説明できる知識は忘れにくくなります。
忘れてしまう理由④ 前提単元が理解できていない
実はこれも非常に多いです。
例えば、割合ができない子を調べると、「かけ算やわり算が不安」というケースがあります。
割合は突然学ぶ単元ではありません。
これまで学んだ内容の上に積み重なっています。
土台が弱い状態では、新しい内容も定着しません。
分からなくなったら、どこまで戻れば理解できるかを確認しましょう。
遠回りに見えますが、実は最短ルートです。
忘れてしまう理由⑤ 自分で考える時間が少ない
最近は動画や解説が充実しています。
しかし、すぐに答えを見る習慣がついてしまうことがあります。
考える前に答えを見ると、脳は「覚える必要がない」と判断します。
その結果、記憶に残りにくくなります。
問題を見たら最低でも5分は考えましょう。
すぐに解けなくても構いません。
・図を書く
・条件を整理する
・分かる部分を書き出す
だけでも十分です。
考えた後に解説を見る方が、はるかに定着します。
算数を忘れにくくする最強の方法
私が指導していて最も効果を感じる方法があります。
それは、「解説を見ないで正解できるまで繰り返す」ことです。
多くの子は、「一度解けた」「丸がついた」で終わってしまいます。
しかし本当に身についた状態とは、1週間後でも、1か月後でも、解説なしで解ける状態です。
そのため、
・間違えた問題
・少し迷った問題
は必ず保存しておき、定期的に解き直しましょう。
保護者ができるサポート
家庭では次の声掛けがおすすめです。
「なんで忘れたの?」ではなく、「もう一回やってみよう」と言ってあげてください。
忘れること自体は自然なことです。
大切なのは、忘れた後に思い出す作業を繰り返すことです。
この積み重ねが、本当の学力になります。
まとめ
算数を忘れてしまう主な原因は次の5つです。
・解説を見て理解しただけ
・復習回数が足りない
・解き方だけ覚えている
・前提単元が理解できていない
・自分で考える時間が少ない
そして最も大切なのは、「分かった」で終わらず、「解説なしで解ける」状態まで繰り返すことです。
算数は才能ではなく積み重ねです。
もしお子さんが「できたはずなのに忘れてしまう」状態を繰り返しているなら、学習量の問題ではなく、学習方法を見直すことで大きく改善できる可能性があります。
焦らず、一つひとつ「自力で解ける問題」を増やしていきましょう。
