【中学受験】忘れやすい多角形の3つの公式 対角線・内角・外角を例題で解説

中学受験の算数では、覚えておかなければならない公式がいくつかあります。

その中でも、多角形に関する次の3つは特に忘れやすい公式です。

・対角線の本数

・内角の和

・外角の和=360°

授業で習った直後であれば使えても、しばらく経ってから問題に出てくると、「公式が何だったか思い出せない」「内角の和と外角の和がごちゃごちゃになる」という子は少なくありません。

そこで今回は、中学受験の算数で覚えておきたい「多角形の3つの公式」について、公式の意味と実際にどのような問題で使うのかを例題とともに解説します。

中学受験で覚えておきたい多角形の3つの公式

まず、今回覚えておきたい公式を整理しておきましょう。

①対角線の本数

n角形の対角線の本数は、「n×(n-3)÷2で求められます。

たとえば六角形なら、「6×(6-3)÷2=6×3÷2=9本」となります。

②内角の和

n角形の内角の和は、「180°×(n-2)」です。

たとえば六角形なら、「180°×(6-2)=720°」となります。

③外角の和

多角形の外角の和は、何角形であっても、「360°」です。

三角形でも四角形でも、十角形でも外角の和は360°になります。

この3つは中学受験で頻繁に使いますが、似たような場面で登場するため、混同しやすい公式でもあります。

大切なのは、公式だけを覚えるのではなく、「どのような問題で、どの公式を使うのか」までセットにして理解しておくことです。

①「対角線の本数」の公式を使う問題

まずは対角線について考えてみましょう。

例題1

十二角形の対角線は全部で何本ありますか。

十二角形なので、「n=12」です。

対角線の本数の公式「n×(n-3)÷2」に当てはめると、「12×(12-3)÷2=12×9÷2=54」したがって、

答え:54本

となります。

なぜ「n-3」になるのか

公式を忘れやすい子には、いきなり公式を暗記させるのではなく、「なぜこの式になるのか」を考えさせることをおすすめします。

たとえば十二角形の1つの頂点から線を引くことを考えます。

自分自身には線を引けません。

また、両隣の2つの頂点に線を引くと、それは対角線ではなく「辺」になります。

したがって、「12-3=9」で、1つの頂点から9本の対角線を引くことができます。

これを12個の頂点について考えると、「12×9」となります。

ところが、この数え方では同じ対角線を両端から2回ずつ数えています。

そこで最後に2で割ります。「12×9÷2=54」となるわけです。

この「自分と両隣を除くから3を引く」「同じ対角線を2回数えているから2で割る」という意味まで理解しておくと、公式を忘れても自分で作り直すことができます。

②「内角の和」の公式を使う問題

続いて、内角の和について見てみましょう。

例題2

九角形の内角の和は何度ですか。

内角の和は、「180°×(n-2)」です。

九角形なので、「180°×(9-2)=180°×7=1260°」したがって、

答え:1260°

です。

なぜ「n-2」なのか

こちらも公式だけを覚えるより、三角形に分けて考えると理解しやすくなります。

多角形の1つの頂点から対角線を引いていくと、多角形をいくつかの三角形に分けることができます。

たとえば、

「四角形 → 三角形2個」

「五角形 → 三角形3個」

「六角形 → 三角形4個」です。

つまりn角形なら、「n-2個の三角形」に分けることができます。

三角形の内角の和は180°ですから、「180°×(n-2)」となります。

公式を忘れたときには、「三角形に分けたら何個になる?」と考えればよいわけです。

内角の和から「何角形か」を求める問題もある

中学受験では、単純に内角の和を求めるだけとは限りません。

反対に「何角形なのか」を求める問題もあります。

例題3

ある多角形の内角の和は1980°でした。この多角形は何角形ですか。

内角の和は、「180°×(n-2)」です。

そこで、「1980÷180=11」となります。

つまり、この多角形は11個の三角形に分けられるということです。

したがって、「11+2=13」より、

答え:十三角形

です。

このように「公式に数字を入れる」だけでなく、公式を逆向きに使う問題にも慣れておきましょう。

③「外角の和=360°」を使う問題

3つ目は外角です。

多角形の外角の和は、「必ず360°」になります。

ここで大切なのは、「n角形だからnを使って何か計算する」とは限らないということです。

例題4

正十五角形の1つの外角は何度ですか。

外角の和は360°です。

正十五角形では15個の外角がすべて同じ大きさになります。

したがって、「360°÷15=24°」より、

答え:24°

となります。

「正多角形の1つの外角」を求める場合には、「360°÷頂点の数」と考えればよいわけです。

外角から「正何角形か」を求める問題

こちらも逆向きの問題がよく出題されます。

例題5

1つの外角が30°である正多角形があります。この正多角形は正何角形ですか。

外角をすべて足すと360°です。

1つの外角が30°なので、「360°÷30°=12」となります。

したがって、

答え:正十二角形

です。

正多角形については、1つの外角×頂点の数=360°という関係を理解しておくと、多くの問題に対応できます。

「1つの内角」を求める問題では2通りの考え方がある

もう一つ、中学受験でよく出る問題を見てみましょう。

例題6

正十二角形の1つの内角は何度ですか。

この問題には2つの解き方があります。

まず、内角の和を利用する方法です。

正十二角形の内角の和は、「180°×(12-2)=1800°」です。

正十二角形では12個の内角がすべて等しいので、「1800°÷12=150°」したがって、

答え:150°

です。

しかし、外角を利用するともっと簡単です。

正十二角形の1つの外角は、「360°÷12=30°」です。

内角と外角を足すと180°なので、「180°-30°=150°」となります。

こちらでも同じ答えが出ます。

中学受験では、このように「どの公式を使えば最も簡単に解けるか」を考えることも大切です。

3つの公式をごちゃごちゃにしないためには

ここまでの公式を整理すると、

求めるもの公式
n角形の対角線の本数n×(n-3)÷2
n角形の内角の和180°×(n-2)
多角形の外角の和360°

となります。

特に注意したいのが、対角線は「-3」内角の和は「-2」という違いです。

ここを混同する子は非常に多いです。

そのため、「対角線は、自分と両隣の3つを除くから-3」「内角は、三角形がn-2個できるから-2」と、式の意味まで一緒に覚えることをおすすめします。

「何度も書いて覚えなさい」はおすすめしません

今回紹介した3つの公式は、確かに覚えておいた方が便利です。

しかし、公式を忘れるたびに、「ちゃんと覚えなさい」「10回書いて覚えなさい」とするだけでは、なかなか定着しない子もいます。

特に算数が苦手な子の場合、意味の分からない記号の並びとして公式を暗記しようとすると、

・n×(n-3)÷2だったかな?

・n×(n-2)÷2だったかな?

・180°×(n-3)だったかな?

と、時間が経つにつれて混ざってしまうことがあります。

だからこそ、公式を思い出すための「理由」を持たせることが大切です。

・対角線なら、「1つの頂点から何本引ける?」と実際に五角形や六角形を描いてみる。

・内角の和なら、「三角形に分けたら何個になる?」と図に対角線を書き込んでみる。

・外角なら、「多角形の周りを1周したら、向きは何度回転する?」と考えてみる。

このような経験があると、公式そのものを忘れてしまったとしても、考え直すことができます。

まとめ|公式は「忘れないこと」より「思い出せること」が大切

中学受験で覚えておきたい多角形の公式は、

・対角線の本数:n×(n-3)÷2

・内角の和:180°×(n-2)

・外角の和:360°

の3つです。

もちろん、テスト中にすぐ使えるように公式を覚えておくことは必要です。

ただ、算数が苦手な子の場合には、公式だけを丸暗記させようとすると混同してしまうことがあります。

算数では「一度も忘れないようにする」ことよりも、忘れても自分の知識からもう一度作れる状態にしておくことが重要です。

もし、お子さんが「公式は覚えているはずなのに、テストになると使えない」「図形の公式がごちゃごちゃになってしまう」と悩んでいる場合には、公式の暗記量を増やすのではなく、まずは一つひとつの公式について「なぜそうなるのか」を確認してみてください。

算数が苦手なお子さんの場合、つまずいている場所まで戻って考え方を整理するだけで、問題への取り組み方が変わることがあります。

算数・中学受験の学習方法についてお困りの場合は、体験授業・学習相談も受け付けています。

現在の学習状況を確認したうえで、お子さんがどこでつまずいているのか、今後どのように勉強していけばよいのかをご提案します。

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