旅人算の教え方 プロ家庭教師が実践する苦手な子への教え方を詳しく解説

「速さの和や速さの差を覚えさせても、問題になると解けない…」

このようなお悩みを持つ保護者の方は少なくありません。

実際に中学受験の指導をしていると、旅人算が苦手な子の多くは、「公式を覚えていない」のではなく、問題の考え方そのものが身についていないことがほとんどです。

特に算数が苦手な子は、

・出会い算と追いつき算の違いが分からない

速さの和速さの差を使い分けられない

・線分図を書いても何を表しているのか理解できない

・少し問題文が変わると解けなくなる

という状態になりやすくなります。

しかし、私が家庭教師として多くのお子さんを指導してきた経験では、「距離がどのように変化しているか」を先に理解できるようになると、旅人算は驚くほど理解しやすくなります。

公式は、その考え方を整理するためのものです。

逆に、考え方が身についていない状態で公式だけを覚えてしまうと、応用問題になった途端に手が止まってしまいます。

この記事では、中学受験専門の家庭教師として実際に行っている指導方法をもとに、

旅人算とはどのような問題なのか

・算数が苦手な子がつまずく理由

・家庭で実践できる効果的な教え方

・出会い算・追いつき算へ応用できる考え方

を詳しく解説します。

「公式を覚える」ではなく、「なぜその公式になるのか」を理解できるようになることが、旅人算を得意にする一番の近道です。

旅人算とは?まず理解しておきたい基本を確認しよう

旅人算とは、「人や乗り物が移動するときの距離・速さ・時間の関係」を考える特殊算です。

中学受験では頻出単元であり、出会い算や追いつき算、周回算などの土台にもなります。

「旅人算」という名前だけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、本質的には「動いている人どうしの距離がどのように変化するか」を考える問題です。

この基本を理解しておくことで、応用問題にも対応しやすくなります。

旅人算とはどんな問題?

旅人算とは、2人以上が動くことで距離がどのように変化するかを考える問題です。

例えば、次のような問題があります。

・向かい合って歩く2人が何分後に出会うか

・後ろから速い人が追いかけて何分後に追いつくか

・円形のコースを歩いて何周後に出会うか

このような問題では、単純に「速さ・時間・距離」の公式を使うだけではなく、「2人の間の距離が近づいているのか、それとも遠ざかっているのか」を考えることが大切です。

多くの参考書では、

・出会いなら「速さの和」

・追いつきなら「速さの差」

という形で説明されています。

もちろん、この考え方自体は間違いではありません。

しかし、算数が苦手な子にとっては、「なぜ和になるのか」「なぜ差になるのか」が理解できず、公式だけを暗記してしまうことがよくあります。

その結果、問題の条件が少し変わるだけで解けなくなってしまいます。

旅人算を本当に理解するためには、「公式」ではなく、「距離がどのように変化しているか」を考えることが出発点になります。

旅人算はいつ習う?中学受験ではどのくらい重要?

旅人算は、多くの中学受験塾で小学5年生頃から学び始める重要単元です。

この時期になると、割合や比、速さなど、それまで学んできた内容を組み合わせた問題が増えてきます。

旅人算もその一つであり、

出会い算

追いつき算

周回算

など、多くの特殊算につながる考え方を身につける単元です。

そのため、この単元でつまずくと、「速さの問題が苦手」という印象を持ってしまう子も少なくありません。

一方で、考え方を正しく理解できるようになると、他の特殊算にも共通する思考力が身につきます。

中学受験では、旅人算そのものを解けることだけでなく、「距離の変化を考える力」を育てることが、その後の学習にも大きく役立つのです。

なぜ旅人算が苦手になる子が多いのか?

旅人算が苦手になる一番の理由は、「公式を覚えているかどうか」ではなく、「問題の状況を頭の中でイメージできていないこと」です。

中学受験の指導をしていると、「速さの和を使うんだよ」「ここは速さの差だよ」と教わってきたにもかかわらず、問題になると手が止まってしまう子は少なくありません。

実は、そのような子どもたちに共通しているのは、公式ではなく「距離がどう変化しているか」を理解できていないことです。

そのため、少し問題の条件が変わるだけで、

・どの公式を使えばよいのか分からない

・出会い算と追いつき算を混同する

・線分図を書いても意味が分からない

という状態になってしまいます。

ここでは、私が家庭教師として指導する中で特に多く見られる原因を2つご紹介します。

公式を覚えても解けないのはなぜ?

公式だけを覚えてしまうと、「なぜその式になるのか」が分からず、応用問題で対応できなくなるからです。

例えば、出会い算では「速さの和を使う」、追いつき算では「速さの差を使う」と教えられることが多いでしょう。

もちろん、計算方法としては正しい考え方です。

しかし、算数が苦手な子に「どうして和になるの?」「なぜ差を使うの?」と質問すると、答えられないケースが非常に多くあります。

これは、公式だけを暗記し、「考え方」まで理解できていないためです。

例えば、向かい合って歩いている2人を考えてみましょう。

Aさんが1分で50m進み、Bさんが1分で70m進むとします。

このとき、2人の間の距離は1分間で何m縮まるでしょうか。

答えは、「50m+70m=120m」です。

つまり、2人が合わせて120m分近づくから、「速さの和」になるのです。

一方、追いつき算ではどうでしょうか。

前を歩く人が1分で50m、後ろの人が1分で70m進む場合、1分間で縮まる距離は20mです。

これは、「70m-50m=20m」だからです。

つまり、「速さの差だから差を使う」のではなく、「距離が1分間で20m縮まるから差になる」という順番で考えることが大切です。

この順番で理解できるようになると、初めて見る問題でも自分で考えながら解けるようになります。

公式は覚えるものではなく、「距離の変化」を整理した結果として自然に導かれるものです。

文章問題として理解できていないケースも多い

旅人算が苦手な子は、計算ではなく、問題文の状況を読み取る段階でつまずいていることも少なくありません。

例えば、

・誰がどこから出発したのか

・同じ方向へ進んでいるのか

・向かい合っているのか

・どちらが速いのか

といった情報を整理できていないまま計算を始めてしまう子は非常に多くいます。

この状態では、どんなに公式を覚えていても正しく使うことはできません。

そこで私が指導するときには、すぐに式を書かせることはありません。

最初に必ず、

・「2人は近づいている?遠ざかっている?」

・「1分後には距離はどうなる?」

・「どちらがたくさん進むかな?」

といった質問を投げかけます。

すると、子ども自身が状況を少しずつ言葉で説明できるようになり、その後で線分図を書かせると、「この線が2人の距離なんだ」と理解できるようになります。

逆に、最初から線分図だけを書かせても、「何を表している図なのか」が分からなければ、ただ形を真似しているだけになってしまいます。

旅人算では、式を書く前に「問題の場面をイメージできること」が何よりも重要です。

これは旅人算だけではなく、割合や比、速さなど、中学受験の多くの文章問題にも共通する考え方です。

「計算方法」を教える前に、「何が起こっている問題なのか」を一緒に確認することが、苦手な子を伸ばすための第一歩になります。

プロ家庭教師も実践する旅人算の教え方とは?

旅人算が苦手な子ほど、公式を教える前に「距離がどう変化しているか」を理解できるようにすることが大切です。

私は中学受験専門の家庭教師として、これまで多くの算数が苦手なお子さんを指導してきました。

その中で強く感じるのは、「速さの和」「速さの差」という公式から教え始めるよりも、距離の変化を理解できるようになった子の方が、その後の伸びが大きいということです。

もちろん、公式を覚えることも必要です。

しかし、それは「考え方を整理するため」のものであり、「考え方そのもの」ではありません。

ここでは、私が実際の指導で意識している3つのポイントをご紹介します。

最初に教えるべきなのは「距離の変化」です

苦手な子には、「速さ」ではなく「距離がどう変わるか」を最初に考えてもらいます。

例えば、出会い算を教えるときに、「この問題は速さの和を使うよ。」とは、私はほとんど言いません。

代わりに、

・「2人の間の距離は近づいているかな?」

・「1分後には今より近くなる?遠くなる?」

・「どれくらい近づくと思う?」

という質問をします。

すると、多くの子どもは、「近づいている。」ということには気付くことができます。

そこから、「Aさんは1分で50m進むね。」「Bさんは1分で70m進むね。」と確認すると、「じゃあ1分で全部で120m近づくね。」という考え方を自然に導くことができます。

つまり、「50+70=120」という式は、「速さを足した」のではなく、「1分間で縮まる距離」を求めた結果なのです。

追いつき算でも同じです。

前の人が50m、後ろの人が70m進むなら、「1分間でどれくらい距離が縮まる?」と考えることで、「70-50=20」という式になります。

このように考えられるようになると、「速さの和だから足す」「速さの差だから引く」という暗記から卒業し、自分で考えて式を立てられるようになります。

これは旅人算だけでなく、他の速さの問題にも応用できる、とても大切な考え方です。

線分図を使うと理解しやすい?

線分図は、「見えない距離の変化」を目で見える形にできるため、苦手な子ほど効果があります。

文章だけで問題を理解することが苦手なお子さんは少なくありません。

そこで役立つのが線分図です。

ただし、線分図は「描けば理解できる」ものではありません。

私が指導するときは、

① 最初の距離を書く

② 2人がどちらへ動くか矢印を書く

③ 動いた後の距離を考える

という順番で、一緒に図を完成させていきます。

例えば、「最初は300m離れている。」という状況なら、「この300mはどこの距離かな?」と確認します。

そのあとで、「1分後には、この300mはどう変わる?」と質問すると、「短くなる。」という答えが返ってきます。

このように、図を描く目的を理解してから線分図を書くことで、「線分図を書くために線分図を書く」のではなく、「距離の変化を理解するために線分図を書く」という意識が身につきます。

その結果、初めて見る問題でも、自分で図を書いて整理できるようになります。

速さの和・速さの差は最後に整理すれば十分

「速さの和」「速さの差」は、考え方を理解したあとに整理すれば十分です。

保護者の方から、「やっぱり公式は覚えた方がいいですか?」と質問されることがあります。

もちろん、中学受験では計算を素早く進めるために公式を整理することは必要です。

しかし、その順番が重要です。

私の指導では、

・問題の場面をイメージする

・距離がどう変化するか考える

・1分間で距離がどれだけ変わるか考える

・最後に「これは速さの和だね」「これは速さの差だね」と整理する

    という流れで学習を進めています。

    この順番なら、「出会い算」→「追いつき算」→「周回算」へと学習が進んでも、「距離がどう変わるか」という共通した視点で考えられるようになります。

    公式はゴールではありません。考え方を整理した結果として身につくものです。

    この順番で学ぶことで、算数が苦手な子でも、「なぜその式になるのか」を自分の言葉で説明できるようになり、応用問題にも対応できる力が育っていきます。

    出会い・追いつきはどう教えればよいか?

    出会い算と追いつき算は、別々の単元として覚えるのではなく、「2人の間の距離がどのように変化するか」という共通した視点で教えることが大切です。

    「出会い算は足し算、追いつき算は引き算」と覚えてしまうと、問題の条件が少し変わっただけで迷ってしまいます。

    一方で、「距離は縮まっているのか」「1分でどれだけ縮まるのか」という考え方が身につけば、どちらの問題も同じ流れで考えられるようになります。

    ここでは、家庭で教える際のポイントをそれぞれ見ていきましょう。

    出会い算は何を考えれば解ける?

    出会い算では、「2人が1分間でどれだけ近づくか」を考えることが最も重要です。

    例えば、AさんとBさんが向かい合って歩いている場面を考えてみましょう。

    Aさんは1分で50m、Bさんは1分で70m進むとします。

    このとき、「2人の距離はどう変わるかな?」と質問すると、多くの子どもは「近づいている。」と答えることができます。

    次に、「1分でAさんは50m進むね。」「Bさんは70m進むね。」と確認すると、「じゃあ2人の間の距離は1分で120m縮まるね。」という考え方につながります。

    この時点では、まだ速さの和という言葉を使う必要はありません。

    子ども自身が、「1分で120m近づく。」という事実を理解できれば、その後に「50+70=120」という式を見ても、「だから足し算なんだ。」と納得できます。

    「速さの和だから足す」のではなく、「距離が120m縮まるから足す」という順番で教えることが、理解への近道です。

    追いつき算との違いはどこにある?

    追いつき算も、考えることは出会い算と同じです。違うのは、「速い人だけが距離を縮められる」という点です。

    例えば、「前を歩く人が1分で50m、、後ろから追いかける人が1分で70m進む」とします。

    このとき、「2人とも前へ進んでいるけれど、距離はどうなる?」と聞くと、「少しずつ近づく。」ということは理解できます。

    では、「1分でどれだけ近づくかな?」と質問すると、「70-50=20」という式につながります。

    ここで大切なのは、「速さの差だから引く」のではなく、「1分で20mしか縮まらないから引き算になる」という考え方です。

    このように説明すると、出会い算との違いも自然に理解できます。

    出会い算追いつき算
    向かい合って進む同じ方向へ進む
    2人とも距離を縮める速い人だけが距離を縮める
    速さの和になる速さの差になる

    この表だけを覚えるのではなく、「なぜその式になるのか」を説明できることが、本当に理解できた状態です。

    周回算も同じ考え方で解ける?

    周回算も、「距離の変化」を考えるという点では、出会い算や追いつき算とまったく同じ考え方です。

    円形のコースになると、「急に難しくなった。」と感じる子は少なくありません。

    しかし、実際に変わっているのは道の形だけです。

    考えることは、

    ・今、2人はどれくらい離れているか

    ・1分でその距離はどれだけ変化するか

    ・距離が0になれば出会うのか

    ・コース1周分になれば再び出会うのか

    ということだけです。

    つまり、「距離がどう変化するか」という視点が身についていれば、出会い算・追いつき算・周回算を別々に覚える必要はありません。

    私は実際の指導でも、「これは周回算だから新しい解き方を覚えよう。」とはほとんど言いません。

    代わりに、「今までと同じように距離の変化を考えてみよう。」と声をかけます。

    すると、多くの子どもは、「考え方は同じなんだ。」と気付き、新しい単元にも自信を持って取り組めるようになります。

    旅人算を得意にするためには、問題の種類を増やして覚えるのではなく、「距離の変化」という一つの考え方を深く理解することが最も重要です。

    家庭で旅人算を教えるときのポイントは?

    家庭で旅人算を教えるときは、「答えを教えること」よりも「考え方に気付いてもらうこと」を意識することが大切です。

    保護者の方は、お子さんが困っていると、つい解き方や公式を説明したくなるものです。

    しかし、算数が苦手な子ほど、一方的に説明を聞くだけでは理解につながりにくい傾向があります。

    私が家庭教師として指導するときも、できるだけ答えを教えるのではなく、「どう考えたの?」「距離はどう変わっているかな?」という問いかけを大切にしています。

    このようなやり取りを繰り返すことで、子ども自身が考える習慣を身につけられるようになります。

    ここでは、家庭学習で特に意識していただきたい3つのポイントをご紹介します。

    すぐに公式を教えない方がよい理由

    公式を最初に覚えるよりも、「なぜその式になるのか」を理解する方が、結果として応用力が身につきます。

    例えば、出会い算では「速さの和」、追いつき算では「速さの差」を使います。

    このことだけを覚えると、「今回は足し算かな?」「引き算かな?」という判断になってしまい、問題の条件が少し変わると迷ってしまいます。

    一方で、

    ・2人の距離は近づいているのか

    ・1分でどれくらい距離が縮まるのか

    という考え方から入れば、式は自然に決まります。

    そのため、ご家庭でも、「ここは足し算だよ。」ではなく、「どうして足し算になると思う?」と問いかけてみてください。

    最初は答えられなくても構いません。

    親子で一緒に考える時間が、算数の理解を深めるきっかけになります。

    公式は暗記するものではなく、「考え方を整理した結果」として身につけるものです。

    問題プリントはいつ使うべき?

    問題プリントは、考え方を理解したあとに使うことで、より高い学習効果が期待できます。

    インターネットには、旅人算の問題プリントや練習問題が数多く公開されています。

    しかし、理解が十分でないまま問題数だけを増やしてしまうと、

    ・また間違える

    ・分からないまま次へ進む

    ・苦手意識が強くなる

    という悪循環になってしまうことがあります。

    おすすめしたいのは、

    ・考え方を理解する

    ・例題を自力で解けるようにする

    問題プリントで同じ考え方を繰り返し練習する

      という順番です。

      また、最初から難しい中学受験レベルの問題に挑戦する必要はありません。

      基本的な問題を確実に解けるようになってから、少しずつ応用問題へ進んでいく方が、理解は定着しやすくなります。

      「たくさん解くこと」よりも、「考え方を確認しながら解くこと」の方が、算数が苦手な子には効果的です。

      理解できたか確認する方法は?

      本当に理解できたかどうかは、「子どもが自分の言葉で説明できるか」を確認すると分かります。

      丸付けをして正解だったとしても、それだけでは理解できたとは言えません。

      たまたま解けただけの場合もあるからです。

      そこでおすすめしたいのが、「どうしてその式になったの?」と聞いてみることです。

      例えば、「2人の距離が1分で120m縮まるから。」という説明ができれば、考え方を理解している可能性が高いでしょう。

      逆に、「先生がそう言っていたから。」「速さの和だから。」という答えしか返ってこない場合は、もう一度距離の変化に注目しながら考え直してみることをおすすめします。

      もちろん、最初から上手に説明できる子は多くありません。

      その場合は、

      ・「近づいている?遠ざかっている?」

      ・「1分後の距離はどうなる?」

      ・「どちらがたくさん進むかな?」

      といった簡単な質問から始めると、少しずつ考え方を言葉にできるようになります。

      子どもが説明できるようになったとき、旅人算は「覚えた単元」ではなく、「理解した単元」へと変わります。

      旅人算ができるようになるために大切なこと

      公式よりも「変化を見る力」が算数全体を伸ばします

      旅人算ができるようになるために最も大切なのは、公式を覚えることではなく、「距離がどのように変化しているか」を考える習慣を身につけることです。

      この記事では、旅人算の教え方について、

      旅人算とはどのような問題なのか

      ・苦手になる理由

      ・家庭教師が実践している教え方

      ・出会い算・追いつき算・周回算への応用方法

      ・家庭学習で意識したいポイント

      をご紹介してきました。

      これらに共通している考え方は一つです。

      それは、「公式から考える」のではなく、「何が起こっている問題なのか」を考えることです。

      例えば、出会い算なら、「2人が近づいている」、追いつき算なら、「後ろの人が少しずつ差を縮めている」、周回算なら、「コース上で2人の間の距離が変化している」というように、まず状況を理解することから始めます。

      その結果として、「速さの和」「速さの差」という式が自然に導かれます。

      この考え方は、旅人算だけに役立つものではありません。

      旅人算で身につく「変化を見る力」は、算数全体の土台となる思考力なのです。

      私自身、これまで多くの算数が苦手なお子さんを指導してきましたが、大きく成績が伸びる子には共通点があります。

      それは、「先生、この問題って距離が近づいているんだよね。」「だから1分でどれだけ変わるか考えればいいんだ。」というように、公式ではなく現象を見て考えられるようになっていることです。

      この状態になると、初めて見る問題でも自分で考えながら解けるようになります。

      反対に、公式だけを覚えている状態では、問題文が少し変わるだけで手が止まってしまうことが少なくありません。

      算数が得意になる子は、「覚える子」ではなく、「気付ける子」です。

      だからこそ、ご家庭でも、「どんな公式を使う?」ではなく、「今、何が起こっているかな?」「距離はどう変わっているかな?」という問いかけを意識してみてください。

      その積み重ねが、旅人算だけでなく、その先の中学受験算数にもつながる大きな力になっていきます。

      よくある質問(FAQ)

      Q1. 旅人算はいつ頃から勉強を始めるのでしょうか?

      A1. 多くの中学受験塾では小学5年生頃から学び始めます。

      旅人算は、速さ・割合・比など、それまでに学習した内容を組み合わせて考える単元です。そのため、前提となる計算力や文章題を読む力が身についていることが重要になります。もし苦手意識がある場合は、旅人算だけでなく、速さや割合の基礎まで戻って復習すると理解しやすくなります。

      Q2. 旅人算と出会い算・追いつき算の違いは何ですか?

      A2. 出会い算や追いつき算は、旅人算の代表的な問題の一つです。

      旅人算とは、人や乗り物が移動する問題全体を指します。その中に、向かい合って進む「出会い算」、同じ方向へ進む「追いつき算」、円形コースを進む「周回算」などがあります。どれも「距離がどう変化するか」を考えるという点では共通しています。

      Q3. 線分図を書いても子どもが理解できません。どうすればよいですか?

      A3. 線分図を書く前に、問題の状況を言葉で説明してもらうことをおすすめします。

      線分図は理解するための道具であり、描くこと自体が目的ではありません。「2人は近づいている?」「1分後には距離はどうなる?」と問いかけながら状況を整理してから図を書くと、線分図の意味を理解しやすくなります。

      Q4. 旅人算は公式を覚えた方がよいですか?

      A4. 公式は必要ですが、最初に覚えるものではありません。

      まずは「距離がどのように変化するか」を理解し、その結果として速さの和速さの差が導かれることを学びましょう。この順番で学ぶことで、応用問題にも対応しやすくなります。

      Q5. 旅人算の問題プリントだけをたくさん解けばできるようになりますか?

      A5. 問題数を増やすだけでは十分ではありません。

      考え方を理解する前に問題を繰り返しても、公式の当てはめになりやすく、少し条件が変わると解けなくなってしまいます。まずは例題で考え方を理解し、その後に問題プリントで反復練習することをおすすめします。

      まとめ

      旅人算は、「速さの和」や「速さの差」を覚える単元ではなく、「距離がどのように変化しているか」を考える単元です。

      今回の内容を振り返ると、特に大切なポイントは次の5つです。

      旅人算が苦手な子ほど、公式ではなく「距離の変化」から考えることが重要

      出会い算・追いつき算・周回算は、「距離の変化」という共通の考え方で理解できる

      線分図は描くことが目的ではなく、距離の変化を整理するための道具として活用する

      家庭では答えを教えるよりも、「なぜその式になるの?」と問いかけることが理解につながる

      公式は暗記するものではなく、考え方を整理した結果として身につけるもの

      算数が苦手なお子さんほど、「解き方を教えてもらう」だけでは成績は伸びにくいものです。

      一人ひとりがどこでつまずいているのかを見極め、その子に合った順番で学習を進めることで、「分かった」「自分で解けた」という成功体験が積み重なっていきます。

      もし、お子さんが旅人算速さの問題で苦戦していたり、「何度説明しても理解できない」とお悩みでしたら、一度学習の進め方を見直してみることをおすすめします。

      当教室では、算数が苦手なお子さん専門の家庭教師として、一人ひとりの理解段階に合わせた指導を行っています。

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      お子さんに合った学習方法を一緒に考えさせていただきます。

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