中学受験が近づくと、多くのご家庭が過去問や入試問題に取り組み始めます。
しかし、
・「何年分も解いているのに点数が上がらない」
・「解説を読めば分かるのに、次はまたできない」
・「難しい問題ばかり練習しているのに本番で点数が取れない」
という相談を受けることが少なくありません。
実は、その原因の一つは「入試問題だけ」を練習していることにあります。
私は、入試問題を解くことと同時に、どのテキストにも載っているような基礎問題を並行して練習することを強くおすすめしています。
なぜなら、中学受験の算数の入試では、必ず基礎問題が出題されるからです。
この記事では、その理由について詳しく解説します。
入試問題には必ず「誰でも取るべき問題」がある
「入試問題=難しい問題」というイメージを持つ方は多いでしょう。
もちろん、学校によっては非常に難しい問題も出題されます。
しかし実際の入試問題を見ると、特に大問2ではどの中学でも「一行問題」において、市販の問題集や塾のテキストに必ず載っているような基礎問題が毎年出題されています。
大問1や大問2では、「これは絶対に取ってほしい」という問題が数多く並んでいます。
つまり、入試問題の中には「合格するための問題」だけではなく、「落とさないための問題」も数多く含まれているのです。
合否は難問ではなく基礎問題で決まることが多い
もちろん、難問が解ければ有利です。
しかし、実際には多くの受験生が差をつけられるのは難問ではありません。
例えば100点満点の試験なら、
・基礎問題で60点
・標準問題で25点
・難問で15点
という構成になっている学校も少なくありません。
もし基礎問題で10点落としてしまえば、難問を1問解くよりも大きな失点になります。
つまり、難問を1問解ける力より、基礎問題を確実に取る力の方が合格に直結することが多いのです。
入試問題だけでは基礎力は意外と身につかない
ここで誤解してほしくないのは、「入試問題を解く意味がない」ということではありません。
問題は、入試問題だけを解いて基礎力まで身につけようとすることです。
入試問題は、
・単元が混ざっている
・問題数が少ない
・同じタイプを何度も練習できない
という特徴があります。
例えば、「割合」が苦手だったとしても、過去問では割合の問題が1問しか出てこないこともあります。
それだけでは、十分な練習量にはなりません。
基礎問題は「反復練習」ができる
一方で、テキストの基礎問題は、
・同じ考え方
・同じ解法
・少し数字だけ変えた問題
が何題も並んでいます。
つまり、「できるようになるまで練習する」ことができます。
スポーツでも、試合だけをして上手になる人はいません。
野球なら素振り。
サッカーならパス練習。
ピアノなら基礎練習。
どんな分野でも、基礎練習を繰り返すから本番で力を発揮できます。
算数も全く同じです。
入試問題で見つかった弱点は基礎問題で補強する
私がおすすめしている学習方法は、とてもシンプルです。
① 入試問題・過去問を解く
まずは現在の実力を確認します。
「どこで間違えたのか」「何ができなかったのか」を分析します。
② 苦手単元をテキストに戻る
例えば、平面図形が苦手なら、その単元の基本問題を解き直します。
このとき使うのは、塾のテキストでも市販教材でも構いません。
大切なのは、「解けるまで繰り返すこと」です。
③ 再び入試問題へ戻る
基礎力が上がると、以前できなかった問題が驚くほど解けるようになります。
「前は全く分からなかった問題が、基礎を復習しただけで解けた」ということは、本当によくあります。
難しい問題も結局は基礎の組み合わせ
入試問題を見ると、一見すると初めて見るような問題があります。
しかし、その中身を分解すると、一つ一つは基礎問題で学ぶ内容ばかりです。
つまり、難問とは、新しい知識ではなく、基礎知識を組み合わせた問題なのです。
だからこそ、基礎がしっかりしている子ほど、応用問題にも対応しやすくなります。
まとめ
中学受験の算数では、難問ばかりに目が向きがちです。
しかし、実際の入試では、どの学校にも「必ず取りたい基礎問題」が含まれています。
そのため、
・過去問だけを解き続ける
・入試問題だけを繰り返す
という学習ではなく、
・過去問で弱点を見つける
・テキストの基礎問題で補強する
・再び過去問で確認する
というサイクルを回すことが、着実な得点力アップにつながります。
難しい問題に挑戦することも大切ですが、それ以上に大切なのは、どのテキストにも載っている基礎問題を「確実に解ける力」に変えることです。
その積み重ねこそが、入試本番で安定して得点できる力となり、合格へとつながっていきます。
