中学受験の算数で過去問が解けない|基礎に戻るべき問題の見分け方
小学6年生になり、志望校の過去問を初めて解いてみたところ、
「算数がほとんど解けなかった」
「合格最低点にまったく届かなかった」
「塾では過去問を進めるように言われているけれど、このまま続けてよいのだろうか」
と心配になることがあります。
特に、模試ではある程度の偏差値を取れていたのに、志望校の過去問になると点数が取れないと、今までの勉強方法でよかったのかと不安になるかもしれません。
ただ、中学受験の算数で過去問が解けないときに、点数だけを見て今後の勉強を決めるのはおすすめできません。
たとえば、同じ40点だったとしても、
- 計算や一行問題など、本来取りたい問題を落としている
- 解き方は分かっているのに計算ミスをしている
- 解説を読めば分かるが、自分では解き方を思いつかない
- 時間があれば解けるが、最後までたどり着かない
- 基本問題は取れていて、難しい問題を落としている
では、これから取り組むべき内容が違います。
大切なのは「何点だったか」だけではなく、「どの問題を、なぜ解けなかったのか」を確認することです。
基礎が抜けているのであれば、いったん過去問から離れて前の単元や基本問題まで戻る必要があります。
一方で、考え方そのものは身についていて、計算ミスや時間配分によって点数を落としているのであれば、同じように基礎からやり直す必要はありません。
この記事では、算数の過去問で点数が取れないときに答案のどこを確認すればよいのか、そしてどのような問題なら基礎まで戻って復習した方がよいのかを、算数を指導してきた経験をもとに整理します。
過去問を何度も繰り返す前に、まずは今の答案から「次に何を勉強するべきか」を考えてみましょう。
中学受験の算数で過去問が解けないとき、まず何を確認する?
最初に確認したいのは点数そのものではなく、「取るべき問題をどのような理由で落としているか」です。
志望校の合格最低点と大きな差があったとしても、その差だけを見て「まだ実力が足りない」と判断すると、必要な対策を見誤ることがあります。
過去問は、合格できそうかどうかを確認するだけのものではありません。
今の段階で何ができていて、どこをやり直す必要があるのかを見つける材料にもなります。
合格最低点に届かなくても、点数だけで判断しない
合格最低点との差だけでは、これから何を勉強すればよいのかまでは分かりません。
たとえば、合格最低点が70点の学校で40点だったとします。
数字だけを見ると、
「あと30点も足りない」
と考えてしまいます。
しかし、その30点の中身を確認すると、状況はそれぞれ違います。
たとえば、計算問題や基本的な割合・比・速さの問題など、本来なら取っておきたい問題をいくつも落としている場合があります。
この場合は、難しい問題をさらに練習するより、落としている基本問題を自力で正解できる状態にすることが先です。
一方、計算や基本問題ではほとんど失点せず、後半の難しい問題で点数を落としているのであれば、同じ40点でも状況は異なります。
そのため、
【過去問を見るときの確認ポイント】
・何点取れたか
・合格最低点まであと何点か
・どの問題で失点したか
・その問題は本来取っておきたい問題だったか
・なぜ解けなかったのか
まで確認します。
「合格最低点まであと30点」ではなく、「その30点をどの問題で取りにいくのか」まで考えることが、過去問対策では重要です。
同じ40点でも、解けなかった問題の中身で対策は変わる
過去問で同じ40点を取った2人でも、必要な勉強が同じとは限りません。
たとえば、Aさんは大問1・2の計算や基本問題で失点し、後半の問題もほとんど手がつかなかったとします。
一方、Bさんは大問1・2ではほぼ得点できていて、後半の応用問題で失点して40点だったとします。
この2人に同じ問題集を与えて、同じように過去問を繰り返しても、効率のよい対策にはなりません。
Aさんの場合は、過去問より前の段階に戻り、計算や割合、比、速さなど、解けなかった問題につながる基礎を確認することが必要です。
Bさんの場合は、基本に大きな抜けがないのであれば、志望校でよく出る問題の考え方や、もう一段階上の典型問題を練習する方がよい場合があります。
また、問題の正解・不正解だけでは判断できないこともあります。
答えは間違っていても途中まで正しい考え方で進めていることもあれば、偶然答えが合っていても、考え方が十分に理解できていないこともあります。
そのため、私は算数を見るときに、正解したかどうかだけではなく、問題文を読んで自分で考え方を選び、式を立てて最後まで解けているかを確認します。
過去問でも同じです。
点数は結果であり、次の勉強を決めるためには、その点数になった原因を見る必要があります。
時間が足りなかったのか、解き方が分からなかったのかを分ける
時間切れで解けなかった問題と、時間があっても解き方が分からない問題は分けて考えます。
たとえば、最後の大問まで手をつけられなかった場合でも、
「あと10分あれば解けそうだった」
という場合と、
「問題を読んでも何をすればよいか分からなかった」
という場合では、必要な対策が違います。
前者であれば、
- 問題を解く順番
- 1問にかける時間
- 計算に時間がかかりすぎていないか
- 難しい問題で粘りすぎていないか
など、時間配分や問題の選び方を確認します。
一方、時間を延ばしても解き方が分からないのであれば、時間配分を変えるだけでは解決しません。
その問題に必要な知識や考え方が身についているかを確認し、必要であれば基本問題や前の単元まで戻ります。
また、
「考え方は合っていたのに、途中の計算で間違えた」
という場合も別に考えます。
この場合は単元全体を最初からやり直すのではなく、途中式の書き方や筆算、検算の仕方など、実際に点数を失った原因に合わせて修正する方が効果的です。
つまり、過去問で解けなかった問題は、単純に「できなかった問題」としてまとめるのではなく、
【解けなかった原因を確認する】
① 解き方そのものが分からなかった
② 解き方は分かるが、自分では思いつかなかった
③ 解き方は合っていたが、計算や途中式で間違えた
④ 解ける問題だったが、時間が足りなかった
⑤ 現時点では優先して取らなくてもよい難しい問題だった
と分けて考えることが大切です。
この分類ができると、「過去問をもっと解くべきなのか」「基礎まで戻るべきなのか」が判断しやすくなります。
次のセクションでは、この5つの状態をさらに詳しく見ながら、どの問題なら基礎まで戻る必要があるのかを具体的に整理していきます。
過去問が解けない原因は?答案を5つに分けて確認する
過去問で解けなかった問題は、すべて同じように復習するのではなく、「なぜ解けなかったのか」で分けて考えます。
特に算数では、答えが不正解だったという結果だけを見ても、必要な対策までは分かりません。
基本的な考え方が抜けている場合もあれば、考え方は分かっているのに計算で間違えている場合もあります。
また、時間が足りなかっただけということもあります。
中学受験の算数で過去問が解けないときは、答案や途中式を見ながら、解けなかった問題を次の5つに分類してみましょう。
【過去問で解けなかった問題の5分類】
① 基本問題なのに解き方が分からなかった
② 解説を読めば分かるが、自分では解き方を思いつかなかった
③ 解き方は合っていたのに、計算や途中式で間違えた
④ 解ける問題なのに時間が足りなかった
⑤ 現時点では解けなくてもよい難問だった
この分類によって、基礎に戻るのか、類題を解くのか、計算や時間配分を見直すのかが変わります。
①基本問題なのに解き方が分からなかった
入試で取っておきたい基本問題で解き方が分からない場合は、過去問を繰り返すより、その問題に必要な基礎まで戻って確認します。
たとえば、速さの問題で手が止まったとします。
このとき、すぐにその学校の速さの過去問を何題も解かせるとは限りません。
まず、
- 速さ・時間・道のりの関係が分かっているか
- 単位換算ができるか
- 比を使って数量の関係を考えられるか
- 線分図やダイヤグラムから必要な情報を読み取れるか
など、その問題を解くために必要な内容を確認します。
割合の問題であれば、割合そのものだけでなく、分数・小数の計算や「何をもとにする量と考えるか」といった前の段階につまずきがあることもあります。
つまり、「速さができないから速さを復習する」という単元名だけの判断ではなく、その問題を解くためのどの部分で止まっているのかを見ることが重要です。
そして、戻る場所は学年で決める必要もありません。
6年生だから6年生の教材だけを使うのではなく、必要であれば5年生、場合によってはそれ以前の基本問題まで戻って確認します。
過去問で基本問題を繰り返し落としている場合は、過去問の演習量が不足しているのではなく、前提となる知識や考え方が十分に定着していない可能性を考えます。
②解説を読めば分かるが、自分では解き方を思いつかなかった
解説を読んで理解できても、問題だけを見たときに解き方を自分で出せないのであれば、まだ入試で使える状態まで定着しているとはいえません。
過去問を解いたあとに解説を読むと、
「そうやって解くのか」
「言われれば分かる」
となることがあります。
ここで注意したいのは、「解説が理解できたこと」と「自分で解けること」は別だという点です。
たとえば、比を使って解く問題の解説を読んで納得できても、数日後に数字や条件を少し変えた類題を出されたとき、
「これは比を使えばよい」
と自分で判断できなければ、本番でも同じことが起こる可能性があります。
この場合、必ずしも単元を最初からすべてやり直す必要はありません。
まずは、その問題と同じ考え方を使う基本例題や類題に戻ります。
そして、
- 解説を見ずに問題を読む
- どの考え方を使うか自分で決める
- 式や図を書いて最後まで解く
- 別の類題でも同じ考え方を使えるか確認する
という順番で確認します。
一度解説を読んだ問題そのものをすぐ解き直すと、解き方を覚えているため正解できることがあります。
そのため、私は同じ問題だけでなく類題でも解けるかを確認することを重視しています。
「分かった」で終わらせず、「何も見ずに自分で解き方を判断できる」ところまで持っていくことが必要です。
③解き方は合っていたのに計算や途中式で間違えた
考え方が正しく、計算や途中式で間違えたのであれば、その単元を最初からやり直すより、実際に失点した原因を直すことを優先します。
算数の過去問では、
- 筆算で数字を写し間違えた
- 分数の計算で約分を間違えた
- 途中式を省略して数字を取り違えた
- 求めた数値をそのまま答えにしてしまった
- 単位をつけ忘れた
- 問題文の条件を一つ見落とした
といった理由で点数を落とすことがあります。
このような問題まで「単元が理解できていない」と判断して、割合や速さなどを最初から復習すると、必要以上に時間がかかります。
一方で、単純に「ケアレスミスだから仕方がない」と済ませるのも適切ではありません。
同じ種類のミスを何度もしているのであれば、そこには原因があります。
たとえば筆算を小さく書いて見間違えるのであれば、筆算の書き方を変える等してみます。
途中式を飛ばして間違えるのであれば、必要な式を残す。問題文の条件を見落とすのであれば、条件に印をつけて確認します。
このように、ミスを「注意する」で終わらせず、次に同じ間違いをしにくくする方法まで決めます。
過去問の答案を見るときも、×がついている問題だけを見るのではなく、途中式まで確認すると、基礎不足なのか計算・処理の問題なのかを判断しやすくなります。
④解ける問題なのに時間が足りなかった
時間をかければ自力で解ける問題なら、基礎に戻る前に、問題を解く順番や時間配分を確認します。
中学受験の算数では、すべての問題に同じ時間をかけることはできません。
前半の基本問題で時間を使いすぎたり、難しい問題を長時間考え続けたりすると、本来なら解けたはずの問題まで手をつけられないことがあります。
過去問で最後まで終わらなかった場合は、
- どの問題に時間がかかったのか
- その問題に時間をかける必要があったのか
- 後回しにできる問題はなかったか
- 計算に時間がかかりすぎていないか
- 手をつけられなかった問題の中に、実際には解ける問題がなかったか
を確認します。
ここで大切なのは、「時間切れだったからもっと速く解こう」とだけ考えないことです。
たとえば、前半の計算問題そのものに時間がかかっているのであれば、計算力を見直す必要があります。
一方、難しい問題を10分以上考えて、その後の基本的な問題に手をつけられなかったのであれば、問題の選び方を変える方が先です。
実際に過去問を復習するときは、時間切れで手をつけられなかった問題を、時間制限なしでもう一度解いてみる方法もあります。
そこで自力で解けるのであれば、「解けない問題」ではなく「本番の時間内に得点できなかった問題」として対策を考えます。
⑤現時点では解けなくてもよい難問だった
志望校の過去問に出てくる問題を、すべて解けるようにする必要はありません。
学校によっては、受験生の多くが苦戦するような難しい問題も出題されます。
そうした問題を解けなかったからといって、すぐに「算数の基礎ができていない」と判断する必要はありません。
むしろ注意したいのは、難問一題に多くの時間を使う一方で、本来取るべき基本・標準問題の復習が後回しになることです。
たとえば、
- 大問1の計算で2問落としている
- 基本的な割合の問題も間違えている
- 速さの典型問題でも式を立てられていない
- 最後の難問も解けなかった
という答案だった場合、最初に取り組むべきなのは最後の難問とは限りません。
まずは、計算や基本的な割合、速さなど、今の段階で得点につなげやすい問題を確実にすることを優先します。
反対に、基本・標準問題を安定して取れているのであれば、志望校の出題傾向に合わせて難度の高い問題へ進むことを検討できます。
そのため、難しい問題を解き直すかどうかも、
「間違えたから全部やる」
ではなく、
「この問題は、今の段階で取れるようにしておく必要があるのか」
という視点で判断します。
過去問対策では、解けなかった問題をすべて克服することより、合格に必要な問題を見極め、優先順位をつけて復習することが大切です。
過去問で解けなかった問題の5分類・判定表
| 過去問での状態 | 判定 | 確認するポイント | 次にやること |
|---|---|---|---|
| ① 基本問題なのに解き方が分からない | 基礎不足 | 基本的な公式・考え方・前の単元まで理解できているか | 基本問題や前の単元まで戻る |
| ② 解説を読めば分かるが、自分では思いつかない | 解法が定着していない | 解説を閉じたあと、同じ考え方を自分で使えるか | 基本例題→類題を何も見ずに解く |
| ③ 解き方は合っていたが、計算や途中式で間違えた | 計算・処理のミス | どの途中式・計算で間違えたか | 計算方法・途中式・検算の仕方を見直す |
| ④ 解ける問題だったが、時間が足りなかった | 時間配分・処理速度の問題 | 時間制限なしなら自力で解けるか | 解く順番・時間配分・計算速度を見直す |
| ⑤ 現時点では解けなくてもよい難問だった | 優先度が低い問題 | 合格のために今取る必要がある問題か | いったん後回しにして、基本・標準問題を優先する |
表の直後には、次の一文を置くと今回の記事の主張が明確になります。
この5つをすべて「解けなかった問題」として同じように復習しないことが大切です。
①なら基礎まで戻る、②なら類題を解く、③④なら解き方以外を改善する、⑤なら後回しにする、というように原因によって対策を変えます。
では、どの問題なら基礎まで戻るべき?
基礎まで戻るべきなのは、「難しい問題が解けなかったとき」ではなく、本来なら取っておきたい基本問題で、考え方そのものが出てこないときです。
過去問で間違えた問題が多いと、「基礎から全部やり直した方がよいのでは」と考えることがあります。
しかし、小学6年生の過去問演習が始まる時期に、すべての単元を最初から復習するのは現実的ではありません。
大切なのは、過去問の答案から「戻る必要があるところ」だけを見つけることです。
特に、次のような状態が見られる場合は、過去問を繰り返すだけではなく、基本問題や前の単元まで戻ることを検討します。
大問1・2などの基本問題を繰り返し落としている
大問1・2など、本来得点しておきたい基本問題で失点が続いている場合は、過去問の演習量を増やすより、その問題につながる基礎を確認します。
学校によって問題構成は異なりますが、計算問題や一行問題、典型的な基本問題が前半に置かれていることがあります。
そこで、
- 計算問題を毎回いくつか間違える
- 基本的な割合や比で式を立てられない
- 速さの基本問題で何を求めればよいか分からない
- 図形の基本的な性質を使えない
といった状態が続くのであれば、難しい過去問に取り組む前に確認したいところです。
たとえば、割合の問題を間違えたとしても、「割合を復習する」だけでは十分ではないことがあります。
問題文を読んでも何をもとにする量と考えればよいのか分からないのか、割合の意味は分かっているけれど計算ができないのかによって、戻る場所は変わります。
速さについても同じです。
旅人算が解けないからといって、すぐに旅人算の問題を何十題も解くのではなく、速さ・時間・道のりの基本的な関係まで理解できているかを確認します。
ここで重要なのは、難しい問題が解けるようになることより先に、「取るべき問題を落とさない状態」を作ることです。
過去問で合格最低点に届いていない場合でも、基本問題で失っている点数が多いのであれば、まずそこに改善できる余地があります。
同じ単元の問題を年度が変わっても解けない
複数年度の過去問で同じ単元を繰り返し落としている場合は、その単元に弱点が残っていないか確認します。
1年分の過去問だけでは、たまたまその問題が難しかった可能性もあります。
しかし、年度を変えても、
「速さが出ると手が止まる」
「比を使う問題になると式を立てられない」
「水量のグラフになると読み取れない」
「立体図形になると、どこから考えればよいか分からない」
という状態が続くのであれば、単にその年度の問題との相性が悪かったとは考えにくくなります。
このときは、間違えた問題を年度ごとに並べるだけでなく、単元ごとにまとめてみると弱点が見つけやすくなります。
たとえば、過去3年分を解いて、
- 2026年度:速さを失点
- 2025年度:旅人算を失点
- 2024年度:ダイヤグラムを使う速さを失点
という結果だった場合、「3問間違えた」と見るだけでなく、速さに関係する問題を継続して落としていると考えます。
その場合、3年分の過去問をもう一度最初から解くよりも、いったん速さの基本問題に戻り、
「どこまでなら自分で解けるのか」
を確認した方が、原因を見つけやすくなります。
過去問は点数を見るだけでなく、複数年度を通して苦手な単元を見つけるためにも使えます。
解説を読んでも途中から分からなくなる
過去問の解説を読んでも途中から理解できない場合は、その問題を解くために必要な前提知識まで戻って確認します。
解説を読んで、
「なぜこの式になるのか分からない」
「なぜここで比を使うのか分からない」
「途中までは分かるけれど、この変形から分からない」
という状態なら、単に解き方を忘れているだけではない可能性があります。
解説は、その問題を解くために必要な基礎知識をすべて説明しているとは限りません。
たとえば、比を利用した図形問題の解説では、比の基本的な考え方や相似の性質を理解していることを前提に説明が進むことがあります。
その前提となる内容が十分に理解できていなければ、同じ解説を何度読んでも分からないところが残ります。
この場合は、
「解説をもっと丁寧に読む」ことより、「どこから分からなくなったのか」を特定することが先です。
解説を一つの式、一つの考え方ごとに区切り、
「ここまでは説明できる」
「この式から分からない」
という境目を探します。
そのうえで、分からなくなったところに必要な基本問題まで戻ります。
反対に、解説の内容はすべて理解できるのであれば、基礎知識そのものではなく、問題を見たときにその解法を自分で思いつけないことが課題かもしれません。
この2つは分けて考える必要があります。
類題でも同じところで止まる
過去問だけでなく、難度を下げた類題でも同じところで解けなくなるなら、基礎まで戻る必要性が高くなります。
過去問は、その学校の入試問題です。
そのため、過去問が1問解けなかっただけでは、
「基礎ができていない」
とは判断できません。
そこで確認に使えるのが基本問題や類題です。
たとえば過去問の速さが解けなかった場合、同じ考え方を使う少し易しい類題を解いてもらいます。
そこで何も見ずに正解できるのであれば、基礎そのものには大きな問題がなく、入試問題への応用や問題文の読み取りが課題になっている可能性があります。
一方、難度を下げた類題でも、
- 最初の式を立てられない
- 何を求めればよいか分からない
- 解説を見ないと考え方が出てこない
- 同じところで繰り返し間違える
という状態なら、さらに基本的な問題へ戻ります。
そして、何も見ずに自分で正解できるところまで戻ったら、そこをやり直しの出発点にします。
ここで「5年生まで戻る」「4年生まで戻る」と、先に学年を決める必要はありません。
過去問
↓
少し易しい類題
↓
基本問題
と難度を下げながら確認し、初めて安定して自力で解けるところを探します。
そのため、基礎に戻るかどうかを判断するときは、
過去問が解けなかったかどうかではなく、難度を下げても自力で解けないかどうかを見る
ことが一つの基準になります。
「過去問が解けない=すぐ基礎から全部やり直す」ではありません。
取るべき基本問題を落としている、同じ単元を繰り返し落としている、解説を理解できない、類題でも解けない。
このような状態が見られたところを優先して戻ることが大切です。
保護者向け|基礎に戻るか迷ったときの確認表
| 答案を見て確認すること | 当てはまる場合 | 次にすること |
|---|---|---|
| 大問1・2などの基本問題を繰り返し落としている | 基礎に戻る必要性が高い | 間違えた問題につながる基本問題を確認する |
| 年度を変えても同じ単元を間違えている | その単元が弱点になっている可能性がある | 過去問ではなく、その単元の基本問題に戻る |
| 解説を読んでも「なぜこの式になるのか」が分からない | 前提となる知識が抜けている可能性がある | 分からなくなったところまでさかのぼる |
| 過去問より易しい類題でも解けない | 基礎が十分に定着していない可能性が高い | 何も見ずに解ける問題まで戻る |
| 解説を読めば理解でき、類題も自力で解ける | 基礎からのやり直しは優先しなくてよい | 入試問題への応用や問題の読み取りを練習する |
| 時間制限を外せば自力で解ける | 基礎不足とは限らない | 時間配分・解く順番を確認する |
| 考え方は合っているが計算で間違える | 単元全体の復習は優先しなくてよい | 計算・途中式・検算を見直す |
| 基本・標準問題は取れていて難問だけ解けない | 基礎不足とは判断しない | 志望校でその問題を取る必要があるか考える |
【基礎に戻る目安】
「過去問で間違えたから戻る」のではありません。
基本問題を繰り返し落とす・同じ単元を何度も落とす・解説を理解できない・易しい類題でも解けない場合は、基礎まで戻って確認する目安になります。
基礎に戻るときは、どこまで戻ればいい?
基礎に戻るときは、「5年生まで」「4年生まで」と学年で決めるのではなく、何も見ずに自分で解ける問題まで戻ります。
過去問が解けないと、
「6年生の問題が難しいなら、5年生のテキストを全部やり直した方がよいのでは」
と考えることがあります。
しかし、できている単元まで最初からやり直す必要はありません。
たとえば、速さにつまずいていても、割合や図形は問題なく解けていることがあります。
反対に、速さの問題で間違えていても、原因をたどると速さそのものではなく、比の理解が不十分だったということもあります。
そのため、「何年生まで戻るか」ではなく、「どの問題まで戻れば自力で解けるようになるか」を確認することが大切です。
学年ではなく「自分で解けるところ」まで戻る
やり直しの出発点は学年ではなく、解説やヒントを見なくても自分の力で正解できるところです。
たとえば、志望校の過去問に出てきた速さの問題が解けなかったとします。
この場合、
過去問
↓
同じ考え方を使う標準問題
↓
基本的な旅人算
↓
速さ・時間・道のりの基本問題
というように、少しずつ難度を下げて確認します。
標準問題なら自力で解けるのであれば、そこから過去問へつなげるための類題演習を行います。
一方、基本的な旅人算でも式を立てられないのであれば、さらに速さの基本まで戻ります。
そして、
「速さ=道のり÷時間」
という公式を知っているかだけではなく、問題文を読んで、
- 何が分かっているのか
- 何を求めるのか
- どの数量を使えばよいのか
- どの式を立てればよいのか
を自分で考えられるか確認します。
ここまでできるのであれば、さらに前へ戻る必要はありません。
反対に、基本問題でも式を立てられないのであれば、そこが復習の出発点になります。
必要なのは「できないところを探すこと」だけではなく、「ここからなら自分で解ける」という境目を見つけることです。
たとえば5年生の内容に戻った結果、5年生の問題が解けなければ4年生まで確認することもあります。
一方で、5年生の基本問題が問題なく解けるなら、5年生のテキストを最初から全部やり直す必要はありません。
できるところまで戻り、そこから一段ずつ積み上げ直すと考えます。
解説を見て分かるところではなく、何も見ずに解けるところを探す
基礎ができているかを判断するときは、「解説を読めば分かる」ではなく、「問題だけを見て自分で解ける」を基準にします。
家庭学習では、ここが分かりにくいところです。
問題が解けなかったあとに解説を読み、
「分かった」
と言うことがあります。
そこで同じ問題をもう一度解くと正解できることもあります。
しかし、この段階では、考え方そのものを理解して自分で使えたのか、直前に読んだ解説を覚えていたのかを判断しにくい場合があります。
そこで私は、理解できたことを確認したあと、何も見ない状態でもう一度解けるかを確認します。
さらに、数字や条件を変えた類題でも、
「この問題では何を使えばよいか」
を自分で判断できるかを見ます。
たとえば割合の問題なら、公式を言えるだけでは十分ではありません。
文章を読んで、
「これは何をもとにして考える問題なのか」
「求めたいものは割合なのか、比べる量なのか、もとにする量なのか」
を自分で判断し、式を立てられることが必要です。
解説を隠した途端に手が止まるのであれば、まだ「自分で解ける基礎」にはなっていません。
反対に、基本問題であれば問題文を読んで考え方を判断し、何も見ずに最後まで解けるのであれば、そこより前まで戻る必要性は低くなります。
基礎に戻るときは、
「分かりますか?」ではなく、
「何も見ないで解けますか?」
で確認する方が、戻る場所を見つけやすくなります。
基本問題→類題→過去問の順で戻す
基礎を復習したあと、すぐに過去問へ戻るのではなく、まず類題で自力で解けるかを確認します。
基本問題を復習した直後は、正解できることがあります。
しかし、その問題だけを覚えて正解しているのであれば、条件や数字が変わったときに再び解けなくなることがあります。
そのため、
基本問題を理解する
↓
何も見ずに解き直す
↓
類題を解く
↓
時間を空けてもう一度確認する
↓
過去問に戻る
という流れで進めます。
たとえば、過去問の比の問題が解けなかったため、基本問題まで戻ったとします。
基本問題の解説を読み、その場で正解できただけでは終わりにしません。
次に、同じ考え方を使う別の問題を出して、
「これは比を使えばよい」
と自分で判断できるかを確認します。
さらに、家庭学習でも同じ問題や類題に取り組み、後日もう一度解いてもらいます。
そこで初めて、
問題を見たときに自分で考え方を選び、式を立てて最後まで解けるか
を確認できます。
類題でも安定して解けるようになったら、再び志望校の過去問へ戻ります。
過去問で同じ単元の問題に出会ったとき、自分で考え方を出せるようになっていれば、基礎に戻った学習が過去問につながったと考えられます。
一方、再び同じところで止まるのであれば、
- 戻る問題がまだ難しかった
- 類題の演習が足りなかった
- 解き方を覚えただけで、自分で判断できるところまで定着していなかった
といった可能性をもう一度確認します。
基礎に戻る目的は、昔のテキストを終わらせることではありません。
志望校の問題を解くために必要な考え方を、自分で使える状態にすることです。
そのため、中学受験の算数で過去問が解けないときも、やみくもに前の学年へ戻るのではなく、
過去問 → 基本問題まで戻る → 類題で自力確認 → 過去問で再確認
という流れで、必要なところだけをやり直していきます。
過去問が全然解けないとき、過去問演習は続けるべき?
過去問が全然解けない状態なら、同じように過去問を解き続けるのではなく、いったん原因を確認し、必要な単元や基本問題の復習を挟みます。
ただし、過去問を完全にやめるという意味ではありません。
過去問で見つかった弱点を復習し、類題で自力で解けることを確認したら、もう一度過去問に戻ります。
つまり、
過去問を解く → 原因を確認する → 必要なところまで戻る → 類題で確認する → 再び過去問を解く
という流れで進めます。
過去問を「何年分終わらせたか」だけで考えるのではなく、過去問から見つかった課題を、その後の勉強にどうつなげるかが大切です。
過去問だけを繰り返すのは避ける
原因が基礎不足にある場合、過去問だけを何度も繰り返しても、別の問題を自力で解けるようになるとは限りません。
たとえば、志望校の過去問に出てきた速さの問題が解けなかったとします。
解説を読んで解き方を確認し、その問題を翌日にもう一度解けば、今度は正解できるかもしれません。
しかし、そこで確認したいのは、
「昨日間違えた問題を解けるようになったか」
だけではありません。
数字や条件が変わった別の速さの問題でも、同じ考え方を自分で使えるかを確認する必要があります。
過去問そのものを繰り返していると、
- 答えを覚えている
- 最初に何をすればよいか覚えている
- 図の書き方を覚えている
- 解説の式を覚えている
という状態でも正解できることがあります。
これでは、本番で初めて見る問題に対して、自分で考え方を選べるようになったかまでは分かりません。
特に、基本問題でも手が止まる場合や、解説を読んでも途中から分からなくなる場合は、過去問の回数を増やすより、その問題につながる基本問題や前の単元を復習することを優先します。
一方で、基礎・標準問題は自力で解けていて、志望校特有の出題形式に慣れていないのであれば、過去問演習を続ける意味があります。
そのため、「過去問が解けないから、もっと過去問をやる」と一律に決めないことが重要です。
過去問→原因確認→基礎→類題→過去問の順で進める
過去問は点数を確認するだけではなく、今後どこを勉強すればよいのかを見つけるためにも使います。
たとえば、1年分の過去問を解いて40点だったとします。
このとき、
「40点だったから、次は別の年度を解こう」
と進む前に、間違えた問題を確認します。
そこで、
- 割合の基本問題で式を立てられなかった
- 速さの問題は考え方が分からなかった
- 図形は解き方が合っていたが計算で間違えた
- 最後の難問は手がつかなかった
ということが分かったとします。
この場合、すべての問題を同じように復習する必要はありません。
割合や速さについては、必要なところまで戻って基本問題を復習します。
その後、同じ考え方を使う類題を解きます。
図形については、考え方そのものに問題がないのであれば、計算や途中式のどこで間違えたのかを確認します。
最後の難問については、現時点で優先して取る必要がある問題なのかを考えます。
このように、
① 過去問を解く
↓
② 解けなかった原因を確認する
↓
③ 必要なら基本問題・前の単元まで戻る
↓
④ 類題を何も見ずに解く
↓
⑤ 再び過去問で確認する
という流れを作ります。
この方法であれば、過去問を解くたびに、
「また点数が低かった」
で終わるのではなく、
「今回は割合を戻ろう」
「速さは類題までできるようになった」
「計算ミスは減ってきた」
というように、次に取り組む内容を具体的に決められます。
過去問の点数がすぐに大きく変わらなかったとしても、取るべき問題での失点が減っているか、同じ単元で繰り返し間違えなくなっているかを確認できます。
過去問演習と基礎固めは、どちらか一方を選ぶものではありません。
過去問で弱点を見つけ、必要な基礎を補い、再び過去問で確認するという形でつなげます。
解き直しは「答えを覚えた状態」で終わらせない
過去問の解き直しでは、同じ問題に正解できたことだけで「できるようになった」と判断しないことが大切です。
一度解説を読んだ問題は、考え方や答えを覚えていることがあります。
そのため、解説を読んだ直後に同じ問題を解き直して正解しても、それだけでは本当に理解できたか判断しにくい場合があります。
たとえば、速さの問題で、
「ここで速さの比を使う」
と解説に書かれていたとします。
その直後なら、同じ問題を見たときに速さの比を使えるでしょう。
しかし、本番で必要なのは、
初めて見る問題を読んで、自分で「ここでは速さの比を使う」と判断することです。
そこで解き直しでは、
- 解説を閉じて同じ問題を解く
- 数字や条件を変えた類題を解く
- 少し時間を空けてもう一度解く
- なぜその考え方を使ったのか説明できるか確認する
といった方法で、解法が定着しているかを確認します。
特に、解説を見ながらノートにきれいに写しただけでは、実際に自分で考え方を出せるようになったかは分かりません。
解説を読むことは「インプット」であり、その後に何も見ずに解く「アウトプット」が必要です。
そして、類題でも自分で考え方を判断して解けるようになったら、再び志望校の過去問で確認します。
そこで以前と同じ単元の問題を自力で解けるようになっていれば、復習した内容が過去問にもつながっていると考えられます。
反対に、また同じところで手が止まるのであれば、基本問題までの戻り方や類題の難度、復習の仕方をもう一度見直します。
中学受験の算数で過去問が解けないときは、過去問を何回解いたかより、「解けなかった原因を直したあと、別の問題でも自力で解けるようになったか」を確認することが重要です。
過去問で弱点が見つかったら、1週間でどう復習する?
過去問で解けなかった問題が見つかったら、次の過去問へすぐ進むのではなく、1週間の中に「原因確認→基礎→類題→再確認」を入れます。
たとえば、日曜日に志望校の算数の過去問を1年分解き、割合と速さの基本問題を落としていたとします。
その場合の1週間は、次のように組むことができます。
| 曜日 | 取り組む内容 | 確認すること |
|---|---|---|
| 日曜日 | 志望校の過去問を1年分解く | 点数だけでなく、解けなかった原因を5分類する |
| 月曜日 | 間違えた問題を確認する | 割合・速さなど、どの単元まで戻る必要があるかを確認する |
| 火曜日 | 基本問題を解く | 解説を見ずに、式を立てて自力で解けるか |
| 水曜日 | 同じ単元の基本問題・類題を解く | 数字や条件が変わっても解けるか |
| 木曜日 | 少し難度を上げた類題を解く | どの考え方を使うか自分で判断できるか |
| 金曜日 | 火~木曜日に間違えた問題をもう一度解く | 答えを覚えたのではなく、自分で考えて解けるか |
| 土曜日 | 間違えた単元の確認テスト | 時間を空けても自力で解けるか |
| 次の日曜日 | 過去問または同程度の問題に戻る | 復習した内容が実際の入試問題でも使えるか |
ここで重要なのは、毎日違う内容へ進むことではありません。
たとえば火曜日の基本問題でまだ解き方が分からないのであれば、水曜日に予定していた類題へ無理に進まず、もう一度基本問題を確認します。
反対に、基本問題も類題も何も見ずに解けるのであれば、必要以上に同じ問題を繰り返さず、少し難度を上げます。
予定どおりに教材を進めることより、「自分で解けるようになったか」を基準に次へ進むことが大切です。
また、1週間ですべての苦手単元を直そうとする必要もありません。
過去問で割合、速さ、図形、場合の数を間違えていたとしても、一度にすべてをやり直すと、一つひとつの復習が浅くなりやすくなります。
まずは、志望校で取っておきたい問題の中から、優先順位の高い単元を絞って復習する方が進めやすくなります。
たとえば、
今週:割合と比を復習する
↓
類題で自力で解けることを確認する
↓
次週:速さを復習する
という進め方でも構いません。
そして、次に過去問を解いたときには、総合点だけでなく、
「先週復習した割合や比の問題を、今回は自分で解けたか」
を確認します。
ここが改善していれば、基礎に戻った学習が過去問の得点につながり始めていることを確認できます。
過去問演習は「日曜日に過去問を解いて終わり」ではなく、その答案を使って翌週の勉強内容を決め、復習した内容を次の過去問で確認するところまでを一つのサイクルとして考えます。
合格最低点に届かないとき、何点なら間に合う?
「今の時期に何点取れていれば間に合う」と、点数だけで一律に判断することはできません。
同じように合格最低点に届いていない場合でも、取れていない問題の中身によって状況は大きく異なります。
たとえば、合格最低点まで30点足りないとしても、
- 基本問題で30点近く落としている
- 計算ミスや時間切れによる失点が多い
- 基本・標準問題は取れていて難問で差がついている
- 特定の単元だけ大きく失点している
では、これから取り組むべき内容が違います。
そのため、「あと何点足りないか」だけでなく、「その点数をどの問題で取りにいけるのか」まで答案を見て考えることが大切です。
一律に「何点なら大丈夫」とは判断できない
過去問の点数だけから、「この点数なら間に合う」「この点数では間に合わない」と決めることはできません。
中学受験の過去問を始めると、どうしても合格最低点との比較が気になります。
合格最低点が70点なのに40点だった場合、
「30点も足りない」
と考えるでしょう。
しかし、その40点がどのような40点なのかを確認する必要があります。
たとえば、
Aさん
- 計算問題で失点している
- 一行問題でも何問か落としている
- 割合や比の基本問題で式を立てられない
- 後半の難問も解けていない
Bさん
- 計算問題はほぼ正解
- 基本・標準問題もある程度取れている
- 後半の応用問題や難問で失点している
という2人が同じ40点だったとしても、必要な対策は同じではありません。
Aさんの場合は、本来取っておきたい基本問題に改善できる部分が残っています。
一方、Bさんの場合は、基本問題を復習するだけでは大きく点数が変わらない可能性があり、志望校の出題傾向に合わせた標準・応用問題への対応を考える必要があります。
また、過去問を解いた時期によっても状況は変わります。
まだ習っていない内容が残っている時期と、入試直前とでは、同じ点数でも意味が違います。
学校によって問題の難度や配点、合格最低点も異なるため、他の受験生の「この時期に○割取れていた」という数字を、そのまま自分のお子さんに当てはめることもできません。
見るべきなのは点数だけではなく、取るべき問題をどの程度取れているか、そして失点の原因を今後の学習で修正できるかです。
「あと30点」を問題数に分けて考える
合格最低点まで30点足りないときは、「30点」という数字のまま考えず、どの問題を取ればその差を縮められるのかに分けて考えます。
たとえば、100点満点の算数で、
- 自分の得点:40点
- 合格最低点の目安:70点
- 差:30点
だったとします。
この数字だけを見ると、大きな差に感じます。
しかし答案を確認すると、
- 計算問題のミス:5点
- 基本的な一行問題:10点
- 速さの典型問題:5点
- 図形の標準問題:10点
- 後半の難問:30点
という失点だったとします。
この場合、失った60点をすべて取り戻す必要はありません。
合格最低点との差が30点なのであれば、まず、
「どの30点なら、これからの学習で得点につなげられる可能性があるか」
を考えます。
たとえば計算問題の5点、一行問題の10点、速さの典型問題の5点を安定して取れるようにするだけでも20点あります。
さらに図形の標準問題から一部を取れるようになれば、合格最低点との差は縮まります。
反対に、最後の難問だけを見て、
「この問題も解けるようにしなければ」
と考えると、基本問題の取りこぼしを直す時間が減ってしまうことがあります。
【「あと30点」の見方】
× あと30点も足りない
○ どの問題から30点を取りにいくか
このように考えると、過去問の点数を見たあとに何を勉強すればよいかが具体的になります。
もちろん、30点差が必ず埋まるという意味ではありません。
大切なのは、合格最低点との差を漠然と見るのではなく、実際の答案から改善する問題を一つずつ特定することです。
取るべき問題を落としているなら、そこを最優先する
合格最低点に届いていないときは、難問を新しく解けるようにする前に、本来取るべき基本・標準問題の取りこぼしを減らせないか確認します。
特に算数が苦手なお子さんの場合、
「難しい問題が解けないから点数が低い」
と思っていたものの、答案を確認すると、実際には前半の基本問題でもかなり失点していることがあります。
たとえば、
- 計算で毎回1~2問落とす
- 割合や比の一行問題を落とす
- 典型的な速さの問題で式を立てられない
- 解ける図形問題を計算ミスで落とす
といった失点です。
こうした問題は、後半の難問とは分けて考えます。
難問を一題解けるようにするために多くの時間を使うより、基本・標準問題を安定して得点できるようにする方を優先した方がよい場合があります。
そのため、過去問を採点したら、単に○と×をつけるだけではなく、
A:今の段階で取っておきたい問題
B:復習すれば取れるようにしたい問題
C:現時点では優先度を下げてもよい問題
というように分けてみる方法もあります。
そしてAの問題を落としているのであれば、まずその原因を確認します。
基礎不足なら基本問題まで戻る。
解法を思いつかなかったのであれば類題を解く。
計算ミスなら途中式や検算を見直す。
時間切れなら時間配分を確認する。
このように、取るべき問題で失った点数を一つずつ減らしていくことを優先します。
中学受験の算数で過去問が解けないときに、「今40点だから間に合わない」「○割取れているから大丈夫」と点数だけで判断するのではなく、合格に必要な得点をどの問題から積み上げるのかを見ることが重要です。
「合格最低点に届かないとき」のH2内に、採点後に保護者が実際に何をすればよいかを示すH3として追加するのが自然です。
過去問を解いたあと、何を確認すればいい?
過去問を解いたあとは、点数を記録して終わりにせず、「どの問題を落としたか→なぜ落としたか→次に何をするか」の順番で確認します。
特に合格最低点に届かなかったときは、すぐに次の年度の過去問へ進むのではなく、答案を使って次の学習内容を決めます。
家庭で確認する場合は、次の5つの手順にすると整理しやすくなります。
手順1|まず採点して、合格最低点との差を確認する
最初に採点し、
- 今回の得点
- 合格最低点
- 合格最低点までの差
を記録します。
たとえば、
今回の得点:45点
合格最低点:70点
差:25点
という形です。
ただし、ここで「25点足りない」と確認して終わりにしないことが重要です。
点数は現在の結果を示していますが、「明日から何を勉強すればよいか」までは教えてくれません。
ここから答案の中身を確認します。
手順2|間違えた問題を「取るべき問題」かどうかで分ける
次に、×だった問題をすべて同じように扱わず、今の段階で取っておきたい問題かどうかを分けます。
たとえば、次の3つに分類します。
| 分類 | どのような問題? | 対応 |
|---|---|---|
| A:取っておきたい問題 | 計算・一行問題・基本的な典型問題など | 最優先で原因を確認する |
| B:復習して取れるようにしたい問題 | 標準問題・過去に学習した典型問題など | 基礎・類題へ戻って確認する |
| C:今は優先しなくてもよい問題 | 難度が高く、現時点では得点源にしにくい問題 | 後回しにする |
特に確認したいのはAの問題を何点分落としているかです。
合格最低点まで20点足りなくても、Aの問題を20点分落としているのであれば、まずその20点の原因を調べます。
反対に、Aの問題はほぼ取れていて、Cの難問を落としているのであれば、同じ20点差でも考え方は変わります。
手順3|間違えた原因を5つに分類する
A・Bに分類した問題について、「なぜ解けなかったのか」を確認します。
この記事で紹介した5分類を使います。
① 基本問題なのに解き方が分からなかった
→ 基礎不足の可能性。基本問題や前の単元へ戻る② 解説を読めば分かるが、自分では思いつかなかった
→ 解法が定着していない。基本例題・類題を解く③ 解き方は合っていたが、計算や途中式で間違えた
→ 計算・処理を見直す④ 解ける問題だったが、時間が足りなかった
→ 時間配分や解く順番を見直す⑤ 現時点では難しすぎる問題だった
→ 優先順位を下げる
ここでは、お子さんに単に、
「どうして間違えたの?」
と聞くだけではなく、実際の答案や途中式を見ることが大切です。
「分からなかった」と本人が言っていても、途中までは正しい考え方で進めていることがあります。
反対に「計算ミスしただけ」と言っていても、途中式を見ると考え方そのものが違っていることもあります。
手順4|戻る問題を1~2単元に絞る
原因を確認したら、次の1週間で復習する内容を絞ります。
たとえば、
- 割合の基本問題で失点
- 速さの典型問題で失点
- 図形で計算ミス
- 場合の数の難問が解けなかった
という答案だったとします。
この場合、すべてを同じように復習する必要はありません。
たとえば、
今週の重点①:割合の基本問題
今週の重点②:速さの典型問題
と決めます。
図形については計算ミスの原因を確認し、場合の数の難問は現時点では後回しにする、という判断もできます。
過去問で間違えた問題を全部宿題にするのではなく、今の得点につながりやすい課題から優先することが大切です。
手順5|類題で確認してから、もう一度過去問に戻る
復習したあとは、同じ過去問をすぐ解き直すだけでなく、まず類題で自力で解けるか確認します。
たとえば、割合の基本に戻ったのであれば、
基本問題
↓
同じ考え方を使う類題
↓
少し難しい類題
と進めます。
ここで確認するのは、
解説を見なくても、問題を読んで自分で考え方を判断し、式を立てられるか
です。
類題でも解けるようになったら、時間を空けて過去問へ戻ります。
そのとき、
「前回45点だったものが何点になったか」
だけを見るのではなく、
「前回落とした割合や速さの問題を、今回は自力で取れたか」
を確認します。
これで、基礎に戻った学習が実際の入試問題につながっているかを見ることができます。
【過去問後の確認手順】
① 得点と合格最低点との差を確認する
↓
② 間違えた問題をA・B・Cに分ける
↓
③ A・Bの失点原因を5分類する
↓
④ 今週やり直す1~2単元を決める
↓
⑤ 基本問題→類題で自力確認する
↓
⑥ 再び過去問で取れるようになったか確認する
過去問は「何点だったかを確認するテスト」で終わらせず、「次の1週間に何を勉強するかを決める材料」として使うと、復習する内容が具体的になります。
過去問だけでなく、本番でも点数を取れる力がついたか、どう確認する?
過去問で点数が上がっただけでは、本番でも同じように得点できるとは限りません。
初めて見る問題を時間内に解く模試なども利用して、復習した内容を別の問題でも使えるようになっているか確認します。
過去問は、志望校の出題傾向を知り、現在の弱点を見つけるために欠かせません。
一方で、一度解いた過去問には、
「この問題は比を使う」
「この図形では補助線をここに引く」
といった記憶が残ります。
2回目、3回目と点数が上がってきても、それがすべて実力の伸びによるものとは限りません。
本番では、当然ながら初めて見る問題をその場で考えます。
そのため入試が近づいてきたら、
「過去問で取れるようになったか」だけでなく、「初見の問題でも同じように考え方を判断し、時間内に得点できるか」
まで確認しておきたいところです。
過去問で合格最低点を取れれば、本番でも大丈夫?
過去問で合格最低点を超えられるようになったことは一つの材料になりますが、それだけで本番でも同じ点数を取れるとは判断できません。
特に、一度解いた年度の過去問を解き直したときの点数は、慎重に見ます。
たとえば、1回目に40点だった過去問を復習して、2回目には70点取れたとします。
これは悪いことではありません。
間違えた問題を復習し、解ける問題が増えたことは確認できます。
ただし、その70点の中には、
- 前回の解き方を覚えていた問題
- 一度読んだ解説を覚えていた問題
- 答えや途中の数値を覚えていた問題
が含まれている可能性があります。
そこで確認したいのが、同じ考え方を使う初めて見る問題でも解けるかです。
たとえば過去問で比を使う問題を復習したのであれば、別の類題でも自分から比を使うことを判断できるか。
速さを復習したのであれば、初めて見る速さの問題でも、条件を整理して式を立てられるか。
このような確認が必要です。
過去問の解き直しで点数が上がったことと、初見の入試問題に対応できるようになったことは分けて考えます。
12月時点の模試は「初見でも解けるか」を確認する材料になる
12月ごろの模試は、それまでに復習してきた内容を、初めて見る問題でも時間内に使えるか確認する一つの材料になります。
過去問との大きな違いは、基本的にその場で初めて見る問題を解くことです。
たとえば秋の過去問演習で速さが弱点だと分かり、
基本問題まで戻る
↓
類題を繰り返す
↓
過去問でも解けるようになる
という学習をしてきたとします。
12月の模試で別の速さの問題が出たとき、それを自力で解けるようになっていれば、復習した内容を別の問題にも使えるようになってきたと考える材料になります。
反対に、過去問の解き直しでは正解できるのに、模試になると同じ単元で再び手が止まるのであれば、解き方を覚えただけで、まだ自分で判断できるところまで定着していない可能性があります。
12月ごろの模試では、偏差値や合格判定だけでなく、
- 基本問題を安定して取れているか
- 秋に苦手だった単元で得点できるようになったか
- 初めて見る問題でも考え方を判断できるか
- 時間内に取るべき問題まで進めているか
- 計算ミスや読み間違いが減っているか
といったところも確認します。
模試は「偏差値がいくつだったか」を見るだけではなく、それまでの復習が初見問題でも使えるようになったかを確認する機会として利用できます。
難関校志望なら「学校別模試」も受けた方がいい?
志望校を対象とした学校別模試が実施されている場合は、本番に近い形式の初見問題で現在の対応力を確認する材料になります。
一般的な模試では、幅広い学校の受験生を対象に問題が作られます。
一方、学校別模試では、特定の学校の出題傾向を踏まえた問題が出されるものがあります。
たとえばSAPIXでは、小学6年生を対象に「学校別サピックスオープン」が実施されており、対象校の出題傾向を検討した問題が出題されています。2026年度は9月から12月にかけて、開成・麻布・聖光学院・筑駒など複数の学校を対象とした模試が設定されています。
こうした模試を利用できる場合には、
- 志望校に近い形式の問題に対応できるか
- 制限時間の中で問題を選べるか
- 取るべき問題を取れているか
- 同じ学校を志望する受験生の中でどの位置にいるか
などを確認できます。
ただし、学校別模試の合格判定だけで本番の結果が決まるわけではありません。
ここでも大切なのは結果を見て一喜一憂することではなく、算数の答案を確認することです。
学校別模試で基本・標準問題を落としているのであれば、過去問と同じように原因を分析します。
逆に、過去問で苦手だった問題を初見の学校別模試では解けていたのであれば、それまでの復習が別の問題でも使えるようになってきたと考える材料になります。
模試の合格判定より、算数のどこを見る?
模試では合格判定だけを見るのではなく、算数で「取るべき問題を取れるようになったか」を確認します。
たとえば、10月の過去問では割合と比の問題を繰り返し落としていたとします。
そこで基本まで戻り、
基本問題
↓
類題
↓
過去問
と学習して、過去問では解けるようになりました。
さらに12月の模試で、初めて見る割合や比の問題も自力で正解できたとします。
ここまで確認できれば、
「過去問の答えを覚えて解けるようになった」のではなく、「割合や比の考え方を別の問題でも使えるようになった」
と判断する材料が増えます。
反対に、過去問では点数が上がっているのに、模試では、
- 基本問題を繰り返し落とす
- 同じ単元で手が止まる
- 時間が足りず取れる問題まで進めない
- 計算ミスを繰り返す
という状態なら、まだ課題が残っています。
その場合も、
「模試の判定が悪かった」
だけで終わらせません。
過去問と同じように答案を見て、
基礎不足なのか、解法が定着していないのか、時間配分なのか、計算・処理の問題なのか
を確認し、入試までに優先して直す内容を絞ります。
入試直前は「過去問・模試・初見問題」の3つをどう見る?
入試直前は、一つのテストの点数だけで判断せず、「過去問」「模試」「初見問題」で同じ弱点が残っていないかを確認します。
それぞれ、確認できることが少し違います。
| 確認するもの | 主に確認したいこと |
|---|---|
| 志望校の過去問 | 出題傾向に対応できているか、取るべき問題を取れているか |
| 12月前後の模試 | 初見の問題でも学習した内容を使えているか、時間内に得点できるか |
| 学校別模試 | 志望校に近い形式の初見問題にどこまで対応できるか |
| 普段の類題・確認テスト | 苦手だった単元の考え方が定着しているか |
たとえば、過去問では速さが取れるようになり、模試でも初見の速さを解けて、普段の確認テストでも安定して正解できる。
このようになっていれば、少なくとも「一度解いた過去問だから正解できた」という状態からは一歩進んでいます。
一方、過去問だけ点数が高く、初見問題になると同じ単元を落としているのであれば、もう一度類題に戻って確認する必要があります。
もちろん、模試や過去問で良い点数を取れたからといって、入試本番の得点を保証することはできません。
本番では問題の難度や出題内容も変わります。
だからこそ、入試が近づいた段階では一つの数字だけを見るのではなく、「初めて見る問題でも、取るべき問題を自分で判断して時間内に解けるようになっているか」を複数の機会で確認することが大切です。
よくある質問
Q1.中学受験の算数で過去問が全然解けないときは、どうすればいい?
過去問を繰り返す前に、解けなかった原因を問題ごとに確認してください。
基本問題の解き方そのものが分からないのであれば、過去問より易しい基本問題まで戻ります。
一方、時間をかければ解ける、考え方は合っていたが計算で間違えた、現時点では解けなくてもよい難問だった、という場合は対策が異なります。
「過去問が解けない=過去問演習が足りない」とは限りません。
まず答案を見て、基礎不足・解法の未定着・計算ミス・時間不足・難問のどれに当てはまるのかを確認し、次に取り組む問題を決めます。
Q2.中学受験の過去問は何回解いたらいい?
「何回解いたか」より、解けなかった原因を直したあとに自力で解けるようになったかを基準にします。
同じ過去問を2回、3回と解けば、答えや解法を覚えて正解できることがあります。
そのため、
過去問で間違える → 原因を確認する → 基本問題へ戻る → 類題を解く → 時間を空けて再確認する
という流れで進めます。
同じ問題の答えを覚えることではなく、数字や条件が変わった類題でも、自分で考え方を判断できることが重要です。
Q3.過去問が合格最低点に届かないときは、何点なら間に合う?
「今の時期に何点なら間に合う」と、点数だけで一律に判断することはできません。
たとえば合格最低点まで30点足りなくても、計算や基本問題で30点近く落としている場合と、基本・標準問題は取れていて難問で失点している場合では、今後の対策が異なります。
「あと30点足りない」と考えるだけではなく、
「どの問題を取れば、その30点を縮められるのか」
まで答案を見て考えます。
特に、本来取っておきたい基本・標準問題を落としているのであれば、難問対策より先にその原因を確認します。
Q4.過去問の解説を読んでも分からないときはどうする?
解説のどこから分からなくなったのかを確認し、必要なら前の単元や基本問題まで戻ります。
入試問題の解説では、基本的な考え方や途中の計算が省略されていることがあります。
そのため、同じ解説を何度も読み続けるのではなく、
「この式までは分かる」
「なぜ次の式になるのか分からない」
というように、理解できるところとできないところを分けます。
そして、分からなくなった部分に必要な知識を確認します。
解説を読んでも理解できない状態で過去問だけを繰り返すより、「何も見ずに自分で解けるところ」まで戻る方が、やり直す場所を見つけやすくなります。
Q5.過去問は解けるのに、模試では点数が取れないのはなぜ?
過去問の解き直しでは解法を覚えているため、初見の問題で同じ考え方を使えるところまで定着していない可能性があります。
一度解いた過去問は、問題を見たときに「ここでは比を使う」「この補助線を引く」と思い出せることがあります。
一方、模試では初めて見る問題について、自分で使う考え方を判断しなければなりません。
そのため、過去問で点数が上がったら、類題や模試などの初見問題でも同じ単元を解けるかを確認します。
入試が近づいた時期には、過去問の得点だけではなく、模試や学校別模試なども利用して、初めて見る問題を時間内に処理できるかを見ることが大切です。
Q6.過去問が解けないとき、基礎は何年生まで戻ればいい?
「4年生まで」「5年生まで」と学年で決めるのではなく、何も見ずに自分で解ける問題まで戻ります。
たとえば6年生の速さの過去問が解けなかったからといって、速さの単元を最初からすべてやり直す必要があるとは限りません。
過去問より易しい問題に下げながら、
過去問 → 標準問題 → 基本問題 → 前提となる考え方
と確認し、「ここなら自分で式を立てて解ける」というところを探します。
そこを出発点にして、基本問題、類題、過去問の順にもう一度積み上げます。
まとめ|過去問が解けないときは「何点だったか」より「なぜ落としたか」を見る
中学受験の算数で過去問が解けないときに大切なのは、過去問の回数を増やすことではなく、解けなかった原因を見つけて次の学習につなげることです。
この記事のポイントを整理すると、次のようになります。
- 同じ40点でも中身によって対策は違う。 点数だけでなく、どの問題をなぜ落としたのかを確認する
- 基本問題を繰り返し落とす、解説を理解できない、易しい類題でも解けない場合は、基礎まで戻ることを検討する
- 戻る場所は学年で決めず、「何も見ずに自分で解けるところ」を探す
- 過去問→原因確認→基本問題→類題→過去問の順で、自力で解けるようになったか確認する
- 入試が近づいたら、過去問の点数だけでなく、模試や学校別模試などの初見問題でも、取るべき問題を時間内に解けるかを確認する
過去問で合格最低点に届かないと、
「もっと過去問を解かせた方がいいのか」
「4年生や5年生のテキストまで戻った方がいいのか」
「この点数からでも間に合うのか」
と迷うことがあります。
しかし、実際にどこまで戻る必要があるかは、点数だけでは判断できません。
答案や途中式を見ると、問題文の読み取りで止まっているのか、使う考え方が分からないのか、式は立てられているのか、計算で間違えているのかが見えてきます。
そして、そこが分かれば、
「算数を全部やり直す」
のではなく、
「この単元の、この段階まで戻る」
という形で、やり直す範囲を絞ることができます。
私の指導でも、その場で解説を聞いて正解できただけでは、「できるようになった」とは判断していません。
必要なところまで戻ったあと、類題や確認問題を使いながら、問題を見たときに自分で考え方を判断し、式を立てて最後まで解けるかを確認します。
もし、
「過去問を何年分か解いているのに、点数が上がらない」
「解き直しはしているのに、別の問題になるとまた解けない」
「家庭では、どこまで戻ればよいのか判断できない」
という状態であれば、一度、過去問の点数だけではなく実際の答案と途中式から、どこでつまずいているのかを整理することをおすすめします。
算数専門の家庭教師として、現在の答案や学習状況を確認し、どこまで戻る必要があるのか、志望校に向けて何を優先すればよいのかを整理しています。
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